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2009年6月 4日 (木)

レキジョに人気の前田慶次郎~爺ちゃんでもカッコイイ!

 

慶長十七年(1612年)6月4日、戦国のかぶき者として知られる前田慶次郎が70歳前後でこの世を去りました。

・・・・・・・・・

・・・と、上杉側の史料にはありますが、別の史料には慶長十年(1605年)11月9日73歳で没したというのもあります。

とにかく、謎に包まれた人・・・

空前の戦国ブームと言われる今日この頃ですが、群がるレキジョと呼ばれる歴史好きの女性たちから、真田幸村長宗我部元親伊達政宗らと並んで1・2を争う人気なのが、この前田慶次郎さん。

しかし、上記の通り、本来の歴史にはほとんど登場せず、ゆえに、そのキャラクター設定が極めて広範囲に設定できるところから、様々な小説に取り上げられ、しかも、それらが、かなりのいいデキであるため、今では、そのイメージがバッチリとついてしまった感じですねぇ。

さらに、漫画・花の慶次が大ヒットした事で、最近では、その名前さえ前田慶次という「郎」がつかない形で書かれている書籍もありますが、実は、通称だけでも、慶次郎慶二郎啓次郎宗兵衛と、いくつか存在し、名前も、利益(とします)利太(としたか)利大(としひろ・としおき)利貞(としさだ)利卓(としたか)と色々あります。

なんせ、亡くなった日も定かではないし、その年齢もまちまち・・・当然、生まれた年数もわからなけりゃ、その出自もよくわからないわけで、中には架空の人物だという意見もあります。

・・・で、今日のところは、そのご命日(かもしれない)という事で、「おそらくこれは本当だろう」というようなお話や、よく知られた逸話などをご紹介しながら、前田慶次郎さん(今日はこう呼びます)に迫りましょう!

・‥…━━━☆

前田慶次郎は、その前田という姓からでも察しがつくように、あの加賀百万石の前田家ゆかりの人物・・・

有名な前田利家の兄である利久の養子・・・つまり、義理の甥っ子になるわけです。

その利久に実子がなく病弱であった事から、織田信長の命により、前田家は弟の利家が継ぐ事になって、逆に、利久・慶次郎父子は、その利家に仕える形となります。

豊臣(羽柴)秀吉徳川家康が戦った小牧長久手の戦い(3月13日参照>>)の時には、北陸版の末森城の攻防戦(8月28日参照>>)にも出陣しましたし、小田原城攻め(12月10日参照>>)の時も、一翼を任された利家について慶次郎も参戦しています。

しかし、秀吉の天下がほぼ定まり、平和な日々がしばらく続くと、慶次郎の根っからのかぶき者としての性格が、その本性を現してきます。

かぶき者とは「傾奇者」の文字でもわかるように、いわゆるアウトロー=はみだし者的な人の呼び名で、武士社会の上下関係を嫌い、しきたりや礼節を嫌い・・・

そうなると、当然の事ながら、叔父・利家が、自分の若かりし時の事は棚に上げといて、慶次郎に注意するわけですが、もちろん、彼にとっては、「ウザイ」の一語に尽きるわけで・・・。

やがて徐々に反発が強まる中、天正十五年(1587年)、養父の利久が亡くなった事をきっかけに、もはや前田家とは縁がなくなったと思ったのか、その直後(もしくは3年くらい後)前田家を出奔して浪人の身となります。

この時、慶次郎は、利家を屋敷に招待して、「どうぞ、どうぞ・・・」と、お風呂に入るように勧めますが、実は、その風呂は水風呂・・・

油断して、すすめられるがまま風呂に入った利家が、「ギャァー」と叫ぶのを尻目に、そのまま京都へと逃走した・・・なんて、有名なエピソードもありますが、まぁ、これは、それだけ奇行が激しかったという事を伝えたいんでしょうな。

なんせ、冒頭の死没の年齢から考えると、この時点で少なくとも40代後半・・・ヘタすりゃ、50~60歳近くで、こんな、磯野家のカツオみたいな事、やってる場合じゃないですからねぇ。

・・・で、京都での浪人暮らしをはじめた慶次郎は、思う存分、大好きな文化・芸術に接する事になります。

各武将が開く連歌会に出席したり、古田織部からお茶を習ったり、謡曲や仕舞をたしなみ、源氏物語などにも親しんだり・・・

ちょうど、この頃に京都で知り合ったのが、男盛りの40代の直江兼続(かねつぐ)・・・。

武勇の誉れ高かった事から、浪人中にも、いくつかの仕官の話もありながら、自由奔放に暮らしたいがゆえに断り続けていた慶次郎が、この兼続とは意気投合したようで、「気ままな暮らしをさせてくれるなら・・・」と、この後、会津・上杉家へ仕官します。

