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2011年10月24日 (月)

大河ドラマ「江」と大坂の陣直前の徳川秀忠の手紙

 

またまた大河ドラマ関連のお話で恐縮ですが・・・

失礼ながら・・・
前半の、秀吉と茶々(淀殿)が、くっつくのくっつかないの(5月30日参照>>)で45分間の放送時間を費やした脚本家先生とは、同じ人物とは思えないほどのスピード展開を見せている今日この頃の大河ドラマ「江~姫たちの戦国」・・・おもしろくなって来ました(゚ー゚)

ただ、個人的(あくまで個人的です)には「なぜに???」と思うところが・・・

これまで何度もお話させていただいております通り、ドラマは創作物なので、史実に忠実である必要はありませんし、その史実も、誰もその目で本物を見た事が無い以上、専門家さんによっては少々のズレもあり、結局のところは、作家さんのお好きな方向に持って行っていただいて良いと思うのです。

なので私としては、とっくに死んでる人が生きている事になっていたって、会うはずのない人が出会っていたって、それはそれで、ドラマがおもしろくなるのであれば、いっこうにかまわないと思っている派なのですが、

今回の「江」の脚本家先生は、そこまで逸脱したストーリー展開には持っていかれない・・・どんなに恨んで嫌っていても、茶々は秀吉の側室になって秀頼を産むし、主人公がどんなに「戦いは嫌じゃ!」と言っても合戦は始まるし、もはや来週は大坂冬の陣だし・・・

って事は、おそらく、この先も、大坂夏の陣で大坂城が炎上し、炎の中で秀頼と淀殿が亡くなるという史実も、そのまま描かれるものと思われます。

それなのに、なぜ?
この作家さんは、できもしない約束を主人公たちにさせるのでしょう?

「関白となった秀頼様を(秀忠が)将軍として支えたい」とか、
「豊臣と徳川が並び立つ天下太平の世を造りたい」とかいう手紙を秀忠に書かせたり・・・

その手法は、今回だけではありません。

主人公の江は、何かある度に手紙を書いたり、直接会いに行って直訴したりして、その場では、その約束が叶えられるが如く話は納められますが、それが現実化したためしがありません。

古くは、本能寺の変を起こした明智光秀に会って、
「あなたの手で戦のない世の中にして下さい」
と言ってみたり、

若き日の茶々に色目を使っている秀吉に対して、
「姉上に手を出さない事を約束してくれるなら、言うとおりに嫁に行く」
と言って、秀吉に誓約書まで書かせで佐治一成(さじかずなり)と結婚した事もありました。

でも、結局は、一般的な歴史通りにストーリーは展開します。

もちろん、光秀の場合は、二人っきりのその約束とは関係の無いところにいた秀吉によって光秀は討たれて約束が実現できないわけですし、茶々が側室になるのも、その約束から何年か経ってからの出来事なので女心と秋の空・・・その間に人の気持ちも変わると言えばそうなのでしょうが、

どうも、このドラマを見終わった後に、なんだかスッキリしないドヨ~ンとした物が残り、スカッと爽やかになれない原因は、その「できもしない約束を主人公(その夫も含む)にさせる」ところにあるような気がしてなりません(この感想は、あくまで個人の感想です)

しかし、やはり昨日の放送でも・・・もはや放送の最後のほうでは冬の陣が始まっている状況なのに、まだ「父(家康)も、豊臣を一大名に(格下げ)したいだけで、秀頼や淀殿を葬り去ろうとは思っていないだろう」(だったかな?)なんて事を、秀忠が言ってました。

未だにこんな事を言っていて、この先、どういう手法で、豊臣家末梢の方向へと持って行かれるのか?
まさしく展開が読めないので、逆に楽しみかも知れません。

ところで、日づけ的には一日遅れで申し訳ありませんが、慶長十九年(1614年)10月23日は、徳川秀忠が、大坂の陣に向けて江戸を出陣した日なわけですが、その出立において、秀忠は、父=家康の側近の本多正純(まさずみ)に、当日=10月23日付けの手紙を書いております。

