2023年2月13日 (月)

大河ドラマ「どうする家康」の3~6回の感想

 

先日、1~2回の感想を書いたので、本日は、その続きの感想を…
(前回の感想はこちら>>からどうぞ)

なぜ?
あの「麒麟がくる」の時のように、毎回の感想を書かないのか?ってww

いやいやww 毎回悩んじゃうんですよね~

歴史好きの歴史ブログとしては、どうしても、
「ここが史実と違う」
てな事を書いちゃうんですが、それを言い出すと

「歴史ガー 歴史ガー」ってウルサイ
ドラマは創作物なんだから史実と違って当たり前!
って言われちゃう(ToT)

いや、わかってますよ~そんな事。

私としては、
別に「史実と違うからダメ」と言ってるわけじゃぁないんです。

ただ、大河ドラマは
「それが史実だ」
と思っちゃう人が大勢いるドラマ枠だと思うんです。

歴史が好きだと、ドラマで見た後に
「本当はどうだったんだろう?」
「歴史としてはどう伝えられているんだろう?」
と、色々文献を調べたりするわけですが、
★現に、私も、歴史好きの第一歩は時代劇からです

けれど、世の中の大多数の人は歴史に興味が無いわけで、
歴史に興味が無い方が視聴されたら、
「家康さんってこんな人なんだ」
「戦国時代って、こんな感じなんだ」
と思っちゃうんじゃないか?と…

大河ドラマというのは、そういうドラマだと思うんです。

もちろん、
見る側が勝手にそう見ておいて文句言うな…という意見もおありでしょうが、
それこそ、NHK様が長年培ってこられた大河ドラマ枠の土壌という物が、そうさせるわけです。

私は、今回の
脚本家様の「コンフィデンスマンJP」「三丁目の夕日」も大好きです。
演出家様たちの「透明なゆりかご」「トクサツガガガ」も大好きです。

なので「どうする家康」が大河ドラマ枠でなかったら、素直に楽しんでると思います。

紫禁城みたいな清須城でも、
合戦場所が中国の大草原に見えても、
メリーゴーランドな動きのCG馬たちも、

なんかヒラヒラした衣装での立ち回り、
溺れてるとこ助けてくれた主人公に恋する、
高いとこから落ちて死ぬ~からの実は死んでない、
なんていう中国ドラマあるあるを展開されても、

中国史劇も好きな私は、むしろグイグイ喰い気味に見てただろうし、
それこそ、史実には無い「大どんでん返し」があるかも…とワクワクしてるかも知れません。
(中国時代劇はけっこう史実無視なので…)

しかし、悲しいかな、日曜8時は大河ドラマ枠。。。

おそらく、NHK様は、そんな「大河ドラマの土壌を払拭したい」と思っておられる?
ひょっとして、それが「新しい大河」のコンセプトなのかも?

てな事で、私としては今年一年は大河…ではなく、娯楽時代劇として楽しもうと考えております。

Ieysunagarebata とは言え、ここは歴史ブログ。。。

ドラマのストーリーがどうのこうのではなく、ここは押さえておきたい!というポイントを一つ二つ・・・

一つめは溝端淳平さん演じる今川氏真キャラですね~

もちろん、歴史人物の性格なんてわかりませんのでアレですが、少なくとも、あそこまで瀬名ちゃんLOVEではないと思いますww

ドラマには(今のところ)出て来てませんが、この頃の氏真さんには甲相駿三国同盟(今川と北条と武田の同盟)の時に婚姻した北条氏の姫=早川殿という正室がいます(3月3日参照>>)

上記の通り、同盟の証としての政略結婚ではありますが、これがなかなか仲睦まじく、本拠の今川館を攻撃された時にゃ、手に手を取って裸足で逃げるというラブラブ感満載で、その後、今川はもちろん北条が滅亡しても、江戸から京都に移っても、夫婦はともに行動して仲良くやってますので、おそらく瀬名ちゃんに手を出す事は無いと思われます。
(主役の敵だからと、あまりに悪人に描かれてるので擁護しときますww)

二つ目は、第6回「続・瀬名奪回作戦」で野間口徹さん演じる鵜殿長照が放った
「忍びを使うとは卑怯な」
というセリフ。。。

戦国時代で忍びを使わない武将はいたのでしょうか?
ってくらい、皆、忍びは使ってます。
(あんな黒装束の忍者丸出しや、仕事人みたいなくノ一はいませんが…)

しかも、今回は「敵の生け捕り」という卑怯にはほど遠い作戦のように思います。

そもそも城攻めの常とう手段として使われた作戦が、
「水の手を断つ」事。。。

これに、よく忍び的な人(単に雇われてるだけの場合もあるので)を雇い、
まずは、城に忍び込んでもらって
「井戸に毒をまく」
というのが、よくある作戦…いや、毒なんて(高価な物)もったいない。

井戸に動物の死骸をほぉり込んだら、もう、それだけで水は飲めませんから、
まず、最初にソレやります。

個人的には、こっちの方が、よっぽど卑怯なんじゃないか?と思いますが、
これが、戦国の常とう手段ですからね。

とにもかくにも、
あの黒ずくめで「影の軍団」のような、いかにも忍者らしいハットリくんが出て来た第5回の、ドラマの後の「紀行潤礼」のコーナーで、
「現在のような忍者のイメージが造られたのは江戸時代」
ってナレーションで言っちゃう時点で、

「あぁ、コレは、解ってやってはるんやな」
という事を理解しましたので、今年の「どうする家康」はエンターテイメントとして楽しませていただこうと思っています。

★このブログでの「瀬名奪回作戦」は
【今川から妻子を取り戻せ!~徳川家康と鵜殿長照の上ノ郷城の戦い】のページ>>でどうぞ
 .

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2023年1月20日 (金)

大河ドラマ「どうする家康」の1・2回の感想

 

「どうする家康」第1回第2回を視聴させたいただきましたが、、、
どうする?感想(;_; )オロオロ ( ;_;) アセアセ💦

一応、歴史ブログなので、歴史好きから見たストーリーの感想を書かなきゃ!と思うのだけど、
映像のインパクトが強すぎて、1度見ただけでは内容が入って来ないww

とにもかくにも、第一印象は、映像全体が中国ドラマ(史劇・時代劇)みたいでしたね~

背景やら馬やらがCGなので、そのように思うのかも知れませんが、なんかバックの風景が外国っぽくて中国の大草原で戦ってるみたいな?

