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2022年1月11日 (火)

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の感想です

 

2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、始まりましたね~

2012年の「平清盛」以来、久々の源平合戦で、初回からオモシロかったです。

冒頭、小栗義時が、真っ赤な着物の「姫」を後ろに、馬で逃走するシーン・・・

てっきり新垣八重姫を乗せて逃げてるのかと思いきや、女装した大泉佐殿だったとはwww

思わず笑っちゃいましたね。。。

とは言え、案の定、こういうところが、往年の重厚な大河をお好みの皆さまからは、
「コントのようだ」
「セリフが軽すぎる」
と、酷評のようですが、

私…個人的には、現代的なセリフはアリだと思っている派です。

そもそも重厚な時代劇であっても、当時の言葉では無いわけで、実際に、セリフを本物に近づけたなら、見てる側は字幕スーパー無しでは、何を言ってるか?さっぱりわからないと思います。

それに、(ドラマでやるかやらないか知りませんが)
この後、都へ上って来る木曽義仲なんかは、猫間中納言(藤原光隆)から、
「方言キツ過ぎて、何言うてるかワカラン」
なんて悪口言われてますが、そんな出身地の違いなんかも、現代風の言葉でやっていただいた方が、視聴者にはわかりやすい。

一部では、大泉佐殿に色目使いまくりの小池政子を見た妹の宮澤実衣さんがおっしゃった
「ぞっこん」
と言うセリフに「あきれた」と感じていらっしゃる方もおいでのようですが、

この「ぞっこん」という単語は、確か、戦国時代くらいの文献には出て来てたはずなので、個人的には気になりませんでした。

意外に、現代的な言葉だと思っていた言葉が、昔から使われている事も多いんですよね~

たとえば、親友という意味の「マブダチ」「マブ」なんて、平安時代からある言葉ですからね~

ま、さすがに坂東時政父ちゃんの「首チョンパ」は、ツッコミましたが・・・

アレは、茶々若き頃の文房具のオマケについてたドリフターズの人形の名称ですもんね。。。

でも、それがSNSのトレンドワードに載っちゃたりするわけですので、作り手としては「してやったり」という感でしょうかwww

逆に、気になったのは、ナレーションの長澤まさみさんが、

北条時政=ほうじょうときまさ
伊東祐親=いとうすけちか
三浦義澄=みうらよしずみ
果ては、
曽義仲=きそよしなか
とおっしゃるのが、とても気になりました。

ブログでも何度か書いてますが、
(源(の)頼朝には「の」がついて足利尊氏にはつかないのはなぜ?【氏・素姓と苗字の話】参照>>
源義朝の「源」や平清盛の「平」は一族の氏素性を表す『姓』なので「の」がつく。

北条時政の北条は『苗字』で、『姓』は「平」なので「たいらのときまさ」では?
三浦さんも「平」で伊藤さんは「藤原」・・・
木曽義仲は、頼朝の従兄弟なので源義仲(みなもとのよしなか)なのに・・・

三谷さんは、あの『真田丸』小日向さん演じる豊臣秀吉「とよとみひでよし」と名乗らせて歴史好きの心をくすぐったくらいですから、よくご存じのはず・・・これは、わざとですよね?

なにか、後々、意味を成してくるのでしょうか?

ただ、大河ドラマは、あまり歴史に興味のない方も視聴するドラマ・・・苗字にも「の」をつけちゃうと、ややこしくなってしまうような気がしてしまいます。

そもそも源平合戦というのも、私自身、未熟な小学生時代は、源氏と平氏の合戦だと思い込んでました。

でも、細かく言うと、「源氏嫡流を担いだ坂東平氏に関東源氏が乗っかった連合軍」平家」の戦いなんですよね~

平家は、平氏の中でも、平清盛の一家の事で、平氏全体では無く、今回の大河で言えば、北条も平氏だし、三浦も平氏だし、後々目立ってくるであろう梶原景時も平氏で、中川大志クン演じる畠山重忠も平氏・・・

