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2010年6月13日 (日)

公費使いまくり…朝日文左衛門の出張日記

 

元禄四年(1691年)6月13日、尾張徳川家の家臣・朝日重章が、この日から享保二年(1718年)の12月29日までの26年8ヶ月に渡る日記を書き始めました。

・・・・・・・・・・

その日記の名前は『鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)と言います。

書いた人は、朝日文左衛門重章(あさひぶんざえもんしげあき)さん・・・

そう、以前、尾張徳川家の第4代藩主・徳川吉通(よしみち)さんの生母・本寿院(ほんじゅいん)さんのお話のところで登場した日記です(2月14日参照>>)

そのお話でもわかるように、少々、藩に対する不満や批判的な事も記されているため、長い間封印されていて、世に出なかった日記ではありますが、今となっては、当時の世相を知る貴重な史料という事になります。

文左衛門さんは、尾張藩の中でも下級武との事・・・

ただ、その死後まもなく朝日家が断絶してしまうため、この日記以外の事は、ほとんどわかっていないのですが、下級という身分から、一般庶民とのつき合いもあり、それでいて、ちょっとしたおエライさんとのつき合いもあり、そんな毎日の生活の身の回りの事から、殺人事件や町の噂などなど・・・その内容ときたら、それはそれは興味深いわけです。

・・・で、上記のような藩のメンツに関わるような重い話もあれば、ちょっとツッコミたくなるようなお話もあるのです・・・なんせ26年間ですからね。

そんな文左衛門さんは、元禄十三年(1700年)の4月・・・27歳の時に、御畳奉行という役職につき、その翌年の4月から出張旅行に出かけるのですが、その56日間の日記が、実にオモシロイのです。

江戸時代の武士は、特別な許可がおりない限り、外泊なんてなかなかできない物・・・それだけでもウレシイのに、藩命令の出張とくれば、その費用もすべて藩持ち・・・しかも、その名目は畳表の買い付けですから・・・

そう、面会する相手は業者で、こっちは客なのですから、もう、だいたい想像つきますよね~。

特に、文左衛門の奥さん・けいさんは、ヤキモチ焼きのヒステリー気味な嫁ですから、そんな奥さんと離れて、公費での上方旅行・・・もう、気分はウキウキ!

槍持ち1人、草履取り1人のお供を連れて、ルンルン気分で、いざ!上方へ・・・

目的地につけば、案の定、畳商人が、連日連夜の接待攻撃・・・

今日は相撲で、明日は歌舞伎・・・
夜は夜で、料亭での大宴会が終れば、遊郭に繰り出す・・・

もちろん、この遊興費用は業者持ち!

「昼前から誰それと飯を食って、その後、誰それとお酒を飲んで、次は東の座敷に移り、また飲んで・・・」

・・・と、延々と酒盛りの様子が綴られ、その合間合間には、芝居小屋の入場料や、そこで食べたお弁当の値段まで、しっかりと書きとめられています。

さらに、
「○○屋の××ちゃんが良かった」
だの
「□□楼の△△ちゃんのサービスがスゴかった」
だの・・・

おいおい!仕事はどーなってんの!

・・・で、そろそろ名古屋に戻らなければ・・・って頃になって、ようやく、ある1人の畳職人の名前が登場し、
「役目なので、一度は見てみる」
と、やっと、畳表の見本を見に、工場見学に行った話が登場します。

56日間の出張日記中、仕事の話は、この一回きり・・・

今なら、業者と官の癒着とばかりに、マスコミが一斉に食いつくところでしょうが、当時は、こんなの当たり前・・・ご本人も藩も商人も、まったく悪いと思っていないので、ものの見事にキッチリと書き残されているわけです。

この尾張藩には、弘化三年(1846年)に視察旅行に行った下級武士の日記『御座所日記』なる物も残されているようですが、この内容も、今回のと、ほとんど変らず・・・つまり、150年経っても、同じような事をやってたんですね~。

・・・とは言え、現代でも、はじける前のバブルの頃は、かなり高額の接待費がまかり通っていたような・・・???

そう言えば、つい最近も、少女漫画やキャミソールを、某大臣の事務所費の経費で・・・って聞いたような???

これも、「歴史は繰り返される」
・・・って事なのかしらん(≧ヘ≦)トホホ…
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江戸時代」カテゴリの記事

コメント

こんにちわ、茶々様!

相変わらず面白い記事 ありがとうございます。朝から微笑んでしまいました。

投稿: DAI | 2010年6月13日 (日) 12時27分

DAIさん、いつもありがとうございます。

文左衛門さんが、「芝居小屋で食べた弁当の値段も記録していた」という所から、某大臣の明細の「ハンバーガー(セット)」というのを思い出してしまって…

つい、「そこまで書かなくても…」と思ってしまいました(*゚ー゚*)

投稿: 茶々 | 2010年6月14日 (月) 01時08分

73歳のじいじです。文左衛門さんの日記「鸚鵡籠中記」は読みました。めちゃめちゃ愉快でした。
 私の育った近くの名古屋市東区百人町の出身です。ふるさと筒井を懐かしみ、作詞をした3番の歌詞で取り上げました。
 お聞きいただけるのら、メールでその曲をおくりますヨ。

投稿: 高岡じいじ | 2013年10月23日 (水) 16時15分

高岡じいじさん、こんばんは~

作詞をされるのですか?
ステキな人生を謳歌されているようで、うらやましいデス。

ここ最近は忙しくてなかなか時間がとれませんが、また、機会がありましたらお聞かせ下さい。

投稿: 茶々 | 2013年10月24日 (木) 01時59分

此処は以前10代将軍家治の所でお邪魔した様な…
横山光輝さんの漫画で読んだ事がありますね。
この間録画した,元禄なうを観ながら
コメントと書いてます。

投稿: ミント | 2016年11月23日 (水) 13時47分

ミントさん、こんばんは~

私は見て無かったので、よくわからないのですが…
その番組でしょうか…
放送のあった日は、このページにも、かなり沢山の方のご訪問がありました。
ありがたいです。

投稿: 茶々 | 2016年11月23日 (水) 18時06分

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