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2020年11月23日 (月)

大河ドラマ『麒麟がくる』第33回「比叡山に棲(す)む魔物」の感想

どんどん光秀が主役らしくなって来た大河ドラマ『麒麟がくる』第33回「比叡山に棲(す)む魔物」の感想です。

当時の比叡山が、「酒+女+権力」に墜落していた様を描いて下さったのはさすがですね~

しかも、その比叡山の横暴に「公家や天皇までもが困ってる」という描写も、これまでには無い描き方だったので良かったです。

まぁ、個人的には、そこらあたりは、もっともっと盛大にやっていただきたかったですが、番組最後の紀行で
(灯明は)最澄が1200年前に灯して以来、一度も消えることなく輝き続けている」
(厳密には第6代将軍=足利義教が焼き討ちした際に1度消えてる→その後、以前に分灯した寺から再分灯してもらったらしい)
てな解説を言うダンドリになってるので、それを聞いちゃうと、どうしても当時の比叡山と現在の比叡山がつながってる感が出てしまい、あまり過激な表現がし難かったのかも知れません。

本来は当時の比叡山あり様と今の比叡山の姿勢は全然違うんだけど、ドラマとして見ているそばから、頭切り替えるの難しいですものね。

ただ、私としては、やはり、焼き討ちの前年に比叡山を訪れた英俊が日記に書いていたような悲惨な状況だったように思います(9月22日参照>>)

なので、当時の仏門の墜落のエグさ描写を控えてしまった事で、今回も、信長の比叡山焼き討ちは「残忍な殺戮」のような通常運転な描き方になってしまったように思います。

そして、最近では、比叡山焼き討ちに「光秀はノリノリだった説」が盛んな中で、やはり
「女、子供は斬るな!」
という、これも通常運転となってしまいました。

まぁ、そこは、ドラマの主役なので、仕方ないですね。
主役が鬼の形相で女子供をバッタバッタ斬るわけにいきませんもの。。。

そんな中に紛れ込んでいた転売ヤーの「正露丸ボーイ」
この描写は何?

ひょっとして、
これに駒ちゃんが激怒する?
からの
公方様に告げ口
からの
染谷信長VS滝藤公方。。。

てな展開にならない事を祈るばかり・・・

そもそも、そんなにあの兄妹が心配なら、サッサと妹を買い戻して、その後、あのお兄ちゃんに薬屋手伝ってもらって「働いて返してネ」で良かったものを(公方様にお金を寄付するくらいの豪商になってるんやからね)
染谷信長が
「関係の無い者は山を下りろと散々言った」(←ドラマ内でそう言ってた)
という「戦いあるヨ予告」してるアブナイ場所に行く事を承知で売ったんですよね?

ま、おそらくは単なる殺戮描写で犠牲になっただけなんでしょうけど。。。

ところで、今回、筒井順慶公方様養女(九条家の姫)との婚約発表に招かれて、激おこプンプン丸だった吉田久秀・・・

これも時間が無いせいなのかも知れませんけど、本来は前後逆ですよね?

松永久秀が武田信玄やら荒木村重やらと通じて公方様配下の武将の城を攻めにかかったから、その防御のために、かねてより松永と敵対してる筒井順慶に近づいて…って感じだったと思うのですが、

ドラマのままだと、何の落度もない吉田久秀に対して、ただただイケズして仲間ハズレにして怒らせてるように見えます。

しかも、それの道筋を示したのが、前回の武器商談会での「公方様に会わせる」だの「信長様に会わせる」だのの無謀な約束(32回参照>>)なので、結局は光秀と駒のせい?という事になってしまいます。

「戦いは嫌」
「平和が良い」
と言っていた光秀様と駒様ですが、大丈夫ですか?
(2回くらい前に光秀は「平和をもたらすためには必要な戦いもある」と思ったみたいですが)

…にしても、いつまで長谷川光秀は幕臣なんだろ?

今回もまた、
「信長様の1番のお気に入り」
みたいな事を誰かが言ってましたが、
まだ織田の家臣じゃないですよね?

家臣でもない人が1番なんて・・・家臣として頑張ってる柴田勝家や佐久間信盛や秀吉クンがお気の毒です。

ところで、このドラマのスタッフ様は、巷の評判やSNSでの疑問なんかをチェックされてるんでしょうか?

