京都・仁和寺の御室桜が満開!
昨日、桜満開の仁和寺に行って参りました~
仁和寺は第69代宇多天皇が、先代・光孝天皇の意思を継いで建立したお寺で、退位後30余年も住まわれたところであります。
なので、御室御所(おむろごしょ)という別名でも呼ばれます。
宇多天皇と言えば、父君が、藤原基経(もとつね)の推しによって異例の55歳での即位(8月26日参照>>)となった影響で、すでに源氏の姓を賜り、臣下としての人生を送っていたところを、いきなり皇太子となって、あれよあれよという間に天皇にもなっちゃった、歴史上ただ1人の皇室返り咲き天皇・・・
即位後まもなく、その基経とのゴタゴタで心を痛めていたところを、よき相談相手となってくれたのが、あの菅原道真(すがわらのみちざね)で、道真の出世は、宇多天皇なくしてはありえなかったという親密な関係の人でもあります(1月25日参照>>)。
そんな波乱万丈の人生を送った宇多天皇も、おそらく、この仁和寺の御殿では、ホッとひと息つかれる事もあったのでしょうね。
仁和寺の御殿には、今も、南庭に右近の橘&左近の桜を配した宸殿が建ち、その光景は御所のよう・・・さらに、北側の庭園からの五重塔の眺めもすばらしいです。
遅咲きで有名な仁和寺の桜は「御室(おむろ)桜」と呼ばれ、人の背丈を少し越えるほどの高さに絢爛な花を咲かせるのが特徴・・・
まさに、目の前の桜越しに見る五重塔は、言葉を失うほどです。
東居の筆による「都百景」には、今と変わらぬ御室桜の下での花見の様子が描かれていて、その歴史の古さも感じます。
幕末の万延元年(1860年)、植物採集のために日本を訪れたイギリス人・ロバート・フォーチュンは、花を愛でる事を楽しむ日本人の多さに驚き、滞在中に起こった英国公使館焼き討ち事件(12月12日参照>>)に対して、「この平和な国が欧米列強の仲間入りをするための代償」などと書き残しています。
少なくとも目の前の戦争に怯える事はない平成の日本・・・さらに100年後、いや千年後も、この光景が永遠に続くことを願うばかりですね。
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コメント
茶々さん、こんにちは!
御室の桜、見頃でしたか?僕もお花見といえば、大抵そこでした…
前に働いていた職場が真言宗系の学校事務だったので、4月前半は入学式だの、オリエンテーションだの、と忙しく、ようやく暇になるのが、4月の連休直前、世間並みにお花見などした事がありません(笑)
結果的に、御室派の仁和寺で夜桜を楽しむのが恒例行事だったんですよね(爆)
投稿: 御堂 | 2010年4月15日 (木) 15時16分
御堂さん、こんばんは~
はい、見頃でしたよ~
仁和寺さんのお話では、強風や大雨がない限りは、18日頃までは楽しめるそうなので、遅ればせのお花見はいかがですか?
私も、定番のお花見よりは、造幣局の通り抜けのほうが多かったので、同じく、世間並みにはお花見を楽しめないグループだったのでしょうか?
あまり、気にした事はなかったですが・・・
投稿: 茶々 | 2010年4月16日 (金) 00時52分