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2007年4月 5日 (木)

風林火山・孫子の兵法2・始計篇

 

今日は、ふたたび孫子について書かせていただきます。

先日書いた【風林火山・孫子の兵法】(3月11日参照>>)で、武田信玄の旗のもとになった有名な「風林火山」の意味や、「孫子」についてだいたいの事はわかっていただけたでしょう。(まだのかたは、そちらから先に読んでいただくとありがたいです)

・‥…━━━☆

孫子は、13篇からなる兵法書です。

  1. 始計(しけい)
  2. 作戦篇
  3. 謀攻(ぼうこう)
  4. 軍形篇
  5. 兵勢篇
  6. 虚実篇
  7. 軍争篇
  8. 九変篇
  9. 行軍篇
  10. 地形篇
  11. 九地篇
  12. 火攻篇
  13. 用間篇

以上の13篇・・・先日も書きましたが、「風林火山」は7の軍争篇から引用されてします。

・・・で、今日は、順番からいって最初の「始計篇」について・・・

始計とは、読んで字のごとく、始めのはかり事・・・つまり戦争に向かう心得や事前の準備という事です。

『兵は国の大事にして、死生の地、存亡の道なり。察せざるべからず』
「戦争は国家の一大事で、国民の生死、国家の存亡にも関わってくるのだから細心の注意を払って検討に検討を重ねなければならない」

戦争は、何も生み出しません。
亡くしていくばかりです。

孫子は、まず冒頭にこの言葉を持ってきて、戦争を安易に起こしてはいけない事、重大だからこそ事前に充分な検討が必要なのだという事を教えてくれています。

これは、冒頭に語っているという事でもわかるように、孫子において最も重要な事、言わば「テーマ」のような事柄です。
「戦争はできればしないほうが良い」という事は「孫子」の根底に流れる思想と言うべき物でしょう。

そして、次に、戦争に突入するかどうかの判断をするための具体的な基本条件を挙げていきます。
『故に、これを経(はか)るに五事を以ってし、これを校(くら)ぶるに、計を以ってして、その情を索(そと)む。一に曰く、二に曰く、三に曰く、四に曰く、五に曰く。』
「道・天・地・将・法の五つの事に関して、それが整っているかどうかで判断をする」

「道」というのは、道理・・・つまり「大義名分」です。
その戦争にちゃんとした大義名分があれば、国民も納得し賛成してくれるはず。
そうすれば、「主君と生死をともにする」という気持ちにもなる物です。

「天」というのは、時期の事。
天候や季節の事も含めて、今がその(戦争する)時なのかどうなのか?という事を判断するのです。

「地」というのは、まさに「地の利」
地域の広さや地形を考え、どの場所で事を起こすか?などの判断をするのです。

次に「将」というのは、大将の器量・・・つまり、国の君主が立派かどうか、信頼に値する人物なのか、法令を守って賞罰などを公平に行っている人なのか・・・いくらいろんな条件が整ってても、肝心の大将が情けなくては、勝てる戦も勝てませんから・・・。

最後に「法」・・・これは、軍のよしあしの事です。
軍の編成や、軍需物資の管理、適材適所への配置など、強い・・・という事も当然ですが、いくら一人一人が強くても、チームワークがなってないとダメですから軍のまとまりも考えなくてはなりません。

・・・で、相手と自分を見比べて、これらの基本的な条件をどちらが満たしているかで、勝てるか勝てないかの判断をするわけです。
「勝てない戦争はしない」というのが孫子の鉄則ですから、おのずと戦争をするかしないかの決定も判断する事になります。

ただし、この基本の条件に関しての判断はあくまで、事前準備での判断。
実際には、「時々の状況を判断して臨機応変に対処しなければならない」と、孫子はおっしゃる・・・難しい事を・・・そこを一番教えてほしいのに・・・孫子曰く、それは実践経験で身につける物なのだそうです。

そして、最後に始計篇・準備段階でのしめくくり『兵は詭道なり』
この言葉、先日の大河ドラマでも、山本勘助が連呼してましたね。
これは、この孫子の始計篇に登場する言葉なのです。

これ、昔、最初に聞いた時、「機動戦士ガンダム」機動かと思ってました。
「兵はフットワークが軽くなくてはいけない」という意味なのかな?なんて・・・。
この時の「キドウ」って「機動」ではなく「詭道」なんですね。

「詭道」の「詭」は、いつわるとか騙すとかという意味・・・つまり「正道」の反対です。
「兵」というのも、この時は「兵士」という意味ではなく、「戦争」の事です。
つまり、『兵は詭道なり』とは「戦争は騙す事」という意味です。

少し長いですが、好きな部分なので引用させていただきます。
『兵は詭道なり。
故に能なるも不能を示し、用なるも不用を示し、
近くともこれに遠きを示し、遠くともこれに近きを示し、
利にしてこれを誘い、乱にしてこれを取り、
実にしてこれを備え、強にしてこれを避け、
怒にしてこれを撓
(みだ)し、卑にしてこれを驕(おご)らせ、
(いつ)にしてこれを労し、親にしてこれを離す。
その無備を攻め、その不意に出ず。』

「戦とは騙す事。
できるのにできないふりをしてみたり、いるのにいらないように見せたり、
近いのに遠くに見せたり、遠いのに近くに見せたり、
有利だと思わせて誘い出し、混乱させてやっつける、
充実している敵には準備を整え、強い敵とは戦いを避け、
挑発して掻き乱しといて、低姿勢に出て油断させる、
休養をとっている者は疲れさせ、親密にしている者同士を引き離す、
無防備なところを攻めて、意表をつく。」

でも、やっぱり、基本はこうだけど、その時々で臨機応変に・・・っていうのが、ここでもつくんですよね~。
そこんとこが、一番知りたい~!

孫子の中でも「これらの事を知っている武将はたくさんいるが、真に理解している人は少ない」とも言っています。

やっぱり、読むだけではだめか~って事ですね。
真に理解するには、まだまだ経験を積まなければ・・・。

・・・て、事で、今日は孫子の「始計篇」を紹介させていただきました~。

Kibataicc 今日のイラストは、
大河ドラマのオープニングの雰囲気で『武田の騎馬隊』を書いてみました~。

たいぶ昔の「独眼竜政宗」のオープニングもそうでしたが、乗馬の上手なかたが連なって行軍する姿は、本当に美しいですね。

もちろん俳優さんでも乗馬のお上手なかたはおられますが、団体となるとどうしても乱れてしまいます。
オープニングはきっと、乗馬のうまい集団のかたたちなんでしょうね~実にキレイです。
毎週見入ってしまいます。

・‥…━━━☆

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