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2012年11月 9日 (金)

「のぼうの城」見て来ました!(感想です)

 

一昨日、話題の映画「のぼうの城」を見て来ましたので、本日は、その感想など・・・

いやぁ、実におもしろかったデス!
と言っても、感じ方は人それぞれ・・・

「お前がオモシロイと言うから見に行ったけど、つまらなかったから金返せ!」
と言われても困りますので(笑)、あくまで、個人的な感想としてお読みいただければ幸いです。

Noboup600c それにしても、ホント・・・私の中では久々のヒットでした。
(このケチ茶々がパンフレットを買っちゃうくらいですから→)

歴史物の映画で、これほど自分にハマったのは、サニー千葉さんの『戦国自衛隊』薬師丸ひろ子さんの『里見八犬伝』以来ですかね~
(戦国自衛隊のジャンルはSFですが…一応、歴史がらみなので)

そうなんです・・・実は、今回の『のぼうの城』は、戦国歴史物と言うよりは痛快娯楽時代劇と言った印象を受けました。(ソコにハマる…茶々の好みをお察し下さい)

なので、「史実をもとにしている」と言いながらも、かなり創作が入っています。

とは言え、今回の創作部分は、断然おもしろくなってると思いますので、私としては◎なんですが・・・

なんせ、日頃から、このブログでも度々書かせていただいている通り、歴史小説や大河ドラマと言えど、「小説&ドラマ」と言う限りは、それは創作物であるのが当然で、そこに、史実に忠実なだけを求めるのは野暮というもの・・・

逆に、史実を踏まえた上に創作をプラスして、よりおもしろくする事こそが、作家さん&スタッフさんの腕の見せどころだと、個人的には思っておりますので・・・

そもそも、その史実というのも、今、解明されている事が、どこまで本当なのか?は、当時生きてた人がいない以上、現代人には確かめようも無いわけですし・・・

「とは言え、一応、おさえておきましょう!」
というのが、このブログのコンセプトの一つ
でもあるわけで・・・なんせ、歴史好きには歴史好きだけにしかわからない「この史実だけは変えて欲しく無い」という暗黙のルールのような物が、そこかしこにあるわけでして・・・それこそ、それは言葉では言い表せない複雑な物なんですョ(*´v゚*)ゞ

・・・で、これまでに、書かせていただいた小田原征伐関連のページは・・・

となるわけですが・・・この中で、今回の「のぼうの城=忍(おし)城の関連」は、6月9日と6月16日のページです。

ですが、そのページにも書かせていただいたように、通説の忍城攻防戦で、最も有名かつ1番活躍する城主・成田氏長(うじなが)の娘・甲斐(かい)でさえ、江戸時代の軍記物の創作による架空の人物の可能性が高いというのが現状・・・

ただ、細かな事は江戸時代以降の創作であったとしても、城主の留守を預かるわずかな城兵(通説では500)だけで、天下人・秀吉の命を受けた石田三成(いしだみつなり)率いる大軍(通説では20000)に囲まれ、水攻めまで受けながらも、本店の小田原城が落城するまで抵抗し続け、他のすべての支店が陥落する中で、唯一、秀吉軍に負けなかった城・・・というところは、おそらく事実・・・

もう、このおおまかな流れだけで、物語が、痛快かつ、おもしろくなる要素が満載なわけで、あの『忠臣蔵』がそうであるように、もともと、「オモロくならんかったらオカシイやろ!」という素材である事は確かです。

そんな中で、今回の『のぼうの城』は、その期待を裏切らない作品になっていると思います。

とにかく、主要キャラを演じる俳優陣が見事にハマってます。

主役の城代・成田長親(なりたながちか)を演じる野村萬斎さんですが、さすがに狂言の方だけあって、その踊りが見事・・・作品の中では萬斎さんが踊る「田楽踊り」が、物語の流れを変える重要な部分に出て来ますが、この踊りがヘタッピーだったら、この映画自体がトンデモない事になるところですが、それが、あまりにスゴイので、もはや、この役は萬斎さん以外には考えられないほどの当たり役となっています。

対する、未だ青い三成を演じる上地雄輔さんもなかなかの演技・・・それをサポートするクソまじめな大谷吉継(おおたによしつぐ)山田孝之さんも、コメディ満載のドラクエパロディ中でもマジメな「勇者ヨシヒコ」の如く、淡々とマジメを貫く・・・

忍城を守る正木丹波守利英(まさきたんばのかみとしひで)佐藤浩市さんの堂々たる姿は、もう安心して見ていられ、ぐっさんの槍さばきも頑張ってはります。

「いつまで若者やねん」と思わせる成宮寛貴さんの初陣を飾る若い感じもイイです。

そう言えば、極悪人が1人も出て来ないところも、往年の娯楽時代劇の王道を行ってる感じ・・・しいて言えば、平岳大さん演じる長束正家(なつかまさいえ)が小憎たらしい役ですが、それこそ、憎たらしい役を演じたら天下一品の平さんが、悪役だけど憎めないという難しい役どころを見事にこなしておられます。

そんな中で、気になるのは甲斐姫を演じた榮倉奈々さん・・・

いや、これは榮倉さんがどーのというわけでは無く、イメージ的に少し違う気がする・・・という感じでしょうか?

