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2013年2月 1日 (金)

京都の昔話~愛すべき貧乏神

 

いよいよ、今日から2月・・・

春が待ち遠しい季節ですが、一方で、2月1日は、2度目のお正月との見方もある日です。

二月礼者(にがつれいじゃ)と言って、お正月に年始回りをできなかった人が、この2月1日に回礼に回るという風習のある日なのです。

・・・で、本日は、お正月の間に書こうかな?と思っていたのに書けなかったお話をご紹介させていただきます。

それは、京都の丹後地方に伝わる「貧乏神」の昔話です。

・・・・・・・・・

昔、あるところに、大きな酒屋さんを経営するお金持ちの長者さんがおりました。

・・・と言っても、このお話の主役は、その長者さんのお隣に住んでいるメチャメチャ貧乏の一家・・・

とにかく貧乏で、いつもお金が無く、ただただその日一日をなんとか暮らしている夫婦とその子供3人の5人家族のお家・・・

もうすぐ正月だというのに、やはり今年も貧乏真っただ中・・・年の暮れにお金も無く、しかたなく、皆で物乞いに出かける事にします。

「おぉ、皆、お椀と袋持ったか?」
「今日は、皆で、物乞いするさかい。行くで~」
とお父さんとお母さん・・・

と、仕度をして庭へ出ると、どこからともなく、見た事も無い小さな男の子が、チョコチョコっと現われて
「僕も連れてってぇな」
と・・・

「君、どこの子や?」
「ウチは5人でさえ食べていかれへんのに、このうえ君を養う事なんかでけへんで」
と夫婦が言うと、

「僕は、この家の貧乏神やねん。縁の下にいっつもおるねんで」
と・・・

「な~るほど…君がおるさかい、ウチは、いつまでたっても貧乏で貧乏で、食べる事にも困るような生活やねんな。。。納得~」
「って、アンタ
納得してる場合やないがな~
(゜゜ )☆\(^^ ;)☆
と、ふたりで夫婦漫才・・・

そんな夫婦の様子を見ていた男の子・・・

「ちょっとだけ、待っててな」
と、縁の下に入って行って、何やらちょっとゴソゴソ・・・
「タネ・シカケ、ちょぼっとあるよ」(←byゼンジー北京)

と、再び出て来たかと思うと、片手にひとつかみのお米を持って
「このお米を四升鍋で炊いて、ご飯にしてくれへんやろか?」
と言います。

「これを…って、
こんなちょびっとのお米、四升鍋で炊いたかて、おかいさん
(粥)にもなれへん…
米まばらスープみたいなんができるだけやないかい」

「いやいや、オッチャン、そう言わんと、いっぺん炊いてみてぇや」

「おかしな子ぉやなぁ」
と思いながらも、とりあえず、その子の言う通りに、大きな鍋でちょびっとのお米を炊いてみると・・・

ありゃ不思議・・・ピッカピッカのお米が、四升炊きのお鍋いっぱいに・・・

「ありゃま、不思議やこと…あんなちょびっとのお米で、こんなよーけのご飯になったわ」
と、家族皆、大喜びでワッシワッシとご飯を食べまくり・・・

「あ~~満腹なったわ~」
と、とえりあえず、一家5人、一息つきますが・・・

「さぁ、お腹もいっぱいになった事やし、ほな出かけよか」
とお父さん・・・

そう、確かに、今、お腹いっぱい食べましたが、そもそも、明日のお米を買うお金も無い家計火の車状態は変わらないわけで・・・

「ここで、こうしてたって、明日の正月のためのお餅を用意できるワケやなし」
と、再び家を出ようと庭に行くと、

またまた
「オッチャン、もうチョイ…明日まで待ってぇや」
と、男の子が止めます。

実は、ちょうどその頃、正月を迎える準備真っただ中の隣の長者さんの家では、お餅つきが始まっていたのです。

できあがったお餅は、それぞれに形を整えて、明日まで一晩置いておかれますが、その日の真夜中に、コッソリと長者さんの家に忍び込んだ男の子は、そのお餅に、食紅をペッタンペッタンまぎれ込ませていきました。

