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2020年9月21日 (月)

大河ドラマ『麒麟がくる』第24回「将軍の器」…あくまで個人の感想です

「アバン死」という言葉を初めて知った今週の大河ドラマ『麒麟がくる』第24回「将軍の器」の感想です。

「アバン死」「アバン」「アバンタイトル=オープニングタイトル前」の事だそうで、つまりはオープニングのタイトルが出る前に死んでしまった・・・という事で、

いやはや、「ナレ死」という言葉は存じておりましたが、「アバン死」は、この歳になって初めて知りましたわ。

まさにアバン死だった向井将軍様・・・
しかも、予想に反したアッサリ感、
さらに真夜中ではなく早朝・・・
まぁ、暗殺時期が5月半ば(旧暦だと真夏)なので、向井将軍様がお亡くなりになる頃には、もうすっかり太陽も昇ってましたね。

有名な畳に名刀を差して、2~3人斬ったら刀変えて…のシーン(【足利義輝の壮絶最期】のページ参照>>)が無かったのは、今回の気品あふれる爽やか向井将軍に合わせての演出だそうで、演出家の方が、向井さんのギラギラしてる感じを出したくなかったからだそうです。

とは言え障子で抑えられるシーンはあったので、このあと障子一面に血が飛ぶのか?と思いきや、障子越しに斬りまくられても、まったく血が流れなかったのも、
そういう事なんでしょうねぇ。

まぁ、ギラギラ感は好みの問題もあるし、爽やか向井将軍に残虐なシーンは似合いそうにも無いので、それはそれでアリかも知れません。

ところで、あくまで「好みの問題」で言わせていただくと、
向井将軍の暗殺に憤慨した長谷川光秀が、吉田久秀に文句言いに行き、その流れから、久秀が光秀に鉄砲を握らせて「撃ってみろ」的なシーン・・・。

時代劇には、たまにあるシーン(「西郷どん」でもロシアンルーレット的な事やってた)ですが、個人的に、ああいう演出はあまり好きではありません(←あくまで個人の好みです)

戦国にしろ、幕末にしろ、戦時下では命がいくつあっても足らない=明日をも知れぬ命なのは確かですし、一か八かの命懸な出来事も、勝ち目の無い戦に死を覚悟して挑む事も多々あったと思いますが、
だからこそ、命は「ここ1番」という重要な時に捨てる覚悟を持つ物であって、何かよくワカラン駆け引きや、相手を試すような事に使うべきでは無い気がしています。

あそこで光秀が撃ったら、それで久秀は終りですよね?
(撃たへんけど…)
(ただ、撃たへん事がわかってるので白々しい演出に見えたけど、もし久秀がここで死なない事を知らなければ良い演出なのかも?)

今回の場合は、吉田久秀が
「向井将軍の暗殺は息子たちの暴走で、それを止められなかった自分が情けない」
的な心の内が本心であるという事を証明するために、あのような展開になったのかも知れませんが、

アレがあっても、吉田久秀の言ってる事が本心かどうかは、わからないですよね?

なぜなら、三好側(三好三人衆)がまったく出て来ないから・・・(モブキャラ兵ならいましたが)
三好側の中心人物たちをまったく描かないで、彼らの考えや方針など伝わるわけがありませんから、もはや、向井義輝様の何がアカンかったのか?さえ、私にはわからないまま退場されてしまいました。

時間の関係やら予算の関係やら、色々あるのかも知れませんが、この後、信長の上洛戦や、その後の本圀寺や筒井順慶とのアレコレ&石山本願寺とのアレコレでもガッツリ絡んで来る三好三人衆なので、ここらあたりで是非とも登場しとしていただきたいんですが・・・このままずっと、吉田久秀が三好三人衆の代弁をするのは難しい気がしてます。

難しいと言えば、
関白ともあろう御人が、真昼間、三好の兵に連行されるかのように、街中をウロウロするのってアリなん?

