「る」で始まる日本史の歴史人物~マジで0人説!を検証
以前、とある質問サイトで
「いろいろ調べているのですが…どなたか、『ろ』で始まる歴史人物をご存じの方いらっしゃいますか?」
と・・・
この質問に回答される方々には、世界史の歴史人物の名を挙げる方はおられましたが、日本史の歴史人物に関してはトント挙がらず・・・
「いないね~」
と困惑気味でした。
歴史好きのハシクレとしては
「いやいや、六角承禎(じょうてい・義賢)以下、六角氏の方々がおるで~」
と思いましたが、
ふと、その時に、
「『ろ』より『る』の方がヤバイんちゃうん?」
と思って、現段階で1538名が登場している我がブログの歴史人物索引(目次)>> を見返したところ・・・
案の定、『る』>>の項目にあるのはルイス・フロイスただ一人・・・
「外国人ですやん!」
しかも、「ルイス」が名前で「フロイス」が苗字なら本来は「ふ」やからね。。。
(ちなみに確かに『ろ』>>や『ぬ』>>も、非常にヤバイです(@Д@;)
で・・
「これは、本当に、『る』から始まる日本の歴史人物は、マジで0人なんじゃないか?」と思い、私なりに検証してみる事に・・・
・‥…━━━☆
とは言え、その人が歴史人物かどうかの線引きは難しい・・・
先のフロイスだって、日本史の歴史人物である事は確か・・・だけど、検証する以上は、やはり日本人の歴史人物であってほしい(←個人的なこだわりですが…)
また、有名or無名の度合いも難しい・・・
現実として今、「る」で始まる苗字の人がいらっしゃる限り、その方々のご先祖様は昔々に確実に生きていらっしゃったわけで、ご子孫の方々からみればご先祖様の事は周知の歴史・・・また、長い日本の歴史ですから、地域限定の有名な歴史人物もいるわけで・・・
先の六角氏だって、
近江(おうみ=滋賀県)の覇者なので、近畿に住む私はたまたま知ってるけど、関東以北にお住まいなら、たまたま知らない方も多いかも知れません。
そんな私も、未だ知らない歴史人物は山ほどいるわけで・・・
かと言って「歴史にまったく興味が無い人」や「老若男女の誰もが」知ってる歴史的有名人となると織田信長(おだのぶなが)・豊臣秀吉(とよとみひでよし)・徳川家康(とくがわいえやす)の戦国三英傑と・・・あとは聖徳太子(しょうとくたいし)?坂本龍馬(さかもとりょうま)?とか・・・かなり限定されてしまう可能性も無きにしも非ず???・・・
で、色々と思案した結果・・・
やはり「歴史人物」という限りは、
『物語』や『史料』&『逸話集』的な物に登場する方、
あるいは現在の『人物辞典』等で引けば出て来る方、
あるいは、大河等の時代劇で有名な役者さんが演じた方、
みたいな(独断的ではありますが)「条件」を設けて調べてみる事にしました。
まずは、いつも参考にさせていただいている自分の手元にある『日本逸話大事典』(人物往来社)・・・
なんと、2万人の歴史逸話を収録している(帯に書いてある…数えた事無いけど)この事典でも、人物索引の『る』の項目に載ってるのは呂宋助左衛門(るそんすけざえもん)ただ一人・・・
確かに、このブログには、堺の町を旅した時に「その邸宅に行った」(2010年5月21日参照>>)程度の事しか書いてないのでブログの人物索引には入れて無いですが、けっこう有名な歴史人物である事は確か・・・大河の主役にもなってますしね。
ただし、これはOKなのか?
だって、呂宋助左衛門の本名は納屋助左衛門(なやすけざえもん)で、フィリピンのルソン島で大儲けして豪商と呼ばれるようになった事からルソン助左衛門なわけで、通称というか~言わばニックネームのような物?しかも、その出どころは外国の地名・・・
もちろん、この通称自体が有名というか本名より知れ渡ってる感じなので、これでOKっちゃぁOKなのですが、できれば、本名で「る」から始まる方、あるいは通称でも、その由来が日本にある方を見つけたい・・・
と、色々考えを巡らせているうちに、ここらあたりでハタと気づきました~てか、思い出した~(A;´・ω・)アセアセ
実は、我がブログに、すでに・・・
人物索引には入れてないものの、記事の中に登場している方がいるんです!
関ヶ原と同時進行で起こった長谷堂の戦いで、上杉景勝(うえすぎかげかつ)配下の直江兼続(なおえかねつぐ)に攻められて苦戦中の長谷堂城(はせどうじょう=山形県山形市長谷堂)を救うべく、最上義光(もがみよしあき)が伊達政宗(だてまさむね)に援軍を要請した時に、その命を受けて駆けつけたのが留守政景(るすまさかげ)(9月16日参照>>)。
いてました~「る」ではじまる人物!
念のため、手持ちの『戦国人名事典』(人物往来社)を見てみると、上記の政景さんのほかにも、留守顕宗(るすあきむね)・留守景宗(るすかげむね)・留守郡宗(るすくにむね)の留守一族が登場します。
この全員が伊達家の一門で配下・・・こんだけ伊達家とはただならぬご縁なのですから、本来、伊達政宗のファンの皆様にとっては、知ってて当たり前だし、即座に名前の挙がる人物だったんですね~(゚ー゚; マジで失礼しました
って事は大河にも???
