京都で最古の醍醐寺・五重塔
天暦五年(951年)12月02日、京都の醍醐寺で五重塔の落慶供養が行われました。
・・・・・・・・・・・
醍醐寺(だいごじ)と言えば、やはり桜・・・
以前にupした醍醐寺のページでも、ついつい、お話が桜の方に行ってしまいましたが・・・(2009年4月7日参照>>)
そのページにも書かせていただおたように、慶長三年(1598年)3月15日・・・天下人となった豊臣秀吉が、結果的には、人生最後となる壮大なイベントを決行します。
それが、あの醍醐の花見・・・
そこに桜があるから花見の宴を催したのではなく、花見がしたいから、そこに桜を植えた・・・まさに天下人らしい発想で、醍醐寺を再建したのです。
そんな壮大な伽藍の中でも、醍醐寺最大の塔頭(たっちゅう=大きな寺院に付属する寺)寺院の三宝院が最も有名で、秀吉自ら設計したと言われる庭園は、桃山時代の文化を色濃く伝える壮大な物で、ダイナミックかつ華やかなそれは、醍醐寺を訪れた際には、外せない見どころです。
・・・で、その桜&三宝院とともに有名なのが、今回の五重塔・・・
なぜに有名かは、その醍醐寺が歩んだ歴史と関係があります。
・‥…━━━☆
貞観十六年(874年)に、空海の孫弟子にあたる理源大師聖宝(しょうぼう)が、京都の笠取山(後に醍醐山と呼ばれる)に登り、頂上にて横尾明神(よこおみょうじん)の啓示を受けて霊泉を見つけた事から、そこにお堂を建立して准胝観音(じゅんていかんのん)と如意輪観音(にょいりんかんのん)を祀った事に始まる醍醐寺・・・
その後、延喜七年(907年)に、第60代天皇の醍醐天皇の御願寺となって以降、険しい山上付近一帯が修験者の霊場として整備された後、その聖なる地が山の麓へと広がり、延長四年(925年)には、麓に釈迦堂が建立され、やがて、笠取山のすべてを含む、麓の周辺一帯を境内とする広大な敷地となった醍醐寺は、山上付近を上醍醐、山麓を下醍醐と呼ばれて隆盛を誇ります。
それこそ、その諡号(おくりな)をこの醍醐寺からとったという醍醐天皇は、上醍醐の准胝観音に祈願をして、後の朱雀&村上両天皇を授かったという事で、皇子である両天皇も、醍醐寺には、ひとかたならぬ思い入れがあったわけですが、
その第61代・朱雀天皇が、延長八年(930年)に亡くなった父=醍醐天皇の菩提を弔うために建立を発願したのが、五重塔です。
承平六年(936年)に着工して約20年の歳月をかけて完成・・・村上天皇の天暦五年(951年)12月02日、完成の落慶法要が行われたのです。
この五重塔には、父を思う二人の天皇の思いが込められているのですね。
か、しかし・・・実は醍醐寺の建物・・・その後の応仁の乱や、度重なる戦乱で、その伽藍のほとんどを失ってしまうのです。
だからこそ、戦国時代の終わりに天下を取った秀吉が再建・・・となるわけですが、実は、その戦乱の中で、たった一つ残った建物が、この五重塔なのですよ。
ご存じのように、平安の都、千年の都と言われる京都ですが、建物に関しては、実際のところ、そのほとんどが戦乱で焼失してしまっているわけで・・・今となっては、この醍醐寺の五重塔が、京都で最も古い、唯一の平安時代の建物なのです。
高さ38mと、五重塔としては特別高いわけではありませんが、その高さの3分の1を、屋根から伸びる相輪が占めている事で、重厚感がハンパなく、そのドッシリした雰囲気がたまらない塔ファンも多いのです。
また、その一層内部の板壁に描かれている両界曼荼羅や真言八祖は、日本密教絵画の源流と言われ、一見の価値ありのすばらしい物・・・
残念ながら、普段は扉が閉まっていますが、毎月29日には、開扉され、納経法要が行われますので、四方の扉の外からチラ見できるそうです。
また、その時に、拝観料600円と、1000円で写経を希望(当日受付あり・10人以上は要予約)すれば、中に入れていただけるそうなので、「是非とも間近で見たい(もちろん信心あっての写経ですが…(*´v゚*)ゞ)」とお思いの方はどうぞ。
秀吉の醍醐寺もイイですが、平安の醍醐寺に浸るのもイイですよ!
醍醐寺へのくわしい行き方、周辺の見どころは、本家HP:京都歴史散歩「六地蔵から日野・小野へ…」でどうぞ>>
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コメント
平安の醍醐寺~訪ねてみたくなりました^^
桜の季節はとてもではないけれど凄い人!人!人!
今時期に行くのがいいのかも…!?
だけどやっぱり咲き誇る桜を眺めてみたい…。
わがままですね^^;
五重塔も写経してでも覗いて観たいです。
ようやく般若心経を(見ながらですが)唱えられるようになったことだし^^v
~仏教徒ではないもので…。。。。
投稿: tonton | 2012年12月 2日 (日) 20時33分
tontonさん、こんばんは~
>桜の季節は…
そうですね~
写真を撮ったのは、平日ですが、けっこう人がいっぱいでした。
土日や、「太閤花見行列」が行われる時なら、もっとスゴイでしょうね。
別の季節にも、何度か行った事もありますが、その時は、カランカランでした(゚ー゚;
でも、やはり桜の季節は、1度は訪れたいです。
>般若心経…
見ながらでもスゴイです~
投稿: 茶々 | 2012年12月 3日 (月) 01時07分