俳優さんたちの演技がスゴかった大河ドラマ『麒麟がくる』第35回「義昭、まよいの中で」の感想
サブタイトル通り、滝藤公方様が主役だった大河ドラマ『麒麟がくる』第35回「義昭、まよいの中で」の感想です。
いやぁ、今回はなかなかの神回でしたね。。。
「危ない」
と言われているのに、たった一人で突き進んで行く所や、
あんだけの人数の武装した侍に襲われながらも、紙一重でかわしつつ(足ケガしてたけど)滝藤公方様のもとに走っていく所なんか、往年の893映画や、絶対死なない完全無欠の時代劇を見ているようで…
あ、これ↑は、白い目のイケズ発言ではなく、本心から褒めてます。
こういう王道系は、純粋に好みなので…
また、今回は、フラグ立ちまくりの回でもありましたね。
序盤の佐々木蔵之介秀吉の雰囲気は、まさにこの先、主人公の長谷川光秀のライバル(いや敵?)になるであろう怪しい雰囲気を醸しだしていました。
とは言え、
初登場の秀吉ママは、ただのオシャベリなのか?否、ひょっとしたら、話している相手が明智様の妻子とわかっていて、横にいる駒ちゃんが公方様のカノジョだと知っていて…わざと、モメ事の火種となる事を話したのかも(←考え過ぎか?)
なんせ、今回は、あの秀吉ママの話から様々な事が波及し、もし、あの時点で木村奥様や駒麦ちゃんが、光秀さんの幕府での立ち位置を知らされなければ、あの暗殺劇を防ぐ事もできなかったわけですから…
滝藤公方様と駒麦ちゃんは、まるで倦怠期の夫婦のように、
「何をイライラしておる?」
「何でも私のせいにして…」
「何が不満なんだ?」
と…
とても公方様と、一介の戦争孤児薬売りとは思えぬセリフのやり取りではありましたが、演じられるお二人の迫真の演技により、「駒ちゃんに吐露する」という形で、公方様の苦悩が視聴者に語られ、これはこれで良いシーンでした。
で(↓架空キャラのおかげで時間短縮ゾーン)
公方様の告白→からの、
駒ちゃんが光秀の危険を知る→からの
尾野伊呂波大夫に頼む→からの
知らされた眞島藤孝が光秀に注意を促す
そして、暗殺隊を振り切って本圀寺の奥の奥ににる公方様のもとへ…
さらに、以前の本圀寺の変のお籠り作戦の違和感へのフラグを回収…なるほど、ここで公方様を説得するために、本来なら最前線で戦って大目立ちだったはずの光秀を、奥の奥で公方様と共に隠れるような演出をされたわけですね?(第28回「新しき幕府」参照>>)
第28回の放送当時は、「せっかくの光秀大活躍の場である本圀寺の変なのに…」とちょっと残念でしたが、今回の同じ本圀寺での説得劇は、45分の放送時間の中でも最もキモなると場面でしたから、はなから、そういう意図がおありであったのなら納得です。
久々の谷原三淵様の颯爽としたご活躍シーンもカッコ良かったですしね。
ただ、ここは本圀寺だったはずなのに、
「(信長が道を外れるようなら)この二条城で公方様をお守りします」
て…言ってたような???
ま、この発言そのものが最終回の本能寺へのフラグなんでしょうけど
また、滝藤公方様の
「信長とは、ワシは性が合わぬ」告白には、ちょっと驚き…
しかも、最近ならまだしも、「会うた時から」???
上洛の時とか二条御所建設の時とか、メッチャ喜んでたみたいでしたが、そんな伏線あったかな?
(見逃してるかも)
とは言え、
これまで、幕府内の複数人悪行を一手に引き受け、半沢を彷彿とさせる顔芸で憎たらしさ満載の幕臣を演じてこられた摂津鶴太郎さんのご勇退には「お疲れ様」と…
そして、入れ替わるように玉三郎帝さま関連で登場されたのが、石橋三条西公卿さま…
てか、この方がいるなら堺東庵先生と碁を打つシーンいらなかったんじゃ?
