相国寺の鳴き龍
今日は、昨年秋に訪れた相国寺のお話をさせていただきます。
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相国寺は京都の上京区、京都御所の北側にある禅寺です。
普段の拝観は申し込み制なので、少し敷居が高い感じがしますが、毎年、春と秋に申し込み無しで拝観できる特別公開が行われ、私も特別公開に合わせてぶらりと行ってみました。
相国寺は室町幕府・第三代将軍の足利義満が、後小松天皇の勅命を受けて創建した禅宗五山の一つです。
応仁の乱の兵火でいくつかの堂が失われますが、豊臣秀頼が法堂を、徳川家康が三門を寄進。
他の堂塔も再建されますが1788年の天明八年の大火で、法堂、浴室、塔頭九院以外を焼失してしまいます。
やがて、文化四年(1807年)になって、方丈や庫裏、開山塔など創建当時のような壮大な伽藍が復活したのです。
相国寺の境内は普段から自由に散策できるので、私も何度も訪れているのですが、方丈や法堂の中に入ったのは、この時が初めてでした。
方丈では、赤いもうせんの上でしばし休憩・・・。
庭園を拝見しながら、落ち着いたひと時がすごせます。
そして、大火の中、奇跡的に残ってくれた法堂へ・・・。
法堂は、国の重要文化財に指定されている桃山時代の物。
中には運慶作の釈迦如来さまが安置されています。
しかし、何と言っても、この法堂で有名なのは、狩野光信の筆による天井に書かれた『蟠龍図』です。
この龍は「八方睨みの龍」で、法堂内のどの角度から見ても、こちらを向いているように見え、方向によって昇り龍になったり下り龍になったり・・・。
そして、法堂のある場所から手を叩くと、やまびこのように音が返ってくる所から「鳴き龍」とも呼ばれています。
この「鳴き龍」は、ホント体験してみないとスゴさがわかりません。
お寺のかたが説明して、ひとりひとり「この場所に立って手を叩いて下さい」という場所に案内してくださるのですが、私の前の中年のご夫婦が、二人一緒にその場所に立とうとすると、「あっ、おひとりずつどうぞ。少しでも位置がズレると、もう聞こえないんですよ」とおっしゃっていました。
そして、私の番。
みごと、堂内に響きわたっているんじゃないか?と思うような音・・・。
なのに、すぐとなりに立っている、案内人のかたは「ちゃんと、聞こえましたか?」と確認します。
つまり、となりに立っている案内人のかたには、もう聞こえないんですね~。
ホント不思議・・・。
今年も、もうすぐ3月24日から6月4日まで、春の特別公開が行われます。
特別公開では、方丈・法堂そして、浴室も拝観できます。
浴室では、湿気の多いこの日本で、みごとなまでの湿気対策が施されている匠のワザが目の当たりにできますよ。
もし、機会がありましたら、皆さんもどうぞ。
ホント感動しました~
くわしい場所や地図はHPの【京都・歴史散歩】へどうぞ→浴室の写真もupしてます
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