« アンケート企画「戦国の幕開けとは?」結果発表 | トップページ | 会津戦争も佳境に…母成峠の戦い »

2010年8月19日 (木)

真夏の夜の怪談話3~宮本武蔵の妖怪退治

 

あ゛つ゛い゛~~~(;;;´Д`)ゝ
残暑にもほどがある!

・・・って事で、本日は、真夏の(暦は秋なので、もう残暑ですが)夜の怪談話・第3談・・・姫路城天守閣に伝わる宮本武蔵の妖怪退治のお話を・・・

・‥…━━━☆

それは・・・
木下家定(いえさだ)播磨(はりま・兵庫県)を治めていた(1587年~1601年)頃の事・・・

姫路城天守閣には、
「耳まで避けた口から火炎を吹く、身の丈六尺の大男の妖怪が、夜な夜な現われるという噂が立ちます。

この噂に恐れおののく侍たち・・・

しかし、その中の滝本又三郎なる若者だけは、その噂に動じません。

実は、彼は、父の仇が、ここ姫路城にいる探り出し、先日、やっとの事で潜入に成功した新参者・・・目指す仇を探し当てるまでは、妖怪だの何だのとビビッてる場合ではないのです。

・・・とは言え、そんな事は知らない周囲の侍たち・・・
皆がビビる中、いかにも平気そうに、高飛車な態度をとってると、当然の事ながら、
「ほな、お前、一人で宿直やってみろや!」
ってな話になります。

「受けてたつ!」
とばかりに、宿直役を引きうけ、真夜中の見回りに挑戦する又三郎・・・

草木も眠る丑三つ時・・・
灯り一つを手に持って、天守閣へと登っていきます。

そして、早くも二層目に差し掛かった時・・・

やにわにあたりが激しい炎に包まれ、轟音とともに、激しい地響き!

その直後、狐とも猫ともつかない妖怪が、又三郎を襲いました。

動じない又三郎は、その主を退治しようと、腰の刀に手をかけますが、その瞬間、異変はス~~ッと消えて、妖怪の姿もどこへやら・・・あたりは、物音一つしない真夜中の城内に戻ります。

次に三層目に上がると、またまた妖怪しゅっつげ~ん!

しかし、やはり、刀に手をかけると、ス~~ッと消え去ります。

結局、そのまま最上階まで到達した又三郎・・・

「よっしゃぁ~!」
とばかりに、ここに腰を据えて、妖怪の出現を待ちます。

ところが、結局、何事もなく・・・やがて、空はしらじらと明けはじめますが、そうなると、一気に襲ってくるのが、眠気という妖怪・・・

さすがの又三郎も、いつしか、うつらうつらと・・・

すると、どこからともなく、彼を呼ぶ声が聞こえます。

ふと目をあけると、その前には、十二単を着たメッチャいけてる美女が・・・

「すわ!殿様のご褒美??」
と思いきや、そうではなく、

「我は、この城の守り神・長壁(おさかべ)明神であ~る!
妖怪は、そちの刀に恐れをなして逃げ去った・・・礼を言うぞ」

そう言うと、又三郎に白木の箱を手渡し、どこへともなく消え去ったのでした。

ふと、我に返ってその木箱を開けてみると、そこには、以前、この城の蔵から盗まれたとされる伝家の宝刀が入っていたのです。

その後、又三郎は、首尾よく父の仇を見つけ出し、無事に本懐を遂げたという事です。

・‥…━━━☆

・・・と、これが、姫路城の七不思議の一つに数えられる天守閣の妖怪退治の物語です。

・・・で、本編は、ここで終わりなのですが、実は、後日談というのがありまして・・・

上記のお話の通り、褒美として伝家の宝刀を貰った又三郎・・・しかし、事情がわからない周囲からは、かの名剣を盗んだとの疑いをかけられ、城主の御前に呼び出されます。

すると、その時、同席していた者の中に、彼の顔に見覚えのある家臣が1人・・・

「ひょっとして、あなたは、あの宮本武蔵殿ではないか?」

そう、実は又三郎は、敵討ちのために名を変えていた武蔵だったのです。

そこで、かくかくしかじか・・・と、妖怪退治のくだりを話し、「天守閣の妖怪を退治したのは宮本武蔵だった」という事がわかり、疑いも晴れたという事なのだそうです。

まぁ、「まだ、生きている間から、すでに講談に登場していた」なんて話があるくらいの超有名ヒーローの武蔵ですから、おそらくは、後日談は、まさに、その名の通り、後日に付け足されたものなのでしょうが・・・。

実は、あの千姫(2月6日参照>>)のダンナさん=本多忠刻(ただとき)に、武蔵が剣術を教えていたという元和三年(1617年)頃の記録があり、どうやら、そのへんのところから、もともとあったお話を、姫路城と関わりのある宮本武蔵の武勇伝の一つに付け加えた・・・というのが、後日談の真相のようですね。

ただ、お城の守護神=長壁明神のお話は、これ以外にも複数あり(7月22日参照>>)、現在の天守閣の最上階にもしっかりと祀られていますので、ひょっとして十二単の美女は、今も健在なのかも知れませんね。

なんとなく、伝家の宝刀を盗んだか失くしたかした家臣が、その行為をウヤムヤにせんがための妖怪話のような気がしないでもない( ´艸`)

Dscn7610a800
姫路城・天守閣

・・・で、身の丈六尺の大男は、いてましたっけ???
 .

あなたの応援で元気100倍!

   にほんブログ村 歴史ブログ 日本史へ

 PVアクセスランキング にほんブログ村

 


« アンケート企画「戦国の幕開けとは?」結果発表 | トップページ | 会津戦争も佳境に…母成峠の戦い »

怨霊・伝説・昔話・不思議話」カテゴリの記事

戦国・桃山~秀吉の時代」カテゴリの記事

コメント

こんばんは。
「姫路城」って、戦火で焼けなかった
という強運なお城ですね。
霊感が強い人は、美神をみるかも。
かつてこの城に住んでいた姫だった?

投稿: やぶひび | 2010年8月20日 (金) 00時19分

やぶひびさん、こんばんは~

美女なら、ちょっと会ってみたい気も…ですね。

投稿: 茶々 | 2010年8月20日 (金) 02時02分

宮本武蔵にそんな伝説があったんですか。
知りませんでした。

剣豪として武芸者と対決したとしか知らないので。

投稿: えびすこ | 2010年8月20日 (金) 09時11分

えびすこさん、こんにちは~

なんか、ほかにも、宮本武蔵が妖怪というか化物というかを退治したって伝説はあるみたいですね~

浮世絵の題材に重宝されたようです。
有名人ですからね~

投稿: 茶々 | 2010年8月20日 (金) 11時54分

はじめまして。
私は神奈川県に住む者ですが、昨日旅行で姫路城に行きまして興味を持ち、こちらのページに参りました。
非常に興味深い内容で、大変楽しく拝見させていただきました。
お礼が言いたくコメント致しました。
どうもありがとうございます。

投稿: シン | 2013年10月28日 (月) 20時15分

シンさん、こんばんは~

ご訪問&コメント、ありがとうございます。
姫路城に行かれたのですね。
雨にはふられませんでしたか?

投稿: 茶々 | 2013年10月29日 (火) 01時07分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 真夏の夜の怪談話3~宮本武蔵の妖怪退治:

« アンケート企画「戦国の幕開けとは?」結果発表 | トップページ | 会津戦争も佳境に…母成峠の戦い »