序盤で、初めて榮倉さん=甲斐姫を見た成宮さん演じる酒巻靭負(さかまきゆきえ)が、
「あれは…人か?」
というシーンがあるのですが、一瞬、意味がわかりませんでした。

どうやら、「この世の人とは思えないほど美しい」という事のようですが・・・確かに榮倉さんはキレイな女優さんですが、美人というよりはチャーミングな女優さんで、私の個人的なイメージとしては、「手の届かない高嶺の花(←ちょっと冷たい感じ)というよりは、「笑顔がステキで親しみやすい雰囲気(←暖かい感じ)が魅力的だと感じていたので・・・

ただ、この甲斐姫は、「この世の人とは思えないほどの美しさ」でありながら、「大の男とも対等に戦える熱き心と武勇の持ち主」なので、その両極端なキャラクターを兼ね備えた役という時点で、すでに、誰がやろうと演じるに難しいと言える役なので、そこのところは、致し方ない気もします。

公開が1年延びた原因ともなった水攻めシーンは、「さすがは映画…金かかってんな(CG無しだそうです)という迫力で、スタッフさんの頑張りがうかがえ、見ごたえタップリです。

さらに、歴史好きにたまらなかったのはラストのエンドロール・・・

残念ながら、お隣の座席に座っていらしたカップルは、エンドロールが始まった途端に早々と席を立たれましたが、たまたま、私は20年来のエレカシのファンでして、文字の背景が例え真っ黒であったとしても、最後まで立つ気は無かったわけですが・・・

それが・・・
このエンドロールの背景には、現在の忍城周辺の史跡が映し出されるのですよ。

かく言う私・・・城跡や古戦場などの史跡巡りとともに、京都や奈良やらのお寺巡りにもよく行きますが、無神論者ゆえ、お寺や神社の方には申し訳ないほど、信心のこれっぽっちもありません。

なのになぜ行くか?と言えば、そこが歴史の舞台となった場所で、大好きな歴史人物が立った「その地に立ちたい」とか、「その景色を見たい」から行くわけで・・・

たとえそれが、今はただの田んぼだったとしても、ただの住宅街だったとしても、どこまでも青い空や降り注ぐ太陽の光、そよぐ風に漂う香りなど、あの頃と変わりなき空気の中で、その時代に夢を馳せながら妄想するのが大好きなのです。
(ちなみに、あるお寺1ヶ所に、ただ座って5時間いた事あります)

そういう意味で、エンドロールの向こうに流れる風景は、400年の昔に、ここで命を懸けて戦った人々の熱き思いが伝わって来るようで・・・それを、大好きなエレカシの歌とともに味わえるのは、ちょいとばかり至福の時でした。

私にとっては、とにかく、見て良かった・・・あっという間の2時間半でした。

最後に1行の追加感想・・・
中尾明慶くん、父親役をやるような年齢になったのねん
~ここでも時の流れを感じる茶々でありました

*追記:12月11日の成田氏長さんのご命日に、チョコッと捕捉を書かせていただきましたのでよろしければ、その【成田氏長と甲斐姫と「のぼうの城」と】のページもどうぞ>>
 .

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コメント

ども、
そんなにおススメですか…!?
野村萬斎、佐藤浩市大好きだし、
この頃、面白い歴史物の映画観てないので、
茶々様信じて行ってこよかな~(・∀・)
(気分爽快な結末で、歴史の面白さを実感できる映画なら良いけど…)
では

投稿: azuking | 2012年11月10日 (土) 01時03分

azukingさん、こんばんは~

ハイ!なかなかに気分爽快ですよ~
…と、あまりハードルを上げすぎると、過度な期待を呼んじゃいますので、アレですが…
私は、おもしろいと思いました。

投稿: 茶々 | 2012年11月10日 (土) 02時03分

歴史の面白さはおっしゃる通り、その場所に行き、そこに立ち、その風景の中から過去に遡り、出会えることを体感することだと思えるナ。歴史ドラマ、史実と史実の狭間の中で想像を膨らませていくことは楽しいことですネ。のぼうの城、やっとこ公開されました。さきたま古墳の三成本陣跡から見えた忍城。思い浮かべていますが、その時その古墳に登ったかどうか忘れた。

投稿: 銀次 | 2012年11月10日 (土) 04時53分

銀次さん、こんにちは~

行かれた事、あるんですね~
私は、東の方は、どうも…やはり距離があるので、なかなか行けてません。

エンドロールに映る、古墳に咲く桜がキレイでした。

投稿: 茶々 | 2012年11月10日 (土) 15時17分

実は今日、見に行きたかったのですが、前3列くらいしか席が残っていないという盛況ぶりで、あえなく退却でございます。。。
嗚呼、e席リザーブさえしておけば…。
負け惜しみで「そんなおもろくないかも」と強がっていたところへの茶々さまのブログ…泣けます。
機会があったら再トライしたいものです。

投稿: やんたん | 2012年11月11日 (日) 16時00分

やんたんさん、こんばんは~

なんか…それこそ、個人の感想ですが、
見終わった時は、歴史好きな人と2時間半に渡る歴史談話(妄想アリ)を交したような…そんな感じがしました。

結局は成田長親が父の代わりに城代を務めた記録も無いし、彼が領民に慕われていたという記録も無いし、田楽踊りを踊った記録も無いわけですが、今残る史料から「こうだったんじゃないかな?」という歴史好きなその人の妄想話を、ワクワクしながら聞いている感じ??

