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2021年1月11日 (月)

大河ドラマ『麒麟がくる』第40回「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)」の感想

吉田久秀の見事な最期久々の川口帰蝶姫登場だった大河ドラマ『麒麟がくる』第40回「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)の感想です。

丹波攻略にも手間取り、戦続きで歌も詠めぬというワリには、なんか、ゆっくりした平和な雰囲気が漂う長谷川光秀宅ですが、

いつも通りの伊呂波大夫の導きとは言え、今回の長谷川光秀と吉田久秀の対面シーンは良かったですね。

狙ってた大和の地が筒井順慶の物になると知って、染谷信長裏切る事を告白する久秀に怒り心頭の光秀さま・・・

「そなたと戦うのは本意ではない」
と、思い出を語り始めて、思いっきり死亡フラグを掲げる久秀ですが、この方のこの先は有名な話なので、そこは驚かないですが、驚いたのは、命の次に大事な平蜘蛛の茶釜を、
「光秀にあげちゃう」
発言・・・

ちなみに、松永久秀の最期については、
(攻められた信貴山城にて…)
●切腹後に焼死 
●平蜘蛛を打ち砕いて焼死(10月3日参照>>)
●平蜘蛛もろとも爆死で、その身も茶釜も砕け散った(10月10日参照>>)
●その後、どんどん爆死話が派手になる…

と、複数の文書があり、後世になるほど尾ひれがついていった感がありますが、今では「爆死」は、おそらく後世の作り話とされるものの、平蜘蛛は、久秀の死の際に砕かれたであろうというのが一般的な見方となっています。

というのも、平蜘蛛は、その後は行方不明となっているからで、「誰かが持っている」とか「どこぞの寺にある」という噂はあるものの、あくまで噂の域を出ない話で、いわゆる名物とされた平蜘蛛の茶釜は、焼けた残骸のような物も確認できず「未だ見つかっていない」というのが通説となっていますので・・・

とは言え、ナレ死ではなく、見事な炎の中での最期は、吉田久秀最大の見せ場でしたね。

そんな中で、今回、ドラマでは久秀が、その平蜘蛛を、一旦、伊呂波大夫に預け
「俺が負けたら、光秀に渡せ」
てな事になった。。。

えぇ?光秀にあげちゃって良いの?
しかも、そのおかげで、染谷信長との間に決定的な亀裂が入る雰囲気に・・・
本能寺への要因の一つに架空の人物や出来事が絡んで大丈夫?

と、ちょっと不安になりましたが・・・
なるほど~コレが久秀の罠とな。。。

ここで、
「知らぬ」
と信長さまに嘘ついて平蜘蛛を渡さなかった事で、
もはや、光秀は後戻りはできない&信長の上を行くしかない状況となったわけですね。

これまで、何があっても、ずっと吉田久秀に好意的だった光秀・・・
一方、染谷信長に対しては、腑に落ちない嫌な顔ばかりしていた光秀・・・

この演出が、ここで活きて来たわけですね。

これまでには無い、創作満載のエピソードではありますが、
これはこれでオモシロイv(^o^)v

架空のつなぎ役のおかげで、この後、玉三郎天皇様の信長へのお気持ちもスンナリ聞けそうですし、本能寺への斬新な道筋が見えた気がしました。

ところで、
京都の智積院長谷川等伯の障壁画(2007年2月24日参照>>)のような美しい襖絵の中にたたずむ美しき川口帰蝶さま・・・

その帰蝶さまが、
「少々、疲れました」
「岐阜に帰る」
と、ご発言。。。

史実としては、信長が岐阜を手に入れた後の帰蝶さまの事がよくわからないため(2009年2月24日参照>>)、ドラマ等では、そのままフェードアウトされる事や亡くなった事になっているとか、あるいは逆に、本能寺までラブラブで信長とともに奮戦したりする姿が描かれる事が多かった中で、この「卒婚発言」は、なかなか斬新で良かったです。

ただ、前半あれだけ信長のサポートをしておいて…いや、なんなら、帰蝶さまが信長を影で操ってるのか?てなくらい、その作戦にまで口出してたのに?と、ちょっとは思ったけれど、
そこは、ちゃんと、ご自身で
「けしかけたの私かも知れぬ」
と、おっしゃり、信長の立場が、以前とは、あまりに変わった事で苦悩する雰囲気も出ていたので、そこは理解できましたし、このような主軸からの離れ方もアリな気がしました。

ただ、ドラマには出て来ないためか、上杉謙信の事が、名前だけの伝聞でしか出て来ないのは少々残念でしたね。

番組ホームページのトリセツでは、石川県までがハッキリと敵対関係になってる地図が掲載されていますが、ドラマでは、いまいち分かり難いでよね。

この頃の謙信は、
富山に侵攻>>し、
飛騨を手に入れ>>
七尾城を攻略>>し、
手取川の戦い>>から、
能登も平定>>しています。

この能登平定が、信貴山城への攻撃が始まる10日ほど前の事ですから、 もう少し「謙信が目の前に迫ってる感」が欲しかった気がしないでもないですが、そこは、残り時間の都合という事で、仕方ありません。

なんせ、光秀には丹波平定が控えてますから。。。
籾井城の戦い>>
福知山攻略戦>>
八上城攻防戦>>
黒井城・攻略>>
山家城の戦い>>
丹波平定の報告>>

とにもかくにも、いよいよこれからクライマックスを迎える麒麟・・・楽しみですね。
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コメント

茶々様

作家が途中交代したような変わりようについていけません。両親に褒められたいと望み、光秀と大きな国つくりを目指し、天皇に褒められたと喜ぶ信長がいつのまにかいなくなりました。
光秀が信長に嘘をつき、一挙に溝ができそうな展開。いつからそんなに嫌いになったんでしょう。
「久秀の罠」とは、久秀が本能寺の変の黒幕?
                  山根秀樹

投稿: 山根秀樹 | 2021年1月12日 (火) 08時40分

山根秀樹さん、こんにちは~

先週の感想に書きましたが、あの天王寺合戦の時に、信長は完全に、鬼のようなワガママなバカ殿になってしまいましたね~

ま、光秀を本能寺に向かわせるためなのでしょうけど、そのために信長を「回り全員から嫌われるワガママな人」にしてしまった感ありますね。

本能寺そのものについては、実際に謎だらけなので、創作物としては「松永久秀黒幕」もアリかも知れませんが(今となっては駒が黒幕でも驚かないww)、光秀を主役にせんがため「主君に嘘をついた事」を単に報告しただけの忠臣=秀吉まで、悪人のような描き方で…

本当に、残り時間が無いのが残念です。

投稿: 茶々 | 2021年1月12日 (火) 16時04分

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