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2006年8月19日 (土)

鼠小僧次郎吉 御用だ!

 

天保三年(1832年)8月19日、江戸・品川の鈴ヶ森の刑場で、鼠小僧次郎吉が処刑されました。

・・・・・・・・・・

真っ暗な闇夜の江戸の空に、けたたましく鳴り響くピーッ!ピーッ!という呼び子の音に、
眠りを妨げられた幼い姉と弟は、あわてて病気の母のもとにかけ寄る。

その、ただ事ではない雰囲気に、ふるえながら寄り添う三人が見つめる破れ障子の向こうには、いくつもの御用ちょうちんが右に左に走り回る。

「御用だ!御用だ!」
その声が少し向こうへ遠ざかったかと思うと、チャリ~ン!破れ障子の向こうから小判が2枚、3枚と投げ込まれる。

あわてて土間に飛び降り、小判を拾い集めた弟が、障子の隙間から外をのぞくと、千両箱を小脇にかかえ、屋根から屋根へヒョイヒョイっと小判をバラまきながら飛び移る人影。

手玉にとられて、右往左往するだけの同心・捕り方を尻目に、その人影はいつしかス~っと闇にかき消される。

盗みのターゲットはもっぱら大名や旗本の屋敷ばかり、人を傷つけず、脅さず、品物を取らず現金だけを取り、盗んだ現金は、まずしい庶民にバラまく・・・

『盗みはすれど、非道はせず』・・・義賊・鼠小僧次郎吉です。

カッコイイ~ヽ(´▽`)/カッコ良すぎる~

・‥…━━━☆

最近は、めっきり少なくなった時代劇ですが、以前毎日のように各チャンネルで時代劇が放送されていた頃は、鼠小僧(ねずみこぞう)と言えば、誰もが知る江戸のヒーローでした。

小川真由美さんの『女ねずみ小僧』はホントにカッコよかった~

実際の次郎吉は、12歳で父親と死に別れ、建具職人のところへ弟子入りし、建具職人として、りっぱに生計を立てていました。

ところが、小さい頃から身が軽かったからか、二十歳過ぎてから突然とび職に転職します。

その頃から、どんどん博打にハマっていき、いつの間にやら借金まみれで、4回の結婚のお相手もすべて稼ぎのある料理屋の酌女・・・つまりヒモです。

いつしか、生まれながらの身の軽さを盗みに使うようになってしまいます。

ターゲットを大名や旗本の屋敷にしたのは、お金持ってるわりには警備があまかったから・・・。

品物を取らず現金のみにしたのは、品物をさばくのがめんどうだから・・・。

脅したり強盗をしなかったのは、自分が、色白で小柄で弱々しい見た目だから・・・。

盗んだ金は、庶民にバラまく事なく、ぜ~んぶ博打に使っちゃいました。

なので、残念ながら、義賊ではなく、普通に盗賊です。

ただ、あちこちの賭博場で、少しずつ使っていて、ド~ンとはぶりよく賭けるといった感じではなかったので、「あの大量に盗んだお金はどこへ消えたんだ?」という人々の憶測から、貧しい庶民に分け与えた・・・という噂が広まったようです。

捕まるまでの約10年間で、122件の盗みを働き、盗んだ金額は1万両、現在のお金で約10億円と言われています。

しかし、いくら10億円盗んだと言ってもあくまで窃盗・・・本来なら、どう転んでも単なる死刑が関の山です。

強盗殺人でもない犯人を『市中引き回しのうえ獄門』というのは、異例の重さです。

これは、どう考えても見せしめ・・・鼠小僧がいかに江戸の庶民に人気があったかの証拠ですね。

処刑のこの日集まった人々は、罪人を見に来るというよりは、スターを見に来るといった感じで、普通、罪人が市中引き回しをされると、やじ馬から石を投げられるのが当然でしたが、次郎吉には誰ひとりとして石を投げつける者はなく、逆に手を合わせて拝んでいた人までいたというから、たいしたものです。

押さえつけられた封建社会の中で、権力を持つ大名・旗本に一泡ふかせた鼠小僧は、何だかんだ言っても、やっぱり江戸のヒーローだったんでしょうね。
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コメント

東京・両国の回向院には鼠小僧次郎吉の石碑があります。以前その石碑を見た事があります。

投稿: えびすこ | 2011年8月19日 (金) 18時14分

えびすこさん、こんばんは~

なんか「石のカケラを持って帰ると賭けごとに勝つ」とかで、いっぱい削られてるのは鼠小僧のお墓でしたっけ???

普通、お墓を削るのって、祟りがありそうで怖いですが、集団心理ってスゴイなと思いました。

投稿: 茶々 | 2011年8月20日 (土) 00時07分

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