一休さんのとんちは本当?
文明六年(1474年)2月16日、“とんち”で有名な一休宗純が京都・大徳寺の第46代住職に就任し、応仁の乱で荒れ果てた大徳寺の復興に貢献しました。
・・・・・・・・・・・・
一休宗純(いっきゅうそうじゅん)は、応永元年(1394年)のお正月・・・1日に生まれたと言われています。
お母さんが後小松天皇(10月20日参照>>)に仕えていた事から、天皇の隠し子ではないか?との噂もありますね。
アニメの一休さんでも、母上様はかなり高貴なおかたのように描かれていました。
6歳の時に安国寺に入り、その後、近江・堅田の華叟(かぞう)和尚のもとで修行します。
やがて、27歳になって諸国を巡歴するようになるのです。
アニメのかわいい一休さんは、安国寺時代の頃ですね。
ところで、あのかわいい一休さんの「とんち話」は、本当なのでしょうか?
残念ながら、一休さんの「とんち話」として残る一番古い物でも江戸初期の物で、史実・・・というよりは逸話・物語のような物です。
しかし、「とんち話」が生まれる要素はあったのです。
絵に描いた虎をめぐり
「つかまえてみろ」
「つかまえるから絵から出してみろ」
という将軍様とのやりとり・・・。
一休さんは、本当に将軍様にこのような態度をとっていたのです。
(もちろん、その時はもう子供ではありませんが・・・)
将軍を高い台の上に上ったまま出迎え、付き添う家臣に「アッカンベ-」とやった事もありました。
そして、それは将軍に対してだけではありません。
正月のめでたい時に、墓場から持ってきたドクロを竹の棒に刺し、「死んだらこうなるよ、気をつけて!」と言いながら近所の家々を回ったり、
地蔵菩薩・開眼の儀式に招かれたのに、ピンと張り詰める空気の中、その地蔵様におしっこをひっかけて逃げてみたり・・・。
時には、木刀を腰にさして武士のように町を歩いたり、尺八を吹き、歌を詠み、女好きでお酒もたしなむ。
しかし、これらの奇行には、ちゃんとした意味がある・・・一休さんの生きた時代は、応仁の乱によって乱れに乱れた下克上の時代。
これらの一休さんの奇行には、支配階級である武士や堕落していく僧侶に対する批判や、乱れる社会への風刺が込められていたのです。
法を説く時は、しっかりと説き、一連の奇行にはちゃんとしたポリシーがある・・・
「一休さんのとんち話」は、こんな一休さんの生き方によって、生まれるべくして生まれた逸話と言えるでしょう。
以前、このブログで書いた一休さんの「老いらくの恋」(11月30日参照>>)・・・76歳にして、50歳年下の彼女を射止めるその魅力も、そんな所にあるのかも知れませんね。
そんな若~い奥さんに看取られながら、文明十三年(1481年)11月21日・・・一休さんは88歳の生涯を終えました。
.
「 南北朝・室町時代」カテゴリの記事
- 生まれる前から家督争い~畠山政長の生涯(2024.04.25)
- 若君からの転落~足利義嗣の室町幕府転覆計画?(2024.01.24)
- くじ引き将軍を産んだ丸投げ後継者選び~足利義持の死(2024.01.18)
- 応仁の乱での六角氏の後継争い~清水鼻の戦い(2023.11.12)
- 応仁の乱の前に…畠山政長VS畠山義就~龍田城の戦い(2023.10.10)
コメント
破戒僧一休。それを知った高校時代のさときちの動揺っぷりはいかばかりか(笑)いいイメージのままの方が、、、でも、それを知り、背景を知ってこそ、より人間世界の奥深さが見える訳でして。本日もまた詳しい内容で、、、大変勉強させていただきました。しかし、歳の差50!! 感動しました(笑)
投稿: さときち | 2007年2月17日 (土) 01時25分
さときちさん、こんばんは~。
私も知った時は、ショックを受けました~
とんちの小坊主のイメージが強かったので・・・。
でも、ちゃんと筋が通ってるから、数々の奇行も許されるんでしょうね。
50歳年下の彼女・・・男のロマンですね~
投稿: 茶々 | 2007年2月17日 (土) 01時50分
今夜実写時代劇スペシャルの「一休さん」がありますね。
鈴木福くんが一休さんになります。
「花は桜木、人は武士」は一休さんの言葉だそうです。
ところで2014年の大河ドラマの主人公がまだ発表されていません(6月30日現在)。近日中には明らかになると思いますが、年々人選に苦労しているように思います。
来年は当初は別の人物が候補だったらしいです。
投稿: えびすこ | 2012年6月30日 (土) 10時15分
えびすこさん、こんにちは~
芸能界というのは、事務所との関係がありますからね。
単に、誰がふさわしいかで決められないので、なかなかに難しいかも知れません。
投稿: 茶々 | 2012年6月30日 (土) 13時56分
大人の一休さんとなると、1994(平成6)年の大河ドラマ「花の乱」で奥田英二さんが一休和尚こと一休宗純を演じていたのを思い出します。あのときの一休和尚はいつもドクロ💀を杖の頭に差していました。
投稿: アッチ君 | 2018年5月 8日 (火) 23時25分
アッチ君さん、こんばんは~
「花の乱」は一休さんの60歳年下の恋人=森侍者と日野富子が、少女時代に入れ替わってる設定でしたね。
あの時代の大河ドラマをまた見てみたいです。
投稿: 茶々 | 2018年5月 9日 (水) 03時01分