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2011年2月14日 (月)

大河ドラマ「江~姫たちの戦国」第6回・光秀の天下を見て

 

さすがに、ここまで来ると、ドラマの内容がすべて史実だとお思いの方もいらっしゃらないでしょうから、あまり多くを語りますまいと思っていたのですが・・・

3週間前に書かせていただいた【大河ドラマ「江~姫たちの戦国」第3回・信長の秘密に思う】(1月24日参照>>)で、ワタクシ、大きな勘違いをしておりまして、その事をスルーしたまま洞ヶ峠を決め込むのも、なんだか気が進まないので、本日、書かせていただこうと思いました。

で、その勘違いというのは、ドラマの中での江と織田信長おじさまの触れ合いが、子供の頃の出来事であると、視聴者にわかるようにしたほうが良かったのではないか?という事・・・

そのページでも書かせていただいたように、あの徳川家康が妻の築山殿と息子・信康殺害する事件があったのは、江が7歳の時、そして、あの印象深い馬揃えの軍事パレードが9歳、そして、今回の本能寺の変が10歳です。

と言っても、当時は数え年の年齢ですから、現代なら、築山殿・信康事件が幼稚園の時、本能寺が小学校3年生という事になります。

しかし、誰が考えてもわかる通り、上野樹里ちゃんが、どれだけ頑張って演技しても、幼稚園や小学校低学年には見えません。

あの「のだめ」っぽい演技で、幼さをめいっぱい表現してくれていますが、歴史に興味の無い方がご覧になれば、どう転んでも中学生くらいが精一杯・・・なので、私としては、明確な年齢はわからないまでも、せめて、本能寺までの一連の信長おじさまとの思い出が、子供の頃の出来事であると、視聴者にもわかるようにしていただいたほうが良いのではないか?と思っていたわけです。

しかし、先週の第5回「本能寺の変」で、
「ひょっとして?」
と思い、
今回の第6回「光秀の天下」を拝見させていただいて、やっと確信するに至ったわけです。

もう、すでにお気づきの皆さまからすれば
「お前、やっとわかったか!」
てな感じでしょうが・・・

そうです。
原作者=脚本家のお姉さまは、むしろ、視聴者に年齢をわからせたくなかった・・・江の年齢をウヤムヤにしときたかったんですね。

幼稚園児が家康の妻と息子の殺害に疑問を抱いたり、家族にも内緒でお悔やみの手紙を出したり・・・

小学2年生が49歳のオッチャンに「おのれを信じることと、おのれが神になることは違います!」と言ってみたり・・・

小学3年生が単独で、(同盟関係であるとは言え)他家のオッチャンとともに命がけの伊賀越えをしたかと思えば、城の奥の奥まで(セキュリtェイはどうなってるんだ?)やすやすと侵入した野武士を相手に、大の男(お供の武士)を振りはらい、真っ向から立ち向かう・・・

果ては、ウチらか一番知りたい、明智光秀の謀反に至る心境まで聞きだそうと・・・

これは、とても小学校低学年のなせるワザではありません。

実年齢がバレると、とてもじゃないができない事を江にやらせるために、わざと年齢をわからなくして、(赤ん坊を除く)最初っから、樹里ちゃんに演技してもらってたんですね~納得しました。

もちろん、これは番組批判じゃないです~

大河ドラマの主人公には、「どんな事件にでも首を突っ込む事ができる」という特権があり、それは、物語をおもしろくするためには必要な事で・・・かと言って、実年齢が低いと、どうしても首を突っ込めないわけで、この年齢査証は苦肉の策だったわけですね。

なんか、モヤモヤした物が取れて、むしろスッキリしましたどす。

ただ、どうせここまでするなら、どう見ても小者の牢屋番にしか見えない斉藤利三さんの横に、まだ幼女のお福ちゃん(春日局)をチョコンと座らせて、
ちょっとした会話を楽しんでみるなんて事も、個人的には希望してたりなんかして・・・(*´v゚*)ゞ

