大河ドラマ「天地人」での、世にも不思議な真田一家
昨日の「天地人」・・・第26回・関白を叱る。。。
有能な直江兼続に惚れこんだ豊臣秀吉が、「家臣になれ」と誘うものの、兼続は「自らの主君は上杉景勝だけ」と突っぱねる・・・第1回の冒頭のシーンへとつながるお話でしたね。
黄金の茶室から、いきなり、第1回の外のシーンへワープするのにも驚きましたが、題名にある「関白を叱る」のが、主役の兼続ではなく、おねさんだった事にもちょっとびっくり・・・
さらに、びっくりは、「この書状は不要になったので燃やせ」と景勝に言われた家臣が、手紙を燃やしているところに遭遇した兼続が、その手紙を勝手に呼んじゃう・・・
「オイオイ、それは、いかんだろ!」
と、ツッコミを入れる間もなく、声に出して読み始める兼続・・・
「我らにもしもの事があったら、上杉の義を懸けて秀吉と戦え」・・・と、それは、まさかの時は、秀吉と刺し違える覚悟をしていた景勝の、越後に残った者へ宛てた遺書だったのです!
・・・と、この遺書を読んで、感激の涙にむせぶ兼続ですが・・・
オイオイ、あれだけ、越後の民のために・・・と言っていたのに、その越後の民を無視して、一家臣のために殿様が死んでしまう事に感激している場合ではないゾ!
しかも、「もしもの事があったら、秀吉と戦え」って言われても、まだ、後継ぎもいない上杉家は、誰を担いで、秀吉と戦うのだろう?
仮に戦ったとして、おそらく、領内は焦土と化し、領民は大いに苦しむ事になるが、それでも兼続クンは感激の涙にむせぶのだろうか?
よくワカラン主従関係ですが、とにもかくにも、福島正則が宙を舞ったり、殿様が倒れたり、千利休が自分の切腹はおろか、石田三成が関ヶ原で負ける事まで知ってて・・・と、てんやわんやの上洛も終わり、この後は、景勝も兼続も、越後の平定へとまい進してくださるものと思いますが、今までの事を考えると、新発田(しばた)城と佐渡攻略(6月15日参照>>)の合戦シーンはナレーションで終ってしまうかも知れません。
ところで、昨日の放送の最後のほうでは、京都を去る兼続を、真田幸村(信繁)が沿道から見送りながら、なにやら、笠を取って、深々と礼をして、兼続が「幸村~再び会おうぞ」なんて言ってましたが、あの礼は何の礼だったのでしょう?
・・・と、それも含めて、本日は、この「天地人」での真田一家の不思議について・・・何だか、天地人での真田一家の扱いが、個人的には、とても不思議だと思うのですが・・・
・‥…━━━☆
だいたい真田昌幸は、智将にはほど遠い、ただのずるいオッサンのような雰囲気で、しかも、いくら母親の身分が低いからと言って、娘・初音をくの一にするような・・・
だいたい、戦国の世に、自分の娘を、そんなもったいない使い方(言い方が悪いですが・・・)をしたりするのでしょうか?