機会があったら、ぜひ、再トライしてください!

投稿: 茶々 | 2012年11月11日 (日) 18時41分

こんにちわ、茶々様。

今日の記事からは茶々様が興奮して記事を書いている姿が浮かぶほど熱が伝わってきました。

見たいな・・・

見たいな・・・

機会がありましたら是非 見ます(*゚▽゚)ノ

面白そうな歴史映画情報のお返しに
私のお薦めは・・・

「黄昏 清兵衛」も面白いですよ!

藤沢 周平さんの小説は読み漁った私ですが
「黄昏 清兵衛」は原作以上に映画が面白かったと思う数 少ない映画の一つです。

投稿: DAI | 2012年11月13日 (火) 19時49分

DAIさん、こんばんは~

「黄昏 清兵衛」ですか~

そう言えば「見たい!」と思いながら見に行って無いのがけっこうありますね~

毎日々々…一日がアッと言う間に過ぎてしまうので、ダラダラしないで、意識的に時間を造らんといかんですね~

DAIさんのオススメなら、今度見てみます(*^-^)

投稿: 茶々 | 2012年11月14日 (水) 02時24分

私は地元民なのですが
公開が1年延びた原因は
確かに水攻めシーンが原因ですが
公開を待ちに待った地元民には
『このタイミングで津波を連想させる水攻めは拙い!』
ってことで一年待ったと聞かされました。

まあ歴史と一緒でなにが本当なのか判りませんが…
この映画を観て小学生の息子二人が歴史に興味津々になったことは確か!(^_-)v

投稿: 桃色熊軍曹 | 2013年4月11日 (木) 17時20分

桃色熊軍曹さん、こんばんは~

ホント、
歴史に興味津々になる作品でした。
何が本当かは、それこそ専門家の間でも人それぞれなので、そんな事はおいおい…(笑)
とにもかくにも、それをキッカケに歴史好きになるのは素晴らしい事ですね。
やりましたね!
これで、息子さんたちと歴史談義できます。

投稿: 茶々 | 2013年4月11日 (木) 19時22分

茶々様こんばんは~

ここ二年近くDVDプレーヤーは勿論、敢えてTVも持たない生活をしていたためか、映像への関心が薄れていましたが、ご解説を読んで、映画が観たくなりました~

中井貴一主演、司馬遼太郎原作の『梟の城』も、忍城が舞台でしたっけ?

原作を人に薦められて読んだ、藤沢周平『蝉時雨』よかったですが、これも水野真紀主演で映画化していたらしいですね。
いつか観たいと思います~

そういえば、山崎努と三國連太郎主演の『利休』、昔観た記憶では、面白かったなぁ~。二人とも演技派の大好きな俳優だし。
観ました?山崎努の秀吉がはまり役だし~

松方弘樹主演の、真田十勇士のSF的なのや、ジュリー主演のホラー映画『ヒルコ』、『魔界転生』とかも、嫌いじゃないな~
古いけど

投稿: ダルタワン | 2013年4月11日 (木) 21時57分

ダルタワンさん、こんばんは~

ハイ!
私はおもしろかったですよ。。。

映画も、たまに見るとオモシロイです。

投稿: 茶々 | 2013年4月12日 (金) 02時07分

こんにちわ、茶々様

今日 YouTubeで「のぼうの城」を見ました。

で、見終わった後に 茶々様の『今日は何の日』であったような気がしたので 記事を見比べてみました。

茶々様の感想どおり 配役がはまっていて最初から最後まで楽しく見ることが出来ました。

『ん?』

『甲斐姫が活躍したんじゃないの?』とは思いましたが創作・脚本・脚色なのかな?

創作にしても歴史好きの私には非常に楽しめる映画でした。

しかし・・・野村萬斎さんと佐藤浩市さんの演技が輝く映画でした

投稿: DAI | 2015年6月20日 (土) 22時25分

DAIさん、こんばんは~

ご覧になったのですか?
おもしろかったですね。
おっしゃる通り、配役がバッチリでした。

>創作・脚本・脚色?…

に関しては、本文の最後にリンク張らせていただいてる「続き」的なページにもチョコッと書いてるんですが、忍城に関して伝えられている事のほとんどが軍記物の内容なので、はなから脚色されてる可能性もあるわけですが、おそらくは、「大軍に囲まれながら少ない兵で守りきった」というところは事実であろう事から、そこに「何かあるんじゃないか?」と、当時の人も、後世の私たちもいろんな想像をふくらませてしまうってとこなんでしょうね。

投稿: 茶々 | 2015年6月21日 (日) 00時56分

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受信: 2014年4月19日 (土) 16時12分

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