お年玉の由来とオリジナル「ポチ袋」
クリスマスという一大イベントが終れば、いよいよお正月・・・という事で、今日は『お年玉の由来』について・・・
今では、「お年玉」と言えば、お正月に家族や親戚からもらう現金・・・お金を意味しますが、もともと「お年玉」というのは、先日のお歳暮の由来(12月20日参照>>)でも登場した、お正月にやって来る神様=年神(としがみ)様が授けてくれる霊的な力の事を「お年玉」と呼んでいたんです。
霊的な力と言っても、今ハヤリのスピリチュアルなあんな力とか、瞬間移動できるこんな力の事ではなく、言ってみれば、活気、あるいは元気・・・生きる気力を与えてくれるという事です。
今でも、「大晦日に年神様が年玉を配って回る」という伝説の残っている地方(島根県など)もあり、本来は、家族から貰う物でも現金でも無かった事がわかります。
霊的な目に見えない物だった年玉が、やがて、いつのほどからか、「お餅」や「お米」といった具体的な物品に変化していきます。
それは、日本が農耕民族であったが故に、お米や、そのお米から作られるお餅が、神様からの贈り物であり、パワーの源であり、心=魂(たましい)でもあるという風に考えられ、そのお米やお餅を紙に包んで、年神様の代理である家長や年長者が家族に配る・・・という風習に変わっていったようです。
もちろん、そのお米やお餅は、暮れの段階から、年神様をお迎えする例の年棚(としだな・年神様専用の神棚・12月20日のお歳暮の由来のところでお話しました)に備えられていて、神様のパワーがしっかりと、お米やお餅の中に詰っているという事になり、基本的には、最初に書いた霊的な力を授かるという考えには変わりありません。
鹿児島県の甑(こしき)島には、鬼のお面と蓑(みの)を身に着けた「年殿(としどん)」と呼ばれる年神に扮した若者が、各家々を回り、怖がって泣きわめく子供たちにお餅を配って回るという行事が残っているそうですが、これなどは、まさに、お年玉の原型に近いと言える物ではないでしょうか。
かつて、神様から与えられる霊的パワーが、神の恵みの象徴であるお餅やお米に変化し、やがて、現代的な幸せの象徴である現金に変化する・・・現金というのは、ちょっと現実的すぎて、夢が無いような気がしないでもありませんが、神様の代理である年長者から若年者へという、この授ける形だけは変化しないで残っている・・・なんだか、うれしい気がしますね。
今度の、お正月は、そんなお年玉の本来の意味を思いつつも、シビアに現金を、ありがたくいただいてみる事に致しましょうか・・・
・・・今日は、イラストというか・・・話題がお年玉なので、オリジナルのポチ袋を作ってみました~。
左のイラストをクリックしていただいたら、イラストギャラリーにある大きなイラストが開きますので、気に入ったのがあれば、コピーしてお持ち帰りください。
そのまま印刷して、糊付けすれば「ポチ袋」として使っていただけます。
また、ペイント系のお絵かきソフトに取り込んでいただいて、適当な場所にお子様のお名
前を入れたり、ねずみの顔の部分や、ご来光の朝日の部分に、お手持ちのお子様の写真などを挿入すると、まさにオリジナルな「ポチ袋」に仕上がりますよ。
ぜひ、試してみてください。
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コメント
年玉…本来の意義から考察すると、年魂とか年霊の字を当てるべきなんでしょうね。
投稿: マー君 | 2008年12月15日 (月) 01時49分
お金とともにパワーもいただける気がします。
投稿: 茶々 | 2008年12月15日 (月) 22時23分