大河ドラマ『麒麟がくる』第8回「同盟のゆくえ」の感想~川口帰蝶の魅力炸裂な回
とにかく川口春奈さん演じる帰蝶が良かった大河ドラマ『麒麟がくる』第8回「同盟のゆくえ」の感想です・
多くを言わず、好き好き光線も出し過ぎず、それでいて決意は固く・・・風変わりな信長に結婚式をドタキャンされても不敵な笑みを浮かべる・・・
この笑みの本心は、それこそ人それぞれに感じると思いますが、私としては
「オンドレ、なかなか笑わしてくれるやないケ」
みたいに、(良い意味で)信長を「ただのウツケではない」と帰蝶が感じたような気がしました。
今回は、この帰蝶の輿入れ以外は、物語的にはあまり進展が無い回でしたが、主人公=光秀にとって最も重要な登場人物である信長の雰囲気や、例の菊丸がタダ者では無い事を匂わせたり、駒がキッパリ諦めて京都へ帰っていったり、母=お牧さんが「何よりも、この国を守る事」を1番重用な事と語るなど、言葉やセリフ、物語の進行とは別の色々な事を感じる(カッコよく言えば行間を読む)ような回だったと思います。
ただ・・・道三の息子=義龍が・・・
「なんで帰蝶を明智に留めておかない!」だの、
輿入れに賛成すれば「裏切者」だの・・・
同盟進めてるのが父親で、嫁に行くのが妹なんだから、止めたいなら光秀に頼まずお前がやれよ!
しかも、最後には「俺、恥かいたわ」と母ちゃんの部屋でグチこぼす・・・まるで、反抗期の少年のよう。。。
ま、そんな描き方も、この先の物語への伏線なのかも知れませんが、
とにかく、今週も楽しく拝見させていただきましたが、ただ、一つ、欲を言わせていただければ・・・
美濃の事、尾張の事、などなどの、基本的な背景というか、武将たちの関係とかを、もう少し、分かりやすく紹介していただければ、歴史好きでは無い視聴者の方も見やすいような気がします。
たとえば、大河ドラマ好きだけど歴史好きでは無いウチの家族は、「美濃は斎藤道三の物」という認識があるので、土岐頼芸(ときよりのり)のところに集まってる人たちが道三に物申す←の関係がよくわからなくて度々質問されます。
そんな時、「わからへんなら調べろよ!」とは歴史好きに言う言葉・・・歴史好きでない人に、そんな事言うのは酷です。
誰だって、好きな事なら知りたいと思うし、どんどん吸収するし、不思議に思ったら調べますが、そんなに好きでもない事なら、ただただ面倒くさいだけです。
でも、ドラマは、そんな歴史好きで無い人も見るわけで・・・「わからない事があると楽しめない」って部分もあると思います。
そんなに歴史好きでは無い人にとっては、
美濃は斎藤道三(さいとうどうさん=利政)、
尾張は織田信長(ドラマの段階ではまだ父の信秀ですが…)、
駿河は今川義元(いまがわよしもと)で
甲斐は武田信玄(たけだしんげん)で、
越後は上杉謙信(うえすぎけんしん)・・・
てな認識で、それらは揺るぎないように思っている場合も多々ありなんですよね~
でも、この中で、もとから室町幕府政権下でれっきとした守護(時期的に多少ズレがありますが)なのは、駿河の今川と甲斐の武田だけです。
上杉謙信は、もともと守護代の長尾(ながお)家の人で、父の時代に上杉家と戦った(【永正の乱】参照>>)後、その力を認めた上杉家から関東管領職とともに譲り受けた物(6月26日参照>>)。
美濃の守護は土岐氏で斎藤家は守護代・・・道三の場合は、それも、主君の長井家を乗っ取って、さらにその上司の斎藤家を乗っ取ってその地位を得た物(1月13日参照>>)。
織田信秀の尾張に至っては、今の所、守護が斯波(しば)氏で守護代が織田達勝(たつかつ)、信秀はその奉行という位置(3月3日参照>>)で、この後、本家の織田家を倒して尾張を統一するのは、信長の時代になってから(11月1日参照>>)・・・あの桶狭間より後です。
戦国時代のドラマでは、信長や秀吉や家康が頭角を現し始める頃から描かれる事が多いため、それ以前の、幕府公認の守護と、武力や経済力で主家を凌いでのし上がって来た武将との違いや力関係が分かり難いままになってるのだと思います。
今年の「麒麟がくる」でも、京都には足利義輝(あしかがよしてる)という将軍が君臨していて、その補佐をする管領(かんれい)の細川晴元(ほそかわはるもと)がいて・・・みたいな感じにドラマ上は見えますが、先日の「細川晴元さんのご命日」のページ>>でも書かせていただいたように、この頃の将軍様や管領は、何かゴタゴタがあると度々京都を退去して姿をくらましたりしてました。
そこが戦国なわけですが、この戦国ゴタゴタの一時代後の天下統一が見えそうな頃からの時代劇を見慣れてる人にとっては、いわゆる「守護大名」と「戦国大名」の力関係が、どうも分かり難い・・・
ドラマの公式ホームページにいくと「〇回のトリセツ」なんてコーナーで色々紹介してくださり、分かりやすくなっているのですが、そこンとこを、ホームページだけではなく、ドラマの中でも描いて下されば、もっと楽しめる人が増えるのではないか?(おいおい分かるような造りになってるんだとは思いますが…)
なんて、個人的には思います。
とは言え、今回登場した信長さん・・・これまでのステレオタイプではなく、新しいイメージの信長さんになりそうな雰囲気バリバリなので、今回の大河は、今後も楽しみです。
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コメント
茶々様、こんにちは。
以前の大河ドラマは、各回の冒頭に歴史的な背景を説明するものが数分あったような。細かくはなく大雑把なものでも、そういうものがあれば分かりやすいと思います。でも、今年は面白いですね。
投稿: いんちき | 2020年3月 9日 (月) 10時56分
いんちきさん、こんばんは~
おっしゃる通り…今年の大河はオモシロイです。
ただ、先日の放送で家康の父ちゃんが出て来たように、よくドラマで描かれる時代より、少し前の、まさに下剋上真っただ中なので、守護と守護代、さらにそれらを凌ぐ力を持つ者との力関係が分かり難いんだと思います。
投稿: 茶々 | 2020年3月10日 (火) 02時06分