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2007年12月30日 (日)

ついに禁止令!明治の決闘ブーム

 

明治二十二年(1889年)12月30日、『決闘罪ニ関スル件』・・・つまり、「決闘をすれば処罰されますよ」っていう法律=『決闘処罰令』が公布されました。

・・・・・・・・・・

何事も「禁止令」が出る背景というのは、だいたい同じような経緯をたどる物で・・・要するに、この頃、メッチャ決闘が大流行して、この法律も、困った末の禁止令というお決まりのパターンだったんですよねぇ。

明治に・・・決闘??
これも、文明開化の一つ?・・・西部劇で見るあの決闘が、西洋の風習の導入、時代の最先端とばかりにもてはやされたのだそうです。

もともと、ヨーロッパでも決闘は違法な行為ではなく、日本にも「果し合い」という物があり、それまでは、罪に問われる事は無かったのですが、あまりの流行に社会現象となり、「このままでは秩序が乱れる」として、『禁止令』の発布と相成ったのです。

もちろん、流行するには、『決闘』なる物を世間一般に知らしめた、ある出来事があったワケですが・・・

そもそもの発端は、前年の明治二十一年(1888年)6月18日、雑誌『日本人』に掲載された「三菱高島炭鉱の惨状」という記事に始まります。

新聞記者である松岡好一は、高島炭鉱を訪れ、そこで見聞きした炭鉱夫の労働の実態を記事にしました。

「その労働状況は過酷極まりない物で、まるで牛馬のごとく働かされ、炭鉱社長は閻魔大王のごとし」と・・・。

すると、今度は、それに反論する記事が「朝野(ちょうや)新聞」に掲載されます。

当時、立憲改進党で活躍していた政治家・犬養毅(いぬかいつよし)が、松岡の書いた炭鉱事情を否定し、炭鉱主側を正当とする論理を展開したのです。

これに、怒り爆発した松岡は、同じ年の9月・・・
「如何にも天下の公道に相背(あいそむ)き候と心外無念に存じ候」
・・・と、犬養に決闘状を送りつけました。

介添人が志賀重昴(しげたか)三宅雪嶺(せつれい)という、当時の有名人であった事もあって、この決闘の話題はたちまち大評判になります。

世間が事の成り行きに注目する中、決闘状を受け取った犬養は・・・
「日頃から、決闘なる物は野蛮な風習だと思っていて、こんなのは廃止すべきと考えているから、せっかくお申し込みいただいたけれど、それに応じる事はできません」
・・・と、あっさりと、右から左に受け流してしまったので、この決闘に関しては、これ以上、事態が悪化する事はありませんでした。

しかし、事が大きくなったのは、この後・・・世間一般の多くの人は右から左に受け流す事はできなかったんです。

「決闘が良いか?悪いか?」をめぐって、各地の法律学校では大討論会が開かれ、毎日のように新聞紙上をはじめ、いたるところで決闘論議が交わされる事になるのですが、議論を戦わせているだけなら良かったのです。

問題は、それに影響されて、本当に決闘の申し込みが相次ぐ事になってしまった事です。

それは、「猫も杓子も寄るとさわると決闘々々とせり詰める」と、称される程の社会現象と化しました。

ただし、まだ、この時は「決闘の申し込みが相次ぐ」だけで、実際に決闘を行う段階には至っていませんでした。

しかし、それこそ、ハヤリの波に乗り、勢い余って本当に被害者が出ては大変な事。

そうなる前に・・・とばかりに、明治二十二年(1889年)12月30日『決闘罪ニ関スル件』という法律を発布し、決闘を行った者には、「二年以上五年以下の重禁錮」の厳罰が科せられる事になったのです。

ちなみに、この法律、現在も立派に生きている現役の法律です。
(重禁錮は有期懲役に変更されていますが・・・)

この法律・・・明治のこの時は、すみやかに法律が制定されたおかげで、実際に決闘が広まる事もありませんでしたし、制定以来ほとんど適用される事がなく、長い間、過去の遺物として法律のみが存在する状態となっていました。

しかし、残念ながら、最近になって適用される事例がいくつかあるそうです。

不良少年グループのリーダー同士などの間で行われる、いわゆる「タイマン」というヤツが、この法律の決闘の定義に当てはまるのだとか・・・。

もちろん、実際に殴りあった当人だけではなく、あおった人、止めなかった人、見ていた人等等・・・関係者すべてに適用されますので、くれぐれもご注意を・・・

決闘は時代劇の中だけにとどめておきたいものです。
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