と確認してみたところ、昭和六十二年(1987年)の「独眼竜政宗(どくがんりゅうまさむね)」(主演は渡辺謙さん)で、長塚京三(ながつかきょうぞう)さんが演じておられる・・・これは、もう、立派に有名歴史人物ですがな!
・・・て事で、今回は~
「説、立証ならず~~~」でありました。
(歴史好きとしては「ならず」の方がウレシイ( ̄ー ̄)ニヤリ)
ちなみに、その留守政景さんがお亡くなりになったのが慶長十二年(1607年)2月3日・・・そう、本日は没後412年めのご命日という事で、実は、今回は「今日は何の日?」関連のページでもあるわけです。
・‥…━━━☆
で、その留守氏のルーツを尋ねると・・・
そもそもは、藤原北家の流れを汲む鎌倉幕府の御家人=伊沢家景(いさわいえかげ)が、建久元年(1190年)に陸奥(むつ=青森県・岩手県・宮城県・福島県・秋田県北東部)の留守職に任ぜられて赴任した際に「留守」と名乗ったのが始まりだとか・・・(諸説あり)
以来、多賀城(たがじょう=宮城県多賀城市)を拠点に、陸奥一帯の地頭を統括する立場を代々世襲して勢力を拡大しつつ南北朝時代を乗り切ったようですが、大永年間(1521年~1527年)の第12代=留守詮家(あきいえ)の時代に、その詮家亡き後の後継者を巡ってお家騒動が勃発し、結果的に勝利して第13代当主となる留守持家(もちいえ)が、その家督争いの過程で伊達持宗(だてもちむね)を頼った事から、その後は伊達からの介入を受ける事になります。
なんせ、この頃の持宗は、室町幕府に反発した鎌倉公方=足利持氏(あしかがもちうじ)に敵対して永享の乱(えいきょうのらん)(2月10日参照>>)でも武功を挙げてノリノリの状態でしたから・・・
結局、持家は、持宗の息子=郡宗を養子に迎えざるを得なくなり、この郡宗が第14代当主の座につき、ここからは、留守氏のバックには必ず伊達がいるという構造に・・・
以後、伊達13代の伊達尚宗(ひさむね=持宗の孫)の次男の景宗が、郡宗の娘と結婚して婿養子として16代めの留守当主に。
その息子の17代の留守顕宗を経て、永禄十年(1567年)には伊達14代の伊達晴宗(はるむね)の三男=政景を養子に迎えて留守18代の留守政景と・・・
この晴宗の次男が伊達15代の輝宗(てるむね)なので、留守政景と独眼竜政宗は叔父と甥の関係になるわけですね。
もちろん、この間にも内戦&外戦イロイロあって・・・だからこそ、何度も伊達から養子に入るなんて事になってるわけですが、それらの事は、また、いずれ書かせていただくとして・・・
そんな中、この政景の代にあった、例の伊達政宗の小田原参陣大遅刻の一件(6月5日参照>>)で、留守氏の本領を秀吉に没収されてしまったため、ここからは伊達一門&伊達政宗の家臣という扱いになり、さらに文禄元年(1593年)には伊達姓を拝領・・・
その後、この政景の長男である宗利(むねとし)が、寛永八年(1631年)に水沢城(みずさわじょう=岩手県奥州市水沢)主となった事から、この家系は水沢伊達氏と呼ばれる事に・・・つまり宗利さんは、留守宗利というよりは伊達宗利。
こうして江戸時代を通じて、元留守様は伊達と名乗っておられたようですが、明治の世になってから、ご子孫の方が「留守」に複姓され、今では再び留守の苗字に戻っておられるとの事・・・
ちなみに、大人気のお笑い=サンドウィッチマンの伊達ちゃんは、伊達から婿養子に入った留守16代の景宗の三男=宗安(むねやす)のご子孫で、コチラは江戸を通じて大條(おおえだ)と名乗っておられたのを、明治の世になって「伊達」に戻されたようです。
長き江戸時代を経て、新しい世となり、伊達からもともとの留守に複姓された方、逆に伊達に戻された方・・・どちらの方々も、それぞれが持ち続けておられたご先祖様への篤い思いと誇りを感じますね。
・‥…━━━☆
て事で、とりあえずは「説、立証ならず」となりましたが、おそらく、他にも「る」のつく方はおられるはず・・・これからも、どんどん発掘するゾ~~
「ぬ」も「ろ」も頑張ろう!
あと、「ね」>>と「へ」>>もね~~
*ちなみに、伊達政宗の頃は「伊達」を「いだて」と発音してた(ローマ教皇に宛た手紙に「Idate Masamune」の署名がある→クリックで大きく)ので「留守」さんも「るす」と発音してない可能性もゼロではありませんが、今回は、そこンとこは棚の上でお願いします(人><。)
*ちなみのちなみに、我がブログの歴史人物索引『る』>>の項目のところには即座に留守様を追加させていただいときますψ(`∇´)ψ
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