頼朝の配下は、意外に平氏だらけなわけで・・・

清和源氏の系図↓     桓武平氏の系図↓
Seiwagenzikeizu  Kanmuheisikeizu_2
↑クリックすると、さらに大きく見れます

とは言え、上記の通り、三谷氏の事ですから、わざわざ「北条の時政」「木曽の義仲」って呼ぶのには、何かの意図があるのでしょう。

あと、もう一つ気になったのは、小栗義時が、新垣八重姫に恋心を持ってる感じ、そして、それがウマく行けば叶うかのような描写があった事。

八重姫は義時にとって叔母さんですよね?

確かに、子供の頃は、たまに集まる親戚のお姉さんに、ちょっとドキドキしたりする事ありますが、さすがに母親の妹やし・・・例え、幼い頃にドキドキしてたとしても、後々どうにかなる=結ばれるかも…の描写を、それも(ドラマ内では若い設定とは言え)小栗クンと新垣さんでは、、、ちょっと???となってしまいました。

とかなんとか言っても、初回は楽しく視聴させていただきました。

それこそ、三谷氏だからこそ、
頼朝のスケコマシぶりや、
政子さんの肝っ玉母さんぶり、
義経のルール破りっぷりも、
これまでに無い表現で鮮やかにキメていただける物と期待しております。

今は爽やか青年の小栗義時が、これから、どのようにダークに染まっていくのか?
はたまた、
これまでにない、オフホワイトな義時になるのか?

この先が、楽しみです。

★関連ページ
 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第4回の感想
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大河ドラマ・時代劇」カテゴリの記事

コメント

第1回目の最後の場面の時点で義時は何歳ですか?
烏帽子をかぶっているので、一応「冠者」だから当時の成人ですが、最近の大河ドラマでは年齢の説明がないのでわかりにくいですね。
なお「13人」のうち4人はまだ配役未発表だそうです。
八重姫が仮に伊東家の養女の設定であれば、結婚はできなくはないかもしれないですが、本番組では実娘の設定でしょう。そうなると血縁の叔母さんだから無理でしょう。
首チョンパは打ち首の表現と思っていました。

本番組に出てくる松平健さんと西田敏行さんも義時OBなんですね。西田さんは実に50年前の「新・平家物語」で演じています。
西田さんの義時の姿をリアルタイムで見ていた視聴者は、ほぼいま60代後半以上の人ですね。

投稿: えびすこ | 2022年1月12日 (水) 10時13分

茶々様
お久しぶりです。

始まりましたね。
登場人物が多く誰が誰かわからないので、紙に系図と相関図を書いて相照らし確認しながら観ようと思います。
北条義時って恐いヤツだと思ってましたが、主役にできるのですね。比企能員、一播、頼家、実朝、いや頼朝さえも義時が殺したんじゃないんですか。
義仲も義経も私の好きな俳優だわ。哀れな最後を迎えるのはわかっているのですが。
後白河法皇は西田敏行のイメージじゃないですね。朝までラップ唄って喉を痛めるようなチャラい感じの人だし、あんな豪傑風ではなく、もっと線の細い人でなくてはと思います。
いずれにせよ、今年一年楽しみだわ。

投稿: 浅井お市 | 2022年1月12日 (水) 23時41分

えびすこさん、こんばんは~

>義時は何歳?

