「招き猫の日」なので招き猫の由来
今日、9月29日は、「くる(9)ふ(2)く(9)」=来る福の語呂合わせで、日本招き猫倶楽部が制定した『招き猫の日』という記念日なのだそうです。
この日は・・・
伊勢神宮「おかげ横丁」
愛知県瀬戸市
熊本県島原市
などで、「来る福・招き猫まつり」が開催されるそうです。
ちなみに、今からお話する招き猫の由来の一つとして登場する彦根では、「い(1)い(1)ふ(2)く(9)」=いい福の語呂合わせで、11月2日~9日に「招き猫まつり」が開催されるそうです。
・・・てな事で、今日は『招き猫の由来』を書かせていただきたいと思いますが、そもそもの由来としては、中国は唐の時代の『酉陽雑俎(ゆうようざっそ)』なる書物に、「俗に言はく。猫、面を洗いて耳を過ぐればすなわち客到(いた)る」というのがありますので、もともとの出典は、これなのでしょうが、それが日本に伝わって、その猫の姿を、招き猫という人形にして、置物として飾る事に関しての起源については諸説あります。
まず、一番有名なところでは、東京・世田谷区の豪徳寺に残る第2代・彦根藩主の井伊直孝さんの逸話・・・って、第2代藩主は井伊直継(直勝)さんじゃ無かったの?と思いきや、「直継さんは、病弱だったため実権は弟の直孝さんが握っていて、直継さんは藩主に数えない場合がある」のだそうです。
以前書かせていただいた彦根城の人柱の逸話(11月4日参照>>)の時は、元気そうだったんですけどね~まぁ、招き猫とは直接関係ないので、今日のところは、そこンとこのお家騒動はスルーしてお話を進めさせていただきますが・・・。
ある時、その直孝さんが、この豪徳寺の前を通りかかると、門のところで、猫が手招きをして、しきりに彼を呼ぶのです。
不思議に思って、猫に近づき、門の中に入った途端!ゴロゴロド~ンの音とともに、今、立っていた場所に落雷が・・・
急死に一生を得た直孝さん・・・
この猫が、豪徳寺の住職の飼い猫だった事から、この後、豪徳寺は井伊家の菩提寺となって、大きく発展する事となるのです~・・・って、コレ、井伊家に福を招いたんじゃなくて、自分トコの寺に福を招いてるような気がしないでもありませんが、ともかく、この逸話から招き猫が生まれたというもの・・・
そのほかにも、江戸時代の天明年間(1781年~1788年)に両国にあった金猫銀猫という女郎屋の飼い猫が、「顔を洗うたびに客が入る」と評判になり、その猫をモデルにした置物を、店の名前にちなんで金と銀の色に塗って、店先に飾ったのが始まりというのも・・・
また、吉原の伝説の花魁・薄雪太夫の忠猫をモデルに人形を造り、太夫の人気にあやかろうと花街で猫の人形が大流行し、やがて、近くの飲食店や商店に広まっていったという話もあります。
その後、養蚕の敵であるネズミを退治してくれる動物である事から、商店や飲食店だけでなく、農家にも飾られるようにもなったのだとか・・・。
それにしても、その起源も謎ですが、なぜ?これほど全国に、招き猫が普及したのか?というのも、かなりの謎です。
最近でこそ、一般家庭では少なくなりましたが、商店などでは、今でもたくさん見ます・・・
さすがにフレンチ・レストランなどでは見られませんが・・・
信楽のタヌキか、亀の剥製か、というくらい、いや、それ以上に普及してる招き猫・・・しかも、種類も一つじゃありません。
一般的には、左手を挙げたものが客を招くとして商店や飲食店に飾られ、右手を挙げたものが金運を招くとして普通の家庭で飾るのだそうです。
関西では、京都の称念寺が有名で、こちらの招き猫は、色で分かれています。
金色のものが金運を招き、白色のものが福を招き、黒色のものは病気にかからないのだそうです(もはや招いてないゾ)
幕末の頃には、座ってる以外にも、ふせた姿勢の招き猫もいたらしいので、また別の何かを招いてくれるのかも知れませんね。
この種類の豊富さは、それだけ、人に身近な動物という事なのでしょう。
古くは遣唐使とともに大陸からやってきた猫・・・(2月22日参照>>)
時には、化け猫として妖怪扱い(9月6日参照>>)されたりもしますが、その妖しい魅力が、何か不思議な事を起こしてくれるような気持ちにさせてくれるのでしょう。
金運招福・無病息災・家内安全・千客万来・・・
一家に一匹福を呼ぶ・・・招き猫は小さな巨人です。
もちろん、招き猫で・・・
ちょっと欲張って、色んな福が来るように、左手の右手も挙げて、白に黒に金銀も、ぜ~んぶ○
これで、余生は酒池肉林の左ウチワでぃ!
.
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コメント
お久しぶりです♪
この招き猫、いいですね~♪
ふてぶてしいツラ構えの猫って大好きなんです。両手を挙げてよくばりだ~!
投稿: 乱読おばさん | 2008年9月30日 (火) 22時01分
乱読おばさん さま、お久しぶりです。
こちらこそ、ご無沙汰しております。
左手が集客で、右手が金運なら、なんで両手とも挙げてるのがないのか?・・・と思って描いてみました~
これでブログの閲覧も増えるといいなヽ(´▽`)/
また、おばさまのブログにもお邪魔させていただきま~す
投稿: 茶々 | 2008年9月30日 (火) 22時34分
いつも読ませてもらってます。確か、招き猫の両手を上げたら[お手上げ]になるって聞いたことがあるのですが、実際はわからないです。
投稿: たろう | 2008年10月13日 (月) 12時32分
たろうさんコメントありがとうございます。
>両手を上げたら[お手上げ]・・・
なるほど・・・ウマイ事言いますね~
確かにそうかも知れませんね。
やっぱ、人間、欲張っちゃいけないって事ですね。
地道に、小さな事からコツコツと・・・ですね。
投稿: 茶々 | 2008年10月13日 (月) 14時52分
はじめまして。お土産で水晶の招き猫を買ったのですが帰ってくるまで気付かなかったんですが左手を上げた招き猫を初めてみたのですが何か意味があるのですか?気になって。ちなみに僕はクリエイティブ関係の仕事をしています。
投稿: かつひろ | 2010年5月23日 (日) 23時59分
かつひろさん、こんばんは~
「左手は客を招く」って事なので、商売繁盛でよろしいんではないでしょうか?
お仕事面がバッチリなのでは( ̄▽ ̄)
投稿: 茶々 | 2010年5月24日 (月) 01時23分