祇園の豆まきと西郷さんが見た成就院の庭
先日、このブログでもご紹介した
京都冬の旅~第44回非公開文化財特別公開
(1月4日参照>>)
今年は、清水寺成就院(じょうじゅいん)・知恩院三門・金戒光明寺(こんかいこうみょうじ)の東山の3ケ所を攻めようと、ハリキッって出かけたまでは良かったのですが・・・
すっかり忘れてました~
昨日は、2月2日・・・そう、あの八坂神社では、2日と3日の2日間に渡って節分行事が行われるのだった(゚ー゚;
境内に入った途端!
「平日なのに、なんで、こんなに人が多いんだ?」
と、思った瞬間・・・正面に「福豆○○円」の文字が・・・
それでも、今日は、別の目的があるので、祇園さんは素通りしようかと思ったものの、ふと、イベント内容に目をやると、「舞妓さんによる舞の奉納がある」というではありませんか!
「これは見なければ!」
と、ついつい・・・
やっぱ、ホンモノの舞妓さんはステキですねぇ
今日も、舞妓体験をしているお嬢様方を何人か見かけましたが、やっぱり、空気というか・・・まわりに吹く風が違うんですよね~
とは言え、それは舞妓体験しているお嬢様方が悪いわけではありません。
舞妓体験しているお譲様方は一般の方なのですから、そこはかとない雰囲気なんて出せるわけがありませんから、仕方の無い事です。
その後、「舞妓さんを見たら、チャッチャと行こう」と思っていたにも関わらず、その後は無意識のうちに福豆ゲットに走ってしまいました~残念ながらゲットできませんでしたが・・・
優雅な舞いにしばし酔い、福豆ゲットに興奮し・・・なかなか、うれしい寄り道だったと思いながら、ねねの道を通って清水寺へ・・・
目的の成就院は、清水寺の塔頭(たっちゅう・寺院の敷地内にある高僧が隠退後に住した子院)なので清水の仁王門から左手に向かいます。
もちろん、普段は非公開・・・私はずっと前から、ここのお庭を見たかったのです。
室町時代に創建された成就院ですが、度重なる戦乱で焼失し、現在の建物は、江戸初期の物・・・第3代江戸幕府将軍・徳川家光が建立した物です。
しかし、それからは、まったく変わらぬまま・・・奇跡的に残った豊臣秀吉の椿と水鉢、加藤清正の敷石に、小堀遠州が設計を加えた見事な庭園は、樹木の刈り込みさえも、その時代のままなのです。
なぜ、「そのまま」を強調するか?
実は、ここは、幕末、尊王派の武士と朝廷のパイプ役となって活躍した月照(げっしょう)が暮らした場所・・・すでにブログにも書かせていただいておりますが、その月照さんは、あの西郷隆盛の命の恩人でもあり、ともに入水自殺を計った人物です(11月16日参照>>)。
運命のイタズラか、西郷は命をとりとめ、月照は亡くなってしまいますが、生前の二人はともに尊王の志を、この庭を見ながら語ったに違いないのです。
月照と西郷の見た景色・・・それが見たかったのです。
成就院のこの庭園は、「月の庭」と呼ばれます。
もともと、京都には「雪月花(せつげつか)」の三つのお庭が別々のお寺にあったのですが、「雪の庭」を持つお寺は移転して、そのお庭は別の物となりました。
「花の庭」を持つお寺は、明治の廃仏の波に呑まれてなくなってしまい、現存するのは、この「月の庭」だけとなりました。
・・・と、この「月の庭」、その名前からして「さぞかし仲秋の名月などは、月が美しく見えるのだろうなぁ」と、思いきや、庭園は北向きでお月様は見えないのです。
実は、このお庭・・・月の影を楽しむ「月の庭」なのだそうです。
夜になって月が上り、一晩かけて移動する・・・
それとともに、この庭の指す影が変化する・・・
一晩かけて、月影の移動を愛でる・・・
なんとも、風流なお庭です。
紅葉の名所でもある庭園は、秋の夜にひっそりと公開される事もあるそうなので、イベント要チェックですぞ!
・・・と、浸っている場合ではない!
この特別公開は、参加社寺が均一の1ヶ所600円で拝観できるとともに、その拝観時間の終了も均一・・・
拝観受付が午後4時までで、拝観が4時半まで!
「せっかくだから・・・」と清水の舞台に踊り出て、音羽の滝でひしゃくを振り回していたおかげで、もはや、時間がない!(汗)
とっくの昔に金戒光明寺は諦めて、知恩院の三門にひた走る茶々C= C= C= C=┌( ・_・)┘→→→
3時58分!ギリギリセーフ__(-o-)__と思いきや
ガ~~ン!閉めるの早っ!(・oノ)ノ
まぁ、豆まき見たし・・・お庭見たし・・・
ヨシとしましょうv(~o~)v
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コメント
こんばんわ。恵方巻食べましたか?
一本を丸かじりする食べ方ですが、太さが違う恵方巻(標準とやや細め)も最近あるようです。
最近幕末に関していろいろと雑誌等の情報が多く、「あの事件の真相は何かな?」などと思っています。
まだまだ新事実や新説が出る事があり、歴史の深さを再認識しています。
投稿: えびすこ | 2010年2月 3日 (水) 22時10分
えびすこさん、こんばんは~
最近は、まるがぶりも全国ネットになって「恵方巻」なんてステキな呼び方になりましたが、大阪では昔から特別な呼び方はなく、単に「巻き寿司」て呼んでました。
土用の鰻、バレンタインデーのチョコに続く寿司屋の思惑が・・・(笑)
投稿: 茶々 | 2010年2月 4日 (木) 02時56分