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2011年12月24日 (土)

第46回・京の冬の旅~非公開文化財特別公開へ行こう

 

今年も、やって来ました!この季節・・・

毎年書かせていただいておりますが、冬の京都は、一番観光客が少ない季節という事で、京都市観光協会さんを中心に、京都市を挙げての一大キャンペーンをうち出してくれはります。

それが「京の冬の旅」というイベントで、観光バスの特別コースを用意したり、京都の伝統文化を身近に感じられるイベントを開催したりしてくださるわけですが、中でも、私が、毎年利用させていただいているのが「非公開文化財特別公開」です。

普段は非公開のお寺を、統一の拝観料で一般公開していただけるのですから、歴史好きとしては、たまらないイベントなのです。

かく言う私も、毎年、その期間中に何ヶ所かの史跡を拝見させていただいております。

今回も、おそらく、どこかに行かせていただくつもりではありますが、まずは、とりあえず、今回の非公開文化財特別公開に参加される寺院と、その見どころを、本日、ご紹介させていただきたいと思います。

冬の京都観光の参考にしていただけたなら幸いです。

・‥…━━━☆

今年の第46回は、大河ドラマ「平清盛」の放映と、「辰年」であるを記念して、「清盛ゆかり」や、「龍」に関連する寺院の文化財を中心に公開されます。

期間:平成24年(2012年)1月7日~3月18日
時間:10時~16時
料金:1ヶ所=600円
(東寺五重塔は800円)

  • 相国寺 法堂・開山堂
    Dscn6372a800 室町幕府・第3代将軍の足利義満が建立した相国寺はあの応仁の乱の戦場(10月3日参照>>)となってしまったためにほとんどの伽藍が焼失してしまったわけですが、その後、豊臣秀頼によって再建された法堂は、それでも日本最古の法堂で、天井に描かれている蟠龍図「鳴き龍」として有名…「鳴き龍」とは堂内のある場所で発せられた音(手を打って体験できます)が反響して自分に帰って来る現象が、まるで龍の鳴き声のようだって事なのですが、是非とも、これはご自身で体験しないと…です(体験談は2007年2月18日参照>>)
  • 相国寺・大光明寺
    伏見宮家や第9代将軍・足利義尚(よしひさ)の菩提所として知られる相国寺の塔頭で、本尊・普賢菩薩像は、平成24年の干支「辰」年の守り本尊で、福をもたらし命を延ばすとされてますから、是非とも、この年に訪れておきたいところ・・・他にも美しい枯山水の庭園が二つ、江戸期の画家・伊藤若冲筆の絵画や、足利家ゆかりの寺宝などが特別展示されます。
  • 長楽寺
    Antoku 時宗の祖・一遍上人(8月23日参照>>)や美しい書院庭園が残るお寺ですが、何たって来年の主役・平清盛の娘である建礼門院徳子が出家した寺として有名で、境内には遺髪を納めた供養塔があり、あの有名な安徳天皇画像(写真)建礼門院画像安徳天皇の衣で作った仏具など、源氏の目をはばかりながら隠し伝えられたお宝が、今回、特別公開されます。
  • 長講堂
    平清盛と同時代を生き、おそらくは来年の大河でも重要な役どころをしめると思われる後白河法皇(10月26日参照>>)が建立したお寺・・・珍しい姿をした法皇の臨終仏・阿弥陀三尊像や、毎年法皇忌にのみ公開される後白河法皇坐像が、今回、特別開扉・・・他にも、清盛・義経・法皇ゆかりの品々が特別展示されます。
  • 平等寺
    後白河法皇の皇子で、建礼門院徳子が入内する高倉天皇が命名されたお寺で、創建当初から伝わる本尊・薬師如来立像、鎌倉時代の清凉寺式釈迦如来立像、優美な如意輪観音像不動明王像など・・・中でも高倉天皇が寵愛し、「峰の嵐か松風か」で有名な小督(1月14日参照>>)、小督の髪で作ったと言われる毛髪織込光明真言が京都冬の旅・初公開です。
  • 妙心寺・三門
    Dscn6671a600 臨済宗妙心寺派大本山で、ご存じ京都最大の禅寺・・・約10万坪の境内に一直線に建ち並ぶ典型的な禅宗伽藍のなかでも、ひと際鮮やかな朱塗りの三門が、今回、特別公開され、その楼上は観音菩薩像や十六羅漢像が安置され、天井にある天女や飛龍が美しいらしいです。
  • 妙心寺・隣花院
    賤ヶ岳の七本槍(4月21日参照>>)で有名な脇坂安治が創建した妙心寺の塔頭で、桃山・江戸期の長谷川等伯・狩野永岳の見事な障壁画が、金地極彩色の鮮やかに、200年前の濃密で華麗な色彩がそのままに残る状態で保存されています。
  • 妙心寺・玉鳳院
    花園法皇が伽藍の傍に建てた山内最古の塔頭寺院・・・方丈には狩野益信・永真筆の襖絵開山堂は山内最古の建物で、室町時代の見事な唐様建築を残しています。
    他にも見事な枯山水庭園や井戸、豊臣秀吉の子・鶴松の霊屋が残ります。
  • 泉涌寺・雲龍院
    後光厳天皇(1月29日参照>>)によって創建された泉涌寺は、ご存じのように皇室と密接な関わりを持つ寺院ですが、なかでも、今回は、平成22年10月に奉納された水墨画家・堂野夢酔筆の襖絵・双龍風雷図京の冬の旅で初公開されます。
  • 東福寺・三門
    紅葉で有名な東福寺ですが、今回、内部が公開される三門は、室町時代再建の禅宗三門としては日本最古で最大の門・・・高さ約22メートルから市内一望の楼上には宝冠釈迦如来像十六羅漢像が鎮座され、宋・元風の彩色文様が施された柱や梁、極彩色の天井画が魅力的です。
  • 東福寺・龍吟庵
    東福寺の塔頭・龍吟庵は、東福寺第三世住持・大明国師の住居跡で、最古の方丈は書院造と寝殿造の名残をとどめた優美な建物・・・さらに、それを囲む枯山水庭園の中でも寺名にちなんだ西庭・龍の庭は、龍が海中から黒雲に包まれ昇天する姿を石組で表現した物・・・。
  • 東寺・五重塔
    世界遺産にも指定されているご存じの東寺ですが、4度の火災に遭い、現在の五重塔は江戸幕府3代将軍・徳川家光が再建した物・・・特別公開される極彩色の内部には大日如来に見立てた心柱を囲むように金剛界四仏が安置されています。
  • 東寺・観智院
    東寺の塔頭である観智院・・・違棚や帳台構えを備えた武家風書院造の客殿には、剣豪・宮本武蔵(4月13日参照>>)筆と伝わる水墨画「鷲の図」「竹林図」が残ります。
    また、弘法大師の唐への船旅を描いた庭園や茶室なども拝観できます。

