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2014年1月 7日 (火)

大河ドラマ:軍師官兵衛・第1回「生き残りの掟」の感想

 

今年も始まりましたね~ 大河ドラマ・軍師官兵衛・・・

王道とも言える、1番の見せ場を初回の最初に持ってくる手法・・・

茶々も、全部覚えてるワケではありませんが、確か、タッキー『義経』の時は、あの『鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし』(2月7日参照>>) でしたし、天地人の兼続は、黄金の茶室で、主君の景勝とともに秀吉と面会するところ、昨年の『八重の桜』は、まさに会津若松城での奮戦(8月23日参照>>) でしたね。

・・・で今回の官兵衛は、あの小田原征伐(7月5日参照>>)での開城要請のシーンでした。
(官兵衛さんの小田原での話は、まだブログに書いてませんが…(*´v゚*)ゞ)

たった一人で敵中に入り、雨のように降り注ぐ矢が1本も命中しないのは主役の特権(カッコ良く頬をかすめるww)ですが、何よりもびっくりしたのは、10年ほど岡田君の実年齢より高い設定のためか、チョットだけ老けメイクをした岡田君の官兵衛が、映画『清須会議』での寺島さんの官兵衛にゲキ似・・・(笑)

寺島さんと岡田君って、そんなに似てたっけ??
と思いつつ・・・

そこで、官兵衛が、小田原城に向かって放つ言葉が
「命を粗末になさるな。生きられよ~~!!」

そして、この第1回のタイトルが「生き残りの掟」・・・て事で、この大河は、乱世での生き方&生き残る事がテーマとなるのでしょうか。

何となく、またまた、戦を避ける平和主義的な香りが漂っておりますが、時代劇において、「命を大切に」「戦争を避ける」的な現在の価値観を描くのは、かなり難しい事だと思います。

たとえば、このブログでは、書くタイミングを逃してしまって、書けずじまいになってしまった、昨年の『八重の桜』の最終回ですが、

最後の最後に、八重は、会津戦争での自分の姿を思い出し、
「今の私なら、その最後の弾を、どこに向けて撃つだろう?」
と考えて想像し、想像上の自分が最後の1発を天高く放つ事で、戦争への批判的なメッセージを送っていたように思いますが、実際の新島八重はそうではありません。

彼女は、亡くなる1ヶ月ほど前になっても
「戦はオモシロイ」
と言ってます。

「もう死ぬかと思いながらも、ちょっと先の方で誰かが戦っているところを見てると面白いものです」
と・・・

もちろん、このオモシロイは声を出して笑うようなオモシロイではなく、気が高ぶる=高揚するという意味のオモシロイなのでしょうが、そこには、会津戦争を経験し、日清・日露でも看護婦として傷ついた戦士を目の当たりにした彼女にも関わらず、「戦争は嫌だ」という雰囲気は感じ取れません。

これは、八重が悪人だという事ではなく、現代に生きる私たちとは価値観が違うのだと思うのです。

それこそ、本当に死を目の当たりにし、自分も死ぬかも知れない戦いに巻き込まれたら、生き残るためには「嫌だ」とか「悲しい」とか「避けて通りたい」とか言ってられない・・・むしろ、戦う事に高揚感を味わって、「よっしゃ!やったるで!」という人でないと生き残れないという事なのだと思います。

しかし、かと言って、深夜番組やBSのマニアックな番組とは違い、日曜のゴールデンに家族揃って見る番組で、主人公が「戦はオモシロイ」って言っちゃうワケにはいかないわけで・・・

そこンところを、どう描くかが、今回の官兵衛でも、難しいところ・・・

ただ『八重の桜』の場合は、実際の新島八重との相違はともかく、ドラマとしてつじつまは合ってましたし、あの最後の場面は良かったと思いますので、今回の官兵衛さんも、史実がどうとかよりも、平和主義にするならするで、そういう観点で見事に成長していく武将の生涯を描いていただきたいと思います。

くれぐれも、いつかのアレのように、口先だけの平和を叫んで、ヤバい事は避けてばっかりにならないようお願いしたい・・・スタッフさんの力量に期待します。

とにかく、第1回めは、なんかほのぼのした感じのホームドラマ的な雰囲気もありましたが、未だ主人公の子供時代ですから、それもアリ・・・テンポも良く、楽しく見ていられる第1回でしたので、これからも楽しみにしております。

PS:5年も前のページではありますが、2008年11月29日【黒田如水~ジッチャンの目薬で先を見る目を養った?】>>も合わせてご覧いただくとありがたいです。
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大河ドラマ・時代劇」カテゴリの記事

コメント

茶々さん、こんにちは!

