大河ドラマ『麒麟がくる』第30回「朝倉義景を討て」の感想
もはやオリキャラの独壇場だった大河ドラマ『麒麟がくる』第30回「朝倉義景を討て」の感想です。
開始早々、
公方様のところで長谷川光秀と駒ちゃんの再開・・・
「お久しぶりです」
のあと、
「公方様がお待ちかねです」
と係員が駒ちゃんを呼び
「はい」
と笑顔の駒ちゃん・・・
思わず
「えぇ!?(°〇°;) 」
と驚く光秀・・・
そりゃ、驚きますよ~
てか、見てた視聴者の反応を代弁してくれたような光秀の驚きっぷりに、コチラも思わずフフっとなっちゃいましたワ。
しかも、その後は、お忍び脱出の末の蚊帳の中蛍デート・・・もはや、駒ちゃんは、なぜかモテまくる乙女ゲー状態。
東庵先生は東庵先生で・・・
何ですと!?(°〇°;)
天皇とサシで碁を打つとな?
しかも、天皇が政事の相談するとは!
確かに・・・
おそらく東庵先生のモデルとおぼしき曲直瀬道三(まなせどうさん=正盛)(1月4日参照>>)は、貧困層への医療に身を投じながらも、一方で正親町天皇の脈も取ってますが、少なくとも実在の道三は佐々木氏という源氏のエリート出身で僧(途中で還俗してますが…)・・・賭け事好きの気さくな町医者とは違うような・・・
もし、どうしても東庵先生と正親町天皇を結び付けたいのであれば、せめて施術してる場面にすれば良かったのではないか?と・・・
だって、あの染谷信長でさえ、天皇への拝謁は特例で、しかも御簾越しの対面なんですから・・・この碁を打ってる演出はちょっと不自然な感じがしました。
以前、第27回の感想>>で、どうやら、今回の大河ドラマ、よくある「戦国武将の国盗りの物語」や「群雄割拠の覇権争い」ではなく、
戦いに巻き込まれ、家を焼かれ、
「もう、誰でも良いから とにかく、戦いの無い世にして~」
って思ってる市井の人々の目線で、物語を描きたいという事なのでしょう。。。と、書かせていただきました。
個人的には、それもアリだと思うし、なんなら、これまでに無い試みで興味深いとは思いますが、
将軍とラブラブするお駒ちゃん、
天皇と碁を指す東庵先生、
関白を弟のようだという伊呂波大夫、、、
もう、この↑時点で、この人たちは市井の一般庶民ではありません。
(令和のプリンセスのご成婚やご学友、代々の政治家一族の事を想像してみるとわかりやすいかも…)
なのにドラマの世界では、いつまでも庶民扱い・・・そのワリには、グイグイ政治や合戦に口出して来る。
残念ながら、少々、辻褄が合って無いように思います。
しかも、架空の人物である彼らがグイグイ来るおかげで、主役の長谷川光秀の影が未だに薄い・・・もう、とっくに折り返し地点を過ぎてるのに、このままで大丈夫なのか?と心配になるくらいです。
それに、これまでよく描かれた明智光秀の立ち位置=「幕臣でもあり織田の家臣でもあり」とか「幕臣だけど織田家に出向してる?」的な感じではなく、今回の大河では完全に織田家への仕官を蹴って、幕臣オンリーの立ち位置ですよね?
なのに、久々登場の川口帰蝶姫も染谷信長も吉田久秀も、しゃべるしゃべる・・・
あんなに、内情や現況を、家臣でもない光秀にしゃべって大丈夫なんやろか?