とは言え、今年の「江」・・・もちろん、良きところもあります。

個人的に最大のお気に入りは、先週の放送であった妙覚寺にいた信長の息子・信忠の存在・・・

以前、本能寺の変のタイムラグ(6月2日参照>>)のページでも書かせていただきましたが、信長の近くに、この信忠もいた事が最大・・・いや、すでに信長は、信忠を後継者にする事を公言してるのですから、むしろ、天下が欲しいなら、信忠こそ、光秀が確実に仕留めなければならない相手だったわけですが、これまでのドラマでは、ほとんど、その存在が無視され続けていました。

それが、今回は、未だ謀反の決行に迷いつつあった光秀が、「堺行きを取りやめて、信忠が京都にいる」と聞いた事で背中を押される・・・てなシーンがありました。

これは、やはり、重要な事だと思います。

ただ、息子の存在を確認してまで決行したワリには、江の「なぜ、謀反を?」の質問には「わかりません」と・・・結局、ドラマの中でも、その動機は不明のままでしたね。

「信長さんの光秀に対するパワハラ・シーンを思い出し、見る側で思い思いに推理してください」事なのかも知れません。

ところで、もう、光秀が死んじゃったって事は、山崎の合戦のシーンもあんだけって事で、ちょっと寂しいかな???

しかも、死に際に思い出すのが娘のお玉ちゃん(細川ガラシャ)じゃなくて江だったとは・・・主役の特権とは言え、やはり娘の行く末を案じてほしかった気がしないでもない(p_q*)

来週は、母・お市の方が再婚・・・いよいよ秀吉が敵役になっていきます~楽しみですね。
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コメント

少女漫画なんですよね、「江」は。前回の、本能寺で信長が死の間際に江の幻を見るシーンや、ラストの乗馬シーンでよくわかります。なだか絵面が浮かぶようで。

少女漫画的思想といいますか、リアリティよりもシチュエーション重視なんですよね。

投稿: 黒駒 | 2011年2月14日 (月) 13時19分

黒駒さん、こんにちは~

まさに少女漫画の発想ですね。

お初が、森兄弟にキャアキャア言うシーンも、女性視聴者獲得のためには必要なのかも知れません。

なんか、春日局のキャラも見えてきそうな気がします。

投稿: 茶々 | 2011年2月14日 (月) 14時25分

先日、讀賣新聞コラムで大河ドラマをそのまま史実と思ってしまう視聴者のため、何らかの『ことわり』が必要でないかという記事がでました。今回の大河ドラマはそれだけひどいということかな。ただ時代考証は静岡大学名誉教授で戦国時代の歴史家として一流の小和田哲男氏がしている。どうなんだろう。
 大河ドラマの最後の史跡案内。あれがドラマを史実としてしまうのかな。

投稿: 銀次 | 2011年2月14日 (月) 17時44分

すごい力技だ...
感心すればいいのか呆れればいいのか判りません。

>物語をおもしろくするためには必要な事で・・・
しなくてもいい努力って、あるんですよね。(遠い目)

投稿: ことかね | 2011年2月14日 (月) 17時58分

大河ドラマを史実と思い込んでも、特に世の中支障はないのですよね、実は。

投稿: 黒駒 | 2011年2月14日 (月) 18時24分

NHKの一年の枠で、戦国時代史という消費し尽くされた物語で数字を残さないといけないプロデューサーや制作側の立場というものもあるんでしょうね。

プロデューサー、脚本家、考証家の三者の間での折衝って絶対あるはずですよ。史実よりも創作重視でそこそこの結果を残せて、歴史ファンからの罵声を浴びつつも経歴を残せたプロデューサーや作家もいれば、硬派な大河でいこうと徹底的な史実準拠主義でやって、数字は残念ながらちょい落ち込み気味で、しばらく干されたプロデューサーもいるでしょう。

