大河ドラマ「光る君へ」の最終回の感想
終わっちゃいましたね~
大河ドラマ「光る君へ」…とりあえず感想など。。。
1年視聴させていただいた感想をひと言で言わせていただくなら
「良かった」「おもしろかった」です。
(ふた言やけどね)
最初は、約1年前に書かせていただいた通り(2月5日の感想>>)
中国時代劇の王道である
「幼い頃に出会って…」
「ほのかな恋心を抱き…」
のアレを見て、
またもや
「外国の人が作ったんか?」
と思うよな時代劇なんやろか?
と昨年のアレを思い出しましたが、
どうしてどうして、あまりドラマチックな盛り上がりがない(←合戦とかが無いという意味です)平安時代の、しかも宮中中心のお話を、
たいくつする事無く1年間楽しませていただきました。
しかも、『枕草子』や『源氏物語』
『紫式部日記』などは、もちろんの事、
『御堂関白記』や『蜻蛉日記』
『小右記』に『栄花物語』などなど
(↑重要人物が書いた物がこれだけ残ってる事に感動!しかも御堂関白記なんて直筆~)
複数の文献に残るエピソードを散りばめつつ、見事に一つの物語に紡いでいかれる手腕は素晴らしかったです。
あくまで歴史好きの戯言ですが、やはり実在の歴史上の人物を描くドラマであれば、たとえ創作物であっても
「この人を描くなら、このエピ外せない」
てな思い込みがあるわけですし、それこそ、歴史の流れ上なくてはならない出来事という物があるわけで、
それらを、スッ飛ばしておいて、時代的にあり得ないような創作話を盛り込まれては、結局は途中から物語に入り込めなくなるわけで。。。
そんな中で、個人的に感じた今年唯一の懸念とも言うべき内容は、先ほどの、子供時代からのほのかな恋が、ほのかではなく現実となり、子供まで産んじゃうってとこでしょうか。。。
紫式部という実在の人物の子供…もちろんその方も実在の人物なのに、しかも本人だけ知ってる、あるいは二人だけの秘密にするのかと思いきや、家族や周辺が知っちゃってるという・・・
そんな事しちゃって大丈夫???と思ってましたが、
…と、その時は
「(娘が道長の子供であることが)後々、重要な事に絡んで来るのかな?」
と心配したものの、結局は大きな変化はなく、ほぼスルー状態でしたね。
「…なら、なんで?道長との子供にしたの?」
とも思いましたが、その答えが、最終回に訪れた道長最期の時に紫式部が立ち会う、あのシーンのためだったのか?と個人的には思いました。
道長が最期を悟った時に、新しい物語を語って
「続きはあした…」
という最も盛り上がる場面は、二人の恋が淡い物ではなく、ホンモノであった事で活きて来るし、ホンモノであった事で涙を誘うのだと思います。
また、その娘さんの初恋の相手に架空の人物を登場させて、
「この人を出す意味は何?」
と思わせておきながら、最後の最後に、見事にそれを回収しはりました。
最後の最後・・・道を行く紫式部と遭遇する伊藤双寿丸が、歩兵から騎馬武者に出世し、
「東国で戦がある」
というこの戦は長元元年(1028年)の平忠常の乱(6月5日参照>>)の事ですよね?
この乱を治める源頼信が(8月5日参照>>)、その事で東国で力を持ち、やがて、その直系嫡子である源頼朝が。。。
この双寿丸という人物は、このあと、自身の強さと才覚でのし上がり、やがて政権を握る事になる武士の象徴だったのですね~お見事!
架空の人物と言えば、
序盤に出て来た散楽一座の毎熊直秀や、
憂い臭ふりまきまくりの宋人周明も、
よくある史実に近づけるために荒唐無稽な事させる便利屋的な立場のありえない架空の人物ではなく、ちゃんと生きている(その時代&物語の中を生きているという意味です)人だったのは、ホント良かったです。
もちろん、ツッコミ所が無いわけではありませんが、それは、あくまで個人の好みの問題でもあり、それこそ重箱の角を突く余計なお世話の部類に入る細かい事。。。口には出しますまい
4年前の『麒麟がくる』では、1年間、散々ツッコミまくりましたが、結局、最終回がメチャ良かったので
「終わり良ければすべて良し」
という事で締めさせていただきました。
(「大河ドラマの感想のページ」参照>>)
今回も、最終回の藤原彰子さんの賢后ぶりと、新しい時代を生きる双寿丸の姿が良かった事で、1年の締めくくりとなった気がします。
演者様&作り手の皆々様、楽しいドラマをありがとうございました。
一視聴者として、来年も楽しみにしていますm(_ _)m
以上、個人的な感想でした。
★最終回あたりの関連ページ
●【刀伊の入寇】>>
●【藤原道長の最期】>>
●【平忠常の乱・前編】>>
●【平忠常の乱・後編】>>
●【藤原彰子の死】>>
●【源氏物語を書いて紫式部は地獄に堕ちた?】>>
さらにくわしい色々は【平安時代の年表】>>からどうぞ
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コメント
意外な終わり方でしたね。
おそらく進行上難しかったとは思いますが、最後に触れた「平忠常の乱」の数十年後の、平等院の落成の年まで取り挙げて、故人となった藤原道長と紫式部がこけらおとしを後ろから見る、というフィナーレを予想していました。
「紀行」のコーナーで来年への引き継ぎとしましたね。
「源氏物語」本編についても、NHKでいつかアニメなどで放送していただきたいです。
投稿: えびすこ | 2024年12月17日 (火) 09時34分
えびすこさん、こんばんは~
キリの良い最終回も良いですが、大河は基本、主人公中心ですからね~
再来年なんて、どうなるのかな?って考えますが、「兄弟」が主役…でいくなら、なんとかキリの良い所で終われるかも知れませんね。
投稿: 茶々 | 2024年12月18日 (水) 00時30分
茶々さん、こんにちは!
