『馬乗り袴』をリメイクした『たっつけ袴=カルサン』の作り方
戦う戦国女子の必須アイテム=『たっつけ袴(もどき)』を作ってみました~
(注:あくまで「もどき」&「なんちゃって」です)
・‥…━━━☆
5月29日は、5(ご)2(ふ)9(く)の語呂合わせで、「呉服の日」って事で、以前は『江戸時代の帯結び』の話(2012年5月29日参照>>)なんかもさせていただきましたが、本日は、自分で作っちゃった話です(*´v゚*)ゞ
『たっつけ袴』とは、大河ドラマ等の戦国時代劇で、奥方や姫が、馬に乗る時、あるいは、自身の城が城攻めに遭った時などに、小袖の下にはくアレ・・・
(戦国時代は「カルサン」と呼ばれていたらしい)
ドラマ出演中の女優さんの写真を勝手にブログに貼るわけにはいかないので、どんな物かを確認されたい方は「大河ドラマ 姫 乗馬」で画像検索してみてください。
『江』の時の上野樹里さんや『直虎』の芝咲コウさんなどのたっつけ袴姿のお写真が出て来ると思います。
●追記:大河ドラマ「江」のクランアップの時のニュース記事がありました(コチラ>>別窓で開きます) ・・・コレコレ(o^-^o)コレです!
「ええなぁ」「戦国好きとしては着てみたいな~」と思いながらも、巷の呉服屋さんには売ってるの見た事無いし、何でも揃うさすがの「A→Z」さんでも、たっつけ袴は、忍者装束か祭りイベント用か南京玉すだれ装束か・・・しかも、けっこうイイ値段がする(;ω;)
「なら、作るしかないか~」とは思うものの、和裁どころか洋裁の知識も学校の家庭科で止まっている茶々といたしましては、イチから作るのは至難のワザ・・・つくづく、こういうのを見た目だけでイチから作っちゃう巷のコスプレイヤーさんは、エライ!
って、思ってたところに、某ネット通販サイト(結局A→Zですが…)で、コスプレ用の安価な『馬乗り袴(←)』を発見!
(2807円でした…これは反物を買うより安いかも?です)
これをアレンジするだけならいけるかも!!
とばかりにチャレンジしてみました~
ちなみに『馬乗り袴』とは、ズボンのように右足&左足に分かれてる袴の事で、一つの筒状になっているスカートのような袴は『行燈(あんどん)袴』と言います。
コスプレ用ではなく、普通の着物通販のサイトでも、男性用の安い物なら7~8000円くらいからありますし(もちろん高い物はキリがないです)、リサイクル着物のお店なら3~4000円くらいの掘り出し物もありますヨ(残念ながら、着物通販や呉服屋さんで女性用の馬乗り袴を売ってるのを、私は見た事ありません…女性用は行燈袴ばかりです)
そして、さらに・・・ いつも見に行く着物通販サイトで、すでに白の伊達締め(だてじめ=着付けの際に帯の下に締めるヤツ)は見つけていたので、早速、その伊達締めを2本購入・・・
上の伊達締めは夏物の伸縮性のあるメッシュでマジックテープで止めるタイプ(大特価の250円でした)
下の伊達締めはお腹部分に芯が入ってる一般的な伊達締めです(これも大特価500円)
上記の通り、材料費は合計=3557円!