身分の高い人は輿が牛車で、自分の足で道を歩くのは三流貴族・・・っていうのは平安時代の話ですが、戦国は、もうそんな時代では無かったんでしょうか?(今度調べてみよう~と)

ところで、先週に引き続き、またもや出ましたね~豹変組。

これまでは、あまり関心ないご様子だったユースケ・アサクラが、
「滝藤覚慶(義昭)が将軍の器であるならかくまう覚悟がある」と・・・

そのイキナリぶりにも驚きましたが、
なんで、その事を手紙に書いて久秀に送るかも謎なら、その器の見定め役を光秀にさせるのも謎・・・

「その手紙を久秀が光秀に見せずに捨てる」という考えは無しなん?
「将軍の器の見定め」なんて重要な事、一介の浪人にさせて大丈夫なん?
だってユースケ・アサクラは、まだ、長谷川光秀が「使える」か「なまくら」かも見定めてないんですよね?

さらにビックリなのは
滝藤覚慶に会った光秀の返答が「×」「覚慶は将軍の器ではない」だった事・・・

まぁ、今回の滝藤覚慶さんは、私が思ってる将軍=義昭とは違うイメージなので、それこそ、還俗した後に豹変されるのかも知れませんから、今の段階では、何とも言えませんが、そもそも、この時点では、血筋的に三好の推す義栄に対抗できる人は覚慶しかおらず、器もクソも無い気がするんですが・・・

Asikagakuboukeizu3 足利将軍家&公方の系図
(クリックで大きくなります)

なので、器もクソも、例えボンクラでも、結局は、ユースケ・アサクラがかくまうんでしょうけどね。

 

とは言え、来週は、いよいよ、岐阜を手に入れた染谷信長と対面し、義昭奉じての上洛の話をし、予告を見る限りではヘッドハンティングされるようなので、ようやく、歴史上に登場する明智光秀を長谷川さんが演じる事になりそうなので、楽しみです。

ここからは、怒涛の如く出世していくのかな?
ワクワクですo(@^◇^@)o

たぶん来週、もしくは、これから起きる出来事は…

●【義昭の「僕を京都に連れてって」】>>

ドラマではすでにしてるっぽいけど↓
●【信長が稲葉山城を陥落させる】>>

ほんで以って飛ばされるかもやけど↓
●【松永VS三好と筒井順慶の大仏殿の戦い】>>
●【朝倉義景の若狭侵攻】>>

そんなんがあってからの↓
●【義昭を奉じ~織田信長の上洛】>>

果たして六角さんは出るのか?出ないのか?
 .

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大河ドラマ・時代劇」カテゴリの記事

コメント

茶々さん、こんばんは。

ですよねー。
光秀が久秀の前で一発ぶっ放すシーン、右に振っていきなりでしょう?
向かいの部屋に誰か居なかったの?
主君の前で鉄砲撃たれて誰も飛んで来ないのは超忖度で許すとしても、あの射角なら絶対向かいの部屋に撃ち込んだと思えちゃうんですけど…
それに、前様。もしやこれは将軍はおろか関白の権威さえ失墜してるって演出?(だからマチャアキの驚き方も淡白?)って深読みが必要でした。
さらに、伊呂波太夫。彼女は百戦錬磨のやり手で、自身の護衛に僧兵を使ってた人でしたよね?それが「武士がいなくなれば」って、そんなアマちゃんじゃなかった筈なんですが…

なんか、ファンタジーな香りが…

と不安が過ぎった本編でしたが、それをスパッと振り払ってくれた染谷信長様のワンカット予告編でした。
…でも、と言う事は今大河では光秀は朝倉に仕官してない説なのでしょうかね?
(そこに関しては賛同します)