「軍師官兵衛」始まりましたね!

冒頭でのシーン、小田原城への降伏勧告が描かれましたが、大河ドラマオールドファン(笑)からすれば、本能寺の変で信長の死を知らされ、意気消沈としている秀吉に「天下を獲る好機到来ですぞ」と語るシーンとか、関ヶ原での恩賞として息子の長政が筑前福崎(のちの福岡)に加増を受け、さらに家康から手を握られねぎらい感謝されたと話した際に「その時、その方の片方の手は何をしていた」と語るシーンでもインパクトあったんちゃうん?と感じましたよ。

さて今回、秀吉役には竹中直人さんが配役されましたね。大河「秀吉」以来の秀吉役―

「秀吉」では大(北)政所なかの死の直後=天正20年(1592)7月で終了しているので、竹中直人的秀吉の臨終シーンがどのように描かれるのか楽しみです。

竹中さん自身も「秀吉」の総集編が再放送された際にインタビューで「天下を取った後の堕ちてゆく秀吉を演じたかった」と発言されているので、今回の配役で期するものがあるかもしれません。

もう1つ、期待するのは番組では後半にあたるのですが、“九州の関ヶ原”石垣原の戦いですね。

岡田准一さん演じる“天下獲り本気モード”な黒田官兵衛を観てみたい気がします(笑)

投稿: 御堂 | 2014年1月 8日 (水) 16時48分

御堂さん、こんにちは~

>インパクトあったんちゃうん?…

そうそう、そうなんです。
なのに、わざわざ、冒頭を小田原城の場面にしたという事で、戦いを回避する平和主義的な感じに描くのかな?と思った次第です。

以前の「秀吉」は見て無いので、死なずに終わってるのは知りませんでした。
主人公の死を描かない大河もあるんですね(あ、八重さんも死んでないか(*´v゚*)ゞ)

>石垣原の戦い

軍師のイメージが強いからか、官兵衛は主君のサポートに徹していたという解釈もありますが、おっしゃる通り、石垣原で100%天下を狙っていたんじゃないか?と私も思ってます。
どういう風に描かれるのか楽しみですね。

投稿: 茶々 | 2014年1月 8日 (水) 17時24分

実は楽しみに見ていた「八重の桜」は、最後の最後にあのシーンでがっかりさせられました。「・・・な、なんか台無し・・」面白いドラマではありましたが。そして私も「官兵衛」の「命を大事に云々」のセリフにちょっと嫌な予感が無きにしも非ずですが、岡田君、久しぶりに見た柴田恭兵はかっこいいし、のんびり見てみようかなぁ~と思ってます。

投稿: Hiromin | 2014年1月 8日 (水) 17時47分

Hirominさん、こんばんは~

>最後の最後にあのシーンで…

そうですね。
日曜のゴールデンなので致し方無いのかも知れませんが、最終的に戦争への批判的なメッセージを込めたいのなら、なぜ?新島八重を主人公にしたのか?って気もします。

>久しぶりに見た柴田恭兵…

ホント久しぶりでしたが、未だかっこよかったですね~

投稿: 茶々 | 2014年1月 8日 (水) 18時05分

茶々さん、こんばんは。

御堂さんのご意見通り、本能寺の変や関ヶ原の後の親子対面、これらは如水の見せ場の1つですよね。私は荒木村重の有岡城に単身乗り込む方が、小田原城に乗り込むよりも良いかなと思いました。

それと竹中直人さんのダメダメになっていく秀吉、楽しみです。個人的にはそういう秀吉を描いてこそ、秀吉を描ききった、演じきったと言えると思います。

それと八重の桜ですが、徳富猪一郎を代表例に戦勝に浮かれ、太平洋戦争までイケイケな空気になっていく社会情勢を描き、あのドラマでの八重さんの反戦姿勢を際立たせる、描き方は良かったのかなと思います。

