藤原頼通の平等院鳳凰堂の見どころ
永承八年(天喜元年・1053年)3月4日、藤原頼通が阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂…いわゆる宇治の平等院鳳凰堂を完成させました。
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平安時代に、それこそ、欠ける事を知らぬ満月のごとき栄華を極めた藤原道長(ふじわらのみちなが)(12月4日参照>>)・・・その息子として生まれた藤原頼通(よりみち)は、父が亡くなった後、関白として名実ともに中央政界のトップに立ち、後一条、後朱雀、後冷泉の3代の天皇の時代に君臨しました。
とは言え、それほどの権力を持てばこそ・・・それを失う恐怖も倍増するわけで・・・
以前に、頼通さんのご命日のページ(2月2日参照>>)にも書かせていただきましたが、そんな時に大流行したのが、「お釈迦様が亡くなって2千年が経つと、仏教の教えがすたれ、天災や戦争などの不幸が続く、『末法の世』なってしまう…1052年がその『末法の世』の第一年である。」という浄土教の「末法思想」・・・
頼通が、自らの別荘であった土地で、阿弥陀如来を安置する阿弥陀堂の建立に着手するのは、まさに、その末法第1年の年だったのです。
そして、翌・永承八年(天喜元年・1053年)3月4日、見事、阿弥陀堂が完成・・・これが、現在、平等院鳳凰堂と呼ばれる建物で、左右の翼楼と後方に伸びた尾楼が、鳳凰が羽根を広げた姿に見える事から、その名がつきました。
それはまさに、頼通が夢見た極楽浄土をこの世に再現したもの・・・前方の阿字池越しに見るその姿は、平安時代の名残りを今に伝えていて、実に美しいです。
とは言え・・・
ご存じの方も多いと思いますが、現在、この鳳凰堂は修理中で、外観は工事用の足場が組まれた状態で、中の阿弥陀様も拝観できません。
工事は、来年=平成二十六年(2014年)の3月31日までの予定ですが、それこそ、大事な文化財を守るためには、修復作業は無くてはならぬもの・・・むしろ、修復に頑張っておられる皆様の安全と、その腕を大いに奮っていただく事を願っております。
・・・で、修理中のさ中にブログ上でご案内するのも???
とも思ったのですが、鳳凰堂は修理中ですが、庭園には入れますし、平等院の国宝のほとんどを納めた「鳳翔館ミュージアム」も見学でき、しかも、この間の拝観料が通常の半額の300円・・・
(↑また、「信心が無い」と怒られるゾ(A;´・ω・)アセアセ)
遠方からお越しの方にとっては、「やっぱり100%の平等院が見たい!」とお思いになるのは無理もありませんが、鳳凰堂以外にも、けっこう見どころはあるのです。
まずは、そのミュージアム・・・これが、お寺の博物館とは思えない、めちゃめちゃハイテクなミュージアムなのです。
ただ単に宝物を並べてあるのと違って、配置から照明から・・・とにかく、見せ方が凝っていて、宝物の魅力を最大限に引き出す演出がしてあるのです。
しばし、ウットリする事間違い無し!
また、庭園は庭園で、春には、ツツジと藤→の共演が見られ、初夏には池に咲くハスが・・・
このハスは、平等院蓮で、なんと、1999年に行われた阿字池の発掘調査で見つかった江戸時代の種から、現代に蘇った物・・・まるで、タイムカプセルを開けたような高揚感がありますね。
また、昨年の大河ドラマ「平清盛」で宇梶さんの好演が光った源頼政(みなもとのよりまさ)(4月10日参照>>)・・・ご存じのように、ここ平等院は、その頼政最期の地でもあります。
後白河法皇(ごしらかわほうおう)の第3皇子=以仁王(もちひとおう)を担いで平清盛(たいらのきよもり)に反旗をひるがえした頼政が(4月9日参照>>)、宇治橋での合戦に敗れて(2007年5月29日参照>>)、以仁王を逃がした(2009年5月29日参照>>)後、自ら命を絶った場所が、観音堂に北側にある扇の芝・・・そして、その頼政のお墓も、この平等院の敷地内にあるのです。
春はもう近い・・・「来年まで待てない」とばかりに、この機会に、庭園やミュージアムをじっくり見るって手もありますよ。
時の権力者が最大限にビビッてくれたおかげで、最大限の匠のワザで、目に見える浄土として完成した平等院は、21世紀の現代人にも、その夢を見させてくれています。
●平等院周辺の史跡巡りについては、本家HP:京都歴史散歩の「源氏物語の宇治を行く」でどうぞ>>(別窓で開きます)
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コメント
半額~は正直魅力的だったりします^^;
藤の花咲く時期に訪ねられたら…って思っています。
そういえば宇治市にはまだ行ったことがなかった!!
茶々さまのコースを参考に散策してみることにしますか!!^^v
投稿: tonton | 2013年3月 5日 (火) 21時34分
tontonさん、こんばんは~
藤の季節はツツジの季節でもあります。
HPで、平等院とともに紹介している三室戸寺は、360度、見渡した全部がツツジのツツジ園がありますので、ぜひ、そこも散策してみてくださいヽ(´▽`)/
投稿: 茶々 | 2013年3月 6日 (水) 01時52分