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2012年2月27日 (月)

清盛と日宋貿易~大河ドラマ・平清盛、第8回「宋銭と内大臣」を見て

昨日の大河ドラマ「平清盛」は、第8回「宋銭と内大臣」という事で、平家の日宋貿易の事や、この先、清盛と相対する事になる藤原頼長の登場がありましたが…
(頼長さんについては、以前upしたコチラで>>

とは言え、ドラマの内容については、あまりツッコミどころはありませんね。

細かく見れば、いくらでも突っ込めるのでしょうが、それをすると、逆にドラマがつまらなくなりそう・・・個人的には、すごく楽しんで見ています。

「松ケン演じる清盛の身なりが、いつまでたっても汚い」ってご意見もあるようですが、以前、小奇麗な白塗り状態でタフマン伊東こと白河法皇の前で舞を舞ってた姿が、私としては、あまり似合ってなかったような?気がします(松ケンファンの方スミマセン)ので、小汚いのが、松ケン清盛の一番カッコ良く見える身なりなのだと思います。

山本耕史さん演じる藤原頼長も、タフマン伊東さん以来の憎たらしいキャラ炸裂で、実に小気味イイ・・・今後のバトルに期待!!

・・・て事で、本日は、昨日の内容から、「清盛と日宋貿易」について、チョコッと書かせていただきたいと思います。

・‥…━━━☆

ご存じのように、あの菅原道真の提案により、寛平六年(894年)に遣唐使が廃止(9月14日参照>>)された事で、日本国内では、平安前期の雅な国風文化が発達する一方で、半鎖国状態となり、経済も文化も閉塞気味・・・

そんな中、海の向こうでは、907年(延喜七年)には唐が滅び、960年(天徳四年)に(そう)によって中国が統一され・・・そうなると、日本では、国が正式な国交を樹立しないうちに、私的な交易を開始する者が現われてきます。

清盛の父・忠盛(1月15日参照>>)も、その中の一人・・・

もともと、伊勢平氏の嫡流であった事から伊勢尾張美濃の3カ国に勢力を持ち、伊勢湾の水運に深く携わっていた清盛さんちですが、清盛のおじいちゃんの正盛が瀬戸内海沿岸にあった国の受領(ずりょう=現地に赴任して行政責任を負う長官)に任命された事で、瀬戸内の海の民とのつながりを持つようになり、海運の「うまみ」で以って成長していったわけで、当然、その息子=忠盛に代になって、瀬戸内の向こうにある九州に、更なる「うまみ」を求めないわけがありません。

ドラマにもあったように、この頃、鳥羽上皇御厩別当(みうまやべっとう=軍事の長官)として、いくつかの荘園の管理を任されていた忠盛は、上皇の領である肥前国神埼荘(かんざきのしょう=佐賀県神埼市)にて、私的な貿易を取り締まろうとする大宰府に対し、「鳥羽院の命令だ」と言って、公然と貿易に乗り出していったのです。

Karafunenissou900 「華厳宗祖師絵伝」(高山寺蔵)に描かれた当時の唐船

そんな父を見ていた清盛・・・その更なる飛躍となったのが、保元三年(1158年)に、清盛自身が大宰大弐(だざいのだいに=大宰府の次官)になった事・・・

彼自身は都に留まっていたものの、配下の者を大宰府へ送り込み、実質的な統括者となった清盛は、大陸への窓口とも言うべき博多を掌握し、日本初の人工港を博多に築くとともに、音戸の瀬戸を開いて瀬戸内海の航路の整備を行い、大輪田泊(おおわだのとまり)を拡張して、本格的な貿易に乗り出します。

後に、弟の頼盛が大宰大弐に任命された時は、その弟自身を大宰府に行かせていますから、清盛がいかに、九州での貿易に力を入れていたのかがうかがえます。

さらに、晩年に福原に遷都する(11月26日参照>>)のも、そこが、上記の大輪田泊に隣接する場所だったからで、やはり、ここでも、貿易を中心に日本の経済を発展させようという意思が見えますね。

ちなみに、この大輪田泊というのが、現在の神戸港です。

ところで、こうして行われた貿易で扱われていた品々とは???