「留守居の仕置等、丈夫に申しつけ候間、今日廿三日、神奈川まで出馬仕り候…」
と続くのですが、要約しますと・・・(大阪弁でスンマセン(*_ _)人 )
「留守の間の(江戸城の)事は、イロイロ指示して来たんで、今日23日に神奈川まで来ましたが、もうすぐ上洛しますよって、大坂城への攻撃開始は、僕が到着するまで待ってもらうよう(父=家康に)お願いしといてもらえませんやろか?
ホンマ、勝手なお願いですけど、この時やからこそ、しっかりとお願いしておいてほしい。
使者の小沢瀬兵衛が口頭でもお願いするやろけど、ヨロシクね!」

てな感じです。

秀忠は、同様の手紙を同時期に藤堂高虎(たかとら)にも送っていて、そこでは、
「大軍を率いてるんで、ちょっとペースが遅れてます。
自分だけでも早く行きたいと急いでおりますんで、それまで大坂攻めを待つように大御所
(家康)様に伝えておいてね」
と、コチラも、やはり、「自分が行くまで開戦しないでくれ」とのお願い・・・

そう、実は、途中の真田の上田城攻めに手こずって、あの関ヶ原に遅れた事(9月7日参照>>)を、秀忠はかなり引きずっていたんですねぇ。

そのために、今回は遅れまいと、必死のパッチで西へと進んだようで、最後には、3日前に先鋒として出発した伊達政宗隊を追い越してしまいそうになるくらいな勢いで進軍し、逆に、家康に「隊列を乱すな!」と怒られたのだとか・・・

この手紙を見る限りでは、「豊臣&徳川並び立つ」どころか、大坂攻めに、かなりヤル気満々に見える秀忠・・・

んん?
しかし、そう言えば、昨日の放送の中で、あの真田幸村(信繁)が大坂城に入った事に、秀忠が「あの幸村が?」喰いついてた描写がありましたが、ひょっとしてドラマでは、
「真田のせいで関ヶ原に遅れた=真田への恨みを晴らしたい」
って事で、秀忠が大坂の陣に、いそいそと出陣するという方向に持っていくのかしら?

でもソレだと
両雄並び立つ天下太平(より)真田への怨みの方がデカイという個人的動機満載のセコイ考えになってるような???

いやいや、主人公の旦那さんなんですから、きっと、すばらしい大義名分を抱えてのご出陣となる事を、1ファンとして期待しておりますです。
 .

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家康・江戸開幕への時代」カテゴリの記事

コメント

茶々様

いよいよ大坂城に魔の手が迫ってきました。

ウチらは ドラマには登場しませんが、最後まで茶々様をお守りしてまっせ。(史実では大蔵卿に同行)

要するに これ、戦国っぽいコワい事件に対しては、二人掛かりで、ひたすらアリバイ工作を続ける物語。ボクちゃん達のせいじゃ無いもんね。
そんなの、おもろい筈がありません。

史実と物語、一般論としては茶々様の仰せの通りです。

しかしながら、へっぽこ脚本家が三島由紀夫の作劇理論を応用しても、大火傷をするだけ。トルストイには許されも、タブチノワでは…。レベル相応って、あると思います。

投稿: レッドバロン | 2011年10月24日 (月) 19時56分

何度か言ってますが・・・本当に実在の方々(浅井3姉妹、お市さん、光秀、信長、秀吉、家康、その他大勢)がお気の毒で。
「え!? あたくしたち、おれたち、こんなん?」ってあっけにとられてるようで・・・
もうこれは、「もしも今、戦国時代になったら~」って、かつてのドリフのコントを、豪華俳優陣を使ってやってる、って見たほうがいいかも。でも、来年、再来年は期待しちゃいます(性懲りもなく)

投稿: Hiromin | 2011年10月24日 (月) 20時55分

初めてコメントします。

私も、茶々様と同じく
『ドラマは創作物なので、おもしろくなるのであれば、(史実に忠実でなくても)いっこうにかまわないと思っている派』です。

でも、ネット上では大河ドラマについて、いろんなスタンスでの意見が(好き勝手に)やり取りされていて、その中には
「子どもには見せたくない」というのもありましたが、私は中1の息子と一緒に見ています。たまに高1の息子も横から見たりします。・・・心配しなくても子どもたちは割り切って(楽しんで)見ているようですよ。