歴史ファンの人たちは、後者のような作り手をきちんと評価してあげてるのかなぁと、思います。

投稿: 黒駒 | 2011年2月14日 (月) 18時57分

日曜夜8時に見ると「う~ん・・えええ~!?ちょっとぉ!」って感じになって落ち着いて見られないけど、不思議と土曜の再放送だとまぁ少しは落ち着いて見られます。きっと「大河ドラマ」として見てないからだと思いますが。今度の土曜日の再放送を楽しみにします。しかし先週の(先々週?)信長最期の一番いいシーンで、のだめ樹理ちゃんがいきなり登場した時は「なんじゃ~こりゃ~!?」と声に出てしまいました。脱力しっぱなしで疲れます。役者さんたちは芸達者な素晴らしい人ばかりなのになぁ・・・

投稿: Hiromin | 2011年2月14日 (月) 20時47分

muhuhuhu( ̄ー ̄)ニヤリ
まあ、前に茶々さまが時代考証については語っておられたので、気にしませんが・・・
「江」観てませんが、NHKみてるとやたら、番宣入るのでなんとなく・・・茶々さまの解説でもう満腹(*゚▽゚)ノ

投稿: やませみ | 2011年2月14日 (月) 21時23分

 過去の大河には、所謂、教科書的な通説が番組の(前)後にある時もありましたが、今はゆかりの地の説明をするので、時間的にもメ一杯見たいですね!多くの英雄が虐殺をしていますが、山内一豊では、高知でのだまし討ち、虐殺も描いていたので、歓心したんですが・・

投稿: syunchan | 2011年2月14日 (月) 21時29分

江では、信長が実は光秀を目にかけていて、光秀も森蘭丸の書状であとでそれを知って後悔し、江も光秀を赦すという、登場人物に優しい解釈ですね。さすが連続ドラマ小説書いてた女性脚本家だなぁって、私はけっこう好意的だったりします。

投稿: 黒駒 | 2011年2月15日 (火) 00時19分

銀次さん、こんばんは~

2月7日の「直江兼続の閻魔大王への手紙」のページのコメントにも書かせていただきましたが、専門家の先生は、「ドラマは創作作品であって歴史とは別物」と考えられている事が多いようで、そのように、区別できれば良いのでしょうが、歴史に興味のない人が、アレが歴史と思ってしまう事が問題なのかも…

やはり、何かのお知らせを表示するのがベストなのでしょうかしら?

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 01時08分

ことかねさん、こんばんは~

ホント力技ですね。
本来なら、史実とされている点と点を、できるだけ曲げる事なく、面白い線で結びつける事こそ、作家さんの腕の見せ所だと思うのですが…

まるっきり創作する事でしか、おもしろいストーリーにできないのというのが現状なのかも知れません。

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 01時13分

黒駒さん、こんばんは~

作り手の方にも、それぞれのお立場があって大変なんでしょうね。

歴史好きから評価を得る事は、かなり難しいかも知れません。

「ヒストリア」や「歴史が動いた」などの、ドラマではない歴史番組も、賛否両論イロイロあります。

なんせ、歴史には答えが複数あるのが現状なのに、番組内では、そのうちのどれか一つに絞らねばなしませんから…

アチラをたてればコチラがたたず…どっちみち歴史好きの評価を得られないなら、ドラマ好きの評価を得る作品に…という事なのかも知れません。

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 01時22分

Hirominさん、こんばんは~

やはり、ここ何年かの脚本家の方々が、「おもしろいドラマを書ける人」ではあるものの「歴史好きではない」というのがネックかも知れませんね。

歴史好きだと「ここは変えちゃいけない場所」みたいなのがおる物ですが、そこをアッサリと創作されてしまう所に、ついツッコミたくなってしまうのかも知れません。

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 01時29分

やませみさん、こんばんは~

なんだかんだ言いいながら、つい見てしまいます(怖い物見たさか?)