と、以上の13寺院が、今年のキャンペーンに参加してくださっています。

ただし、各寺には、それぞれ、法要などで見られない日があったりします・・・その情報については、こちらの定期観光バス情報のページ>>(別窓で開きます)がくわしいですので、ここで最新情報をゲットしてくださいね。

もちろん、私も(おそらく、どこかに)行きますし、行ったら報告させていただきますが、歴史好きの方は、この機会にぜひどうぞ♪(o ̄∇ ̄)/
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コメント

茶々様、こんにちは。
京都は歴史ある、魅力的な場所ですね。1、2週間とゆっくり滞在して、巡ってみたいです。

投稿: いんちき | 2011年12月26日 (月) 12時10分

いんちきさん、こんばんは~

そうですね~
遠方の方は難しいかも知れませんが、京都は、「1日であそこもここも…」と、有名どころだけをチョイスする…というよりは、できれば、お寺からお寺への道のりも、路地裏などを歩きながら、ゆっくりじっくり巡るのが良いですね~

投稿: 茶々 | 2011年12月26日 (月) 22時15分

茶々さん、こんにちは。京都は新婚旅行で4泊くらい滞在してまわりましたが、足りないと思いました。老後の楽しみにしたいですね。

投稿: いんちき | 2011年12月28日 (水) 12時35分

いんちきさん、こんばんは~

>老後の楽しみ…

いいですね~
花鳥風月を味わえる年頃になると、一掃ステキな散策になるでしょうね~

投稿: 茶々 | 2011年12月29日 (木) 01時55分

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