とりあえず、来週から期待したいです。

投稿: とーぱぱ | 2020年9月21日 (月) 22時49分

こんばんは! 前回の最後に義輝の死を持ってくればという意見もありましたが、私はこのアバン死があってこそ覚慶義昭の義輝とは真逆な資質が引き立つ構成になるので、視聴中何度も「なるほどな~」と唸ってました。義輝最期の卜伝譲りの剣豪ぶりは当時の世間を「さすが武家の棟梁」と大いに見直させたでしょうね。光秀を親義昭ではなく親義輝にした切り口もアリと思っています。こうなると、染谷信長がどう散るのか?気になります。まさか自分が時の天下人を京都で襲う側になるとは夢にも思わない光秀ですが、器にあらずと見なせば裏切り、襲われる染谷信長は向井義輝とはまた違う、決して儚さではない、かつ通説ともまた違う麒麟オリジナルな最期を演じると期待させられます。

投稿: 通りすがり | 2020年9月21日 (月) 23時41分

とーぱぱさん、こんばんは~

>もしやこれは将軍はおろか関白の権威さえ失墜してるって演出?

私も、「たぶんそのための演出なんだろうな~」って思いましたが、
それにしても「義栄を推挙しなければ斬る」って言ってる三好の兵に容疑者連行のように回りを固められて、朝廷側の人が一人もいないというあまりな状況に、ちょっとびっくりしてしまった次第です。

もちろん、それはそれとして楽しみな大河である事は間違いないですが…

投稿: 茶々 | 2020年9月22日 (火) 03時35分

通りすがりさん、こんばんは~

これまで剣豪っぽさをまったく出してなかった中で、あの立ち回りはカッコ良かったです。
なんなら、もう少し長くやって下さっても良かったです。

>光秀を親義昭ではなく親義輝に…

そうなんですよね~
最近注目されてる変の後に雑賀に出した手紙のおかげで、本能寺の動機に「室町幕府再興」説が挙がったりしてますが、これだけ義輝派で義昭が器でないと考えてるなら、最終回は別の説を採用するのかな?とも思いますが、
これから義昭さんが化けて、いつしか義昭派になるかも知れないので、そこのところは、まだわかりませんね。

投稿: 茶々 | 2020年9月22日 (火) 03時44分

はじめまして、ブログを拝見して義輝・義昭の弟の話がありましたが、確か末弟の周暠は義輝殺害後、間も無く松永久通の命によって刺殺されていたので、この時点で(庶子説のある白鳥義久を加えても)義栄に対抗できるのは覚慶(義昭)以外あり得なかったと思うのですが。

投稿: | 2020年9月22日 (火) 09時21分

あっ…ホントですね~

すみません。
録画を見終わって慌てて感想書いてたので、義輝弟と義栄弟の記憶がごっちゃになってしまっていました。

おっしゃる通り、義輝弟は、義輝暗殺の後の同じ日に暗殺されてるので、ドラマ内で光秀が覚慶に会った時には、もう亡くなってますね。

そこの部分は排除させていただいときます。
申し訳ないです。

投稿: 茶々 | 2020年9月23日 (水) 03時22分

茶々さんこんばんは。

この回はとにかく義輝の舞うような戦いぶりが目を引いた回でしたね。

おっしゃるように、近衛前久の扱いも気になりますし(僕は「前様」という呼び方が不自然すぎて気になりますw)、朝倉義景の手のひら返しも簡単すぎてどうかなと思いますね。

ただ、今までの大河以上に新説を取り入れまくっている感じなので「今までにない光秀」「今までにない信長」…etcという意味では期待してます!

投稿: 鷲谷 壮介 | 2020年10月20日 (火) 00時35分

鷲谷 壮介さん、こんばんは~

なんか、ここ(28回)に来て、「今まで通りの光秀」「今まで通りの信長」なって来ましたね。

信長さんはブラック企業の社長のようになってましたし、光秀は、石仏を二条御所の石垣に使用する事に嫌な顔して…

福知山城の石垣に石仏が沢山使用されてる事や、比叡山焼き討ちにノリノリだった新説は、今まで通りにスルーとなるんでしょうかね?

投稿: 茶々 | 2020年10月20日 (火) 03時08分

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