個人的には如水は腹黒く描いてほしいです(笑)マジ私の主観です。ではまた。失礼しました。

投稿: 圭さん | 2014年1月 8日 (水) 22時48分

圭さん、こんばんは~

>如水は腹黒く…

腹黒くなきゃ、天下人の軍師は務まりませんし、腹黒くなきゃ生き残れませんからね~
でも、岡田君なので爽やか官兵衛になるのかも…です。

投稿: 茶々 | 2014年1月 9日 (木) 01時15分

>久しぶりに見た柴田恭兵はかっこいいし、

なんですとッ?!Σ(゚д゚;)
職隆役とな?!
冒頭で切った事が悔やまれるぅぅぅ!orz

次はちゃんと見よう。

投稿: ことかね | 2014年1月10日 (金) 12時00分

ことかねさん、こんにちは~

>冒頭で切った事が…

やっぱり、アノ小田原城の「生きられよ!」で嫌な予感を感じられましたか?

柴田職隆さんは、まだまだ活躍の場があるので楽しみですね。

投稿: 茶々 | 2014年1月10日 (金) 14時46分

人il.゚ 0 ゚ノイ  戦は嫌にござりまするぅ。

(´・ω・`) 少し心配になったかも・・・

 いつも凄く面白い記事をUPして下さり有り難うございます。引き続き楽しみにしております。

投稿: 伸之介@お江戸荏原郡 | 2014年1月10日 (金) 16時25分

茶々様 始めまして
初めてコメントさせて頂きます
鎌倉の縁切り寺「東慶寺」の事をあれこれ調べている内に、ここのブログ「最澄と空海の間に亀裂・・」の記事にぶち当たりまして
可笑しくて★お気に入り登録させていただきました。
大河「軍師官兵衛」は初回放映前からNHK
総掛りの攻勢で少しウンザリ気味でしたが
いい感じのスタートで良かったと思っています。・・ただ・・
織田信長と竹中さんの藤吉郎の出会いのシーンに「?」です
セット予算の都合なのか、「猿も木から落ちるか!」のセリフの為にあの様なシーンになったのか判りませんがじぇじぇじぇの官九郎さん風小じゃれネタは大河ですので不要かと?・・多少先行きの不安を感じました。
個人的には、信長=高橋幸治 秀吉=緒方拳ですが 竹中さんの2度目の秀吉ですので期待しており何となくはまり役になるのではとも思っております。
プロフィールの好きな四文字熟語と座右の銘には大笑いしてしまいました。イラストは敬服です 
ブログ更新楽しみにしております
ポッチも忘れずにと思っています
o(_ _)oペコッ

投稿: hosi-rei | 2014年1月10日 (金) 23時37分

伸之介@お江戸荏原郡さん、こんばんは~

今回の官兵衛さんには、勝手に和睦の手紙送ったり、合戦の寸前に農民に変装して敵の城に潜入するなどは、しないでいただきたいですね。

投稿: 茶々 | 2014年1月11日 (土) 02時05分

hosi-reiさん、初めまして

高橋幸治さんの信長には「本能寺で死なせないで!」というファンレターが来たらしいですからね~よほどのハマリ役だったのでしょうね。

今後とも、よろしくお願いします。

投稿: 茶々 | 2014年1月11日 (土) 02時08分

こんばんは、茶々さま!

始まりましたね、官兵衛。

実は最近発覚したのですが、
時々行くお店の奥さんが
御着城主の末裔なんです!!
「世が世ならお姫様…」ってとこです(*^_^*)
第2回の「紀行」には御着城址が出てましたね。

茶々さまのブログ本編に負けないくらい
コメントも盛り上がっていて
これからが楽しみです。
お忙しいでしょうが
時々、官兵衛も取り上げてくださいね。

投稿: hana-mie | 2014年1月13日 (月) 00時02分

hana-mieさん、こんばんは~

なんと!そんな身近に末裔の方が…

第2回も、なかなかに面白く…来週も楽しみです。

投稿: 茶々 | 2014年1月13日 (月) 02時17分

戦国時代でも厭戦的気分はありうると思いますけど。ただし厭戦的になるとしたら当事者たちで、送り出す家族たちのほうが「手柄立ててきてね」ではなかったかと思われます。
なんでも鉄砲が伝来してからは戦死者が多くなったので民衆の間にも厭戦志向が強まったのだそうです。村から戦に出かけた男たちが一人も帰らない、ということがあるならそうかも知れません。平和志向なせりふも発する人と時期をまちがえなければおかしくないと思います。(幼い姫が言うのはおかしいけど)