翌朝、そのお餅を目にした長者は
「あれぇ?えらいこっちゃ!お餅の中に血ぃがまじってしもとるがな!
こんなお餅は食べられへんなぁ…しゃぁない、ほかそ
(捨てる)

と、そこへチョコチョコっと現われた男の子・・・

「オッチャン、これ、ほかすんか?
ほかすんやったら、全部、僕にちょーだいや」

そう言って、そのお餅を持って帰って、貧乏家の皆に分けました。

貧乏一家は、またまた満腹に・・・

そうこうしているうちに、やがて、だんだんと長者さんの家は貧乏になっていき、逆に、貧乏一家には、どんどんお金がたまっていき、いつしか、その隆盛が反対になってしまったのだとか・・・

こんな貧乏神もいてるんやね~

・‥…━━━☆

と、お話は、ここで終わりますが・・・

う~~ん・・・これは、貧乏神やなくて福の神ですね~。

実は、これ以外にも、各地に残る貧乏神のお話には、今回のように、毛嫌いせずにやさしく対応したり、丁寧に祀る事で、貧乏神が「家の神」に転化して福をもたらすというパターンが多く残ります。

まぁ、一般的には、貧乏神は、豆粒ほどの小男だったり、貧相な老人の姿だったりする事が多く、今回のような子供の姿というのは少ないように思いますが、現われる時期が年の暮れというパターンは多いです。

なので、、おそらく、この貧乏神は、お正月とともにやって来る年神(としがみ)(12月20日参照>>) の性格も持っていたのでしょうね。

いずれにしても、各地に残る貧乏神のお話は、どれも憎めないほのぼのした雰囲気で、貧乏神という存在が、昔の人にとっても、「ちょっと厄介だけど愛すべき神様」であった事がうかがえますね。

きっと、今回の男の子貧乏神も、毎日、縁の下から貧乏一家の生活を見ているうちに、この一家の事が大好きになったのでしょう。
 .

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コメント


貧乏神さんは貧乏一家にとっては福の神と変化したわけですが、お隣さんにとっては貧乏神ですね。
お隣さんのその後はわかりませんが、良い人だったなら貧乏神が福の神になってくれるでしょう。

投稿: ティッキー | 2013年2月 2日 (土) 16時17分

ティッキーさん、こんばんは~

確かに、お隣の長者さんのその後も気になりますね~
そんなに悪い人じゃなさそうだし…
おっしゃる通り、次は、この家に福の神として現われるかも知れませんね。

投稿: 茶々 | 2013年2月 2日 (土) 23時24分

貧乏神の話で「ゲゲゲの女房」のドラマを思い出しました。
貧乏神の助言で金持ちになる話はいろいろありますが、どこのお話か忘れましたけど「殿様の駕籠を襲え」という指令がでる話がありましたっけ。
やってみると駕籠の中に人はいなくて大判小判がざくざくなのでした。
でも、貧乏神から「この根性なし」とののしられてもやりたくないですね。

投稿: りくにす | 2013年2月 3日 (日) 20時58分

りくにすさん、こんばんは~

殿様の駕籠のお話は、私も聞いた事ありましたが、細かな内容も覚えておらず、同じく、どこの話かも忘れてしまいました(*´v゚*)ゞ

ホント、殿様の駕籠は命がけですもんね~

投稿: 茶々 | 2013年2月 4日 (月) 01時52分

世の中の幸せと不幸せは、合計したらゼロってことなんでしょうかね~。

わが家の貧乏神様が福の神になってくれますよう、寝る前にお祈りするようになりましたが、
自分の幸福だけを祈ってもダメなのかもしれませんね。

投稿: とらぬ狸 | 2015年7月 3日 (金) 21時25分

とらぬ狸さん、こんばんは~

自分の幸福は願いたいですが、他人の不幸は願いたく無いですね~と、自分に言い聞かすように言ってみます(* ̄ー ̄*)

投稿: 茶々 | 2015年7月 4日 (土) 01時11分

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