光る君へ終わった…終わってしまった……とロス中です。
感想としては、去年よりも三億倍面白かったです!
視聴率は残念でしたが、ネット上では去年のように荒れてないですし、ネタとしていじられてもいないですし、ちゃんと最後まで視聴した大体の人が「とても面白い」と評価してますね。
それに、天地人はトンデモレベルは下から二番目ぐらいなのに視聴率が悪くはなくて、坂の上の雲は森鴎外以外は名作なのに、裏番組のJIN-仁-に話題を持って行かれたガッカリという前例もあります。
紫式部は、実際の藤原道長は一人の女性の為に生きる人ではないだろうだとしても、身内を出世させてくれて、高級品の紙を頂いて、文才を認めてくれたのなら、実際の式部も道長に恩を返したいと思うかもしれないです。
道長は、こんないい子ちゃんじゃない!だとしても、今後も帝は我が家から出すと宣言した倫子と彰子を見ていると、段田兼家も「道長も良い妻と娘を持ったものじゃ」と高笑いしてそうです。
賢子は、初恋をずっと引きずるのは父親似でしょうか。双寿丸は未来へと進んで行ったのに、賢子は過去から動くことができないのは時代の分かれ目を象徴しているよです。
ヤケクソで男性達と付き合うのではなく、和泉式部のようにどの殿御とも素敵な恋をしました☆という人生だったらいいんですが(;^_^A
投稿: 禿鼠 | 2024年12月24日 (火) 12時01分
禿鼠さん、こんばんは~
ホント、良かったですね~
昨年のは、脚本家さんが歴史を気にしないブッ飛んだ方だったので、スタッフや演者の皆さんも、
「それに乗っかって1度ブッ飛んでみよう」
てな感じで挑戦的な気持ちで取り組みはったのかも知れませんね~
今回もアレやコレやツッコミ所もありますが、物語の中で成立しているし、キャラの豹変も無かったので、創作物としてはアリだと思います。
こんな感じなら来年も楽しみですね!
投稿: 茶々 | 2024年12月25日 (水) 03時21分
先日の続き。
「源氏物語」は何度か実写時代劇映画、テレビ時代劇になっています(TV人形劇ではしていないかも)が、どうもどれも中途半端なところで終わるような気がします。「宇治十条」の部分までは映像作品では扱っていないと思います。
現代語訳小説や古典コミックではしっかり取りげていますが。
次にアニメとかで映像作品化するときには「完全版」として、「宇治十条」の部分まで制作していただきたいと思っています。
投稿: えびすこ | 2024年12月25日 (水) 14時26分
えびすこさん、こんばんは~
映画やドラマでは「源氏物語」というよりは「光源氏を主人公にした物語」として描かれる事が多いですね~
私個人的には、主人公から何からほぼ総入れ替えとなる宇治十帖は別の物語のような気がします。
時間や予算にも制限がある中では、別々の二つの物語を描くよりは光源氏のアレコレをくわしく描いた方がまとまると思いますが…
かく言う私も、本家サイトの方では宇治十帖だけを意訳して載せてるので何とも…(^o^+;)
投稿: 茶々 | 2024年12月26日 (木) 02時36分
茶々さん、こんばんは。
「光る君へ」、良かったですね。重厚感は微塵もなかったですが、全体的に抑えめな抑揚の中にも次週への甘酸っぱい期待感もあったり、一年があっという間に過ぎてしまった気がします。
さて、次作の「べらぼう」、これも歴代の大河ドラマに比べるとちょっとライトな雰囲気の作りになりそうですが、一人の町人の壮大な物語になるようにも感じます。ポイントは小芝風花さんですかね?
ドラマはもちろん楽しみですが、茶々さんの感想も今から楽しみにしております。
投稿: タムチのゴートン | 2025年1月 3日 (金) 18時49分
タムチのゴートンさん、こんばんは~
ホント、おもしろかったですね!
次回も楽しみです。
それほど有名では無い人物を主人公に…という事で、おそらくは江戸時代の、それもエンタメ的な部分をライトに描くんだな~と、私も個人的に推測してます。
それこそ個人的な意見ではありますが…
幕末&維新のドラマだと何かと、堅苦しく暗い印象に描かれる事がよくある江戸時代ですが、私的には、もっと明るくて町人文化が花開く中で、皆、生き生きとしてた感があるので、そのあたりに期待してます。
投稿: 茶々 | 2025年1月 4日 (土) 03時28分