とも思いますが、それでも、万葉集を通じて光秀の教養の深さを表現し、かつ、光秀が三条西さまの覚えめでたき人物になる描写も良かったですね。
なんせ、この三条西さまは、将来、眞島藤孝さんへ、その命を助ける事(【田辺城攻防】参照>>)になる「古今伝授」を授ける人ですからね~
アッ、伊呂波大夫の三条西さまを光秀に紹介のくだりは、残り時間が少ない中の時間短縮という事で…納得です。
あと、最後に、
長谷川光秀さんの公家装束の似合わなさには、ホント感心させられました~
おそらく、実際に長谷川さんがお公家さんの役を演じられる時は、シックリバッチリお似合いになるのでしょうが、今回は、ナイショで御所に行くために三条西家のご用人に変装してというテイでの公家装束…ただ、衣装を着て立っているだけで、その取って付けた感が醸しだされているのって、つくづく「俳優さんってスゴイな」と…(もちろん、苦悩の滝藤さん&怪しい佐々木さんの演技もネ)
とにもかくにも、今回は
光秀と秀吉、
光秀と信長様、
光秀と公方様、
公方様と信長様、
と、色々のフラグと伏線回収、そして俳優さんの演技が見事な回でありました。
来週は、いよいよ信玄公が動く???
【一言坂の戦い】>>
【三方ヶ原の戦い】>>
【犀ヶ崖の戦い】>>
【野田城・攻防戦】>>
のあたりかな?
いや、公方様VS信長さんまで行っちゃうのかな?
【義昭が反旗】>>
【上京焼き討ち】>>
【信長の大船建造】>>
【槇島城攻防】>>
いずれにしても、楽しみですね。
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コメント
こんにちは。
ブログ、楽しく拝見してます。
冒頭、坂本の御城がどうこうと明智家家族会議してましたが「アレ?松永さんに近江を与える、という前回の茶会での話はどうなった?」と気になってしまいましたが…
それはともかく、緊迫感のあるシーンというか演技が続きましたね、今回。
しかし、ホント、茶々さんのおっしゃるように、俳優の方々ってすごいですね。個人的には、摂津さんと秀吉ママが、イイ感じに個性出してて好きでした。
これからもブログ、がんばってください。
投稿: TOM1090 | 2020年12月 7日 (月) 14時57分
TOM1090さん、こんにちは~
おっしゃる通り、鶴太郎さんの演技、良かったですね。
摂津鶴太郎さんの顔芸とも言える演技には「クドすぎる」とか「オーバー」てな意見もありましたが、私は、幕府の悪を一手に背負ってくださってる方としては、あれぐらい憎たらしくやってくださって良かったと思ってます。
あのおかげで、誰が悪かハッキリするし、失脚シーンのスカッと感が違いますものね。
秀吉ママは、もう、見ていて安心ですww
投稿: 茶々 | 2020年12月 7日 (月) 16時49分
今回は年末年始の中断ができない放送予定になるので、通常なら大河放送時間枠で放送される年末年始の「合間番組」が、いくつか予定変更か時間数短縮になる(日曜夜では12月27日・1月3日。土曜昼は12月26日と1月2日)見通しです。もし可能ならば3年後くらいに、麒麟がくるのスピンオフをしてほしいですね。当初回数から2回減ったので。
投稿: えびすこ | 2020年12月 8日 (火) 09時34分
えびすこさん、こんにちは~
NHKサイドから「全44話で2月7日が最終回」と発表されてますので、そうなるでしょうね。
個人的には本能寺から天王山までの11日間の刻々と変化する状況や心情だけで2~3回はやっていただきたかったですが、たぶん、そんな時間はないでしょうね~
投稿: 茶々 | 2020年12月 8日 (火) 17時34分
茶々さん、こんにちは。
私は今大河ドラマに痛快娯楽時代劇は期待していなかったので、「ちょっとなぁー」って感じながら観ていました。
勿論シリアスの連続では疲れてしまいますので、そう言った演出も楽しめるのですが…
やはり今年の大河は自粛休止期間と再開後の数回の違和感を感じる回と、その後のテイストチェンジが私にはついて行き辛かったです。(笑)
もっともそうは言っても最後まで観ますけどね。今後は少し見方を変えて、でも最終回とラス前位にあるだろう感動を信じて。
投稿: とーぱぱ | 2020年12月10日 (木) 11時38分
とーぱぱさん、こんばんは~
おっしゃる通り、自粛云々のために現場は大変な事になってるんでしょうね~
だって、最初の最初にヒロイン女優さんのアクシデントがありながらも、休止する前の桶狭間までは見ごたえありましたもんね。
やはりコロナのために、思うように撮影できなかったり俳優さんのスケジュールの調整が難しかったりして、台本も演出も変えざるを得ない状況になってるんだと思います。
ベストな形で見てみたかったですが、こればかりは致し方ないです。
もちろん、そんな中でもラストには期待しています。
投稿: 茶々 | 2020年12月11日 (金) 03時01分