・・・と、その前に、豆知識を一つ・・・
実は、歴史上、武装して戦う女忍者という者の記録はありません。
くの一というのは、「女装して敵を欺く」、あるいは「女を使って情報を得る」、術の事を指していて、女の忍者の事ではないのです。
ただし、忍者の役目の中に、情報収集というのがありますので、「女を使って情報を得る」場合、その雇った女性を、忍者と呼べなくもないわけですが、その場合は、大抵、その女性は敵の中から選んで、お金を積んで寝返らせるか、あるいは知り合いを雇って潜入させるわけで、その女性は忍術を取得している忍者ではないので、由美かおるのように、武装して戦う事はないのですよ。
・・・って、事なのですが、それはそれとして、あくまでドラマですから、仮にその初音という人が、「敵に潜入して、色じかけで情報を得る」という役目をしていたくの一だったとして、先ほどの、そんなもったいない使い方・・・
上記のように、くの一は、金を出せばいくらでも雇う事はできますが、娘を雇う事はできませんよね。
戦国時代、娘や姉や妹・・・これら女性は、近隣諸国との講和には重要な役目を果たします・・・いわゆる政略結婚。
現に、この「天地人」の中でも、武田勝頼の妹が、景勝の嫁になる事で、上杉と武田の講和がうまくいったわけですし、昨日も、徳川家康の横で巨漢の旭姫(秀吉の妹)が爆睡しているおもしろいシーンがありました(あのシーンはもっと見たかったww)。
この旭姫は、秀吉が家康を味方につけたいがため、前夫と離縁させてまで嫁がせているんです。
さらに、先日、2011年の大河ドラマに決まった事を書かせていただいたお江(ごう)さん(6月19日参照>>)・・・子供のいない秀吉は、このお江さんやお初さんといった自分の娘でない人物まで、政略の道具に使っているのですから・・・
そう言えば、昨年の篤姫なんかも、適当な年頃の娘がいないために、わざわざ分家から養女にして嫁がせてます~
そりゃぁ、確かに、昌幸には、娘は何人もいますが、上記の事を踏まえれば、1人でも多いにこしたことはない気がするのですが・・・まぁ、身分の低い母親が、妊娠した事を告げずに身を隠し、母の手元で、父にナイショで育てられた事にでもしときましょう。
そんな初音さん・・・以前は、春日山城の中にまで平気で侵入し、本能寺の変の後には、多くの武者の警固をかいくぐって、単独で明智光秀の前に現れ、手ぬぐい一本で果敢にアタックするほどの剛の者であったはずなのに、いつの間にか、傷だらけのか弱い乙女に変身!
北条から逃げ出して、仲間であるはずの真田の忍者に追われ、結局は、現在のポストを懸けて秀吉に頼み込んだ三成のおかげで助かって一件落着・・・って、なぜに秀吉?
先日は、弟の幸村が、「兼続が、秀吉の家臣になれば、初音は助かる」的な事も言っていて、どこがどうなって、秀吉に頼めば助かる話になるのかが、よくわかりません。
秀吉が、真田に話をつける・・・という事なのか?それとも、逃げた相手の北条に話をつけるのか?
そして、先ほど書いた昨日のシーンで兼続を見送る幸村・・・幸村が頼んだにも関わらず、結局は、兼続は秀吉の家臣にはならず、初音を助けたのは三成なのに、笠を取ってまで深々とした、あの礼は何の礼?
上杉の人質から、秀吉の人質になっちゃってゴメンネ・・・の礼?
それなら、ちょいと納得・・・
なんせ、人質なのに、たった1人で自由に京の町をかっ歩して、大好きな人のお見送りもできるんだったら、秀吉のところにいたほうが良いかも知れませんもんね。
(確か、そばに、見張り的な人いませんでしたよね?)
もう、こうなったら、愛するがゆえのツッコミを楽しむ今日この頃・・・
これだけ、重要に扱われている真田一家・・・次に訪れる一家の出番は、小田原征伐か?・・・って事は、例の八王子城・攻防戦(6月23日参照>>)も、じっくりとやってくれるという事なのかしら?
密かに、期待してしまいます。
.
「 戦国・桃山~秀吉の時代」カテゴリの記事
- 逆風の中で信仰を貫いた戦国の女~松東院メンシア(2023.11.25)
- 天下間近の織田信長が最も愛した女性~興雲院お鍋の方(2023.06.25)
- 蘆名の執権と呼ばれた金上盛備~摺上原に散る(2023.06.05)
- 白井城~長尾景広VS北陸豊臣勢の小田原征伐に沈む(2023.05.15)
- 田野城の戦い~羽石盛長と水谷蟠龍斎の一騎打ち(2023.04.01)
「大河ドラマ・時代劇」カテゴリの記事
- 大河ドラマ「どうする家康」の3~6回の感想(2023.02.13)
- 大河ドラマ「どうする家康」の1・2回の感想(2023.01.20)
- 鎌倉殿の13人…最終回「報いの時」の感想(2022.12.19)
- 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第4回の感想(2022.01.31)
- 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の感想です(2022.01.11)
コメント
おはようございます。
茶々さんもついに言わずにはおられなくなってしまったのですね(゚ー゚;
我が家はもう、ドロップアウト寸前です。
脚本家さんは真田家の人々はみんな忍者だと思ってるのか?とさえ思えてきます。
きっと幸村君も忍びの技で監視の目を掻い潜ってあそこに居たのでしょう!