合戦シーンは、まるで中国ドラマの
「琅琊榜(ろうやぼう)か?
「九州縹緲録(きゅうしゅうひょうびょうろく)か?
(ちなみに私は中国時代劇も好きなので批判してるわけではありません)

そう言えば、九州縹緲録の主人公の皇子も、はじめヘタレ(途中で覚醒します)で、彼を助けて奮い立たせ親友となる武人は槍の名手やったww
(しかも槍の名手=姫野を演じた陳若軒さんは山田裕貴クンに雰囲気が似てるかもww←個人の感想です)

初回の最後にテルマエ信玄が瞑想してる崖から見える景色は、まるで「桃花シリーズ(中国古代神話がベース)に出て来る天界か神仙界の風景みたいやったし…

ま、昨年HITした「るろ剣」の実写版映画も、格闘シーンなどがワイヤーアクションバリバリの中国ドラマっぽい殺陣になってたので、そういう演出が今のハヤリなのかも知れません。

これは、
「ひょっとして服部半蔵が、屋根から屋根へワイヤーアクションで飛びまくるかも知れん」
と、逆に期待。。。

ドラマの演出も、時代とともにハヤリの手法が採用されるのは当たり前の話で、やがては、それが主流になる時が来るかも知れませんしね。

現に、1回目見た時には、あのメリーゴーランドのように同じ動きをするCG乗馬シーンに、思わず
「これで、えぇん?」
と突っ込んでしまいましたが、2回目は、ちょっと見慣れてきましたww

聞くところによると、あのCG馬たちは、動物を酷使する乗馬や合戦シーンは
「動物愛護の観点からも不適切ではないか?」
との考えによる新しい試みだそうで、

そんな新しい試みは、1~2回だけ見て判断できる物ではありませんし、ひょっとしたら1年間見終えた後でも…
なんなら5年10年経った後に、
「あの時にアレやったのは斬新だったねぇ」
との評価を受けるかもわかりませんから、今、この時点での評価は時期尚早という物でしょう。

ただ、一方で、一大河ファンとして
「これは…どえらいパンドラの箱を開けてしまったのでは?」
との思いもあります。

動物愛護もそうですが、大規模な合戦シーンを撮影できる場所が少なくなっている事も確か・・・

先日は、同じNHK様の「100カメ」という番組で、「鎌倉殿の13人」の富士の裾野での巻狩りシーンの撮影の、スタッフ様の奮闘ぶりを拝見させていただきましたが、

100人に及ぶエキストラさんが、衣装に着替え、メイクをやって準備万端整えても、
「雨が降ったら撮影中止」
「風が吹いたらセットがぶっ飛ぶ」
「イノシシの別撮りに1日がかり」
等、かなり苦労されているのを目の当りにし、大変な思いをされながらお仕事に挑んでおられる事に感銘を受けました

この先、合戦シーンを撮影できるくらい広く、現代物が見切れないような場所も、どんどん減っていくだろうし…そんな中で将来の事を見据えたら、CG採用も致し方ないところです。

ただ…なら、
動物愛護から馬や動物はCG,
場所と天候に左右されないから背景はCG(←今ココ)
伝統技法を受け継ぐ職人が少ないので建具や衣装はCG、
格闘シーンは危険を伴うのでモーションキャプチャーで対応、
って事になると、これからのドラマはどうなってしまうのだろう?
と考え出したら、頭の中でアホな妄想がどんどん加速するww

とは言え、それこそ新しい試みは大切です。
何でも挑戦してみない事にはお話になりませんから、試してみる価値はあるでしょう。

そんな新しい試みと言えば、巷では
「軽すぎる」
なんて事も言われている今回の松潤家康さん・・・

私としては、題名が「どうする家康」だと聞いた時点で、すぐさま、あの三方ヶ原の脱糞シーン(参照>>)が思い浮かび、
「おそらくは、敵に囲まれ窮地に立った家康さんが右往左往するんだろうな~」
と予想していたので、壮絶ヘタレな松潤家康が、どんなけアタフタしても、
「そんなヘタレが、やがて天下統一する武者に変貌するさまを描いて下さるんだろうなぁ」
という期待しか浮かんできません。

おそらくは本物の虎を見た事が無いであろう松嶋於大の方「ガオーッ」とやろうが、

相撲の「可愛がり」よろしく、きつく当たりながら成長を期待するツンデレ岡田信長が、
「待ってろよ!俺の白兎」
と言いながら、顔見せただけで撤退するブロマンス(もしくはBL)満載な感じも、

それはそれで、歴史に興味のない方に楽しく見てもらうためには、アリな演出だと思います。

Ieysunagarebata ただ、歴史好きとして「アレ?」って思った気になる所もチラホラ・・・

最初の第1回の段階では、松潤家康は駿府にいたわけですが、第2回の回想シーンでは
「三河から逃げようとした所を織田に奪われた」
事になってましたよね?
(父が三河におるのになぜ逃げるのかワカランが)

一般的な歴史では、家康父の松平広忠が、今川の支援を受けるために息子を今川に人質に出そうとしたのを、途中で織田が奪う(参照>>)・・・
(注:「最初から織田へ人質に出された」説もあります)

つまり、織田としては松平を味方につけるべく家康を奪った事になるわけで、ただ逃げようとしてるのを奪ったわけでは無い。

結局は、広忠が織田に屈する事が無いまま死んでしまい(参照>>)、その後の安祥城の戦いで、信長の兄を生け捕りにした今川方の太原雪斎によって信長兄⇔家康の人質交換という形で、家康は今川の人質に収まる(参照>>)わけですが、

ドラマでは、上記の通り
「今川への人質」ではなく、
「三河からの脱出」になってる事で、
そこのところ(織田→今川に行くくだり)はどう描かれるのか?
興味津々です。

興味津々と言えば、第2回の角田昌久大樹寺を囲まれた時に言った
「織田からも武田からも三河を守ってみせる!」
との松潤家康の高らかな宣言。。。

これは、どの立場でおっしゃってるのか?

このあとに
「今川様は必ず蘇る」
って言ってたので、おそらく今川の立場なら、

この時はまだ甲相駿三国同盟(今川と北条と武田の同盟)(【善得寺の会盟】参照>>)が活きてるはずなので、テルマエ信玄は味方のはず・・・

この後に、信玄は三国同盟を勝手に破棄して駿河への侵攻を開始しますが、その頃には家康も今川と訣別して(【長沢の戦い】参照>>)

信長と同盟を結んで(【清須同盟】参照>>)、なんなら信玄と連携して北と西から同時に今川を攻めるわけなので、ここでもやっぱりテルマエは味方のはず・・・
(信玄は今川館>>・家康は掛川城>>

信玄と家康が敵対するようになるのは、掛川城を落とすのに手こずった家康が、

(三国同盟を信玄から勝手に破棄された)北条に助けてもろたついでに同盟結んで、北条氏直を今川の後継者にする事を決めちゃったからなのでは?(【大宮城の戦い】参照)

と思うのですが、それはそこ・・・ドラマが歴史に忠実である必要は無いので、気になる部分は、物語の中でウマくまとめて辻褄を合わせて下されば良き事

そうなれば、今回の大河によって
新しい家康像が確立されるかも知れません。

新しいドラマの形も生まれるかも知れません。

なんせ、最初の最初、なにげに
「寅年の寅の日の寅の刻生まれの家康は、生まれながらに帝王の資質を持つ」という話は、家康を神格化するための眉唾で、実は卯年生まれ

という最新の説をブッ込んで、ヘタレ家康のイメージを視聴者に与えてくださるという見事な手腕を披露されたワケですから。。。

これだから大河ファンは止められませんなwww

本年も、色々期待しながら、視聴させていただきたいと思います。

それぞれの出来事の参照ページは【徳川家康の年表】>>からどうぞm(_ _)m
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2022年12月19日 (月)

鎌倉殿の13人…最終回「報いの時」の感想

 

いやはや…

来年の主役の松潤家康『吾妻鏡』読書風景から始まった「鎌倉殿の13人」最終回。。。

今年は、多忙により、あまり感想書けませんでしたが、全般的に良かったし、最終回も良かったですね~

最後は、ナレーターの長澤まさみさんが何らかの役で思い出を語ってる感じで登場するのか?と思ってましたが、違ってましたねww

しょっぱなから、戦い方の協議でモメる中、「坂口泰時を大将に、わずが18騎」という、ここは伝えられる通りの描写でしたね「泰時の出陣」参照>>)