日本から宋へ渡った物としては、硫黄刀剣漆器など、
逆に宋から輸入されたのは、香料織物陶磁器書籍絵画宋銭などなど・・・

ご存じのように、長らく銭貨が鋳造される事がなかった日本(10月30日参照>>)では、この後、この宋銭が通貨として使用される事になるのですから、貨幣経済への移行という点では、日宋貿易の影響は計り知れない物がありますね。

Seizityawannissou600 現在、東京国立博物館には、日宋貿易で取引された南宋時代の龍泉窯(りゅうせんよう)で造られた青磁茶碗が保管されています。

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重要文化財に指定されているこの青磁茶碗・・・ドラマに出て来た清盛の献上品に雰囲気がそっくり!!てか、このあたりをモデルに小道具さんが造られたのでしょうね。

残念ながら、清盛が夢見た貿易での経済発展については、福原遷都後まもなくに以仁王(もちひとおう=後白河法皇の皇子)が挙兵(4月9日参照>>)完成形を見る前に、清盛自身が倒れる(2月4日参照>>)事になってしまうのですが、そんなこんなのお話は、また、別の機会にでも・・・
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コメント

茶々さん、こんばんは!

「平清盛」は母と一緒に観てるのですが、隣りで余りに知ったぶりして興味を半減させてもなぁーとペラペラ喋らないようにしてます。(何せ、中世=専門分野なもんで、口うるさくなるでしょうから…)

今回の「宋銭と内大臣」では源氏は現物支給、平家は銭交渉とだけ、母に説明したんですよ!

“宇治悪左府”登場しましたね。なかなかのヤリ手の感じが出ていて、ワクワクしてます。

投稿: 御堂 | 2012年2月28日 (火) 00時37分

御堂さん、こんばんは~

山本耕史さん、白塗りも似合いますね。
お公家さんっぽい品もあるし…

ほんとに、
久々にワクワクするキャラクターの登場ですね。

投稿: 茶々 | 2012年2月28日 (火) 01時50分

天皇家を王家と呼び、閨の秘め事をスキャンダラスに脚色して、皇室の権威を貶めていると、皇室関係の御祭神をお祀りしてる神社の宮司さんには悪評です。斯く云う自分も…王家の表現にイマイチ違和感を覚え、見る気になりません。

投稿: マー坊 | 2012年2月28日 (火) 12時34分

マー坊さん、こんにちは~

確かに、皇室関係の神社に関わる方々の立場だと、単なるドラマとしては見られないのかも知れません。

ドラマは創作物として割り切れるかどうかにも個人差ありますしね。

投稿: 茶々 | 2012年2月28日 (火) 16時12分

茶々さん、こんばんは。

「清盛」私も個人的には楽しく見ています。
ただ視聴率がいまひとつのようで・・・それもあって色々言われるのかもですねdespair

役者さんたちはそれぞれいいお味が出ていると思うので、後は何とか脚本に期待したいところですが。

投稿: ZAIRU | 2012年2月28日 (火) 18時14分

ZAIRUさん、こんばんは~

私も、今回は役者さんの演技がスバラシイと思います。

上記にコメントいただいている御堂さんのお話ですと、視聴率がおもわしくないほど、歴史好きが好む、大河史に残る作品になるのだそうで(以前言っておられました)、
そういう意味でも期待してます。

投稿: 茶々 | 2012年2月28日 (火) 19時06分

宋銭は現在の中国では何元くらいの価値なんでしょうか?
中国でもどこかの博物館に展示されていると思います。
昨日のレートだと1元=13円くらいです。

>大河ドラマでは視聴率がおもわしくない作品ほど歴史好きが好む。
視聴率ランキングで下位の方の作品が、中位に位置する作品よりも評価が高い(玄人好み)と言われるのは、ややねじれている感じもしますね。
テレビ業界では「視聴率が低いドラマの方がDVDがよく売れる」、と言う一見矛盾するジンクスがあるようです。

