真夏の夜の怪談話4…姫路城の刑部姫
とりあえず、今年も始めちゃいましょう!
「真夏の夜の怪談話」シリーズwww
昨年は
●【播州皿屋敷】>>
●【会津若松・新町化物屋敷】>>
●【宮本武蔵の妖怪退治】>>
と、3つの伝説を書かせていただきましたが、
(他にも、真夏の夜じゃないけど怖い話を書いていますので、コチラ>>でどうぞ)
このうち、「播州皿屋敷」と「宮本武蔵の妖怪退治」は、実は「姫路城の七不思議」と言われているお話・・・
とは言え、七不思議の全容については、また、いずれかの機会にお話させていただくとして、本日は、昨年の「宮本武蔵の妖怪退治」のスピンオフというか、「いや、こっちが先だろ?」のエピソード0というか・・・妖怪・長壁(おさかべ)についてのお話です。
・‥…━━━☆
その宮本武蔵が妖怪を退治した事によって救われたという長壁明神・・・そのページにも書かせていただきましたが、その長壁明神は、現在も天守閣の最上階に祀られ、姫路城の守護神として信仰されているわけですが、そもそも、なぜに、ここに祀られるようになったのか?
時は・・・
現在の姫路城を構築した池田輝政が城主の時代・・・
「夜の子の刻(午前0時頃)に太鼓を打ったら悪鬼が現われて人を殺した」(←なぜ、太鼓を打つ?=近所迷惑)
とか、
「ある家臣が、一丈(約3m)ばかりある毛むくじゃらの手に、壁に投げつけられて死んだ」(←これは家臣は悪くない)
など、城内に様々な怪奇現象が起きます。
そんなこんなの慶長十四年(1609年)、5層6階の壮大な天守が完成してまもない12月・・・輝政本人に「天狗からの書状」という物が届きました。
そこには、
「輝政夫婦に悪霊が呪いをかけている・・・命が惜しければ神仏に祈願し、城の鬼門の方角(北東)に八天塔(はってんとう)を建て、善政を行うことじゃ~」
と書かれていました。
「これは、姫山から総社に遷した地主神の祟りでは?」
と、一部には噂されましたが、この書状の内容を見ての通り、これは政道批判でもあります。
そもそも壮麗な城を構築・・・という事は、それだけ労力もハンパなかったわけで、それには多くの領民がかりだされました。
農繁期にでも有無を言わさずかりだされた農民たちも多かったはず・・・しかも、徴収される年貢は、以前の2割増しになったとか・・・
てな事で、これは、誰かの政治批判と受け止めて黙殺されたのですが(庶民の批判をシカトすんな~(`Д´)/)、その後まもなく、輝政は病に倒れます。
領内という領内から薬師が呼ばれ、医者が呼ばれ・・・しかし、誰もその原因もわからず、もちろん治す事などできず、輝政は一日中、高熱にうなされるばかりでした。
ついに、「もう、これしかない!」
と祈祷師が呼ばれます。
城下でも評判のその祈祷師は、輝政の顔を見るなり、
「刑部姫の祟りでござ~る!
城の普請に際して、刑部姫の霊を慰めるのを忘れはりましたな」と・・・
刑部姫(おさかべひめ)とは、姫路城の建つ姫山の地主神と伝えられる姫でした(やっぱりそうなんかい!(ノ;´Д`)ノ)
その昔・・・ ある天皇の時代に、その皇后が不倫してデキちゃった子を産んでしまいますが、当然、普通に育てる事ができず、生まれた女の子は刑部姫と名づけられ、都から遠く離れたこの地で育てられる事になりました。 ところが、どうしても皇后の不貞を許せなかった天皇は、姫を抹殺するよう部下に命令・・・ |
あちこち訪ね歩いた部下は、ついに、この地で姫を見つけ、未だ幼い彼女の首をはねてしまうのです。
以来、姫はこの地に住みつき、地主神になったのだとか・・・
それから何十年・・・いや何百年・・・
この静かなたたずまいの山が大好きだった姫でしたが、いつしか、その山を切り崩し、石垣を組み、壮大な天守閣が築きあげられた事で、行き場を失った姫の魂が、空中をさまよい歩き、城主・輝政にとりついたというわけです。
・・・で、慌てて祈祷師の進言通りに、天守閣に姫の霊を慰める祠を建立・・・それが、長壁(おさかべ)明神であると・・・
なるほど、刑部=長壁なわけですね。
おかげで輝政の病は快復に向かったという事ですが・・・
いや、しかし、それでも姫は、自分の住みかに何の断わりもなく乗り込んで来た輩への恨みの気持ちがどうしても捨てられない・・・
特に、幸せ気分満載の奥さまを見ると、女ごころがウズく・・・そして夜な夜な城主夫婦の寝床にやって来ては、恨み事を言う妖怪と化して現われるのです。
殿さまが、うやうやしく「いざ!本番!」
となると、奥さまがハラハラと泣きだす・・・
「今夜も、あの亡霊が現われるかと思うと、怖くて怖くて・・・」
・・・で、ここで、あの宮本武蔵の伝説(宮本武蔵の妖怪退治>>)へとつながっていくのです。
そう、武蔵は、この刑部姫の妖怪と化した悪しき部分だけを斬って捨て、刑部姫は成仏・・・そして、「わらわを、悪しき因縁から救ってくれた」と褒美の剣を貰ったというわけですね(ホンマかいな)。
今は、妖怪ではなく、美しい十二単を着た刑部姫が、姫路城を見守ってくれている事でしょう。
とは言え、気持ち的には、天守閣で、あんまりイチャイチャしない方が良いような気がしないでもない・・・(゚ー゚;
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コメント
幽霊と言えばさっき「藤堂高虎」の項目でご指摘がありましたが、大河に「ゴーストライター疑惑」が1か月くらい前に出ましたね。あれが事実(田淵久美子さんが関与していない)ならば即打ち切りかな?