そんな中、密かに
(木曽川の手前で?)チャンスがあったら俺は裏切るぜ」
と言ってた山本義村・・・

本来、これは八嶋智人さん演じられた武田信義の息子の武田信光の立ち位置だと思いますが(「木曽川の戦い」参照>>)、今回、息子は出てなさそうだし、出すなら役者さんの準備もいるので、これはこれでOK

放送時間の関係上、「美濃の戦い」>>がカットされて戦いは「瀬田&宇治」>>に行って、負けそうになった後鳥羽松也さんが、
「ぜ~んぶ、配下のヤツのせい…朕は担がれただけ~」
って、事にしちゃいましたが、

これは、以前その「瀬田&宇治」>>のページで書かせていただいたように、そういう事にしないと収まりませんものね~

「島流しなんで嫌じゃぁ」
という後鳥羽松也さん>>のもとへ、とっくに死んだはず(幽霊?)文覚>>が久々登場するのも、嫌さが伝わって来ますね~

…にしても、
「毒盛った?」
からの
「バレちゃった」
の、小栗義時菊池のえさんの二人芝居がコワイったりゃありゃしない。。。

小耳に挟んだ話によると、この時代には、まだ即効性の毒はなかったようですので、毎日々々飲んでもらってジワジワ…というのは、アリかも、、、

謎が多い中で、「奥さんの毒殺」という『名月記』のくだり「北条義時の最期」参照>>)に、ドラマ上はなったわけですが、

とにかく三谷氏は、新説や異説を取り入れて本筋に融合させて描くのがお好きだし、とてもお上手・・・今回も見事でしたね。

秋元巴御前横田義盛さんとくっつくのもナイスです「朝比奈義秀」参照>>)

小池政子さんが、孤児たちに親切にしていたのも、坂口泰時御成敗式目>>や、後の「いざ鎌倉」北条時頼>>のやり方に通じるとこがあるし…

大泉頼朝の死後、逝った人が13人という・・・これが「鎌倉殿の13人」というところに結び付けたのもお見事。。。
(私は佐藤上総介も忘れてはいない!キリッ)

個人的には、梶原善児さんや山本トウさん、また大竹歩き巫女さんのような架空の人物が、万能過ぎで無かった事も良かったです。

どこの誰とは言いませんが、架空の人物が難しい人脈を簡単につないだり、厄介な出来事を造作なく片付けちゃったりする時がチョイチョイあるので(笑

ちなみに、小栗義時が最後まで気にしていた仲恭天皇>>は、悲しい運命ながらも、もう10年ほど生きられます。

 

そして最期は
「ご苦労様…」

ホント良い終わり方でした。

一年間、楽しませていただき、
 ありがとうございましたm(_ _)m

それぞれの出来事のくわしくは
 「鎌倉時代の年表」>>からどうぞ
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2022年1月31日 (月)

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第4回の感想

いやぁ~オモシロイですね~

私的には、こういう感じ好きです。

新垣さん演じる八重姫に関しては、子供を殺され、頼朝と引き離された後には入水自殺した…なんて話もあって、これまで悲劇的な描き方しかされて来なかったので、新垣さんがキャスティングされた当初は、
「ガッキーかわいそう」
「ガッキーが不幸になるとこ見たくない」
なんて意見がSNS等で見られ、

いったいどんな風になるのだろう?
と思っていましたが、いやはや、強い強い!

不幸一辺倒ではない、強い意志を持った女性に描かれたところは、お見事ですね~

…にしても、

西田法皇様の「ステキな金縛り」風や、
宮沢りく様の「くじは、全部17日にしておいたわ」
のコーナーは、物語の遊びとして棚の上に置くとして、

「300は集まる」
と言っていた兵が、わずか18人しか集まっておらず、

しかも、老人のお茶飲み場のようになってる光景を見て、あきれて発した大泉佐殿の、
「ちょっと…いいかな」
は完全に、大泉頼朝ではなく、大泉洋さんでしたね(笑)

さらに、その後も、
「田舎者に頭下げられるか!」
からの、
「ここだけの話、ワシが1番信じているのはそなた!」
と、助太刀に来た坂東武者たちへの涙流さんばかりの接待ぶり…

まるでコントのような流れでしたが、
実は、コレは『吾妻鏡』に登場する、一応史実とされている事…

もちろん『吾妻鏡』も北条氏の公式文書とは言え、すべては鵜呑みにできませんが、もともと史料が少ない、ここらあたり…『吾妻鏡』の内容を描くのはアリです。

なんせ、(ちょっとネタバレなりますが…)
この後、石橋山の戦いで敗れ、もはや数人の護衛だけ連れて敗走する頼朝が、挙兵した伊豆から、舟で海を渡って房総半島へ行き、そこから東京湾づたいに進んで鎌倉に入るまで、行く道筋で徐々に仲間を増やしていく時など、

ある人には、今回のような、涙ながらのお礼を言って感激したのに、
ある人には、
「真っ先に来てくれるかと思てたのに、えらい遅かったの~」
と高飛車に出てみたり、

実際の頼朝さんも、相手によって、その態度を変えてるように見受けられる部分もあるので(あくまで私見です)

頼朝本人の資質なのか、北条家のアドバイスなのかはともかく、
そこらへんの駆け引きがウマかった事は確かだと思います。

おふざけのように見えるこの流れですが、実際にも、こんな感じだったんじゃないか?と個人的には思っています。

たとえば戦国時代だって、あの大坂の陣の時なんか、

徳川家康との婚礼の日取りが決まっていた淀殿が、大野治長と高野山に逃げてドタキャンしたとか(参照>>)

冬の陣で博労淵を奇襲されたのは、そこを守るはずだった薄田隼人が、前夜に遊郭で遊び惚けて戻って来なかったからとか(参照>>)

その薄田隼人と後藤又兵衛が夏の陣の道明寺誉田の戦いで討死したのは、前日に「夜明け前に3人で道明寺で敵を迎え撃とう」と、彼らと約束していた真田幸村(信繁)が寝坊して遅刻したためとか(参照>>)

(もちろん、これも絶対正しいとは言えないものの…)
「ウソやろ!」
というような逸話が残ってたりするものです。

私は、こういう人間味あふれる逸話が大好物なのですが、武将のカッコ良さを描く時代劇では、そんな場面は出てきませんからね~
(ちなみに幕末の王政復古の大号令での岩倉具視のあたふた感(参照>>)も好きですww)

なので、今回の頼朝軍のドタバタ感や、
大泉頼朝の二股膏薬的なシーンは、本当に良かったと思います。

これからも楽しみです。

★ブログでの関連ページ
 ●【頼朝挙兵】>>
 ●【石橋山の戦い】>>
 ●【衣笠城の戦い】>>
 ●【頼朝に味方した葛西清重】>>
一連の流れは
 【平清盛と平家物語の年表】でどうぞ>>

「鎌倉殿の13人」第1回の感想はコチラ>>
 .