投稿: えびすこ | 2012年3月 2日 (金) 08時51分

えびすこさん、こんにちは~

国自体が別物になってる中国では、価値の換算は難しいかも知れませんね。

大河の視聴率も、放送当時と後々になっての作品の評価とは別物という事だと思います。

投稿: 茶々 | 2012年3月 2日 (金) 13時15分

「平清盛」の登場人物で気になっているのが、後半に出る人がどういう顔ぶれか気になります。今日から出る後白河天皇の息子や孫の代の天皇などもまだ未定。保元の乱がいつになるかで、後半に誰が出るのかがわかると思います。清盛の代の人は全体的に若い俳優が多いので、息子・娘となると平成生まれの駆け出しの俳優になりそうな感じもします。清盛も義朝も兄弟が多く、かつ子だくさんですが、子供が「全員集合」かどうかわからないです。

話変わりますが来年の「八重の桜」で、主役以外の配役はまだ発表されていません。
年が明けてから何も動きがないので気になるのですが、震災発生日の「3月11日」前後に発表されると思っています。主役が早い時期に発表されたので「間延び」している感はありますね。私が思うに来年注目の新島襄役の俳優は、「京阪神」地域出身の俳優かと思います。
平年はGW前後に一部の主要配役が最初に決まります。
今まで大河ドラマに出ていない人なので、親族関係は人選が難しいのでしょうか?昨年6月の綾瀬さん決定から数えると、既に8カ月経過してます。

「番組最初の屋外ロケをどこで行うのか?」にも注目です。

投稿: えびすこ | 2012年3月 4日 (日) 10時13分

えびすこさん、こんにちは~

だいたい、どこらあたりまでで最終回になるのか?も気になりますね。

現在のペースでいくと、やはり、清盛の死を以って最終回…もしあったとしても、その後はナレーションになりそうなスピードですが…

投稿: 茶々 | 2012年3月 4日 (日) 13時20分

番組の制作が決まった時には「平氏滅亡の様子も描写する」と局側が明言したので、清盛存命のまま番組が終わる事はないと思うのですが…。でも物語の進行速度を途中で急遽変える事もあるのでわかりません。
源頼朝が本編後半に出る(演じている岡田君が民放ドラマの掛け持ちもしている。4-6月期新ドラマにも出演予定)はずなので、以前名前を挙げた北条時政や息子の北条義時なども出るでしょう。既に北条政子は出てますね。あと頼朝実弟の義経は誰になるのでしょう?まだ本編では頼朝が生まれてないので、保元の乱までしばらく時間がかかりますね。そういえば義朝の兄弟もまだ出ていないですね。
「平清盛」では何年何月の表示をあまりしないので、登場人物の年齢がわかりにくいです。

投稿: えびすこ | 2012年3月 4日 (日) 17時28分

えびすこさん、こんばんは~

今日初出の松田クンが孫を抱くのかしら???
楽しみではありますが…

投稿: 茶々 | 2012年3月 5日 (月) 00時56分

茶々さんのブログ、続いてのみなさんのコメント、興味深く拝読しております。
今年の大河には個人的には「どハマリ」しておりますのに、視聴率がよくないのは、ほんと解せませんが、わたしも歴史好きのはしくれになれたようで、ちょっと嬉しい気もいたします。
松ケンの白塗りの件は、きっと「無頼の高平太」ゆえのことで、きっとこれから磨きがかかってくるのかなぁと、高位につくにつれての貫録の出し方なども楽しみですよね。
>頼朝実弟の義経は誰になるのでしょう?(えびすこさん)
わたしも気になります。だって、むしろ岡田将生さんが義経ぽいので、彼以上に若くて無邪気な方って、想像つきません。

投稿: やんたん | 2012年3月 5日 (月) 14時18分

やんたんさん、こんにちは~

そうですね。
義経、楽しみです。

ただ、気になるのは、
幼き頃の牛若丸としては、赤ん坊の頃に常盤御前にくっついて来て、清盛との接触もあったでしょうが、大人になってからは、(史実としては)富士川の戦いの後に登場するので、清盛との入れ替わり状態…

ドラマだと出て来てくれたほうがオモシロイし、公式HPにも名前があるので、きっと何らかの形で登場するのでしょう…と期待してますが、

投稿: 茶々 | 2012年3月 5日 (月) 18時02分

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