投稿: おきよ | 2009年6月29日 (月) 09時45分
おきよさん、こんにちは~
>幸村君も忍びの技で監視の目を掻い潜ってあそこに居たのでしょう!
なるほど、姉さんも自由自在ですから、きっと幸村くんも・・・納得です。
私は、未だに、特撮ヒーローものを見るのが大好きです。
「そんなアホな!」
を連発しながら、毎週、サムライ戦隊シンケンジャーを見てますが、だんだん、その時のノリに似てきました。
投稿: 茶々 | 2009年6月29日 (月) 10時41分
茶々さん、こんにちは!
「天地人」ですが、初音が関ヶ原での三成と上杉方のキーヤーとなる下地が見えてきたような感じですね( ̄ー ̄)ニヤリ
もうじき小田原征伐ですが、最近『のぼうの城』の影響や元々、甲斐姫に興味があるので、是非とも忍城攻めを描いて欲しいなぁーと思っとるのですが…(ことばだけでなく、映像で!笑)
ps.そうそう!僕は“ことは”にハマってますよ!(^ー^)エヘッ!
投稿: 御堂 | 2009年6月29日 (月) 16時21分
御堂さん、こんにちは~
やっぱ、関ヶ原の時は、初音が二人の連絡を取るんでしょうね。
そう言えば、伊吹吾郎さん、シンケンジャーにも出てますね。
今回は、敵方の色っぽいおねーさんが、オールかぶりものになってしまった事が残念です。
投稿: 茶々 | 2009年6月29日 (月) 17時18分
私は、秀吉が‘ワシは成り上がり、心から信頼出来る家来はおらず、上杉の 深い絆で結ばれた主従関係が羨ましい、’ ー ー と、涙ながらに こぼした台詞にはジーンとするものがありました。
今までにも、戦国物では嘗て耳にしたことの無い様な、深い精神性の啓示を受けるかの様な、そういう 感動を得ることがありました。
ほぼ100% ドラマとして観ている訳です。
秀吉が爺さん(笹野高史さん、ごめんなさい)なので、上の台詞を聞いた時は 特に 気の毒に感じました。
ー ー ー 兼続が若造ぽいのと (石田三成も) 、秀吉が爺さんなのとが、私はイマイチ、時に不思議です。
投稿: 重用の節句を祝う | 2009年6月29日 (月) 22時13分
重用の節句を祝うさん、こんばんは~
秀吉の、あのセリフは良かったですね~
笹野さんも、役にピッタシですし・・・
ただ、あのセリフの時に、利家役の宇津井さんが「そうだ、そうだ」と言わんばかりに、大きくうなづいていて、なんだか、ちょっと友人としてフォローしてほしくて、そっちのほうに目がいっちゃいました・・・
投稿: 茶々 | 2009年6月30日 (火) 01時31分
こんにちは!
毎日大変楽しく拝見しております。
私はもうドロップアウトしました。
ですが、ちょっと気になるのでチャンネル回してみたら、真田忍びが上杉筆頭家老に手裏剣投げてました。
ええっ!
直後に幸村参上。お姉ちゃん返せって。
ええっ!!
女忍びが北条に人質って何?
??なんで北条??
??忍びが人質??
つーか幸村交渉に来るんだったら、手裏剣投げさせんなよ…義の筆頭家老だから良かったものの、他だったら戦になっちゃうぞ。
たった2、3分で???だらけだったので、
イッテQにチャンネル戻しました。
投稿: masta- | 2009年6月30日 (火) 12時41分
masta-さん、こんばんは~
>真田忍びが上杉筆頭家老に手裏剣投げて・・・
ホント、ご家老様に当たらなくって良かったです。
あの時は、オープニングのクレジットに「猿飛佐助」の名前が登場し、画面を見ながらコケた人も多かったようです。
こうなったら、十勇士全員が登場して、宙を舞ったり、瞬時に姿を消したりしてくれるかも知れません・・・楽しみです~
投稿: 茶々 | 2009年6月30日 (火) 23時11分