1月28日は「初不動」、不動明王のお話
毎月28日は『不動明王の縁日』です。
中でも、1月28日は『初不動』という事で、今日は『不動明王のお話』を・・・。
(1月は「初○○」が多いな・・・(^o^;))
・・・・・・・・・
そもそも、明王というのは、国や人民、仏法や信者を守る天の仏神で、大日如来の命を受けて、悪を退治するところから、多くは怒りの形相をしています。
不動明王・降三世明王・軍茶利夜叉明王・金剛夜叉明王・大威徳明王が五大明王と呼ばれ、その中でも、大日如来の化身(裏側)とされて、一番有名なのが『不動明王』です。
サンスクリット語のお名前は阿修羅(アシュラ・Acala)で、これが「動かない」という意味なので訳して不動です。
『不動』とは、「道心の大にして寂(しず)かなるの義」だそうで(なんでこんな難しい表現のしかたするかな~(汗))、「見ため穏やかに微動だにせず、それでいて心の中は道心(正しい道を求める心)を大きく」という事らしいです。
『大日経』という仏典では、仏教の守護神として、明王の中でも最高位の位置に、不動明王を置いています。
顔が四面あったり、手が4本あったりという異形のお不動さんもおられますが、多くは、左手に絹索(けんさく・縄)を持ち、右手に剣を持っています。
これは、左手の縄で悪しき心を縛り、右手の剣で悪しき心を断つためです。
右手に持つ剣は『黒龍の剣』で、この剣が不動明王の化身として独立したのが倶利伽羅(くりから)竜王・・・倶利伽羅竜王が剣に巻きついた像は倶利伽羅不動として、不動明王とは別に祀られている事もあります(2月21日参照>>)。
不動明王はその髪を七つに結んで垂れさせていますが、これは古代インドの奴隷の髪型で、その身にまとった衣も奴隷の姿をしています。
その意味は、外見の醜さをものともせず、内面の美しさを重視しなければならないという事を教えるとともに、奴隷が荷物を運ぶように、迷える人々を悟りの岸(彼岸)へ導く事を現しているのだとか・・・。
後ろに火を背負っているのは、火生三昧(かしょうざんまい・火渡りのような捨て身の行の事)に入っても不動である事を象徴し、座っている石に水が流れているのは、その清らかな水で、人々の火のような苦しみを流し消すという意味が込められているそうです。
悪しき悪魔を断ち切るため、恐ろしい形相の不動明王は、人が道を踏み外した時に、すべてを包み込むように諭す大日如来に対して、叱咤激励して正しい道に導いてくれる・・・その表の顔と裏の顔は別々でも、心の内は同じなのです。
今日は、もちろん『不動明王』で・・・。
仏像ではなく、人物として描いてみましたが・・・
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コメント
二枚目の不動様ですね~♪
どうも、あの乱食歯が、ネックでなかなか書き難いですが、スマートな「イケメン不動」ではありませんか。
投稿: 乱読おばさん | 2008年1月28日 (月) 15時16分
>乱読おばさん様・・・
どこで聞いたのかあやふやな情報ですが、古代インドの奴隷のある少年がモデルだと小耳にはさんだので、仏神ではなく、いっそのこと、生身の人間にしてみようかと・・・。
投稿: 茶々 | 2008年1月28日 (月) 17時52分
兎家・・・酉年生まれではありませんが・・・
不動明王を部屋に祀っています。。。
気分が落ち込んでいる時に・・・
口元きりりと隻眼で睨まれると、落ち込んでる場合じゃないと・・・
云われているようです。。
投稿: 兎家 | 2010年5月28日 (金) 20時56分
兎家さん、こんばんは~
あの強そうなお顔は、心がキリッと引き締まる感じがありますね。
しっかりしなければ!!!
という気分になります。
投稿: 茶々 | 2010年5月29日 (土) 01時22分