平清盛と厳島神社
承安二年(1172年)6月11日、平清盛が厳島神社に法華経十巻を奉納しました。
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厳島神社は、ご存知『日本三景』の一つ、安芸の宮島にある有名な神社です。
創立は、推古天皇の頃(600年頃)と伝えられていますが、現在の規模になったのは、やはり安芸守(あきのかみ)平清盛の造営によるものです。
清盛が法華経を奉納した承安二年(1172年)と言えば、その年の2月10日、娘の徳子が高倉天皇の中宮になった年です。(12月13日【建礼門院・徳子の忌日】参照>>)
その高倉天皇の母親は、清盛の奥さん・時子の妹・建春門院滋子でしたから、まさに、平家全盛の真っ只中!
耳聞(みみきき)の禿童(かむろ)と呼ばれるおかっぱ頭の少年たちが、スパイとして都の随所に放たれ、時には宮中にも出入りして、反平家の火種がないか探りを入れていたと言われます。
ちょっとでも平家の悪口を言おう物なら、即しょっぴかれる、まさに、『平家にあらずんば人にあらず』の時代でした。
しかし、そんな全盛の清盛に、たった一つの不安・・・。
それは、自分の健康です。
4年前の仁安三年(1168年)大病をわずらった清盛は、結局は太政大臣の座を退いて出家せざるを得ない状況に陥っています。
幸い、病気から回復したものの、「もう一度そのような事があってはならない」という思いが、この時期の法華経の奉納という行為につながっていったのだという事でしょう。
瀬戸内の航海の守り神としてあがめられてきた厳島神社。
朱塗りの柱が、海の青さと相まって、平家全盛の昔を偲ばせ、何とも言えない美しさと憂いを感じさせますね。
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コメント
来年の大河「平清盛」。どういうストーリーになるのかな?
脚本担当者が女性ですが、05年「義経」とは反対のテイストになるのかな?後半では女性たちの抗争もあるらしいです。
投稿: えびすこ | 2011年6月11日 (土) 08時45分
えびすこさん、こんにちは~
以前も少し書きましたが、時代考証を担当される先生が、脚本家の方と会談されて、その構想に、かなりのショックを受けておられたようなので、またまた、波乱の大河になりそうです。
楽しみですね。
投稿: 茶々 | 2011年6月11日 (土) 14時14分
>構想にかなりのショック
それは「オリジナル脚本」だからかもしれないですね。平成になってから該当作が多いですが、半分はあまり視聴率や評価がよろしくないです。
「原作」がないので脚本家に構想の全てを委ねる。人物はある程度わかり、物語が組みやすい。作品の出来が悪くなる元がそこにあるのかもしれないですね。それとも番組制作の際に、原作者と脚本家が対立した事が昔あるんでしょうか?
以前「コミックを大河ドラマにしては」と言っていましたね。
ただ、差別的な表現やNHKにはそぐわないセリフはカットしないといけないですね。コミックはセリフが完成しているので、上記の点を考慮すればいいですね。
投稿: えびすこ | 2011年6月11日 (土) 15時36分
えびすこさん、こんばんは~
先々週くらいから「JIN-仁」は原作とは違ったストーリー展開になって来てます。
…というか、もともと、原作にはいない主人公の恋人=ミキさんが、初回から登場しています。
原作者の了解が得られるかどうかは、それぞれですが、すべてをがそのままじゃなくても良い気もします。
「天地人」も、原作とは違う部分があったみたいですし、現代ドラマのサスペンスなんかも原作とは違ってたりしますもんね。
投稿: 茶々 | 2011年6月12日 (日) 01時44分
ほけきょう?!あの日蓮が事件起こした...
投稿: ゆうと | 2012年4月18日 (水) 17時46分
先日、厳島神社に行ってきました。
ちょうど原爆投下の日。
ガイドさんが教えてくださったのですが、
厳島神社は爆心地から20キロメートルであったこと、地形の特徴があったことで無事だったそうです。
地形の特徴がどんなものかは忘れてしまったのですが……。
メモとるのは大切です(ノ_-。)
なんでも、もし19キロメートルの距離であったら、被害にあっていたという話でした。
美しい厳島神社も今はなかったのかも
投稿: ティッキー | 2012年8月 8日 (水) 17時56分
ティッキーさん、こんばんは~
たくさんの方が犠牲になりましたが、貴重な遺産が残った事は救いでしたね。
厳島神社は、ずいぶん前にいったきり…また行きたいです。
投稿: 茶々 | 2012年8月 9日 (木) 01時37分