お地蔵様のお話
毎月24日はお地蔵様の縁日で、中でも1月24日は“初地蔵”という事で、特に賑わいます。
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お地蔵様の本名(梵名)は、トロチーカルテバー。
仏教の世界では、「お釈迦様が亡くなった後も、仏教は輝き、世界に広がっていくであろうけれども、何千年・何万年か後にその光が衰えを見せた時、お釈迦様の生まれ変わりとも言うべき人が現れ、再び再生するだろう」と考えられています。
その、お釈迦様の生まれ変わりとなる人の象徴が“弥勒菩薩”です。
「弥勒菩薩は、釈尊よりもはるか昔に悟りを開き、釈尊の仏法が絶滅に瀕した時、代わって人類の救済にあたる」のだそうです。
そして、お釈迦様が亡くなってから弥勒菩薩が出現するまでの期間、人を教え、救済し、守るという任務を背負っているのが、お地蔵様です。
「生みなさぬものとてはなし土の徳・・・」
この「生む」というのは、生み育てる事・・・
どんな汚い物でも、土の中ではぐくまれ、いずれは清らかな水となり、肥沃な大地の肥料となる・・・土はスゴイ!という事です。
この土のように、お地蔵様の教えによって、醜い心に犯された人間でも浄化される・・・だから、お地蔵様はりっぱなお堂の中ではなく、道端の土の上に立っています。
特に、人が道に迷う別れ道に立ち、これから先の道筋を見守ってくれるのです。
そして、「天を父とすると、地は母になる」という考えから、「母なる大地の慈悲」として、子供を守る守護神の信仰もあいまっています。
また、閻魔大王の変身した姿がお地蔵様でもある事から、厳しさと慈愛の心の両方を持たねばならない事も教えてくれています。
人は死んだ時、閻魔大王の裁きを受けて地獄に落とされた後、お地蔵様の慈悲で救われるのだそうです。
仏教の伝来とともに伝わったお地蔵様への信仰が、日本で盛んになったのは平安時代頃から・・・。
そして、鎌倉時代から室町・戦国の戦乱の相次ぐ時代になって、明日をも知れぬ命・・・死への恐怖から、人々は救いを求めるようになり、特に一般庶民の間で地蔵信仰は急速に広まっていったのです。
やがて、先程の母の慈愛の考えから子供を守る“子安地蔵”も生まれ、“耳だれ地蔵”や“いぼとり地蔵”といった病気を治療する地蔵様も誕生します。
また、現世と冥界の境目に立って守ってくれる・・・という考えから“勝軍(将軍)地蔵”。
冥界への入り口=“六道の辻”から、“六地蔵”も各地に祀られるようになりました。
一番身近で、一番たくさん出会う道端のお地蔵様・・・。
無神論者の私でも、ついつい手を合わせてしまいます。
あの、幼くも見える慈しみに満ちたお顔は、少しの間見入ってしまいますね。
お地蔵様のもう一つの顔・閻魔大王については7月16日【半年に一度・地獄の釜開き~閻魔大王のお話】へどうぞ>>
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