政子さんが、まだ頼朝の奥さんになってないので、13~14歳くらいの設定じゃないでしょうか?
(山本耕史さん演じる三浦義村は7~8歳くらいです)

今だと、まだ小6か中1ですが、成人式の平均が15歳くらいの時代ですからね~

幼児の義時が八重姫に花を渡す思い出シーンなどがふんだんにあれば、もう少し違和感は感じられなかったかも知れませんが、どうしても小栗さんと新垣さんで再生されちゃいますものね~

>首チョンパは打ち首の表現

もちろん、ドラマ内では、そのつもりで使われていましたが、その語源というか、初出というか…が、鉛筆だったか消しゴムだったかを10箱?(←数字は曖昧です)以上買うとついて来るオマケの人形の名前なんです。
ドリフのメンバーの人形で、ボタンを押すと首が飛ぶんです。
三谷氏も世代だと思うのですが、そのオマケが子供の間で、かなり話題になって、たぶん、それからだんだん「首が飛ぶ=首チョンパ」として使われるようになったと思います。

投稿: 茶々 | 2022年1月13日 (木) 03時32分

浅井お市さん、こんばんは~

本当の義時は、かなりブラックなイメージだと思いますよ。
今回は主役なので、そのへんをどう描いてくださるのか楽しみですね。

後白河法皇の西田さんは、晩年の「日本一の大天狗」のイメージでの起用じゃないでしょうか?

投稿: 茶々 | 2022年1月13日 (木) 03時40分

ご無沙汰してます。この記事で思い出したのですが、確か上杉謙信も腹筋崩壊と同じ意味の腹筋に候(はらすじにそうろう)という言葉を使ったとか。
あと、政子が頼朝の雅(みやび)なところに惚れたというのはウーン?と思ってます。義家や頼光、為朝などスーパーヒーローの一族に連なる源氏だから近づいたし、坂東武者も従ったのでは? ただ今回は大泉洋が熱演してるのでヨシとします。

投稿: 通りすがり | 2022年1月17日 (月) 10時53分

通りすがりさん、こんにちは~

>、政子が頼朝の雅(みやび)なところに惚れた…

そうですね。
これは、あくまで、政子個人の恋心に対する表現なのでしょうね。
現代でもそうであるように、実際には、純粋な恋心だけじゃなく、その人の背負ってる肩書やステータスも魅力の一つなわけで…
ただ、若い女の子にとっては、都の香りのするエリートは魅力的に映ったかも…ですね。

坂東武者が頼朝を担ぎ上げるのは、
(以前、どこかで書きましたが)
私個人としては、頼朝が、かつて坂東の平氏と源氏をまとめて乱を収めた事がある源頼信>>の嫡流嫡子であるからでは?…と思っています。
かつて…と言っても、50年ちょっと前の事ですから、この頃の武将たちの中にも、覚えてる人もいるし、親の話とか聞いて印象に残ってる人も多かろうと思います。

投稿: 茶々 | 2022年1月18日 (火) 16時48分

"北条の時政"みたいに苗字と名前のあいだに"の"が入る疑問について、先週のNHK番組"日本人のおなまえ"で理由言ってましたね。
なんでも…平安末期は姓・苗字の区別が混乱していて、地方では苗字と名前のあいだに"の"を入れる場合もあったとか。
三谷さんがこんなレアな情報まで把握した上で台詞を合わせてたんですね。凄い。

投稿: 丸に違い柏 | 2022年2月 3日 (木) 11時15分

丸に違い柏さん、こんばんは~

私も"日本人のおなまえ"拝見させていただいてました。
その前の大河ドラマの特集的な番組でも同様の事をおっしゃってた方がいらしたし、

ドラマ内でも、頼朝を「佐殿」、義時を「小四郎」、清盛を「平相国(へいしょうこく)」と皆が呼んではるところを見れば、
「同時代のリアルを追及してはるんやろな~」と納得してる所なんですが、
混乱してる当時の人を演じる役者さんだけではなく、ナレーションまで「の」が入ってるのは、ちょっと謎です。
(ナレーションの長澤さんは、後で登場する誰かという設定かも←なので「の」を入れて紹介する?的な)

