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2010年4月27日 (火)

郵便の父・前島密の功績

 

大正八年(1919年)4月27日、「郵便の父」として知られる前島密が85歳でこの世を去りました。

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維新の動乱期、大久保利通(としみち)が推し進めた「大坂遷都案」(1月19日参照>>)をバッサリ斬り捨て、「東京遷都論」を展開した事でも知られる前島密(ひそか)・・・首都になりそこねた大阪府民としては、ちょっとうらめしいお方ではありますが、近代日本の郵便制度を確立させた功績は、やはり、すばらしいものですね。

Maezimahisoka400 越後(新潟県)の豪農・上野家の次男として生まれた密・・・幼名は房五郎(ふさごろう)と言います。

幼い頃から、誰もが認める優秀さで、本人は医者を目指して、12歳の時に江戸へ出ます。

医学の他にも英語を習い、毎日勉強に励む彼でしたが、あのペリーの黒船を見たのをきっかけに、学問の方向性を変えます。

数学、経済学、航海術・・・その目標は、新しい国家建設に必要な知識の習得へと変わったのです。

やがて、慶応二年(1866年)、縁あって幕臣の前島家の養子となり、前島来輔(らいすけ)と名乗ります。

幕臣ですから、維新後は静岡藩で開業物産掛(かかり)の業務を務めていたのですが、明治三年(1870年)、近代国家建設に役立つ人材を求めていた新政府の目に止まり、大蔵省改正掛への勤務を命じられます。

ここは、上司として大隈重信(おおくましげのぶ)渋沢栄一が所属する重要部署・・・日本が近代国家へと生まれ変わるための制度改革を行うところで、所属メンバーは、海外経験者や外国奉行所勤務者などのエリートばかりでした。

そんな中で、彼は、鉄道建設の概算や経営計画などを担当して成果をあげます。

その実績もあって、鉄道建設の借款(しゃっかん・国と国とのお金の貸し借り)契約を結ぶという任務を命じられ、イギリスへと向かう事になるのですが、同時に外国の郵便制度を調査する事も、彼に課せられた大きな任務でした。

1年足らずの滞在の後、翌・明治四年に帰国した彼は、現地で目の当たりにした知識を生かして、早速、明治四年3月1日から、東京・京都・大阪の3都市での、郵便事業のスタートに取り掛かりますが、まずは、江戸時代から続く飛脚制度の廃止・・・

それまでは民営だった郵便制度を、この日から1年かけて全国津々浦々まで、国営で事業展開される事になります。

ちなみに、この明治四年3月1日を新暦になおすと西暦1871年4月20日なる事から、毎年、4月20日は『郵政(逓信)記念日』という記念日なのだそうです。

平成の今となっては、国営が良いのか?民営が良いのか?
意見の分かれるところでもありましょうが、この明治の世での国営化は、絶対に必要な事だったのです。

・・・というのも、ご存知の方も多いかも知れませんが、江戸時代の飛脚という物は、かなりの高額だったわけで、よほどのお金持ちしか、その制度を利用できなかったのです。

前島密が目指したのは、誰もが気軽に利用できる安価の郵便制度・・・しかも、民であろうが官であろうが、区別のない同一料金で、日本全国すべての場所に届けられる事・・・。

ただ、手紙の中には、秘密にしたい大事な手紙もある・・・
大事な手紙ならば、それが相手に届いたかどうかが気になる・・・
さらに、大事な内容ならば、一刻も早く知らせたい時がある・・・

しかし、安価を売りに発足する統一料金の制度では、できるサービスにも限りがあります。

そこで、彼が考えたのが「速達」「書留」・・・今、現在も使われているこの名称は、この前島密が命名した物なのです。

もちろん、「郵便切手」という名前も前島さんの命名・・・

この切手についても、何回も使われる事を防ぐには、どうしたら良いかという所での苦労があり、はじめは、薄くて弱い「玉川唐紙」という紙に印刷して、なんとが防いでいたのですが、後に、アメリカ旅行の途中、乗っていた船のアメリカ人船長に、「消印」という物がある事を聞き、以後は、その「消印」が採用される事になったのです。

さらに、明治八年(1875年)には郵便為替郵便貯金も誕生・・・同じ年には外国へ手紙を出せるシステムも構築し、世界に誇れる近代的な郵便制度となったのです。

何よりも、庶民の利便性を一番に考え、何もないところからのスタートで郵便制度を確立させた前島密は、自らが命名した1円切手の顔として、現在も活躍中です。

郵政民営化の是非が問われる平成の今・・・今度は貯金の限度額を上げるの上げないのと・・・
 

論争をくりかえしている議員の皆様!
それは、本当に、
庶民の利便性を一番に考えた制度ですか?

とにもかくにも、前島さんに恥ずかしくないような、平成の郵便制度を構築していただきたいと思います。
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