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2022年1月11日 (火)

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の感想です

 

2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、始まりましたね~

2012年の「平清盛」以来、久々の源平合戦で、初回からオモシロかったです。

冒頭、小栗義時が、真っ赤な着物の「姫」を後ろに、馬で逃走するシーン・・・

てっきり新垣八重姫を乗せて逃げてるのかと思いきや、女装した大泉佐殿だったとはwww

思わず笑っちゃいましたね。。。

とは言え、案の定、こういうところが、往年の重厚な大河をお好みの皆さまからは、
「コントのようだ」
「セリフが軽すぎる」
と、酷評のようですが、

私…個人的には、現代的なセリフはアリだと思っている派です。

そもそも重厚な時代劇であっても、当時の言葉では無いわけで、実際に、セリフを本物に近づけたなら、見てる側は字幕スーパー無しでは、何を言ってるか?さっぱりわからないと思います。

それに、(ドラマでやるかやらないか知りませんが)
この後、都へ上って来る木曽義仲なんかは、猫間中納言(藤原光隆)から、
「方言キツ過ぎて、何言うてるかワカラン」
なんて悪口言われてますが、そんな出身地の違いなんかも、現代風の言葉でやっていただいた方が、視聴者にはわかりやすい。

一部では、大泉佐殿に色目使いまくりの小池政子を見た妹の宮澤実衣さんがおっしゃった
「ぞっこん」
と言うセリフに「あきれた」と感じていらっしゃる方もおいでのようですが、

この「ぞっこん」という単語は、確か、戦国時代くらいの文献には出て来てたはずなので、個人的には気になりませんでした。

意外に、現代的な言葉だと思っていた言葉が、昔から使われている事も多いんですよね~

たとえば、親友という意味の「マブダチ」「マブ」なんて、平安時代からある言葉ですからね~

ま、さすがに坂東時政父ちゃんの「首チョンパ」は、ツッコミましたが・・・

アレは、茶々若き頃の文房具のオマケについてたドリフターズの人形の名称ですもんね。。。

でも、それがSNSのトレンドワードに載っちゃたりするわけですので、作り手としては「してやったり」という感でしょうかwww

逆に、気になったのは、ナレーションの長澤まさみさんが、

北条時政=ほうじょうときまさ
伊東祐親=いとうすけちか
三浦義澄=みうらよしずみ
果ては、
曽義仲=きそよしなか
とおっしゃるのが、とても気になりました。

ブログでも何度か書いてますが、
(源(の)頼朝には「の」がついて足利尊氏にはつかないのはなぜ?【氏・素姓と苗字の話】参照>>
源義朝の「源」や平清盛の「平」は一族の氏素性を表す『姓』なので「の」がつく。

北条時政の北条は『苗字』で、『姓』は「平」なので「たいらのときまさ」では?
三浦さんも「平」で伊藤さんは「藤原」・・・
木曽義仲は、頼朝の従兄弟なので源義仲(みなもとのよしなか)なのに・・・

三谷さんは、あの『真田丸』小日向さん演じる豊臣秀吉「とよとみひでよし」と名乗らせて歴史好きの心をくすぐったくらいですから、よくご存じのはず・・・これは、わざとですよね?

なにか、後々、意味を成してくるのでしょうか?

ただ、大河ドラマは、あまり歴史に興味のない方も視聴するドラマ・・・苗字にも「の」をつけちゃうと、ややこしくなってしまうような気がしてしまいます。

そもそも源平合戦というのも、私自身、未熟な小学生時代は、源氏と平氏の合戦だと思い込んでました。

でも、細かく言うと、「源氏嫡流を担いだ坂東平氏に関東源氏が乗っかった連合軍」平家」の戦いなんですよね~

平家は、平氏の中でも、平清盛の一家の事で、平氏全体では無く、今回の大河で言えば、北条も平氏だし、三浦も平氏だし、後々目立ってくるであろう梶原景時も平氏で、中川大志クン演じる畠山重忠も平氏・・・

頼朝の配下は、意外に平氏だらけなわけで・・・

清和源氏の系図↓     桓武平氏の系図↓
Seiwagenzikeizu  Kanmuheisikeizu_2
↑クリックすると、さらに大きく見れます

とは言え、上記の通り、三谷氏の事ですから、わざわざ「北条の時政」「木曽の義仲」って呼ぶのには、何かの意図があるのでしょう。

あと、もう一つ気になったのは、小栗義時が、新垣八重姫に恋心を持ってる感じ、そして、それがウマく行けば叶うかのような描写があった事。

八重姫は義時にとって叔母さんですよね?

確かに、子供の頃は、たまに集まる親戚のお姉さんに、ちょっとドキドキしたりする事ありますが、さすがに母親の妹やし・・・例え、幼い頃にドキドキしてたとしても、後々どうにかなる=結ばれるかも…の描写を、それも(ドラマ内では若い設定とは言え)小栗クンと新垣さんでは、、、ちょっと???となってしまいました。

とかなんとか言っても、初回は楽しく視聴させていただきました。

それこそ、三谷氏だからこそ、
頼朝のスケコマシぶりや、
政子さんの肝っ玉母さんぶり、
義経のルール破りっぷりも、
これまでに無い表現で鮮やかにキメていただける物と期待しております。

今は爽やか青年の小栗義時が、これから、どのようにダークに染まっていくのか?
はたまた、
これまでにない、オフホワイトな義時になるのか?

この先が、楽しみです。

★関連ページ
 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」第4回の感想
 .

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2021年2月 8日 (月)

麒麟が行っちゃったので戦国ロスになる~大河ドラマ『麒麟がくる』最終回「本能寺の変」の感想

 

本能寺の変の動機が渋滞し、アレやらコレやらがとっ散らかったままで、あと1回でどないなるんやろ?と思っていた大河ドラマ『麒麟がくる』が、

いやはや、お見事!

なかなかにスッキリする最終回「本能寺の変」でした。

主人公が明智光秀で悲しくない終わり方をするには、ベストな終わり方やったと思います。

ただ、こういう終わり方をするなら、なんで?
先週のラストは、あんな憎悪丸出しの表情で終わったのか?が気になりますけどね。

とにもかくにも、あの宴会の激怒から、
「いやいや、気にせんといてな(^o^)アレは、風間くんがどう出るか?を見てただけなんよ」
という染谷信長ツンデレ攻撃から始まった最終回・・・

いきなり降って湧いたように登場した長宗我部攻め長谷川光秀が困惑する中、
お前は鞆の浦に行って
「足利義昭を殺せ」
と信長・・・

確かに「意外な最終回になる」とは聞いていましたが、
まさかまさかの公方様暗殺とは・・・なるほど、意外でした。

ドラマでは、京都追放後もかなりの重要人物扱いされている滝藤公方様ですが、実際は、来られた方の毛利もけっこう迷惑がってて、仕方なく預かってる感じです。

前にも言いましたが、将軍は朝廷からの「将軍宣下」によって決められる物なので、朝廷が「お前クビ!」としない限り将軍様ですから、さすがに、逃げ込んで来られた以上毛利も邪険にはできないので預かってますが、もはや、そういった権力的なものは、すでに無かったように思いますので、今更、将軍を暗殺して、その罪(将軍はともかく宣下してる朝廷に歯向かう事になる)を被ろうという人も少ないと思われます。

ドラマでの公方様は、荒木村重の謀反のキッカケになったり、丹波平定の難しさの根源だったりするほどの人であり、一方で長谷川光秀に
「十兵衛一人の京都なら戻ってもイイ」
なんてラブコールしてくれてる人なので、この「暗殺して来い」が謀反の引き金になるというのもアリでしょう。

また、降って湧いた長宗我部の一件は、本能寺の謎解きの中の『四国説』(6月11日参照>>)の根拠となっている事もあって、さすがにスルーできなかった感じでしょうが、実際には信長と長宗我部の間に入っての和睦交渉を担当していたのが光秀で、その努力が叶わず面目が潰れた事によって本能寺の動機と考えられているのですが、ドラマの中では『四国説』には重きを置かれていないようなので、「私の知らないところで…」みたいな、信長の極悪ぶりを表現する題材として、あんな感じになったんでしょうね。

