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2007年1月13日 (土)

咸臨丸・品川沖を出航

 

安政七年(万延元年・1860年)1月13日、幕府の軍艦・咸臨丸が、アメリカに向かうため品川沖から出航しました。

・・・・・・・・・・・・

この年、幕府は日本初の『遣米使節団』を派遣する事を決め、外国奉行・塩見豊前守正興(しおみぶぜんのかみまさおき)を代表とする使節団77名が、アメリカ軍艦・ポーハタン号に乗船し、1月18日出航する事になっていました。

咸臨丸は、その護衛として、5日早く、安政七年(万延元年・1860年)1月13日品川沖を出航したのです。

咸臨丸はオランダ製で、長さ50m、幅7m、100馬力、300tの小型軍艦・・・提督は海軍奉行・木村義穀(よしたけ)、艦長は勝海舟乗員数は全部で96名で、あの福沢諭吉(11月25日参照>>)や、中浜万次郎(1月3日参照>>)も通訳として乗っていました。

Kanrinmaru4cc 勝海舟は、「この勝麟太郎が、自ら教育した門下生を率いて、この機会に日本人だけの遠洋航海でアメリカへ行くのは日本海軍の名誉である。」と、渋る幕府を説得して、意気揚々と自信満々でカッコ良く宣言して出航したのですが、これは海舟お得意の“ハッタリ”で、本当は、日本人だけでは、とてもおぼつかなかったのです。

そもそも、出航前から海舟は熱病にかかっていて、「畳の上で犬死にするなら、軍艦で死んだほうが・・・俺ってカッコイイ~」と思っての行動。

案の定、船上では下痢また下痢の嵐で、船室から一歩も出る事なく病人丸出しの体たらくだったようです。

それに、太平洋上に出るなり嵐に遭ったため、大将・木村を含む日本人の船員はひどい船酔いでダウンし、まったくの役立たず状態。

瀬戸内海の島出身の大ベテランの水夫でさえ「日本に帰りたい」泣きつく始末です。

しかし、それでも咸臨丸が何とか太平洋横断に成功するのは・・・実は、咸臨丸には、たまたま船が難破して日本に漂着していたアメリカ海軍のジョン・ブルック大佐彼の部下11名が、「遭難したアメリカ人を送還する」という名目で、同乗していたからなのです。

ブルック大佐の日記には「勝と木村は出航したその日に早くもダウン。
日本人は帆の操縦がまったくできず、荒天候の経験もなし、風を見て舵をとる事もできない」
と書いています。

ブルックさんたちは、正式に航海の指導を頼まれたわけでもないのに、なんとか教えようと試みますが、日本人乗組員は「非常に面倒くさそうで、なんだかんだと言い訳して、教わる気ゼロ」だったそうです。

同じ日本人として恥ずかしいので、ここは、一応「船酔いがひどかったのでヤル気が出なかった・・・」と信じたい・・・((ノ)゚ω(ヾ))

そんな日本人のだらしなさを目の当たりにしても、ブルックさん以下アメリカ人乗務員が頑張ったのは、他ならない「アメリカに帰りたい!」一心だったから・・・

彼らのおかげで、咸臨丸は37日間の航海の末、ポーハタン号より一足早くサンフランシスコに入港することができました。

港では、黒山の人だかり・・・21発の祝砲を撃って熱烈大歓迎です。

「向こうからの祝砲に答えて、早く応砲を撃たなければ・・・でもボク自信ない~」と、最初はためらっていた海舟でしたが、そこは人並みはずれた“ええかっこしぃ~”の性格上、引き下がるわけにはいきません。

「えぇ~い!」と、一か八かでやってみると、応砲はみごと大成功!

結局、この時の応砲だけが、この航海中で日本人がやった唯一の事だったとか・・・。

それでも、「俺が咸臨丸に乗って外国人の手を少しも借りないでアメリカに行った・・・」と、自慢げに本に書いちゃう海舟のプライドの高さ(?)はスゴイ!

さすがに福沢諭吉さんは、「他人の手を借りずに出かけて行こうとした勇気は立派。これだけは日本の名誉として世界に誇れる・・・」と、少し話を濁していますが・・・。

とにもかくにも、この先、彼らはアメリカの各地に赴いて“その目で外国を見聞する”という大きな遺産を持ち帰る事になるわけなので、すなおに「おめでとう!」と言って差し上げましょう。

アメリカでの海舟さんたちのエピソードは、2月26日【咸臨丸・シスコへ到着】でどうぞ>>
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