幕府側は幕府側でアタック三淵さんや摂津鶴ちゃんは、ユースケ・アサクラの息子毒殺の件までサラッと話ちゃうし・・・
とは言え、染谷信長の天皇に対する姿勢は良かったですね。
これまでのドラマで描かれたように、天皇はおろか神や仏も「なんぼのモンじゃ!」てな姿勢ではなく、しっかりと天皇を敬い、
「褒めてくれてウレシイ」
と素直にゴキゲンぶりを露わにしてました。
相変わらず、庭園やお屋敷のセットは圧巻ですし、画面も美しいです。
来週はいよいよ「金ヶ崎の退き口」ですね。
予告では長谷川光秀が
「織田信長は死んではならんのです!」
て叫んでましたが、やはり、幕臣のまま、信長様をお守りするのですね。
でも、「死んではならんのです」と言った人が、後に本能寺で・・・と思うと、ちょっと切ないですね。。。
来週も楽しみだけど
★これから描かれそうな出来事は…
朝倉関連
●【若狭と朝倉義景(国吉城の攻防)】>>
●【手筒山・金ヶ崎城の攻防戦】>>
●【危機一髪~金ヶ崎の退き口】>>
●【金ヶ崎の退き口で殿の秀吉は…】>>
●【逃げる信長を狙撃した杉谷善住坊】>>
●【金ヶ崎から姉川までの2ヶ月】>>
天皇家
●【正親町天皇と織田信長】>>
描かれてないけど、すでに起こってる出来事
●【今川館の攻防戦】>>
●【家康の遠江侵攻】>>
●【家康が引馬城攻略】>>
●【今川氏滅亡~掛川城の攻防戦】>>
●【信長が堺を攻撃】>>
●【信長が京都での宣教師の居住と布教を許可】>>
●【織田信長が伊勢に侵攻】>>
●【信長が義昭に掟書を示す】>>
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コメント
茶々様
こばんは
フィクションだから、何をどう描こうとかまわない。
でも架空のレベルを越えていますよ。
何で町娘が将軍に大金上げるの。あんな薬でそんなに儲からんでしょ。貧しい人達にはただでやっていたみたいだし。都合よく、とってつけたように堺商人からの注文とかも入ったりしてるけど生産能力あるのか。
貧しい人達の為に病院を作るなどと高尚な夢を語りながら、蚊帳の中で蛍を飛ばして女を口説く。制作側の意図に反して不潔感溢れるシーンでしたね。
そのうち駒様は、将軍様の子供が出来ましたとか言い出すのかな。
従来の通説とは一味違ったドラマを描くと言うことにこだわり過ぎて、それぞれの人物のキャラがぶれてるような気がします。谷原章介のような男前の役者に、子殺しをするようなブラックな役をさせるし。最初はそんな事をさせる予定はなかったのではないかな。
主人公明智光秀は何を考えてるかわからないし。
日中、だいぶ先までの予告編をしてましたが、比叡山の、帝の弟という悪そうな坊主と摂津晴門が、信長を追い落とす謀議をしてました。あくまでも将軍義昭はええ人やけど、摂津晴門や比叡山の坊主に唆されて、信長に敵対するという話にするのかな。
後色々とやる事あるし、早く話を進め欲しいですね。
来週の予告の最後の方にお市さんらしきし女子が出てたように思います。
兄と旦那が戦う事になって戸惑うという感じでしょうか。
投稿: 浅井市 | 2020年11月 3日 (火) 00時14分
浅井市さん、こんばんは~
今、描かれているあたりは、戦国でも屈指のオモシロイ頃なのに、なんだか、とても残念な流れになっている気がします。
まぁ、これまでに描かれた事が無いような演出で…とのお考えなのでしょうが、なかなかついて行くのしんどいですね。
私も、なんだかお駒ちゃんが将軍様の子供を産んじゃう予感がしてきましたww
投稿: 茶々 | 2020年11月 3日 (火) 02時37分
麒麟がくるを見ながら、いつもモヤモヤと思っていることを、ズバリ言葉で表現していただいているので、凄くスッキリして読ませて貰ってます。
投稿: シロスキー | 2020年11月 9日 (月) 16時35分
シロスキーさん、ご訪問&コメントありがとうございます。
感想に書くと、ついつい辛口になっちゃいますが、基本、大河ドラマは大好きなので、毎週楽しんで見ています。
投稿: 茶々 | 2020年11月10日 (火) 03時08分
茶々さん、こんばんは。
架空の人物についての意見、同意です。
歴史上の人物に影響を与えすぎなのと、駒の立ち位置がよくわからないですね。
おそらく「視聴者目線の登場人物」か何かを登場させるのがNHKの方針だったりするのでしょうが、方向性の見えない人物が重要なポジションに入り込みすぎですよね。
投稿: 鷲谷 壮介 | 2020年12月11日 (金) 00時45分
鷲谷 壮介さん、こんばんは~
このページは1ヶ月ほど前に書いたので、架空の人物に対して「歴史にグイグイからみ過ぎ」てな事、書いてましたが、今では、ちょっと別の見方をしてます。
それは、スイスイと物事を進ませて行く役=時間短縮要員です。
おそらくコロナのせいで、
「思うように物語が進んで行かない」
でも
「最終回には本能寺からの天王山が待ってる」
中で、本来なら、ある程度の時間がかかる部分を架空の人物が介入する事で、アッと言う間に進められる…と、
ずっとナレーションにするわけにもいきませんもんね。
たぶん、スタッフ様も色々とご苦労なさってるのだと思います。
てか、思うようにしていますww
そう思うと何事もスンナリ落ち着いて見ていられます。
投稿: 茶々 | 2020年12月11日 (金) 03時12分