私としては、懐から草履を出す信長に「じぇじぇじぇ」でした。

投稿: りくにす | 2014年1月16日 (木) 07時59分

りくにすさん、こんにちは~

>戦国時代でも厭戦的気分はありうる…

もちろん、あの「孫子」でも、
「百戦百勝善ならず、戦わずして勝つ」
ですから、戦争はしない方が良いに決まっているのは戦国時代も変わりないと思っております。

ただ、その「孫子」に「戦わずして勝つ」とあるように、「勝つ」ための「戦わず」なので、現代の感覚で言う平和主義とは、ちと違う気がして、そこのところの描き方が難しいと思う次第です。

おっしゃる通り、場面を読まずにいつ何どきでも「平和志向なせりふを発する」とおかしな事になってしまうと思います。

>懐から草履を出す信長…

なんか、信長と秀吉の登場する場面だけ、違う空気が流れてたような気がします。
まだ、主人公とは遠い位置にいる人たちなので、わざとなのかも知れませんが…

投稿: 茶々 | 2014年1月16日 (木) 09時45分

「大河ドラマとは誰のために制作される番組であるべきか?」は永遠のテーマでしょうね。この数年私はちょくちょく考えます。
登場人物の子孫(実は「当事者の子孫」は大河ドラマをあまり見ないという皮肉な事例があります)から高評価を得ても、一般の視聴者から低評価と言う現象もあります。その反対もしかり(少し変な話ですが「演技力の高い俳優はテレビドラマでは視聴率に恵まれないのでは?」と思います)。
「大河ドラマの主演として視聴率が振るわずに挫折した俳優は、どこで失地回復をすればいいのか?」も永遠の課題でしょうね。しかし、挫折をしても大半の俳優は(映画やミュージカルで頑張るという発想もあります)名誉回復に成功しています。でも、「もう1回大河ドラマの主演になって1回目の主演時よりも高い視聴率を獲得しよう」、と考える人はいないようですね。
最近知りましたが、朝ドラ「カーネーション」でさえ、主人公の親族から脚色に少しの不満の声があったほどです。

投稿: | 2014年9月18日 (木) 14時29分

p.s.
「視聴率が低くなることが怖いのならば、大河ドラマをVシネマの様にテレビ放送せずにソフト版のみとするか、低視聴率でも咎められない深夜番組かBS単独番組に移行すればいい」という極論もあります。さすがに数年後にこれらを即時実行する無理でしょう。

投稿: | 2014年9月18日 (木) 14時33分

そうですね~
大河ドラマはなかなか難しいですね~

個人的には、ドラマはドラマだし主役は主役なので、どんな一件にも、いっちょ噛んで来る事や、主役に敵対する人物が悪役として描かれる事に関しては、創作があっても致し方無いとは思いますが、

平和主義で戦いを避けようとばかりする事や、側室をスルーして奥さん一筋にラブ全開な点(秀吉のみ別格ww)を崩さずに戦国時代を描く事にはムリがあるような気がしてます。
日曜ゴールデンなので、そうするしか無いのかも知れませんが…

投稿: 茶々 | 2014年9月18日 (木) 16時01分

この十数年の大河ドラマは思想信条的に問題があるんですかね?登場人物の子孫の人にじかに取材しても、「先祖ですが会えなかった人の事を聞いても…」と言われますね。
八重の桜は「主人公の影が薄い」、「焦点がはっきりしない」と言われますが、そんなには支離滅裂な番組とは思わなかったですね。
「直筆の日記」があれば詳しい行動が把握できるんですが、それがない人ばかりが大河ドラマの主人公になりますね。

投稿: | 2014年9月18日 (木) 16時26分

朝ドラ以外にある日本のテレビドラマの良くない点の1つは、「物事に成功しても少ししか喜ばず(半ば当然である・出来て当たり前のことと受け止める)、失敗に大いに嘆き悲しむ」点ではないかと思います。
朝ドラの主人公の様に「物事の成功に(ややオーバーながらも)大喜びして、失敗しても少し嘆く程度」であればポジティブな人物になれるんですが。

投稿: | 2014年9月18日 (木) 17時25分

こんばんは~

すみません、朝ドラは1度も見た事が無いので、何とも言えませんが…

八重さんは、日記は無いですが、晩年の回顧録があったと思います。
来年は、もっと史料の少ない女性が主人公ですが、大丈夫なんでしょうかね~

投稿: 茶々 | 2014年9月19日 (金) 01時18分

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