本文にも書かせていただいた通り、それをやっちゃうと、歴史好きでない方にとっては、余計にややこしくなるんじゃないかな?
というのが疑問なんです。

セリフ回しが現代風だし、三谷さんだという事で、今年は歴史好きでない方も多くご覧になるような気がするので…なぜなんだろう?と。。。

現に、歴史好きではないウチの家族は、頼朝さんの味方は皆源氏で、敵は平氏だと思ってるみたいです。

このままだと、頼朝が坂東の平氏と源氏をまとめて配下にしている事が、知ってる人は知ってるけど、知らない人は知らないままスルーになっちゃうのかな?と…

ま、そのあたりは、おいおいドラマの中で表現して行かれるのかも知れませんし、内容は大変オモシロイので、毎度、楽しみに見させていただいてます。

投稿: 茶々 | 2022年2月 3日 (木) 17時57分

「の」はホント仰る通りですよね^^
ワタシなぞは神社で厄祓いをして頂いたときに神主がワタシの苗字に「の」をつけてお祓いしてたので、終わった後にワタシの苗字はカバネではありませんって言ってしまいましたw
面食らってましたw

投稿: edosawa_p | 2022年2月 6日 (日) 13時34分

茶々さんの感想お待ちしてました。

新選組から大河を見始めた身としては演出は気にならなかったですね、史実に基づくことだけ気にし始めたらきりがないですし。

「の」については自分も一瞬気になりましたが、歴史に興味がない人にはスルーされるからいいんでしょうかね。
まあ自分もあまり知識のない時代なので事前に予習してから見ないと登場人物がこんがらがってしまいそうです笑(今年はドラマの感想などブログにされるつもりはあるでしょうか?)

とりあえず、自分は最近多い「戦は嫌い~皆が笑って暮らせる平和な世が~」みたいなのが無ければいいかなーと思っています笑せっかくなので頼家~実朝あたりのおどろおどろしい場面も見たいですね。 

投稿: かんたろう | 2022年2月 6日 (日) 15時53分

edosawa_pさん、こんばんは~

専門家の方に「あの頃は姓と苗字が混乱してた」て言われたら、市井の素人としては納得せざるを得ないんですが、
個人的には、「平や源は天皇系列の賜姓で貴種ですから、勝手に名乗ってる苗字と混乱するかなぁ?」という疑問が、どうしても残っちゃうんです。

ウチは父方が瀬戸内の海賊で母方が高松の士族なんですが、おそらくはメッチャ枝分かれした端っこの端の末端の家系であろうウチの明治生まれの曾祖父たちでも、それぞれに
「ウチは村上源氏だ!」
「ウチは清和源氏だ!」と譲らなかったです。
幼い頃なので「ふ~ん」てな感じで、それ以上深く聞く事も無かったですが、明治の時代でも貴種を強調するくらい意識してたように思うので、平安末期なら、どうなんだろう?って考えちゃいますね~

>神社で厄祓いをして頂いたときに神主が…

ソレ、私もどこかで1回経験しました。
でも、普通に「の」をつけない神社もありますよね~
何か、ルール的なものがあるんでしょうかね?

投稿: 茶々 | 2022年2月 7日 (月) 03時48分

かんたろうさん、こんばんは~

今年の感想は、チョイチョイ&ぼちぼち不定期に気づいた時に気づいた事を書かせていただこうかと思っています。

この第1回の次は、第4回の感想>>を書かせていただきました。

>「の」については自分も一瞬気になりましたが、歴史に興味がない人にはスルーされるから…

たぶん、歴史に興味のないウチの家族も、坂東武者の中で誰が平氏で誰が源氏か、わからないまま最終回を迎えると思います(笑)

ただ、木曽義仲が征夷大将軍になった時の名乗りはどうするんだろ?と気にはなってますが…

おっしゃる通り、誰も、
「戦は嫌じゃ!」
と言わないのが良いです。
(女性陣は怖がってはいますが)

生き残るためには仕方ない時代ですからね~
死んでも保険が出るわけじゃないし、ケガや病気で休んでも傷病手当が出る時代じゃないですからwww

投稿: 茶々 | 2022年2月 7日 (月) 03時58分

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