そんな中、染谷信長から、
(平和になったら)二人で茶でも飲んで暮らさないか」
と、熱烈プロポーズされる長谷川光秀・・・

かつての伊藤義龍がそうであったように(第19回の感想>>)
信長もまた、
茶釜隠されようが、
勝手に公方様に会いに行かれようが、
命令に背かれようが、
光秀LOVEが止まらない~

と、そこで、
メッチャ良いタイミングで、
息子と嫁=芦田たまちゃんを連れて京都に滞在してる眞島藤孝に会いに行く長谷川光秀・・・

そこで、密命であろうはずの「将軍暗殺」をちゃっかり知っちゃってる藤孝に、
「信長を諌める覚悟はおありか?」
と問ただすも、答えに詰まる藤孝は、すでに佐々木秀吉と仲良しでしたとさ。。。

そんな藤孝や秀吉どころか、玉三郎天皇様伊呂波大夫まで=って事は、つまりは津々浦々まで信長と光秀の不穏な空気が伝わってる中で、ものすンごい無防備で宿所の本能寺に入っちゃう信長さん

その一方で、光秀は、
「我が敵は本能寺にあり。その名は織田信長と申す」宣言し、いよいよドラマは本能寺の変へ・・・

と、ここで
前夜の囲碁のシーンや、その場に島井宗室がいた事がドラマで描かれたのは珍しいんじゃ?
 ●「本能寺前夜」参照>>
 ●「本能寺と堺」参照>>
こういう所が、やはり大河ですよね~

しかも、その後の本能寺への襲撃の映像も見事でしたね~。

夜が明けきれぬ前の行軍、
染谷信長の見事な泣き笑いからの
「是非もなし」
矢で応戦の次に槍、槍が折れたら刀で奮戦、からの
「わしを焼き尽くせ!」
♪敦盛♪は舞わなかったけど、染谷さんの名演技が冴えまくり、の良い死に際でした。

コロナ禍の中、よくぞ、ここまでの戦闘シーンを撮ってくださいました。。。

信忠さんが「二条御所でご最期」の伝聞だけのほぼスルーで同時攻撃したっぽいニュアンスだったのは、ちょっと悲しかったですが・・・

あと、史実としての本能寺の後、わずかの間で倒れてしまう事からも解る通り、本来、クーデターという物は起こした後が最も重要・・・もちろん、そのために事前準備や根回しなど徹底的にやっておかないといけないし、やった後にも瞬時にこなさなければならに事が山積みです。

それこそが、この本能寺の変の最も謎な部分なんですよね~

その優秀さから、織田政権での出世頭であり、最も信長に気に入られていた光秀・・・もちろん、そんな光秀が謀反を起こす、その動機も謎なんですが、優秀なはずの光秀のその後の処理の仕方も、やっぱり謎なんですよね~

なんだか、信長を殺した後の事をまったく考えて無かったように見える気がする。
【明智光秀が細川藤孝に送った書状】参照>>
ドラマでもあった通り、結局、藤孝も筒井順慶も味方しなかったわけですし・・・。
おそらく、何かしらの記録が欠落してるんだと思います。

まぁ、おかげで、あーだこーだと色々と推理の花を咲かせる事ができるんですけどね。

ところで、ドラマは・・・
結局、山崎の天王山も描かれない中、生存説ときました~~~

でも、冒頭に書いた通り、光秀主役なら、それもアリでしょう。
てか、その終わり方が1番平和ですwww

黒幕なんていない、
本能寺の変は光秀が単独で決断した事、

それは、信長のラブコールへの返事・・・

「信長様は変わられた」
と言った光秀に
「変えたのはそなたじゃ」
と言った信長に対する無理心中だったのかも知れませんね。

でも、そんな最後じゃ悲し過ぎるので、
生存説からの家康との協力で平和な世を作った?・・・って、事なのでしょう。

不肖私、今の今まで、あの天海和尚の兜の前立てが『麒麟』デザインである事をすっかり忘れておりました。

もはや、1年とちょっと前、いや、最初の一報からは2~3年前、
このドラマが『麒麟がくる』という題名に決まった時から、落としどころは光秀=天海だったのですね。
(最終回になって気づくとは不覚(ToT)なり)

もちろん、大河ドラマなので、
あくまで噂に過ぎない光秀=天海説(参照>>)を推すのではなく
「そこの所はご想像にお任せします」
では、ありますが、やはり、夢を持たせる終わり方なら、そう来なくっちゃ!ですね。

私は、前々から(その真偽はともかく)
光秀生存からの

天海になって家康助ける

光秀の娘を密かに預かって斎藤利三の嫁(光秀の妹?)が育てる
 (史実にカウントされてない子がいたはず…)

その娘は春日局

春日局が家康とデキてる

その息子が家光

なんて妄想満載のドラマもオモシロイんじゃないか?って思ってたりします。

まぁ、大河ですから、そこまでは無いにしても、含みを持たせて見ている側に「その後は想像してね」という、今回のような終わり方もアリなのではないか?と思います。

とにもかくにも、色々とやりっぱなしの感はありますが、そこはコロナのせいで思い通りの撮影ができなかったので致し方ない部分もあり、そんな中で、見事な最終回に持っていかれた製作者&スタッフの皆さま、おそらくは直前に変更されたであろうセリフであっても、それを見事に自分の物にして演じられた俳優の皆さまに、お疲れ様と感謝の意を表明します。

私共は、これにて、ほぼ1年に渡って書かせていただきました
大河ドラマ『麒麟がくる』の感想を終えさせていただきたいと思います。

とか言いながら、また何か気づいた事があったら書いちゃうかも知れませんが・・・

★関連ページ
●愛宕山の連歌会>>
●本能寺・前夜>>
本能寺の変~『信長公記』より>>
●その時、安土城では…>>

★色んな説ご紹介
●堺の商人・黒幕説>>
●豊臣秀吉・黒幕説>>
●徳川家康・黒幕説>>
●家康暗殺計画(431年目の真実)>>
●突発的な単独犯(タイムラグ)>>
●四国説>>

★本能寺の変の後関連
信長の首は静岡に?>>
●徳川家康の伊賀越え>>
●秀吉の中国大返し>>
●洞ヶ峠>>
●天王山!山崎の戦い>>
●安土城が炎上>>
●明智秀満の湖水渡り>>
●天海=明智光秀説>>

★その他の出来事は
●戦国:信長安土の年表>>
●戦国:秀吉桃山の年表>>
 からどうぞm(_ _)m
 . 