内容よりも、
「おぉ、建仁寺だ」
「ここは仁和寺か?」
と、庭園の景色を楽しんでみたりなんかして…

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 01時35分

syunchanさん、こんばんは~

ここ最近は平和主義の主人公が多いですからね~

時代劇(特に戦国で)平和主義は難しいと思います。

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 01時37分

13日の放送で徳川家康(北大路さんの総髪のマゲを、「武蔵マゲ」と家族は言っております)と行動を共にするのはフィクションだと思いますが、何となく未来を暗示させますね。いろいろと見ていると番組コンセプトがそこ(大物との交友)なんでしょうね。中盤以降は3人の夫が出るのでそこも楽しみです。次回の「清洲会議」の顛末も楽しみです。
「少女コミック的」との意見もありますが、我が家では「田淵劇場・第2幕」を楽しんでおります。

銀次さんの投稿で「読売新聞で大河ドラマには注釈が必要ではないか?と言う記事が出ていた」とのご指摘。
この間それに関して調べたんですが、NHK大河ドラマに関係なく、「水戸黄門」や「大岡越前」のように、「実在人物(あるいは実在人物がモデル)が主人公」の時代劇の類に注釈を出さない理由として、「劇中の全ての事がフィクションとは断定できない」と言う訳らしいです。
例えば、水戸黄門で「旗本の~がご老公と古くから縁がある」のセリフでは、同時代に同姓同名の旗本がいた可能性があるためです。あと幕府、藩、奉行所、代官等の行政組織、株仲間、御用達問屋の商業組織なども、ほとんどが明らかに現存しない(つまり昔の事で現代社会とはほぼ関係がない)などの理由もあります。NHKでは朝ドラにも「注釈」は出ていません。昔は各局ともドラマ・時代劇に「注釈」そのものを出していなかったようです。
すいません、余談の方が長くなってしまいました。

投稿: えびすこ | 2011年2月15日 (火) 09時21分

子役を使った方がよかったかも。10歳の女の子を演じるのは、違和感があります。ドラマによっては、3人で演じるのがありましたよ。

投稿: やぶひび | 2011年2月15日 (火) 10時50分

えびすこさん、こんにちは~

そうですね~
水戸黄門や遠山の金さんだと、むすろ「実在した人物だった」という事に驚く人のほうが多いですよね~

やはり、内容を信じてしまうのは「大河だから…」という視聴者の勝手な判断なのかも知れませんね。

最後の紀行の部分を、ドラマに合わせるのではなく、むしろ、ドラマとは違う部分をチョイスして、時代考証の先生を監修に「現在の歴史の通説では…」という形で、紹介してみるのも良いかも知れませんね。

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 15時36分

やぶひびさん、こんにちは~

今でも思い出すのは北条時宗ですね~

子供(小学生低学年くらい?)と大人の間に、10代を演じる子役さんがいましたが、西田ひかるさんの役と木村佳乃さんの役を演じた女の子たちが、まぁ、それは、「どこから見つけて来たの?!」と感激するくらいお二人にそっくりの子役さんで、まったく違和感なしに大人の時代に入って行けた気がします。

投稿: 茶々 | 2011年2月15日 (火) 15時43分

>登場人物の年齢がわからない様にする…
それは歌舞伎の演出にもありますね。
歌舞伎は登場人物の年齢がわかる演目が少ないです。初期の頃のNHK大河ドラマが、「テレビ歌舞伎」とも言われた由縁ですね。若干今でも名残りはあります。
確かに歌舞伎のストーリーを見ても、本当の事であると思う人はまずいないでしょうね。

最近の大河は20代の人が主演の作品は、世代によって評価が割れる傾向(各世代に支持された「篤姫」は別)なので、65歳以上の支持を獲得するのは相当困難かも?番組はまだまだ先が長いです。むしろ「関が原後」の方に注目です。

>銀次さん
読売新聞に前述の大河ドラマの記事があったのは何月何日の紙面ですか?図書館で確認しようと思います。

投稿: えびすこ | 2011年2月16日 (水) 08時23分

えびすこさん、こんにちは~

個人的には、春日局とのバトルに期待します。

投稿: 茶々 | 2011年2月16日 (水) 12時39分

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