でも過去の大河ドラマも振り返ると、少なからず「単独脚本ではない」部分もあるでしょうね。思うに大河ドラマ脚本が「共同執筆」にできないのは、著作権の問題があるからでしょうか?これはオリジナル脚本ゆえのネックとも言えますね。
小説を採用すれば脚本の8~9割がもう完成してるので、脚本家が手を加えるだけ(返って手抜きになる?)なので。
今年で終わる「水戸黄門」なども、脚本が共同執筆の時代もありました。民放ドラマも脚本担当が世代交代して、「脚本家の力量が良くない」とも言われますからね。
実は私はドラマを見る時に、「脚本が誰」であるかはあまり考慮しないんです。
投稿: えびすこ | 2011年7月22日 (金) 17時13分
えびすこさん、こんにちは~
共同執筆とどう違うのか解りませんが、篤姫の時も、「脚本協力」として複数の方のお名前がオープニングに流れてましたね。
本離れが叫ばれてる昨今では、小説家のクオリティも下がったなんて言われますね。
若者向けのドラマは、ほとんど漫画が原作だったりします。
しかも、漫画のほうがおもしろかったりするので、なかなか小説家というのも難しいかも…
投稿: 茶々 | 2011年7月22日 (金) 17時45分
刑部姫は美しい白鷺となって、真っ白な翼をはためかせ黄泉の国へと旅立ちました。めでたし、めでたし。
ここ、今修復工事中で見られないんですってね。丁度今日の、読売新聞の夕刊に出てました。
投稿: Hiromin | 2011年7月22日 (金) 20時44分
★゜・。。・゜゜・。。・゜☆゜・。。・゜゜・。・゜
蝉が鳴かないのは、地震の影響らしいと父が言っていたのですが、西日本も鳴かないとなると何かあったのかな?
これまたミステリー(?)モヒャ━━((゜Д゜Uu))━━!!!!!!
姫路城といえば、弟が宿題でプラモ作っています。
投稿: Ikuya | 2011年7月22日 (金) 21時00分
Hirominさん、こんばんは~
そうですね。
今は、天守閣の絵が書かれたカーテンみたいなのがかかってますね。
どんだけ美しいお城になるのか…楽しみです。
投稿: 茶々 | 2011年7月23日 (土) 03時24分
Ikuyaさん、こんばんは~
西日本の蝉は、一応鳴いてますが、少し、いつもより静かです。
虫は、環境の変化にスルドいですからね~
何かあるのかも…
投稿: 茶々 | 2011年7月23日 (土) 03時28分
こちら栃木は、やっと鳴き出しました。でもやっぱり静かです。しかも昼間だけ。
投稿: Ikuya | 2011年7月23日 (土) 11時50分
Ikuyaさん、こんにちは~
やはり、マヤの予言の日も近いから??
投稿: 茶々 | 2011年7月23日 (土) 12時04分
戦災でも現存する〈姫路城〉は、刑部姫に守られている?☆「刑部親王」と関係あるんでしょうか?
投稿: やぶひび | 2011年7月23日 (土) 12時56分
やぶひびさん、こんばんは~
>「刑部親王」と関係あるんでしょうか?
刑部親王ではなく、井上内親王が義理の息子の他部親王と不倫して生まれたのが刑部姫って説があるみたいですが、刑部姫=長壁姫で、長壁姫と表記されるほうには、他にも様々な出生にまつわる伝説があるようで、どこまで真実に近いのかは、よくわからないみたいです。
投稿: 茶々 | 2011年7月23日 (土) 18時39分