真田幸隆VS斎藤憲広の岩櫃城の戦い
永禄六年(1563年)10月14日、武田配下の真田幸隆が斎藤憲広の岩櫃城に総攻撃を仕掛けました。
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岩櫃城(いわびつじょう=群馬県吾妻郡東吾妻町)は吾妻郡(あがつまぐん=群馬県の西北部分)の中心になる城で、鎌倉時代あるいは南北朝時代にこの地を収めた吾妻(あがつま)氏が築城したとも、室町中期に吾妻氏の子孫と称する斎藤憲行(さいとうのりゆき)が築城または主君から奪った物とも言われますが、
とにもかくにも、室町時代以降に斎藤氏の居城となってからは、信州真田(さなだ)氏と同族の滋野(しげの)一族の海野(うんの)・浦野(うらの)・西窪(にしくぼ)など吾妻郡一帯の地侍を支配下に置いて、かなりブイブイ言わせてたみたいですが・・・
しかし、戦国期に入った永禄三年(1561年)、滋野一族の鎌原幸重(かんばらゆきしげ)が武田家臣の真田幸隆 (さなだゆきたか=幸綱)& 甘利昌忠(あまりまさただ)を通じて甲斐(かい=山梨県)の武田信玄(たけだしんげん)の傘下に加わった事から、当時の岩櫃城主=斎藤憲広(さいとうのりひろ)が、鎌原幸重の 鎌原城(かんばらじょう=群馬県吾妻郡嬬恋村)に圧力をかけて来ます。
翌・永禄四年(1561年)の羽尾幸全(はねおゆきてる?)らとともに鎌原城を攻撃して陥落させた斎藤憲広は、ここを羽尾氏に守らせます。
一方、敗れた鎌原幸重は信濃(しなの=長野県)に逃走しますが、彼らの訴えを聞いた武田信玄は、さらに翌年の永禄五年(1562年)8月に真田幸隆 & 甘利昌忠に3000の兵をつけて鎌原城を攻めさせて奪還に成功・・・鎌原城は再び鎌原幸重の手に戻りました。
ここで、さすがに「相手は大物=信玄」と踏んだ斎藤憲広は、武田に対抗すべく越後(えちご=新潟県)の上杉謙信(うえすぎけんしん)を味方にして後ろ盾とします。
信玄は、そんな斎藤憲広への抑えとして長野原城(ながのはらじょう=群馬県吾妻郡長野原町)を真田幸隆の弟=常田隆永(ときだたかなが)に守らせて備えました。
そんなこんなの永禄六年(1563年)、またもや斎藤憲広が動きます。
岩櫃城の戦い位置関係図
↑クリックで大きく(背景は地理院地図>>)
9月、まずは長野原城を攻めて、これを落とし、その勢いのまま鎌原城攻略へと向かいます。
(一説には常田隆永と息子の俊綱(としつな)はこの戦いで討死したとも…)
真田幸隆は、信玄傘下となっている手子丸城(てこまるじょう=群馬県吾妻郡東吾妻町・大戸城)の浦野重成(うらのしげなり)ら3000の兵を以って暮坂(くれさか=群馬県吾妻郡中之条町)・雁ヶ沢(がんがさわ=群馬県吾妻郡東吾妻町)・大戸(おおど=群馬県吾妻郡東吾妻町)の三方面から岩櫃城を囲みます。
一方の斎藤憲広は、上杉配下の沼田城(ぬまたじょう=群馬県沼田市)などに援軍を要請して、9月15日、手子丸城へと迫りつつ、雁ヶ沢にて真田勢とぶつかりました。
暮坂方面から侵入した真田幸隆隊は、岩櫃城守備の背後の要である成田(なりた)氏の仙蔵城(せんぞうじょう=群馬県吾妻郡中之条町)を攻略しましたが、これ以上の力攻めを止め、ここで一旦、斎藤憲広と和睦します。
しかし、その後すぐに、斎藤憲広の一族の離反(斎藤則実か?)や、憲広配下の海野幸光(うんのゆきみつ・ゆきてる)・輝幸(てるゆき)兄弟が真田に降った事で、永禄六年(1563年)10月14日、3度目の岩櫃城総攻撃を仕掛けたのです。
総大将が真田と言えど、バックにはあの武田信玄がついているわけで・・・やむなく斎藤憲広は、嫡子の則宗(のりむね)とともに上杉謙信を頼って越後へと落ちていったという事です。
今回の真田幸隆が流浪の身から武田の家臣となって頑張り、息子の真田昌幸(まさゆき)、さらに、その息子の信之(のぶゆき=信幸)&幸村(ゆきむら=信繁)兄弟へとつながっていく・・・今回のお話は、ドラマや小説でよく描かれる時代の一時代前のお話という事になりますが、
ドラマで描かれるその時代の頃には、今回の岩櫃城も沼田城も仙蔵城も、真田の城として登場するワケですから、戦国の群雄割拠する中で「父ちゃん&爺ちゃん、メッチャがんばったね~」って感じですね。。。
2007年放送の大河ドラマ「風林火山」では、チョコッとこの時代のお話が出てきましたが、また、この有名武将の父ちゃんたちの時代のドラマも見てみたいですね~
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コメント
真田の故郷上田からこんばんわ、やっぱ真田はいいですね~でもお爺ちゃんの頑張りなかったら真田は活躍できてなかったでしょうね
投稿: げん | 2019年10月29日 (火) 05時19分
げんさん、こんばんは~
幸隆さんは1回浪人になってますからね~
そこからのジャンプアップはスゴイと思います。
もちろん、その後をつなげた昌幸さんや孫たちもスゴイですけど…
投稿: 茶々 | 2019年10月29日 (火) 18時26分