1回飛んでからの~大河ドラマ『麒麟がくる』第23回「義輝、夏の終わりに」の感想
いやはや…「義輝、夏の終わりに」という題名だったので、てっきり向井将軍様は、今週、逝かれるものと思ってましたが、まだ、次回でしたか~
これまで剣豪っぽい場面を見た記憶が無いので、今回の題名を見て、それこそ最期は剣豪将軍らしく、大立ち回りをして華々しく散られる様を期待していたのでチョッピリ肩透かしを喰らった大河ドラマ『麒麟がくる』第23回「義輝、夏の終わりに」の感想をば、チョコっと。
ま、向井将軍様は気品があり、カッコ良く、それでいて理想を叶えられなかった物悲しさもあり…それが、もう1週見られる事は、それはそれで良いのですが、題名の「義輝、夏の終わりに」は、「義輝が、夏の終わりに」ではなく、「義輝の、夏の終わり」だったんですね。
(↑ご本人が「私の夏は終わった」と言うてはりました)
それにしても、前回と今回、よく見ると、脚本家さんも演出家さんも違うんですね~
それでかな?
前回、
向井将軍が、
「三好長慶(みよしながよし)のせいで、自分の思うようにできない」
からの
「長慶を暗殺しろ」
的な事をのたまい、
それを聞いた長谷川光秀は、ハッキリとOKしたのかは微妙なものの、
「何て事を言うんですか!」
みたいな否定的な言葉は言わず、なんとなく(暗殺を)承諾?したように見えましたが…
なのに、今週は、
「価値の無い将軍はいらない」
という吉田久秀に、
「なんで、サポートしなかったんですか!」
的な文句を垂れ、
「したよ~ でも限界だよ~」
と言う久秀とともに、悔しがってた。。。
いやいや…久秀は長慶の家臣ですがな。
今回の光秀の、この言い分は、自分(久秀にとっては主君)の事を「邪魔だ」「暗殺しろ」と言う将軍のサポートをし続けろって事ですから、それは無理難題・・・てか、前回と今回で思想が変り過ぎではおまへんか?
ま、思想が変り過ぎは、眞島藤孝さんも、同じですがねww
前回は、
「別人のようにふさぎ込んでる将軍様を慰めてやって」
的な事言って、長谷川光秀を京に呼んだにも関わらず、
今回はもう、向井将軍をすっかり見限って、弟の滝藤覚慶(後の義昭)にベッタリ…
(↑藤孝は、何か決め手となって向井将軍を見限ったのかも見たかった)
実際、先週は大型台風が来て大河ドラマが1週飛びましたが、なんだか、そこに、放送されなかった1回があったかのような豹変ぶりに、ちょっと戸惑ってしまいました。
染谷信長に仕え始めた佐々木藤吉郎(後の秀吉)もそうでしたね。
まだ「百人組」の頭という下っ端なので、細かなエピは無いなら無いでも物語は成立しますが、今後、トップクラスの重要人物・・・てか、なんなら、これからの後半戦は長谷川光秀と染谷信長と佐々木藤吉郎が主役=三本柱なのですから、個人的には、もうチョイ藤吉郎仕官のエピが欲しかったです。
だって今回、駒&東庵&伊呂波大夫の架空=三本柱のエピが、かなり長かったから・・・
色んな事があって、最終回まで急がねばならなくなった中で、あれだけの時間かけて、駒ちゃんの薬の話をするのは、この先、その薬がトンデモない重要なアイテムになるからなんでしょうか?
ここまで来たら、そういう重要な事への伏線と思いたいです。
とは言え、これまでに登場した稲葉山城や明智城には無かった天守が、久秀の多門山城(【松永久秀の築城センス】参照>>)にはしっかり描かれてした事は、歴史好きとしてはウレシイ(だから大河が好き!)