どなたかが、
「光秀は、美濃から落ちて来た光秀一行に、住むトコ与えたり、色々世話してもらったユースケ・アサクラに対して、まるで恩義を感じてないようにエラソーにする」
と言えば、

何と、今回、ユースケ殿自ら、その事に対して長谷川光秀に問いただしてましたね。
(なんかゴマかされた感じだけど)

また、どなたかが、
「一介の町医者が天皇とサシで碁を打つなんて!」
と言えば、

今回、天皇様のお言葉として
「東庵は特別」
なるご発言・・・「身分低いけど、特別だから大丈夫なの」と

もちろん、先週の駒ちゃんの
「最近の私は身の丈に合わぬ事をやっているように思う」
発言も・・・

それまでの
「架空のキャラがグイグイ歴史上の出来事に絡んで来る」
という巷の評判への返答のように聞こえました。

コレって・・・
いやいや、それこそ、そういう時代になったのかも知れません。

昔は、一般人が最速のニュースを目にするのは新聞(もっと前は瓦版)でした。

しかし、それが、やがてラジオになりテレビになり、
今や、最速のニュースはネットやSNSから・・・

もちろん、そこには玉石混淆があり、それらを受け取る側が、その真偽を見極めねばならない部分はありますが、スピードが速い事は確かです。

そんな中でも「実況掲示板」や「Twitter」なんかは、まだ放送中の番組の感想やツッコミ所が、何かある度にどんどん更新されていきます。

ひょっとして、それに応えておられる?
もし、そうなら、それこそ新しい取り組みでは?

その新しい取り組みの是非に関しては、個人的に感じてる「今回の大河は庶民目線で描く大河ドラマなのでは?」と同様に、終わってみないと答えは出ませんが、なかなかオモシロイ取り組みだと思います。

ま、単なる偶然かもしれませんけど・・・

とにもかくにも、光秀は、織田家内で最初に城持ちになる人・・・

それも、比叡山焼き討ちをイケイケで指揮した功績で、その比叡山の麓の坂本に城を持つ事になるわけですが、果たして、ドラマでは未だ幕臣の長谷川光秀がいかにして坂本城の城主になるのか???

今後も楽しみであります。

それにしても、
おそらくは幕府内の複数人の悪を一手に引き受けて下さってる摂津鶴太郎さんに、
「古き悪しき者を潰さねば、戦いは終わりません!」
と言い放った長谷川光秀はカッコ良かったですね~

悪を一手に引き受けてる鶴太郎さんは大変でしょうけどwww

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コメント

茶々さん
こんにちは

今回のユースケ・アサクラものすごく冴えていましたね〜(「チューた、チューたー」の時もわりと好きですがw)
これまでは何となく姉川の合戦にだけ注目しがちだったのですが、
比叡山を味方につけたことが信長への痛恨の一撃だったのかな〜と
浅井を裏切らせたりユースケ・アサクラもとい朝倉義景はやはり只者では無いのでは!

比叡山の焼き討ちについては個人的な欲を言えば、
信長はややこしくなるから乗り気じゃ無い
光秀は覚助や摂津を見ているから徹底的にやらんといかん
という構図が見てみたかったのですが...

麦駒ちゃんは、
「戦は嫌にござります」キャラになってしまうのは不憫です...
別の視点から描きたいのであれば、
「比叡山を落とせて良かったですね!これで平和な世は遠のきましたけど(ご自分が何をしたか(仏門を敵にまわすということがどういうことか)わかってますぅ〜)」
ぐらいの嫌味を言わせてもらいたいです。

投稿: 三枝 | 2020年11月24日 (火) 18時18分

三枝さん、こんばんは~

ドラマは信長・秀吉・家康側の人が主役になる事が多いので、何かとボンクラ扱いされる朝倉義景ですが、実はスゴイ武将だったんだろうな~って思ってます。

おっしゃる通り、比叡山を味方につけなければ、ちゃっちゃと一乗谷に攻め入られていたでしょうからね~
ユースケさんの表情も引き締まってきました。。。

比叡山の焼き討ちは、光秀がイケイケでない限り、その後に坂本を任す事はあり得ませんからね~
なのに、なんでいつも、比叡山への攻撃を嫌がってる風に描くんでしょうね?
比叡山への攻撃を緩めてたのは秀吉ですよね?
延暦寺側の記録もハッキリそう言ってるのに。。。不思議

投稿: 茶々 | 2020年11月25日 (水) 03時38分

茶々さんこんばんは。

筒井順慶と松永久秀にまつわるエピソードの時系列が逆だというのは知りませんでした!

最近の久秀の再評価で、今まで言われていた悪逆非道の人ではなかったのでは?という説が有力となっていますが、順番を変えてまで久秀アゲをやるのはちょっと…という感じですねw

ネット上の評判がドラマに影響しているのは僕も感じています。

もしかしたら、撮影前の評判は影響しているのかもしれませんね!

投稿: 鷲谷 壮介 | 2021年1月16日 (土) 02時45分

鷲谷 壮介さん、こんにちは~

たぶん、作家さんが松永久秀が好きなんでしょうね~
(もちろん、前半の斎藤道三も好きかと…)

久秀の寝返り時期に関しては微妙な部分もあるかと思いますが、少なくとも信長は最後まで引き戻そうとしてたと思います。

投稿: 茶々 | 2021年1月16日 (土) 17時49分

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