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2025年10月23日 (木)

平城京BANKの高額貯蓄キャンペーン~蓄銭叙位令を発布

 

和銅四年(711年)10月23日、貨幣の流通促進を目的とした蓄銭叙位令が発布されました。

・・・・・・・・

『続日本紀』によれば…

(和銅四年冬十月甲子) 詔して曰く
(↑が和銅四年(711年)10月23日です)

「夫れ銭の用なるは
 財を通して有无を貿易する所以なり
 当今百姓なほ習俗に迷ひて
 未だ其の理を解せず

 僅かに売買すと雖も
 猶ほ銭を蓄ふる者无し

 其の多少に随ひて節級して位を授けん
 其れ従六位以下
 蓄銭一十貫以上有らん者には
 位一階を進めて叙す
 廿貫以上には二階を進めて叙す

 初位以下五貫ある毎に一階を進めて叙す
 其れ五位以上及び正六位
 十貫以上有らん者は臨時に勅を聴け…」


「そもそも銭の役割は

 それで以って品物と交換するための物
 けど未だ古い習慣にとらわれて
 その事、理解してない人多いねん

 チョコチョコ使う人も出て来てんねんけど
 まだまだ貯金してる人は少ない。。。

 (せやから)
 その貯金額の多さによって官位あげたろ~思て
 従六位以下の者は
 10貫以上預金したら一階級upな
 20貫以上やったら二階級upになるで

 初位以下の者は5貫ごとに一階級up
 五位以上や正六位の者で
 10貫以上貯めたらそのつど決めるから…」

・‥…━━━☆

てな感じの法令・・・ごくごく簡単に言えば、よーけ貯金した人は出世させたるで~~ってな感じです。

そもそも、同じ『続日本紀』には
Wadoukaitincc この少し前の慶雲五年(708年)に、朝廷に自然銅が献上された事を喜んだ元明天皇(げんめいてんのう=第43代)が、
元号を和銅に改元して和同開珎(わどうかいちん)の鋳造に取り掛かった(5月24日の後半部分参照>>)…と記されています。

ご存知のように、今ではこの和同開珎よりも先に無文銀銭(むもんぎんせん)富本銭(ふほんせん)が鋳造されていた事が知られていますが、今のところ、この2種類の貨幣は実際に流通した形跡が無い事から、やはり和同開珎が実際に流通した最古の貨幣であろうと考えられています。

なんせ、皆様ご存知のように、和銅三年(710年)は「ナント(=710)大きな平城京」ですからね。

一独立国家として、中国のような堅固な律令国家体制を整え、政治的&文化的に一流の国家を目指そうとする一大プロジェクトが広大な都城の建設であり、それに伴う国の様々な制度・・・

貨幣の普及と流通は、そのプロジェクトには欠かせないわけですから。。。

ところが…
今回の法令発布の文面の最初の方にあるように、和同開珎の発行から1年半ほど経ったこの時点でも、
政府から見れば
「ぜんぜん流通してへんやん!」
って事だったようです。

Heizyoukyouzu 当時の奈良の都では、すでに
左京八条三坊東市(ひがしのいち)
右京八条二坊西市(にしのいち)
というのが、
役人の管理のもと正午から日没まで開かれ、

米や野菜などの食品はもちろん、布帛(ふはく=反物的な)や墨筆・陶器などの日用品が各地から集まり、大変賑わっていたのだとか・・・

もちろん、ここで銅銭が使用される事もあったようなのですが…

以前に、あの大宝律令(たいほうりつりょう(8月3日参照>>)のところでご紹介したように、役人の給料自体が、土地だったり稲だったり反物だったりの物品支給だったわけで、

給料もらった官人たち自身が、一反木綿を手にいそいそと市へ出かけて商品と交換してるわけですから、一般庶民に普及するわきゃありませんがなwww

…で業を煮やした政府が、
「まずは身内の官人たちからお金を使ってもらおう」
と考えたのが、

今回の和銅四年(711年)10月23日蓄銭叙位令(ちくせんじょいれい)という法令発布です。
 ※蓄銭叙位法(ちくせんじょいほう)とも言う

「いやいや!せっかくのお金も貯蓄しとったら世間に流通せぇへんやん!」
と、思ったあなた、、、

それは「お金がお金である事」を理解している現代人だから…

つまり、この時代の方々は、官人&役人含めて、
市とは、
自分がいらない物を欲しいという人にあげて、
その人が持ってる自分が欲しい物に変える場所であって、

「お金で商品を買う」という認識がないので
「お金って何?」
「何をどうするん?」
てな感じだったわけです。

なんせ、銅銭が発行されてもう1年半ですが、まだ1年半とも言えるわけで・・・未だその「モノ」を見た事が無い人も大勢いたわけですよ。

そこで政府は、まずはお金に触れてもらう事、お金に慣れてもらう事を目標に、今回の蓄銭叙位令を発布したというわけです。

貯蓄したお金は、申請書や証明書(通帳か?)のような物を政府に提出して、政府がそれを認めるとキャンペーン参加プレゼントとして叙位が行われる。。。と、

また、そうなると絶対、官位ほしさにズルする者も現れると思われる事から、
ちゃんと政府も、

キャンペーン賞品狙いで他人からお金を借りたり、逆に貸したりするのは違法としてますし、
(カード目的でハンバーガー捨てるんも無しやゾ!)

さらに罪深い硬貨の偽造(ニセ金)については「斬」という極刑で以って対処しています。

とは言え、実際に叙位が行われた形跡はあるものの、あまりはっきりした記録がないまま、結局、延暦十九年(800年)に、この法令は廃止となります。

おそらくは、あまり効果が無かったんでしょうね~
まぁ、流通させんと貯めとるからね。。。
(預かった金を政府が使うという手もあるが)

何事も初めての時は右往左往する物ですな。

ところで新NISAって何なん?
なんか、今も同じような事やってない?(笑
 .

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奈良時代」カテゴリの記事

コメント

昔、どこかでこの法令が奈良時代にできたことを聞いた事があります。
約90年も制度として存在していたとは驚き。

貨幣が世間に流通しないと、商品の「価格」自体も存在しませんね。
平安時代になってからでしょうか?都や国府の貴族・役人の給与が貨幣で支給されるようになったのは相当後の時代なんですね。

投稿: えびすこ | 2025年10月30日 (木) 22時28分

えびすこさん、こんばんは~

たぶん
今の教科書にも出てくると思いますが…
貨幣や紙幣の価値観って、定着するまで時間がかかりそうですね

投稿: 茶々 | 2025年10月31日 (金) 02時31分

なぜ作ろうと思ったのか疑問に思ったのでググったら、

「純度の高い自然銅が見つかったから」

ってあって、

(。´・ω・)ん???

てなった。


本末転倒で草

投稿: ことかね | 2025年11月11日 (火) 01時46分

ことかねさん、こんばんは~

大喜びで改元もしてますからね。。。

投稿: 茶々 | 2025年11月11日 (火) 03時41分

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