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2011年4月 1日 (金)

ウソも方便…遠めがねの福助さん~エイプリルフールにちなんで

 

今日、4月1日はエイプリルフール4月バカ・・・

その起源は・・・

16世紀のヨーロッパで、それまで旧暦を使っていて4月1日が新年だったのに、いきなり新暦を採用して、今の1月1日を新年に定めたため、それに反発した人たちが、4月1日に新年の悪ふざけをしたのが始まりだとか・・・

インドの仏教徒は3月末の1週間苦行を行いますが、終わると気がゆるんでしまうため、それを戒めようとするためのものだとか・・・

などなど・・・「諸説あってわからない」というのが本当のところなのですが、とにかく、皆さまご存じのように、「1年に一度ウソをついても許される日」って事になってます。

という事で、本日は、昨年の【はりぼての野田城】(2010年4月1日参照>>)に続いて、ウソにまつわる大阪は南河内の昔話「福の神の福助さん」のお話をご紹介したいと思います。

・‥…━━━☆

むかしむかし、和泉の国に福助さんという百姓がおりました。

生まれつき頭が大きくて、その頭の重さのせいか、大人になっても身長がわずかに三尺(約90cm)しかありませんでしたが、とても気のいい働き者でした。

村の人たちは、そんな福助さんに、「何とか良いお嫁さんを…」と思い、八方探して見つけて来て、福助さんは、この女性と結婚する事になりましたが、この女がなんともイヤラシイ女でした。

福助さんを見た目だけで判断して、はなからアホ扱い・・・福助さんが働き者なのを良い事に、朝から晩まで、「やれ畑に行け」「やれ、山に行ってまきを取って来い」とこき使います。

しかも、いつの間にか隣のオッサンと仲良くなって、福助さんを追い出そうとするのです。

そんなある日、やはりいつものように朝早くから仕事へと追い出され、畑に向かっていた福助さん・・・ふと、弁当を忘れた事に気づいて、慌てて家に戻ると、なんと、あの嫁が、早くも隣のオッサンとイチャイチャの真っ最中・・

二人で仲良く餅をついて、その出来上がった餅をほおばりながら・・・
「かはーっ、やっぱ、餅はつきたてをこっそり喰うに限るなぁ」
「ほんまや、こんなウマイもん、福助なんかに食べさせるの、もったいないわぁ」と・・・

それでも、やさしい福助さんは、二人の事を思い、わざと玄関で咳ばらいをしてから、
「お~い、弁当忘れてしもいたんで取りに戻って来たんや~」
と声をかけました。

隣のオッサンは、慌てて裏口から逃げ、嫁はササ~ッと、餅を押入れに隠して、何食わぬ顔で・・・
「何を、働きもせんと戻って来て弁当みたいな贅沢な事言うとんねん!弁当にする米なんかあるかい!」

さすがの福助さんも、プッチ~ン\(*`∧´)/
「米がないんやったら、押入れの餅でもええわ」とチクリ・・・
「えぇ!!(゚ロ゚屮)屮なんで、それ知ってんの?」と嫁はギクリ・・・

とっさに、福助さんは、自分の足元に落ちていたへっついさん(かまど)火吹き竹を手に取って
「ジャジャ~ン!
フクスケのとぉめがね~((≡Θ♀Θ≡))
ほら、ワシは、この通り、今朝の畑で、なんでも見える遠めがねを拾うたんや、これで見ると、隠してるもんが丸見えやねんゾ

「こらアカン、あんな遠めがねで見られたら、隣のオッサンとの事もバレてまうがな」
と、嫁は、押入れの餅を放り出すなり、隣のオッサンとどこかへ逃げてしもたそうな。

それからしばらくしてからのでき事・・・

村の庄屋の娘さんが嫁入りする事になって、豪華な嫁入り仕度を整えていましたが、婚礼の寸前になって、その着物がすっかり盗まれてしまうという事件が発生します。

婚礼はまもなく・・・困った庄屋さんは、福助さんの遠めがねの噂を聞きつけて「なんとか見つけてくれ」と頼みにやって来ます。

さぁ、困った・・・いまさら、「ウソですねん」とは言い難い・・・

とりあえず「何とかします」と言ったものの・・・「はて?」と思案しながらその夜を過ごしていると、玄関の戸がトントンと・・・

そこには、庄屋さんの奥さんが立っていました。

実は、この奥さんは後妻で、今回嫁に行く娘さんとはなさぬ仲・・・義理の娘のあまりにもすばらしい着物仕度に、ちょっぴりヤキモチを焼いて、その着物を神社の床下に隠してしまったと言うのです。

「ちょっとだけイケズしたろと思うてやってしまいましたんや・・・けど、こんな事は2度としまへんさかいに、どうか穏便に・・・なんとかしておくれやす」
そうです。
福助さんの遠めがねで事が発覚しておおごとになったら、彼女もどうして良いかわからず、助けを求めに来たのです。