この時の有名な逸話として・・・

初めて、上杉景勝と会う事になった慶次郎は、手土産として大根を持参して、「俺は、この大根のように、噛めば噛むほど味わい深い人間だ」と自己紹介したのだとか・・・

もう、こうなったら60歳・70歳になってもかぶき者でいてください!・・・って感じですが、のんびりと、風流に浸っている時間はありません。

そう、関ヶ原の戦いが近づいています。

すでに、ブログで書かせていただいているように、慶長五年(1600年)4月1日に景勝が、家康の上洛要請を拒否した(4月1日参照>>)事で、その雲行きは怪しくなり、4月14日の『直江状』(4月14日参照>>)で決定的となり、家康は会津征伐を決意します。

家康が会津を攻めて来たなら、一戦交える覚悟だった景勝でしたが、ご存知のように、家康が畿内を留守にした事で、石田三成伏見城を攻撃(7月19日参照>>)・・・大乱の幕が切って落とされ、家康は西へと戻り、関ヶ原へと突入します。

家康との直接対決は無くなったものの、関ヶ原と同じ9月15日に勃発する家康配下の最上義光との長谷堂の戦い(9月16日参照>>)では、60~70歳前後でありながら、朱塗りの槍に『大ふへん者』の旗指物(はたさしもの・6月28日参照>>で奮戦した慶次郎・・・この時の戦いぶりが、あまりにも猛々しいので(10月1日参照>>)、作家さんは、慶次郎を若武者に描きたくなるんですよねぇ~どうしても・・・。

その天下分け目の関ヶ原で、西軍についた形となった上杉家は、米沢30万石へと減封される事になりますが、それでも慶次郎は上杉を離れる事なく、景勝&兼続に従って米沢に向かいます。

もっとも、その後は、城下で源氏物語の講義などしながら、風雅に暮らしたという事なので、他の大名に仕官して、またまた武勇伝を残すよりは、こちらのほうが性に合ってたのかも知れませんね。

かくして慶長十七年(1612年)6月4日、その生涯を終えた前田慶次郎さん・・・

おそらく、本当の慶次郎は、現代の私たち描く、あのイメージとはかけ離れた人物なのかも知れませんが、もともと、ほとんどが謎に包まれた生涯なのですから、描くときは思いっきりカッコよく、永遠の20代として描かれていても、それはそれで歴史のロマンの一つなのかも知れませんね。
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家康・江戸開幕への時代」カテゴリの記事

コメント

天地人には出てこないのかなぁ?昨日の話では接待役に前田利家が命じられてたので、その流れで兼継と知り合うような話しになってるんでしょうかね。それとも、天地人には出て来ないんですかね?。関東管領だったり真田信之だったり…これまでにも出て来て当然の人物が出てきて当然と思われる場面で出て来てない事を考えたら、前田慶次郎は出て来ないと考えた方が良いですかね。

投稿: マー君 | 2009年6月 8日 (月) 16時23分

マー君さん、こんにちは~

あの小早川秀秋を上地クンが演じるというのが、けっこう早いうちから発表されていましたが、前田慶次郎は、未だ配役が誰なのかも発表されていないようなので、出でこない可能性もありますね~。

今年の大河は先が読めませんww

投稿: 茶々 | 2009年6月 8日 (月) 18時16分

以前も触れたと思いますが、去年の「天地人」で前田慶次郎が登場しないと判明(天地人ファンミーティングで判明)した後、NHKにものすごいクレームが来たらしいです。

これは年齢の兼ね合いでしょうがないと思いますが、今年の「龍馬伝」でもし、新撰組が登場しない事になると、またクレームが殺到か?でも、あの路線では登場させない可能性がありますね。小説版が同時進行で出ているのでまだ人物の登場時期がわかりません。
登場するとしたら7月以降と思いますが、まだ配役が決まってないです。
それにしても慶次郎人気は衰えないですね。

投稿: えびすこ | 2010年3月24日 (水) 09時04分

えびすこさん、こんばんは~

前田慶次郎は漫画のイメージが強すぎるために出さなかったのでしょうが、それなら、なんで猿飛佐助をい出したのかを知りたいですねww

投稿: 茶々 | 2010年3月24日 (水) 20時01分

確かに少し、猿飛佐助が出ていましたね。
ならば服部半蔵も出してもいいのかも。
架空人物の佐助・初音が出て、実在人物の半蔵などが出ていない。原作小説に即した脚色とはいえ、「くしの歯が欠けた」人物構成でしたね。
さすが「十勇士勢ぞろい」だと、もはや天地人ではなくなってしまいますが(笑)。

投稿: えびすこ | 2010年3月25日 (木) 16時38分

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