ま、ちょこちょこは突っ込みいれていますが。
基本、関西人なんで。

投稿: hana-mie | 2011年10月24日 (月) 23時43分

レッドバロンさん、こんばんは~

私は、文学のほうはトンとダメなので、難しい理論はわかりませんが、とにかく、見てる側が主人公の味方になれないドラマのような気がします。

「理由な何だろう?」
と、今も思案中です(;´Д`A ```

投稿: 茶々 | 2011年10月25日 (火) 00時08分

Hirominさん、こんばんは~

私も…
つい、来年に期待してしまいますね~

でも、、
「終わり良ければ、すべて良し」で、最後にすばらしい終わり方になる事にも期待しています。

投稿: 茶々 | 2011年10月25日 (火) 00時10分

hana-mieさん、はじめまして、

>ちょこちょこは突っ込みいれていますが。

私も入れてます(笑)

意外と、若い方のほうが「ドラマ=創作」というのをしっかりと理解されているのかも知れませんね。

投稿: 茶々 | 2011年10月25日 (火) 00時14分

先日の公開講座で『戦災で増上寺が焼かれた際、徳川家の墓を直し、それぞれの遺骨の調査をした。徳川家茂の歯は虫歯だらけだったけども歯には傷が無く、柔らかいものしか食べていなかった。「江」の背丈は1m30㎝と小さく、家光は「江」の子供ではないことは学説的に定説となっている』との話をお聞きしました。やはり春日局の子供だったのか。

投稿: 銀次 | 2011年10月25日 (火) 04時26分

お久しぶりです。このところ多忙でした。
「約束した事が実現できない=出来もしない約束をする」行為は、「世の中は自分が思う通りに進まない」と言う意味でしょうか?
江の子供の件でも同様だと思います。これは育児をしている人に向けたメッセージでしょうか?

あと他の人から聞いたんですが、「江は終盤になってからの、1回当たりの登場人物の数が少ない」と言う指摘。ここで同様の意見があった「天地人」の終盤の時は、あまりわからなかったんですが、前回の「江 姫たちの戦国」のクレジットを見ると、1人ずつしか名前が出ないので少なさがわかりますね。普通は2~3人ずつ出ます。これは経費削減のあおりかな?

投稿: えびすこ | 2011年10月25日 (火) 08時58分

銀次さん、こんにちは~

へぇ~、やはり、そうなんですか?

そう言えば、歴代将軍と御台所って、江以外は全員土葬だし、江も遺骨は残っているようですし、DNA鑑定できるって事ですもんね。

将軍は特殊な生活を送られていたようで、持病のある方も多かったと、以前、何かで読んだ事があります。

投稿: 茶々 | 2011年10月25日 (火) 09時07分

えびすこさん、こんにちは~

>1回当たりの登場人物の数が少ない

ホント、少ないですね~
まるで、家康のそばには本多正純しか、
秀頼のそばには大野治長しか、いないみたいに…

小牧長久手の時に出てた織田信雄の山崎君はどうしてるんでしょうね。
まだ、大坂城にいるはずなんですが…

やはり予算の関係でしょうか…
作家さんやスタッフさんにも、素人にはわからない誓約がイロイロとあるのでしょうね。

投稿: 茶々 | 2011年10月25日 (火) 09時22分

私は今年の江を見ていて思うのが、江や秀忠の考えが甘いというか戦国っぽくない気がします。あくまで私の意見です。そして、江が平和を願っているといっているのに実際に行動するということがないかな、と思います。史実に合わせなくてはいけないのは分かりますが、どうしても口先だけだなと感じてしまいます。そのせいで江にあまり好感がもてないのですが。平和を願う戦国の女性を主人公にしたかったなら、もっと違う風にしても良かったはずです。ひとまず最後の部分で一気に面白くなるか期待しています。

投稿: ティッキー | 2011年10月25日 (火) 16時55分

初コメです。
茶々さま、こんばんは♪ 毎日楽しくお勉強させていただいてます。

余談で申し訳ありませんが、『篤姫』といい、『江』といい、このごろの大河は、衣装の贅沢さが目に余って仕方ありません。

端から端まで『そこまでせんでいいやろー』って、思うくらいお金かけていて、つらくなります。 来年が、思いやられます。

脚本家や衣装さん美術さんのお楽しみ番組になっているような気がします。

こんなこと、思ってるのは、私だけでしょうか? (愚痴る先が、違うってわかってるんですけどぉ^^;)