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2021年2月 1日 (月)

もはや恐怖しかない宴会が始まった大河ドラマ『麒麟がくる』第43回「闇に光る樹」の感想

 

本能寺へ向かう原因が渋滞してる大河ドラマ『麒麟がくる』第43回「闇に光る樹」の感想です。

先週、たくさんの人から背中を押されてた長谷川光秀・・・(第42回「離れゆく心」の感想>>)

その上に、染谷信長
「帝に譲位していただこう」
玉三郎天皇さまを軽視するような発言。。。

と、ここで一つ補足を、、、
「天皇さまの譲位=引退」と考えてしまうのは現代人の悪いクセで、
昔は、天皇さまは国の安寧を願っての祭祀が1番の仕事なので、それ以外の事に自由が利かない、一方で、上皇になれば積極的に政治に参加できるので、どちらかと言えば上皇であった方が権威をバンバンに使えるわけで
 【白河上皇の院政】参照>>
 【順徳天皇】参照>>(順徳天皇は直前に譲位して承久の乱に参戦してます)
なので、この、
「帝に譲位していただこう」
という発言は、そこまで極悪だとは思えないんですが・・・

それはそうと・・・
そんな中、ナレーションにて秒で終わった丹波平定に、セリフも無いまま、首を塩漬けにされちゃった波多野三兄弟。。。(【八上城攻防戦】参照>>)

そして、いつの間ににかお亡くなりになっていた(私が見落としてるのかも?)石橋三条西さまのお屋敷にて眞島藤孝本郷前久伊呂波大夫信長の悪口を言いまくる一方で、頼れるのは明智と・・・光秀ageが甚だしい中、津々浦々までバレちゃってる光秀の鞆の浦行き(滝藤公方様に面会の件)

でも、あーだこーだ言ってる暇はありません。

なんせ、これまたナレーションにて
秒で石山合戦が終了(【石山合戦・終結】参照>>)
秒で金子信盛さんが追放され(【佐久間信盛の末路】参照>>)
てしまいますので。。。スピードがF1並み

そんな時、信長が登ってる樹を切っちゃう夢を毎日見る事にお悩み中の長谷川光秀が堺東庵先生と門脇お駒ちゃんに会いに行き、川口帰蝶姫が目の調子が悪い事を聞きます。

と、ここで東庵先生から
「曲直瀬(まなせ)という医者に診てもらってる」発言が・・・

不肖私、これまで東庵先生という架空の人物は曲直瀬道三(まなせどうさん)がモデルで、その代わりに出てると思ってましたが、違うかったんですね~

ちなみに、史実としての光秀さんは、すでに何度か(天王寺合戦後とか)曲直瀬道三に診てもらってますので、この時点では知り合いですけどね(1月4日参照>>)

そんな中、お会いした帰蝶姫と昔話で盛り上がると思いきや、やっぱり信長の悪口に話題を持っていく光秀さん。。。

信長の暴走に対し
「道三様ならどうなされたでしょう?」
と聞く光秀に
「毒を盛る」
と、部屋の襖全開のまま(聞かれるよ)、高らかに宣言しちゃう帰蝶姫。

「信長様あっての私…」
と躊躇する光秀に
「今の信長様をつくったのは父上(斎藤道三)と光秀じゃ!」
「つくった者が始末するほかない」

…て、いやいや帰蝶姫もメッチャ関与してましたよ。
なんか他人事みたいに背中押しちゃって・・・

そんな中、またまた秒で、今度は武田が滅亡。。。【武田勝頼、天目山に散る】参照>>)

武田を倒した高揚感も止まぬ間に
「信長様に命じられる前に、こちらで成敗すべきと恥じるばかり」
と嫁と息子の殺害をクールに言っちゃう風間家康が、チョいとショック。。。
 【築山殿~悪女の汚名を晴らしたい!】>>
 【なぜ信康を殺さねばならなかったか?】>>
だって、このドラマでは、築山殿と信康は、本当に武田に通じてたって事になっちゃうんですもんね。

しかも、その後の風間家康との会話にて、丹波における光秀の領国経営の美しさが語られるなんて・・・できれば、そこをセリフのみではなく、ドラマとして見てみたかったので、そこもチョイとショック。。。

そんな中、家康と光秀の仲良さげな雰囲気に、嫉妬心を隠せない信長さん。

おいおい、先週今週と、散々、みんなで信長さんの悪口言いまくって本能寺の変への道を複数示してくれた中で、信長の嫉妬という痴情も絡んで来るんかいな。

もはや、本能寺の変の原因が渋滞しまくり~
な、中、いよいよ始まる恐怖の宴会

今回の家康を安土に迎えての宴会・・・よくドラマで描かれるのは、「出した魚が腐ってて(実は琵琶湖名物鮒ずし?)信長が激怒して光秀をメッタ打ち」というシーンですが、今回は「膳の順番が違う」という事でお怒りに・・・

史実としては、この宴会での信長さまは上機嫌でお怒りになる事は無く、翌日に能で以って家康らをもてなそうとした時に、演者二人のうちの一人が、ものすんごい舞がヘタくそだったのでお怒りになったようです。

それでも、一人目の上手な人がもう一度サービスで舞を舞ってくれたのでご機嫌が戻って、二人ともに褒美を与えて問題なく終えています。
(ヘタくそに褒美をやるのは腹立つな~と思ったけど、ケチやと思われるのも嫌なので二人ともに黄金を渡したらしいww)

しかし、ドラマでは、お馴染みの信長激怒からの光秀足蹴。。。
「上様に粗相をするとは!」
と、光秀に駆け寄った森蘭丸を跳ね除け、夢に見た天にも登る樹に斧をふるかのごとく空手チョップのポーズをしながら、染谷信長をにらみつける長谷川光秀さん。

アカン!アカン!
そんな怒り丸出しの表情したら10日後に謀反起こす事がバレてしまうやないですか!!
と、思わず声が出た次第です。

もはや、アレもコレも、
原因とされている事、全部ひっくるめての本能寺の変・・・て事になりそうな。。。
(なぜか「四国説」は、ここまでスルー)

私、個人的な興味としては、息子=織田信忠をスルーするのか?否か?
「信忠も京都にいるからこそ、今日、信長を討つ」
なら、数時間の時間のズレをどのように扱ってくださるのか?

最終回が最高潮となる来週が楽しみです。

★本能寺の変の原因:参照↓
 【本能寺の変~『信長公記』より】>>
 【数時間のタイム・ラグ】>>
 【秀吉・黒幕説】>>
 ●【家康・黒幕説】>>
 【家康、暗殺計画説】>>
 ●【堺の商人・黒幕説】>>
 ●【四国説】>>

★ついでにコチラも参照↓
 ●本能寺・前夜>>
 ●その時、安土城では…>>
 ●信長の首は静岡に?>>
 .

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2021年1月25日 (月)

背中押されまくりの大河ドラマ『麒麟がくる』第42回「離れゆく心」の感想

 

ドラマの中では、いっこうに丹波攻略に行かない長谷川光秀が心配な大河ドラマ『麒麟がくる』第42回「離れゆく心」の感想です。

確かに、明智光秀有岡城に籠城した荒木村重の説得に行ってますが…
(12月8日のページの真ん中あたり参照>>)

だとしても、主君にナイショ(っぽい)敵対中の毛利の庇護を受けてる滝藤公方様に会いにいっちゃうって・・・
しかも、のんびり釣をしながら、
「京へお戻りになりませんか?」
「信長様は私が説得します!(キリッ)
って、
公方様が
「信長のいる京には戻らぬ」
と断ってくれたから良かったものの、
これまた勝手に無理な約束を・・・

しかも、
これまで何度も、秀吉GPSで行動がバレっちゃってるんやから、またぞろ染谷信長様にバレちゃうんじゃないか?とハラハラしましたがな。
(どうやら、今回はGPSつけてなかったらしいww)

ところで、今回の荒木村重の寝返りの原因は
「配下を追い込んだ」
「配下への目が行き届いていない」
的な言い分で蔵之助秀吉を上から目線で責め立ててた光秀さん・・・

確か・・・
最初は味方だった八上城波多野さんは、アナタの黒井城攻撃の真っ最中に寝返ったんじゃ無かったでしたっけ?
【黒井城攻防戦】参照>>)
【八上城攻防戦】参照>>)
これも、よく似た物だと思うが…ドラマでは、なぜか絶賛合戦中のはずのそこはスルー

そんな中、反旗を納めない村重の息子から離縁されて戻って来る光秀の長女=ちゃん。。。
そんなに泣かないで!~アナタには左馬ちゃんがいるわよ~と言わんばかりに間宮左馬助のアップへ…

と、そこへ、村重の有岡城へ総攻撃をかける決意をした染谷信長が
「荒木の家中、女子供ひとり残らず殺せ!」
と、これまた、いかにも鬼畜な雰囲気でしたが、、、

確かに、村重の妻子や一族郎党が皆処刑されてます(12月16日参照>>)
これって、村重だけ逃げちゃった事が少なからず影響してませんかね?

