映画の日に映画の歴史
12月1日は映画の日だそうです。
明治二十九年(1896年)11月25日、神戸の神港クラブで、エジソンのキネトスコープの公開が開始されました。
これを、日本での映画の誕生として、昭和31年(1951年)に、公開期間中のキリの良い日・12月1日が映画の日に制定されたのです。
て事で、本日は映画の歴史を・・・
・・・・・・・・・
1888年、アメリカの発明王・エジソンが、小さな穴から動く写真を見る機械=キネトスコープを発明。
1895年には、フランスのリュミエール兄弟がシネマトグラフという映写機でスクリーンに映し出し、パリで初公開します。
・・・で、その翌年に、日本でキネトスコープが公開されたわけです。
そのまた翌年・明治三十年(1897年)には、大阪でシネマトグラフが公開されます。
思ったより早いですね。
1898年には、フィルムに手描きで彩色するという原始的なカラー映画も誕生しました。
やがて、1910年代になると、現像の時の薬品処理などで、セピア色に仕上げたり、青い液に浸して夜のシーンを作ったりする技術なども生まれ、映画は飛躍的に発展します。
1911年には、イギリスで音付きの映画=トーキーが考案され、1912年には、フランスでカラー映画が開発されます。
このころからアメリカでは、雨が少ないという理由でハリウッドの近くで数々の映画が作られるようになり、徐々にハリウッドが映画の都となっていくのです。
1918年、テクニカラー社が赤と緑に分解する2色分解技術のカラー方式の技術を完成させます。
そして、1927年には、部分的に音の付いた『ジャズ・シンガー』という映画が大ヒットし、映画は、音付きの時代へと突入するのです。
色のほうは、1933年に、やはり、テクニカラー社が新たに3色分解方式を完成させ、本格的なカラー映画が上映されるようになります。
日本では、イギリスのトーキーに先駆けること9年、明治三十五年(1902年)に、東京の明治座で『発声活動大写真』と銘打って、大々的に公開されましたが、これは映像とは別に口上だけをレコードに吹き込んで流した物。
大正三年(1914年)には日本キネトフォン会社が創立され、新方式で数本の映画が製作されますが、旧式の蓄音機と映像が合わず失敗・・・。
その後も、様々な方式が試されながらも、なかなかうまくいきませんでしたが、昭和六年(1931年)、松竹で日本最初のトーキー映画『マダムと女房』が制作され、日本も本格的なトーキーの時代となりました。
しかし、この昭和六年は、あの満州事変のおこった年・・・戦争の色が濃くなる中、日本の本格的なカラー映画時代は、第二次世界大戦後に持ち越される事になります。
そんな頃、海の向こうでは1939年に映画史上に燦然と輝く『風とともに去りぬ』が公開されます。
やがて、戦争も終わり、昭和26年(1951年)、黒澤明監督の『羅生門』がベネチア国際映画祭でグランプリを受賞するという快挙をなしとげます。
黒澤監督は、この映画の中で、今では当たり前となっている鏡(現在は鏡ではありませんが)を使って太陽光を反射させる手法を、世界で初めて使用し、ほの暗い画面の中に、役者の表情を美しく浮かび上がらせました。
その後、1953年には、1台の映写機で大型映画が可能なシネマスコープが開発されました。
そして、1975年、あの『ジョーズ』がアメリカ映画史上最高の大ヒットを飛ばし、1977年には『スターウォーズ』がその『ジョーズ』の記録を抜き、1982年には『E.T.』がその『スターウォーズ』の記録を抜く・・・という、もう皆さんご存知の時代となります。
今や映画はCGの時代となり、以前は映像にできなかった物ができるようにもなり、もはや創れないシーンは無いんじゃないかと思うくらいですね。
いやぁ~、映画の発展って、ホントにスゴイですね!サヨナラ、サヨナラ…o(*^▽^*)o
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コメント
茶々さん、こんばんは!