投稿: 真田丸 | 2011年10月25日 (火) 18時00分

ティッキーさん、こんばんは~

>どうしても口先だけだなと感じてしまいます。

やはり、そう感じますよね~
だから。主人公に感情移入できないんですよね。

>ひとまず最後の部分で…

同感です。
江は、夏の陣の1年後に、京都の養源院で秀頼以下の一周忌法要を行ってますが、私は、そこに豊臣の生き残りとしての意地と心意気を感じてます。
せめて、それはしっかりと描いてほしいと思っています。
それがあれば、これまでの事は忘れます(笑)

投稿: 茶々 | 2011年10月25日 (火) 23時50分

真田丸さん、こんばんは~

確かに、衣装はキレイですね~
見ていて美しいです。

でも、もし、そのために予算が無くなって、本来出なければならない人が、いない事になってしまっているとしたら、なんだか悲しいですね。

投稿: 茶々 | 2011年10月25日 (火) 23時53分

真田丸さんが衣装の事を機にかけておりますが、衣装や鎧・兜は過去に使用した物を他の俳優が譲り受ける事もあるので、ひょっとすると何年か後に誰かが、上野さんらが着た衣装を再び着用する事もありますね。
「衣装代が高額のせいで予算が足りない」事は起きないと思います。昨年は衣装代がやや少なかったと思います。
「天地人」以降の番組予算の決算額がまだわからないのですが、この3年間は幾分削減されたと思います。来年は「義経」の時の衣装や鎧・兜を活用すれば問題ないでしょう。

投稿: えびすこ | 2011年10月26日 (水) 14時31分

えびすこさん、こんにちは~

衣装のリサイクル…されてるんですかね?

確かに、今年の各姫様の乳母たちは、お気の毒くらいに、いつまでたっても同じ衣装ですが…

NHKは民放のように衣装提供のクレジットが出ないですが、出ないでも鈴乃屋が担当している事は、皆知ってる…そこンとこ、代金はどうなってるんでしょうね。

先日の鈴乃屋の新作発表で向井君が着てた着物は1着300万だったかな?
まぁ、着物は縫い直しできるので、サイズ的にはリサイクルは容易でしょうが、やはり主役クラスの人がお古を着る事は、あまりないかも知れませんね。

投稿: 茶々 | 2011年10月26日 (水) 16時27分

衣装関係の話なら、
私がここのところ毎週チェックしている
「msn産経ニュース 素顔の『江』」というサイトが参考になるかもしれません。


毎週、その回のストーリーとは関係あったりなかったり、という感じで、
おもにインタビューを掲載していて、
役者さんのインタビューはあまり目新しい
話題はありませんが、
スタッフのインタビューが私は面白かったです。
夏ごろ何週かつづけて、衣装やかつら、兜、そのほかセットにまつわる裏話やこだわり(スタッフの実名入りで生の声)が掲載されています。


まあ、どのように(批判的に?)読むかは読む人次第ですが。


ちなみに、このコーナー、夏ごろに1ヶ月くらいお休みがあったので、ドラマの回数と、連載の回数が一致してません。

投稿: hana-mie | 2011年10月27日 (木) 12時07分

hana-mieさん、こんにちは~

情報ありがとうございますo(_ _)o

(全部ではありませんが)スタッフさんのコーナーらしき部分を拝読させていただきました。

衣装や小道具を担当されている方のこだわりがひしひしと感じられました。

「担当者が把握しきれないほどの数の衣装を作る」
「出来上がって、実際にカメラに写して見て、色味が納得できなかったらお蔵入り」
「江の草履だけで15種類」などなど、
素人から見れば、「汗タラタラ」ですが、担当のスタッフさんから見れば、そこがプロとしてのこだわりで、妥協しないからこそプロなのかも知れません。

現に、衣装を楽しみにしている視聴者の方もたくさんおられるでしょうし…
「読む人次第」と言われた事がよくわかります。
教えていただいてありがとうございました。

投稿: 茶々 | 2011年10月27日 (木) 12時31分

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