なんせ、この後、村重は花隈城でも一戦交え(3月2日参照>>)
最終的に毛利んとこまで逃げちゃってますが、花隈城攻防での信長さんは、
「すんなり明け渡すんやったら妻子の命は助ける」
ってな、お優しきご発言をなさってますので…

そんな中、ひっそり登場の岡村菊丸さんのお誘いで、風間家康に会いに行く光秀・・・
(…て、また丹波攻めせんとステイホームしてるやん)

新説をどんどん取り込んでいくはずだった今年の大河ですが、
ここは昔ながらの家康妻=築山殿と息子=信康への信長の殺害命令・・・
【築山殿の殺害】参照>>)
【信康の自刃】参照>>)
やっぱり、信長を鬼に描くなら、この逸話は外せませんな~って感じですか?

…にしても、
毛利水軍との勝利戦に上機嫌の信長から、
ス~っと表情が変って、
「天皇は何と言ったか?」
と聞きながら激高して光秀を打つ・・・

染谷さんの、この心の動きの表現が素晴らしかった~
もちろん長谷川さんも、、、俳優さんたちの演技が見事でしたね~

ところで・・・
先週の
玉三郎天皇様の「信長が道を間違えぬよう見届けよ」
に続き、今週は、
荒木村重の(信長は)国衆がワシから離れていくのを、素知らぬ顔で見てる」
滝藤公方様の「信長のいる京には戻らぬ!そなた一人の京なら…」
風間家康の(信長が)あまりに理不尽なら己を貫く」
そして
染谷信長さん自身の光秀への叱責・・・
はたまた
門脇駒さまの「十兵衛なら麒麟を呼んで来れるかも(by公方)

さらにとどめを刺すがの如く来週の予告にて
川口帰蝶さまの「毒を盛る」

…て、どんだけ背中押すねん!

片思いの相手を目の前にした中学生が
「ほら、告って来いよ」
「今がチャンスだよ」
「大丈夫だって~」
と、仲間から背中を押され、

ハリきって告白したのに
秒でフラれた時、

ちゃんとフォローしたげてよ、、、君たち。

くれぐれも知らん顔して、秀吉のなすがまま放置するような事はやめてあげてネ!

と、皆々様のあまりの背中押しに、この先起こる本能寺の変の後の事が、オバチャン心配になって来ましたわ。

いや、もとい・・・来週も楽しみになって来ましたわ。
 .

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2021年1月18日 (月)

いよいよ、あと3回…大河ドラマ『麒麟がくる』第41回「月にのぼる者」の感想

 

月がキレイ&天皇玉さまがキレイ~
大河ドラマ『麒麟がくる』第41回「月にのぼる者」の感想です。

コロナのせいで合戦シーンが撮影できないぶん、セリフのやり取りで魅せる良い回でしたね。

丹波戦にて落城した武将たちを、免税確約で解放しちゃう、相変わらずの優しさ満載&平和好き長谷川光秀ですが、
なぜか蔵之介秀吉には相変わらずキツイなぁ。。。

まぁ、ドラマ内では敵役なので仕方ないのでしょうけど、
やっぱ、あの平蜘蛛の釜の一件は、個人的には、どうしても納得いかない。。。

「吉田久秀が光秀に釜を譲った事を秀吉がチクッて、信長様が不快に思われるよう仕組んだ
って光秀さん言ってたけど、
持ってるのに「知らない」と信長に言ったのはアナタの方で、
秀吉は主君に対して、知り得た情報を正直に話しただけですよね?

しかも、その情報を得た間諜(かんちょう=間者・スパイ)を、まるで「悪」であるかの如く・・・いやいや、戦略において間諜が最も重要な事は孫子の時代から有名>>でしょうが。。。

てか、自分もソレもどき(本人は家臣と言ってたが…)を使って秀吉がチクッた情報を得たわけでしょうが。。。

「申し上げれば不義理、申し上げねば不忠の極み」
って、おどおどしながら弁解した秀吉に
「こたびは貸しにしておく」
と、エライ上から目線で物言ってたけど、
何分か後に、まったく同じ事やってませんでした?

ソーシャルディスタンス完璧な大広間で、染谷信長に平蜘蛛の茶釜を見せながら
「知らぬと言いましたが、いたく後悔をいたしました」
「松永殿に勝った祝の品としてお納めいただければ幸い」

その後、平蜘蛛の釜という最上級の名物を持つ者は…
と、色々とごたく並べてはりましたが、
信長や、その周囲がまったく疑ってない中で、茶釜を持参したなら、その言い分も響きましょうが、

秀吉が報告→からの→信長が知ってる
事を光秀が気づいてから持って行ったのでは、ただの保身に映ってしまうのでは?

「久秀=(友人との)義理」

「信長=
(主君への)忠義」
を天秤にかけて、

「このままでは身が危ない」と信長に告白・・・したようにも、見えてしまいました。

たぶん、作り手側の方にはそういう意図はなく、私がイケズな考え方をしているだけなんでしょうが、ここは、そういうイケズな見方をゼロにするためにも、個人的には、信長以下全員が「釜は行方不明」と思っている中で、颯爽と光秀に持参していただきたかったです。

ま、最後の信長さんの「釜を売っちゃう」発言と、俳優さまたちの見事な演技&表情によって、ドキドキするようなやり取りに仕上がっていて、万事良かったですが。。。

それにしても、
玉三郎天皇さまと月の庭のシーンは美しい~

しかも、光秀が、あの坂本城にて熙子奥様とやり取りした「桂男」の話が出てきて・・・

月を見上げる天皇様、水面に映り込む月・・・

そんな中で、
「この後、信長が道を間違えぬよう、しかと見届けよ」
という、スゴイ勅命を、直々に受けちゃう光秀さん、、、

何週間前の天王寺砦>>から、信長さんが、とてつもないバカ殿になった事で、すでに本能寺への道筋は見えていましたが、ここに来て、更なるダメ押し・・・

おそらく、こうして、複数の道筋を展開しながら最終回に、向かうのでしょうね。

ところで、今回の大河・・・
滝藤公方様が京都を追われた後にも、ある程度の力を持っている事・・・

いや、ドラマの光秀のセリフだと
「公方様と戦っている」
状況である事を前面に押し出してくださるのはウレシイ・・・

以前、足利義昭さんのページ(古い記事で申し訳ないですが>>)で書かせていただいてるように、信長に京都を追われた後も、槙島1万石を領されて出家する天正十六年(1588年)まで、義昭さんは将軍としての慣例的な仕事はやってたし、

途中に秀吉が(将軍職を継ぎたいので)義昭さんの養子にして~」と頼んだ時もキッパリ断ってたわけですし、

そもそも、あの徳川家康の江戸幕府将軍>>や、13代:義輝亡き後の、14代:義栄将軍>>の時でもわかるように、征夷大将軍というものは朝廷からの「将軍宣下」によって決定するわけで、