涙を流しながらあやまるその姿に、本気で反省している事を見とった福助さんは、「よっしゃ、まかしときなはれ」と、火吹き竹を持って庄屋さんのもとへ・・・

「庄屋はん、見つけましたで!ワテの持ってる遠めがねで見たら、着物は神社の床下にありました・・・泥棒が盗んで、そこに隠しよったに違いありません、はよ、行って取り返して来なはれ~」と・・・

早速、神社へ行って、無事に着物を見つけた庄屋さんは大喜び・・・もちろん、奥さんも大喜び・・・さらに、その二人から別々のお礼の品を貰って、福助さんも大喜び・・・

となると、当然の事ながら、福助さんの遠めがねの話は、村中・・・いや、国中の大きな話題となり、いつしか殿さまの耳にも・・・

実は、この和泉の殿さま、隣国の大きな国の殿さまから、言いがかりをつけられていたのです。

「おまはんとこのお城には、先祖代々受け継いだ立派な刀があるらしいけど、良かったらそれを見せてくれへんか?
アカンてな事言うねやったら、どうなるかわかれへんで~」
と・・・

そう、それを口実に攻め込もうとしていたのです。

もちろん、和泉の殿さまも、宝物を見せるくらいで戦争が回避されるなら、どんどん見せる気でいたのですが、肝心のその刀が、どこを探しても見当たらない・・・「このままだと、それを口実に大国から攻め込まれる~」と困り果てていたところへ、福助さんの遠めがねの話を聞きつけ、家来の一人がやって来ます。

さぁ、困りました・・・今度こそ、ウソだとばれたら命がありません。
かと言って、本物の遠めがねじゃない以上、その刀を見つける事も・・・

困った福助さんは、とにかく身を隠そうと家を出て、近くの洞穴で一晩過ごす事に・・・

夜もふけてうつらうつらとしていた福助さん・・・なにやら、洞穴の外で声がします。

「えらいこっちゃ!!福助の遠めがねで見られたら、俺らがあの刀を石垣の隙間に隠したんバレでしまうがな」
「わしら、絶対、切腹やがな」

目をこらして見てみると、その声の主は、和泉の国の家老と、その家来・・・実は、彼らは密かに隣の大国へと寝返っていて、隣国の殿さまから多額の報酬を受けとり、攻め込む口実となるように、かの刀をどこかに隠すよう命じられ、それを実行していたのです。

見ると、二人はすでに旅支度・・・そのまま隣国へと亡命する気満々でした。

慌てて城へと向かい、刀が石垣の隙間に隠してある事を殿さまに報告する福助さん・・・もちろん、家老たちの寝返りも殿さまにバレて、隣の大国の殿さまも、攻め込む大義名分をなくして、その話は無かった事に・・・

めでたしめでたし

すべてが丸く納まった殿さまは、福助さんに「お礼に、お前の望みを叶えてやろう、なんなりと申せ」と大喜びです。

Fukusukeningyou400 そこで福助さん・・・
「ワテ、一回、殿さまになってみたかったんです~」と・・・

それを聞いた殿さまは、家来に自分の着物を一式持って来させ、福助さんに着させて、殿さまが座る、一段高い場所に座らせました。

(かみしも)を着けた立派な姿の福助さん・・・この姿が、福を呼ぶ「福助人形」のモデルになったのだとか・・・・

おしまい

*注:ご存じのように「福助人形」のモデルとされる人の逸話は複数あります・・・これは、あくまで南河内郡に伝わる一つの説とお考えください。
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コメント

日本昔話でしてそうな面白い話でした!
市原悦子の声で聞いてみたいです~。

投稿: 民子 | 2011年4月 1日 (金) 14時51分

( ^ω^)おっおっおっ…面白い!!
多謝!!

投稿: azuking | 2011年4月 1日 (金) 16時04分

民子さん、こんばんは~

ほんとに…
なんだか、のほほ~んとした安心できる昔話ですよね。

投稿: 茶々 | 2011年4月 1日 (金) 22時17分

azukingさん、こんばんは~

楽しんでいただけたようで…
うれしいですヽ(´▽`)/

投稿: 茶々 | 2011年4月 1日 (金) 22時18分

こういう嘘なら許せます。犯人が正直に名乗り出る所がいいですね。
原発の安全性は嘘でしたね。事故対策も考えていなかったみたいだし。早く放射能の問題が解決して欲しいです。

投稿: やぶひび | 2011年4月 2日 (土) 06時39分

こんにちわ~、茶々様。

いやぁ~相変わらず面白い
(*^ー゚)bグッジョブ!!
今日も1日 頑張れる気力を貰いました。
今日も感謝です

投稿: DAI | 2011年4月 2日 (土) 09時37分

やぶひびさん、こんばんは~

そうですね。
一日も早く問題を解決して、復興への道が早くなる事を祈っています。

投稿: 茶々 | 2011年4月 2日 (土) 18時47分

DAIさん、こんばんは~

この話は、どうやっても憎たらしい極悪人が一人も出て来ないところが良いですよね。

こちらこそ、いつも元気をいただいてありがとうございます。

投稿: 茶々 | 2011年4月 2日 (土) 18時49分

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