できれば、絶賛盛り上がり中の信長の小牧山城の外観も見てみたかったですが(欲は言いますまい)。
あと、今回、真夜中に目が覚めて「誰かある」と呼ぶ向井将軍の哀れさ・・・
一般的な時代劇なら、殿様が「誰かある」と呼べば、最後の「る」が聞こえるか聞こえないかの素早さ=「お前、絶対、襖の真ん前に、ずっとおったよな?」的なタイミングで、誰かが「ははぁ」と出て来るはずなのに、今回は、呼べど呼べど誰もいない・・・
人影の無い庭と相まって、寂しさ、空しさ、哀れさが見事に描き出された名場面でしたが、
将軍様、部屋を出るときは、刀一振りくらい持ちましょうよ。
まして、狙われてる事知ってるんですから、そこは、もそっと注意した方が良いです。
ところで、そんな将軍の寂しさは、実際の義輝さんも同様だったかも知れませんね。
なんせ、『万人恐怖』やら『魔将軍』やら『悪御所』やらのニックネームをつけられるほどの暴君(2016年6月24日参照>>)だった第6代室町幕府将軍=足利義教(あしかがよしのり=義輝の高祖父)でさえ、嘉吉(かきつ)の乱で暗殺されたら、犯人は身の危険を感じて領国へ逃げ、それを山名宗全(やまなそうぜん=当時は持豊)ら幕府の人間が追討するという形になったわけですが(2009年6月24日参照>>)、
向井さん演じる今回の義輝の場合は、犯人を追討しようなどどいう武将はおらず、逆に、犯人たち(とおぼしき人物)が推す足利義栄(よしひで=義輝の従兄弟)が朝廷からの宣下を受けて14代将軍になっちゃうわけですから・・・
おそらく、本当に、その権威は失墜していた物と思われます。
今回、そんな将軍の空しさ&哀れさを見事に演じられた向井将軍様・・・
次回の散り際も大いに期待しています。
(↓前回と同じではありますがm(_ _)m)
たぶん来週、もしくは、これから起きる出来事は…
●【足利義輝の壮絶最期】>>
●【足利義昭の興福寺を脱出】>>
●【信長の美濃侵攻~堂洞合戦】>>
●【信長の美濃侵攻~関城の戦い】>>
●【義昭の僕を京都に連れてって】>>
でどうぞ
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コメント
茶々さん、こんばんは。
再開しましたねー。
が、しかし、
んー、何と言ったら良いのでしょう?
休止期間を経た後に観た第22回、まさかの臨時休止を挟んで観た第23回。
私個人としましては、今一つ盛り上がりに欠けたと言うか、かと言って深い味わいに浸れた感も無く…
休止期間が長過ぎた気がしますし、その休止期間が自粛期間でしたから余計萎えてた気がします。
(勿論私の中で、演出的にもご本人的にも本木道三の赤と黒のコントラストの効いたイメージが強く残っている事は否定しませんが 笑)
私思うに、22,23回は放送回数縮小方針時バージョンだったんじゃないかと。(そんな方針あった?知らんけど 笑)
なんか主題感のあるシーンが多過ぎるような、俳優さん達の演技も急いでいる(尺が短い)ような…
なので、魅せ場多数で平準化が起こってたように感じました。
そんなこんなで、
次回剣豪将軍の名場面、光秀は未だ時空の狭間に居るので又々間に合いませんが、私も散り際の美を楽しみにしています。
投稿: とーぱぱ | 2020年9月15日 (火) 21時28分
とーぱぱさん、こんばんは~
たぶん、これからメッチャ飛ばさな本能寺までたどり着かないと思います。
完璧な場合の予定がどうだったかは、もちろん分かりませんし、あくまで個人的な見解ですが、本来なら、4月の終わりか5月くらいには、光秀さんは信長の家臣になってて欲しかったです。
光秀が主役で、あれだけお母さんを出すなら、やはり丹波平定あたりをじっくりやってほしかったです。
でも、今頃義輝さんをやってるようじゃ、もう時間ないですね~色んなエピが飛ばされるんでしょう。
ま、来週の義輝さんの散り際は、それはそれで楽しみなんですが…
投稿: 茶々 | 2020年9月16日 (水) 03時54分
茶々様、こんにちわ。
年末までに終わるんですか。終わるんでしょうけど、ナレーションのみでどんどん進むんでしょうね。最近の傾向として。
本能寺の変の前後の光秀の気持ちの移り変わりというか、苦悩する姿を期待していたんですが、あっという間に心変わりして、敵は本能寺にあり、と言っているかも。ドラマとしては面白いんですが……。
投稿: いんちき | 2020年9月16日 (水) 10時47分
いんちきさん、こんにちは~
本当に…信長の家臣になってからがエピソード満載なのに。。。
せっかくの面白い大河なので、万全の態勢で見てみたかったですね。
投稿: 茶々 | 2020年9月16日 (水) 16時48分