朝廷から「お前アウト!」と言われるか、「自らが返上を願い出て朝廷に許される」とかしないと、「都を追われたから」とか「権力が無いから」で、将軍でなくなるわけではないのです。

将軍が存在する以上、幕府も存在してるはずです(実質的には影は薄いかも知らんが)

なのに、教科書等では、未だ 義昭が京都を追放>>された年=元亀四年(天正元年=1573年)に室町幕府滅亡になってる事が、個人的には引っかかっているんです。

もちろん、歴史には様々な考え方あるし、上記の通り、この年に元号が変ってる(元号は何かの節目に変わる物なので…)って事もあるので、あくまで個人的に引っかかってる事なんですが、

ただ、「元亀四年(天正元年=1573年)に室町幕府滅亡」と教科書に記載され、ドラマ等でも、京都追放後の義昭さんがほとんど描かれない事から、「ここ(1573年)で終わった」感がハンパない・・・

そんな中、今回、
「京都を追われた後も力持ってる」事をドラマにて表現してくださった事は、「元亀四年(天正元年=1573年)に室町幕府滅亡してない」派の私にとっては、ウレシイ限りです。

それにしても、
死亡フラグ立ったと思いきや、
見事にかいくぐって立ち去った岡村菊丸さん。。。
芦田たまちゃんの初々しい白無垢姿・・・
門脇駒さまがしおらしい、

また、
「弟を叱る」が→「殺す」
事になるのなら
「しかと見届けよ」が何になるのか??((;゜Д゜)ガクブル
(↑って本能寺になるんでしょうけどww)
・・・などなど

時間がない中で、クライマックスに向けての盛り上がりを感じさせた今回・・・来週も楽しみですね。

★ナレーションスルーになるであろう光秀の丹波戦
籾井城の戦い>>
福知山攻略戦>>
八上城攻防戦>>
黒井城・攻略>>
山家城の戦い>>
丹波平定の報告>>
 

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2021年1月11日 (月)

大河ドラマ『麒麟がくる』第40回「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)」の感想

吉田久秀の見事な最期久々の川口帰蝶姫登場だった大河ドラマ『麒麟がくる』第40回「松永久秀の平蜘蛛(ひらぐも)の感想です。

丹波攻略にも手間取り、戦続きで歌も詠めぬというワリには、なんか、ゆっくりした平和な雰囲気が漂う長谷川光秀宅ですが、

いつも通りの伊呂波大夫の導きとは言え、今回の長谷川光秀と吉田久秀の対面シーンは良かったですね。

狙ってた大和の地が筒井順慶の物になると知って、染谷信長裏切る事を告白する久秀に怒り心頭の光秀さま・・・

「そなたと戦うのは本意ではない」
と、思い出を語り始めて、思いっきり死亡フラグを掲げる久秀ですが、この方のこの先は有名な話なので、そこは驚かないですが、驚いたのは、命の次に大事な平蜘蛛の茶釜を、
「光秀にあげちゃう」
発言・・・

ちなみに、松永久秀の最期については、
(攻められた信貴山城にて…)
●切腹後に焼死 
●平蜘蛛を打ち砕いて焼死(10月3日参照>>)
●平蜘蛛もろとも爆死で、その身も茶釜も砕け散った(10月10日参照>>)
●その後、どんどん爆死話が派手になる…

と、複数の文書があり、後世になるほど尾ひれがついていった感がありますが、今では「爆死」は、おそらく後世の作り話とされるものの、平蜘蛛は、久秀の死の際に砕かれたであろうというのが一般的な見方となっています。

というのも、平蜘蛛は、その後は行方不明となっているからで、「誰かが持っている」とか「どこぞの寺にある」という噂はあるものの、あくまで噂の域を出ない話で、いわゆる名物とされた平蜘蛛の茶釜は、焼けた残骸のような物も確認できず「未だ見つかっていない」というのが通説となっていますので・・・

とは言え、ナレ死ではなく、見事な炎の中での最期は、吉田久秀最大の見せ場でしたね。

そんな中で、今回、ドラマでは久秀が、その平蜘蛛を、一旦、伊呂波大夫に預け
「俺が負けたら、光秀に渡せ」
てな事になった。。。

えぇ?光秀にあげちゃって良いの?
しかも、そのおかげで、染谷信長との間に決定的な亀裂が入る雰囲気に・・・
本能寺への要因の一つに架空の人物や出来事が絡んで大丈夫?

と、ちょっと不安になりましたが・・・
なるほど~コレが久秀の罠とな。。。

ここで、
「知らぬ」
と信長さまに嘘ついて平蜘蛛を渡さなかった事で、
もはや、光秀は後戻りはできない&信長の上を行くしかない状況となったわけですね。

これまで、何があっても、ずっと吉田久秀に好意的だった光秀・・・
一方、染谷信長に対しては、腑に落ちない嫌な顔ばかりしていた光秀・・・

この演出が、ここで活きて来たわけですね。

これまでには無い、創作満載のエピソードではありますが、
これはこれでオモシロイv(^o^)v

架空のつなぎ役のおかげで、この後、玉三郎天皇様の信長へのお気持ちもスンナリ聞けそうですし、本能寺への斬新な道筋が見えた気がしました。

ところで、
京都の智積院長谷川等伯の障壁画(2007年2月24日参照>>)のような美しい襖絵の中にたたずむ美しき川口帰蝶さま・・・

その帰蝶さまが、
「少々、疲れました」
「岐阜に帰る」
と、ご発言。。。

史実としては、信長が岐阜を手に入れた後の帰蝶さまの事がよくわからないため(2009年2月24日参照>>)、ドラマ等では、そのままフェードアウトされる事や亡くなった事になっているとか、あるいは逆に、本能寺までラブラブで信長とともに奮戦したりする姿が描かれる事が多かった中で、この「卒婚発言」は、なかなか斬新で良かったです。

ただ、前半あれだけ信長のサポートをしておいて…いや、なんなら、帰蝶さまが信長を影で操ってるのか?てなくらい、その作戦にまで口出してたのに?と、ちょっとは思ったけれど、
そこは、ちゃんと、ご自身で
「けしかけたの私かも知れぬ」
と、おっしゃり、信長の立場が、以前とは、あまりに変わった事で苦悩する雰囲気も出ていたので、そこは理解できましたし、このような主軸からの離れ方もアリな気がしました。

ただ、ドラマには出て来ないためか、上杉謙信の事が、名前だけの伝聞でしか出て来ないのは少々残念でしたね。

番組ホームページのトリセツでは、石川県までがハッキリと敵対関係になってる地図が掲載されていますが、ドラマでは、いまいち分かり難いでよね。

この頃の謙信は、
富山に侵攻>>し、
飛騨を手に入れ>>
七尾城を攻略>>し、
手取川の戦い>>から、
能登も平定>>しています。

この能登平定が、信貴山城への攻撃が始まる10日ほど前の事ですから、 もう少し「謙信が目の前に迫ってる感」が欲しかった気がしないでもないですが、そこは、残り時間の都合という事で、仕方ありません。

なんせ、光秀には丹波平定が控えてますから。。。
籾井城の戦い>>
福知山攻略戦>>
八上城攻防戦>>
黒井城・攻略>>
山家城の戦い>>
丹波平定の報告>>

とにもかくにも、いよいよこれからクライマックスを迎える麒麟・・・楽しみですね。
 .

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