人に歴史あり、映画にも歴史あり~ですね。
こんなにも映画本来の歴史についての文章は初めてです!いつもながら勉強になります。
チャップリン以前の映画は観たことがありませんが、今でも感動できるたくさんの物語があったのでしょうね~、見てみたいです。
トーキーやカラーへと激変していきますね
、当時は今の地デジへの切り替わりどころの騒ぎではなかったのでしょうね(笑)。
セリフがなく白黒でも表現力の素晴らしい作品がたくさんありますし、個人的にはCGのよさはそれ以上に思えない今日このごろ・・・クラシック映画にハマっている最近の私でした~(笑)。
投稿: ルーシー | 2006年12月 1日 (金) 22時43分
ルーシーさん、こんばんは~。
私も、けっこう昔の映画は好きですよ。
やはり、CGは一つの表現方法でしかありませんからね。
空想上の生き物を現実化したり、ありえない世界を表現したり・・・そんな技術のすばらしさには、「スゴイな」と感心したり、「CG丸出しやん!」と笑ってみたりしながら見ていますが、その時代、その時代の最高の技術を駆使して、作品をつくりあげていく造り手の心は、今も昔も同じなのかなぁって思ったりもします。
今の映画がクラシックと呼ばれる頃には、CGうんぬんに関係なく、本当に良い作品だけに淘汰されていくんだと思います。
(一つも残ってない可能性もありますが・・・笑)
もうすぐ、お正月・・・私は、深夜にズラリと並ぶ昔の映画に以外にもハマったりしますね。
投稿: 茶々 | 2006年12月 2日 (土) 01時05分
テレビ時代劇が減る中で映画時代劇がこの数年増えていて、若手俳優がよく出ますね。映画時代劇でもCGを使うので、SF的な作品もあります。個人的には今夏の「実写版・忍たま乱太郎」が見たいです。
テレビでも映画でも、「若手歌舞伎俳優が主役」の作品は近年は少ないです。先週の「千思万考」コーナーで出た長谷川平蔵は、中村吉右衛門さんの「十八番」でしたが、後継者(甥の市川染五郎さんでは無理か?)がいるかどうか…。
余談ですが民放テレビ時代劇が減るのは、スポンサーCMの事情らしい(朝日新聞の記事より)です。前にもどこかで書いたと思いますが、視聴者の大半が高齢者で「高齢者が買う商品」の宣伝でないとスポンサーの意味がない(視聴率次第では採算が取れない)ようです。俳優やスタッフの世代交代の問題ではないみたいです。
若い世代も獲得するには番組の配役を若手メインにして、CMも若年層に需要の多い商品にするか、年配者に絞るならCMを健康食品や医薬品の製造元などの、「年配者の需要を見込むモノ」を作る会社とするかでしょうね。特に日本テレビ系では15年以上連続時代劇がない状態です。日テレ系はドラマの数が他局より少ないので。「土9で時代劇をやればいいのに」と最近思います。
長々と書いてすいません。
投稿: えびすこ | 2011年5月22日 (日) 09時37分
えびすこさん、こんにちは~
時代劇もイロイロ…
関西の視聴率で言えば、「JIN~仁」は先週もダントツの1位でした。
良い原作があれば、あれだけの秀作を造れるのですから、現役のテレビスタッフさんにも、頑張っていただきたいです。
投稿: 茶々 | 2011年5月22日 (日) 15時52分
「時代劇の制作」で思い出しましたが、「天地人」と「龍馬伝」と「江 姫たちの戦国」の3作品は、平年の大河作品より予算が若干少ないらしいんです。
映画1本を作るのにどれくらい予算がいるか知りませんが、撮影場所(ロケ地)が少ない作品は製作費が幾分浮きます。
やはり「JIN」は健闘してますね。
ちなみに昨年は全局の連続ドラマで、視聴率が「最高25%以上」か「平均20%以上」の番組が1つもなかったんです。以前も書いていると思いますが、ビデオリサーチ社の統計史上初だそうです。
今年は「江 姫たちの戦国」か「おひさま」か「JIN」のどれかが、上記の2つのうちの片方を記録すると思っています。
投稿: えびすこ | 2011年5月22日 (日) 17時04分
えびすこさん、こんばんは~
それでも、大河の製作費は、民放の比じゃないでしょうね~
投稿: 茶々 | 2011年5月23日 (月) 02時30分