ウソにまつわる小野小町の伝説~小町冊子洗・戻橋神水
4月1日は、ご存知…エイプリルフール(4月バカ)という事で、その由来については以前の4月1日のページ>>かwikiでも見ていただくwwとして、
今回はウソにまつわる…しかも4月の出来事とされる伝説を一つ・・・
・‥…━━━☆
時は仁明天皇(にんみょうてんのう=第54代)の頃・・・
嘉祥二年(849年)卯月(うづき=4月)に行われる歌合(うたあわせ)について、何やら悩んでいる人がおりました。
歌合とは…
平安時代頃に始まった貴族の遊びで、一堂に会した歌詠み人が左右に分かれ、一定のお題で双方から出した歌を順次1番ごとに優劣を競うもの・・・ただし、一見お遊びに見えて歌人の力量をも精査する真剣な場でもあったとか。。。
今で言えば、
紅白歌合戦で審査員&観覧者がメチャまじめに審査して、野鳥の会が必死のパッチで数を数え、勝ったらM-1のように喜ぶ感じでしょうか?…ちがうかww
とにかく…この大会に出場する事になった近江(おうみ=滋賀県)に住む
大友黒主 (おおとものくろぬし=大伴黒主)なる歌人。。。
今回の対戦相手が、
あの小野小町(おののこまち)(3月18日参照>>)と聞いて、少々落ち込んでいるところ・・・
有名な小野小町・・・もちろん彼も有名な大歌人ではあるのですが…いや、大歌人だからこそ、絶対に負けてはならぬプレーッシャーみたいな物を感じてしまっていたのです。
(確かにM-1に2回くらい優勝してから、次の挑戦で3回戦予選落ちとかなったらメチャ嫌やもんな←なぜM-1で例えるww)
「天下の美女で、そんな彼女か歌詠んだだけで、どんな歌でも審査員は小町に投票するのに、そもそもその歌もウマイんやから、絶対、俺負けるやん」
と黒主。。。
♪色も香も なつかしきかな 蛙鳴く
井手のわたりの 山吹の花 ♪ by KOMACHI♥
ここんとこ、胡蝶のように舞いながら色気たっぷりに歌う小町を思い描きながらも…
「いやいや~何デレ~っとしとんねん!俺かてメッチャえぇ歌詠むっちゅーねん」
と自問自答しながら、あれやこれやと考え込む黒主さん。。。
何が何でも勝たねばならぬ黒主は、ハタと思いついたように、一人の奉公人を呼び出します。
「確か、お前、小町殿に仕える女房に知り合いおる…って言うてたよな?」
「はい、今も連絡取ってまっせ」
「ちょうどえぇ!最近の小町ちゃんは、どんな歌詠んでるか?
ちょっと新作を探って来てもらえんやろか?
もちろん俺が知りたがってるっちゅー事はナイショな」
果たしてその翌日、奉公人は小町の新作とされる一首の歌を携えて帰って参りました。
早速、黒主は、かねて用意しておいた古写本の『万葉集』の余白部分に、筆跡を似せて歌を書き足し、その写本を持っていそいそと歌合に出るため都へ向かいます。
しずしずと歌合が始まり、やがて黒主&小町の順番に。。。
♪まかなくに なにをたねとて 浮草の
波のうねうね おひしげるらん ♪
と、黒主作の歌が披露されると、
「えぇΣ(・ω・ノ)ノ」
と驚く小町っちゃん。
「それ、ウチの歌やん!」
と言う間に、今度は小町作の歌が披露され、
♪まかなくに なにをたねとて 浮草の
波のうねうね おひしげるらん ♪
と、まったく同じ歌が会場に響くと、
さすがに審査員&観客もびっくりして、
「えっ?どゆこと?」
とザワザワします。
すると黒主、
「ハハハ…」
と笑いながら、
「いや、あまりにもえぇ歌が思いつかんかったもんで、昔に大好きやった古歌をつい引用してしまいましたわ~けど、まさか小町はんも同じ考えやとは、思いもよりませんでした~」
当然ながら納得いかない小町は
「いや、コレ、古歌やなくて、ウチが苦労して造った新作ですやん~そもそも、こんな表現の仕方、万葉集の時代にありますのん?」
と、黒主を迎え撃ちます。
「ウチは、古来より伝わる名歌は大概覚えてますねんけど、いったい、この歌は、何のどのへんに載っとった言わはるんですか?」
「ほれ、ここに…」
と、あの用意した古写本の『万葉集』を出す黒主。
黒主から手渡された『万葉集』を見た審査員は、
「確かに…ここに書いてあるわ。
こら古歌に間違いないようや」
と(審査員長は紀貫之らしいけど↑マヌケか!と小町の代わりに突っ込んどく)
承服しかねる小町は
「ちょっと、見せておくなはれ」
と、
そうやってジックリ見ると…
やはり、筆跡がちとちがう。。。
しかも墨の色もちょいとだけ薄いし…
これは黒主が後から書き足したに違いない!と踏んだ小町は、
「ちょっと確かめさせてもらいます」
たらいを用意して、そこに堀川(ほりかわ)の戻橋(もどりばし=9月28日参照>>)近くに湧く神水を入れ、そこに万葉集の冊子を静かに浸します。
もう会場は、歌とかそっちのけでたらいの中を皆が凝視。
固唾をのんで見守る中、小町が神水でゆらゆらと冊子を洗うと、
あら不思議…新しく書き入れた墨だけが浮草のように水に溶けて消えてしまったのです。
皆が
「おぉ!」
と驚いて小町の顔を見入ってるスキに、黒主はコソコソと会場を出て立ち去り、以来、彼は二度と都に来る事は無かったのだとか。。。
・‥…━━━☆
と言っても、このお話はあくまで伝説・・・実際の大友黒主さんは複数の歌集に名歌を残し、小町っちゃんとともに六歌仙(ろっかせん=『古今和歌集』に記された代表的な6人の歌人)に数えられる歌人で、こんなコスイ輩では無いと思われます。
そもそも、水で洗って一部だけ浮き出るとか無いしねww
もともとは室町時代頃に能の演目の一つとして人気を博し、その後、江戸時代には七小町(小野小町の7つの伝説)の一つとして浮世絵の題材になって、人気絵師が手掛けた事からまたもや持てはやされ、以来、物語として語られるようになった物なのです。
あくまで小野小町が主役で、黒主さんは敵役・・・お気の毒ではありますが、
美人には勝てない!
kawaiiは正義!
という事で、(おそらく)オッチャンには涙を呑んでいただきましょう。
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後漢








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