白の伊達締めは必須ではありませんが、大河ドラマの戦国の姫様は、ほとんどが、袴の紐の部分は白ですし、何たって、コレを付けておくと着やすいですから・・・
1、まずは、ウエスト部分の紐と、両足の裾から30cmほどの部分をハサミでカット。
(ご自分に合うサイズを確認してカットして下さいね)
2、カットした筒状の裾部分の片方の端っこを斜めに縫います。
(これも、ご自身のサイズで…これで良いと思ったら、いらない端っこはカット)
3、袴の上部分と切って縫った裾部分を縫い合わせ。
(袴は前部分にヒダがあるので、ヒダの折り目部分はそのままに、残った部分は裾部分と合うように等間隔でヒダを作って)
4、袴のウエスト部分の前後外側に伊達締めを縫いつけます。
(私の場合、後ろ側(背中)にメッシュのを、前側(お腹)に普通の伊達締めを縫いつけました…メッシュのは伸縮性があるので、背中の中心部分に楯に1本線を書くように、前部分の伊達締めは、芯が入ってるので、芯を避けるように伊達締めの下側を袴の紐の下側ピッタシに合わせて横に縫いつけました)
5、最後に、1で切った袴の紐を、切った部分をキレイに整えておいて、膝から下の部分に結ぶ用に使います。
(必要なら固定する意味で、袴のふくらはぎ部分に縫いつけるとイイです)
以上、最初の切るところから、わずか20分で完成しました~ 完成品がコレ←です。
(あくまでそれっぽく見えるナンチャッテたっつけ袴ですが)
袴をはく時は、本来は、前からはく(前の袴をお腹に宛て紐を結ぶ)のですが、この『たっつけ袴もどき』は、先に背中側のメッシュの伊達締めを締めてから、前の伊達締めの芯の部分をシッカリお腹=メッシュの伊達締めの上に宛てて、1回まわして前で結ぶと、はきやすいし、楽です。
いかがでしょう?
ついでに、もともと、少し裄(ゆき=背中から手首までの長さ)が狭い、母からのお下がり着物の袖を、さらに小袖風にアレンジして合わせてみました~
これで、いつ戦国時代にタイムスリップしても、即座に戦えます!
わくわくp(^-^q=p^-^)qウキウキ
で、着てみて思った事は・・・
これ、メッチャ楽で動きやすいです。
これなら、乗馬はもちろん、山登りだってできるし、忍者のように素早く行動できるのも納得です。
実は、不肖私・・・
「ちゃんと正統な物を知っていなければ、崩す事もできないし、知らないで崩すのは邪道だ」
という観点から、一通り着付けを習い、一応、着付け講師の免許も持っているのですが、その知識を得て、歴史も好きな者からすれば、現在の「着付け」による着物の着かたは、戦後の高度成長期くらいから始まった着かたで、いわゆる、普通に日本人が毎日着物で暮らしていた時代の着かたとは違うのでは?と感じてます(←あくまで個人の感想です)。
現に「着付け教室」のような物ができたのもその頃からのはずですよね?
だって、それまでのオバサマ方は教えてもらわなくても着れるはずですから・・・
ちなみに、着物=伝統的と思いがちですが、現在主流の六通柄の袋帯や名古屋帯が登場して来るのも、実は戦中戦後くらいからなんですよ。
現在の着かただと、まず腰巻巻いてから肌着に1本、長襦袢に1本、着物に2本・・・ここまでで、最低でも5本の紐的な物を結び、その上に帯をして、さらに帯枕と帯締めと帯揚げと、体に巻く紐状の物は、合計で8本という事になります。
「なんで?こんな苦しいくてしんどい着物の着かたをするんだろう?」
だって昔は・・・
あの十二単でさえ、体に巻く紐は1本なんですよ!
江戸時代には、帯揚げも帯締めも帯枕も無かったんですよ!
おそらく、大昔の人は、もっと気軽に、もっとサラッと着物を着ていたはず・・・(なんせ常に着てますから…)
もちろん、セレモニー的な正式な場所に行くのであれば、それなりのTPOをわきまえてキッチリしなければなりませんが、普段着なら、もっと気軽に、もっと自由に、そしてもっと楽に着物を着て良いんじゃないかな?って、個人的には思ってます。
どうか、着物に携わる方々・・・安価で気軽に着れる着物や帯を、もっとプッシュしてくださいませ。
(今でも、半幅帯だけで着るとメッチャ楽ですから)
だって、ゴルフしかり、釣り道具しかり、ギター等の楽器もしかり、
上手になってくれば、自然と高い物が欲しくなって来るのが人の常・・・
最初は、安いのを何度も着て、やがて慣れて、着るのが楽しくなってくれば、どのみち高級な物が欲しくなりますって。
伝統に培われたホンモノを身につけるのは、それからでも遅くはないのでは?と・・・
関係者様、是非とも御一考くださいませ~
てな事で、今回は「呉服の日」にちなんで・・・歴史の話ではなくてゴメンナサイです。
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