いい碁の日に囲碁のお話
1月15日は、語呂合わせで「1(い)1(い)5(ご)」という事で、“いい碁の日”という記念日だそうです。
・・・なので、今日は囲碁について書かせていただきます。
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囲碁の起源は、ご存知、中国で、もともとは、古代の占いの一種だったと言われていますが、あまりに古いため、はっきりした成り立ちは不明のようです。
『論語』の中には、すでにゲームとして登場しますので、かなり歴史は古いのでしょうね。
中国から日本へは大宝年間(701年~704年)に弁正という僧によって、双六とともに持ち込まれたと伝えられ、正倉院には聖武天皇が使ったであろう碁盤と碁石が納められています。
『続日本紀』には、対局の話も登場し、徐々に盛んになっていった囲碁は、平安時代に大ブームとなります。
遊び方は、現在とほぼ変らないルールですが、この頃の囲碁には賭け物がつきもので、お金はもちろん、当時は貴重品だった紙や絹、馬などを賭けて遊んだそうです。
しかし、物が賭けられると必死になるのは、今も昔も変わる事はなく、そのせいで連日連夜の“賭け碁”というのも少なくなかったようで、あの清少納言も『枕草子』に「心にくきもの=殿方の徹夜の碁」と書いています。
そんなこんなで、『徒然草』には「囲碁、双六好みて明かし暮らす人は四重五逆にも勝れる悪事」とまで書かれてしまいます。
【四重五逆】とは、殺生・親殺し・邪淫・阿羅漢(仏教の聖者を殺す事)などなど、とにかくめっちゃ悪い事。
そんな悪事と並び証される・・・いえ、「勝る」と言われてしまうなんて・・・よほどトラブルが耐えなかったんでしょうね。
人間、ムキになっちゃいますからね。
以前、書かせていただいた“後三の役”(11月14日参照>>)。
その火種となった清原家内のイザコザを、そのページでは『清原一族の中の吉彦秀武(きみこひでたけ)という人が真衡(さねひら)とモメて、家衡(いえひら)と清衡(きよひら)に助けを求めたため、真衡VS家衡+清衡の戦いが勃発』と書かせていただきましたが、この秀武と真衡がモメたきっかけというのが、実は囲碁がらみなんです。
真衡の息子・成衡が妻を迎えた祝宴で、秀武が婚礼祝を持参して現れたところ、真衡は他の人物との囲碁に夢中になって、秀武の事を無視・・・いつまでたっても囲碁を続けたため、怒った秀武がその場で祝いの品を投げつけたのです。
そして、今度はその態度に真衡が逆ギレ!
そんな事で起こった家庭内の内紛がきっかけで、奥州一帯に勢力を誇った清原家は、後妻の連れ子という直系ではない(後に藤原姓を名乗る)清衡に権力を持っていかれる事になちゃったわけですから、そりゃ「四重五逆にも勝る」わけですね~。
そんな悪のイメージだった囲碁も、室町時代になると現在のプロ棋士のような人が出始め、有力者が彼らを雇って戦わせる・・・といった競技のような物になり、戦国時代に入ると合戦のシュミレーションとして大いにもてはやされます。
そのうち、上手な人に教えを乞う・・・先生と弟子のような関係も築かれて行き、やがて、江戸時代には、庶民も含め最盛期を向かえ、レベルも飛躍的の向上する事となり、頭脳ゲームとしての現在の位置を確保する事となります。
いつの時代も「賭け事とゲームはほどほどに・・・」が良いようですね。
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コメント
おはようございます。
囲碁から争いが起きるなんて(^_^;)お祝いを持ってきてくれたのに、無視はいけませんよね。
将棋はできますが、囲碁はほんとに難しいんですよね。小学生の時、囲碁・将棋クラブに入ってましたが、囲碁はおはじき的存在で活躍してました(^_^;)
投稿: 見習い大工 | 2007年1月16日 (火) 08時23分
見習い大工さん、こんにちは~。
私も、五目並べしかできません。
中学の時、あの石をパシッ!する姿が「カッコイイ~」と思って、必須クラブを「囲碁クラブ」にしましたが、初日の説明段階でチンプンカンプン。
断念した記憶があります。
きっと、理解すればするほど面白いんでしょうね。
投稿: 茶々 | 2007年1月16日 (火) 17時26分