« まさに背水の陣~瓶割柴田の野洲川の戦い | トップページ | 物部滅亡ヘのカウントダウン~穴穂部皇子・誅殺 »

2010年6月 5日 (土)

一昼夜に2万余句~井原西鶴「吟じます!」

 

貞享元年(1684年)6月5日、井原西鶴が、一日一夜にして2万3500句の新記録を樹立しました。

・・・・・・・・・・・

大坂の町人の家に生まれ、15歳の頃から俳諧(はいかい)を学び、21歳の時に点者(てんじゃ・連歌や俳句などの優劣を判定する人)となったと言いますが、なんと言っても40歳の時に書いて大ヒットさせた『好色一代男』が有名ですよね。

ただ、一時期忘れ去られた時代があったためか、「好色物」「雑話物」など、その作品は残るものの、生き方や人となりについては、あまりくわしい事が残っていない人でもあります。

まぁ、作家さんとしては、「作品が残る」という事が最大の評価と言えるでしょうし、その作品から、ご本人の考え方なども垣間見えるわけですが・・・。

Saikaku400 そんな井原西鶴(さいかく)さんの、若き日のエピソードとして知られるのが、今回のギネス並みの記録のお話です。

それは、未だ『好色一代男』のヒットもなく、俳諧にドップリ浸かっていた30代の頃・・・

彼は、京都三十三間堂通し矢にならって、一昼夜に何句の俳諧を作れるか?に挑戦する事にしました。

時は延宝五年(1677年)5月・・・場所は大坂本覚寺・・・

この時は、一日一夜にして1600句を作り、『俳諧大矢数』として出版しました。

これが、なかなかの評判・・・

そうなると、当然の事ながら、「その記録に挑戦しよう!」とする人が現われるもの・・・

早くも4ヵ月後の9月には、大和(奈良県)多武峰(とうのみね)の僧・月松軒紀子(きし)が、1800句を独吟して、その記録を塗りかえます。

さらに2年後の延宝七年には、仙台に住む大淀三千風(みちかぜ)なる人物が、3000句を作って記録を更新・・・

「そもそもコレ、俺のアイデアやん!」

こうなったら西鶴も、本家本元として黙っているわけにはいきません。

翌年の延宝八年には、多くの聴衆の目前で4000句「吟じます!」

しかし、そこで止まらない!
なかなかの意地っ張り&負けず嫌いぶりを見せてくれるのが、今回の更なるチャレンジ!

貞享元年(1684年)6月5日、江戸の俳人・宝井其角(きかく)を見届け人に招いて、大坂は住吉神社の境内にて、数百人の見物人の中、一日一夜にして、なんと!2万3500句を吐きました。

そう・・・「ひねる」というよりは「吐いた」・・・

一日24時間で2万3500だと、約4秒に一句?!・・・って、「ねずっちです」も真っ青・・・いや、4秒なら「整いました」って言ってるうちに過ぎてまう!

・・・ていうか、、さすがに「ホンマかいな?」と疑いたくなるスピードですが、これだけの多くの人の前なんだから、やっぱ、本当なんでしょうね。

ギネスの人、呼んでおけば良かったですね。

ただし、その時吐いた句として記録されているのは
♪俳諧の 息の根とめん 大矢数(おほやかず) ♪
と、最初に吐いた一句のみ・・・

記録を担当した人物が、この一句のみを記して、その後は、棒線を引っ張って、その数のみを数えたため、どのような句を吐いたのかは、残っていないのだそうです。

それなら「何本かはゴマかせそうだ」ってな、よこしまな勘ぐりはやめときましょう。

西鶴が、『好色一代男』を発表し、更なる有名人となるのは、この2年後の事です。
 .

内容が「おもしろかった」と思っていただけましたら
右サイドバーsoonにあります【拍手!!】で応援を・・・
このブログ内での人気ページとしてランキングされます
(゚ー゚)
あなたの応援で元気でます!

    にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ



 

 


|

« まさに背水の陣~瓶割柴田の野洲川の戦い | トップページ | 物部滅亡ヘのカウントダウン~穴穂部皇子・誅殺 »

江戸時代」カテゴリの記事

コメント

やっぱり天才は変わってますね…不休不眠飲まず食わずで。なんのために?負けるのやだから!って感じですか。ちょっとかわいいかも・・・

投稿: Hiromin | 2010年6月 5日 (土) 15時57分

Hirominさん、こんばんは~

天才肌の人って、よく、子供相手に熱くなったりしますもんネ!
なんか、カワイイです。

投稿: 茶々 | 2010年6月 5日 (土) 18時52分

マジギネスもんですね
西鶴様お見事です。
途中で喉痛くなったり唇乾いたりしなかったのかしらん(笑)

投稿: みか | 2010年6月 5日 (土) 22時43分

みかさん、こんばんは~

ホント!
4秒に一句は、状況が読めませんね。
早口に次から次へという感じだったんでしょうか?
喉を潤すヒマもありませんね。

投稿: 茶々 | 2010年6月 5日 (土) 22時56分

こんばんは。
俳句ひとつひねるのに、1日かかる人もいるのにすごい才能です。俳人になっていたかもしれませんね。小説でなくて。

投稿: やぶひび | 2010年6月 6日 (日) 01時18分

やぶひびさん、こんばんは~

ほんとに…スゴイ才能です。
できるなら、どんな句を読んだかも記録しておいていただきたかったですね~

投稿: 茶々 | 2010年6月 6日 (日) 01時49分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/47570/35066910

この記事へのトラックバック一覧です: 一昼夜に2万余句~井原西鶴「吟じます!」:

« まさに背水の陣~瓶割柴田の野洲川の戦い | トップページ | 物部滅亡ヘのカウントダウン~穴穂部皇子・誅殺 »